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【スタッフコラム】Fizzy!!!!! JUICE #2
“難民映画祭”への思い●先崎 進(MTC映像翻訳ディレクター/講師)

【スタッフコラム】Fizzy!!!!! JUICE #2<br>“難民映画祭”への思い●先崎 進(MTC映像翻訳ディレクター/講師)
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一昨年、昨年とUNHCR難民映画祭(現「UNHCR WILL2LIVE ムーブメント 2020」)の翻訳チームに参加していた修了生から、“10回以上の挑戦を経てトライアルに合格できた”という知らせを受けた。不合格が続いても、諦めずに努力と挑戦を続け、目標を達成した修了生たちに、私は尊敬の念と静かな感動を覚える。

プロデビューを目指す修了生は、参加するチャンスが巡ってきたら、どんな映画祭でもいいから、ぜひ一度は参加してほしい(ただし、作品数にも限りがあるのですべての人が誰でも参加できるというわけではない、という点は理解してもらいたい)。“難民映画祭” は、翻訳者としてもディレクターとしても、私に映像翻訳の厳しさとすばらしさを教えてくれた。サンプル訳やポイント解説など、あらかじめ誰かが用意した答えを確認できる、講義やトライアルとは明らかに置かれる状況が異なるからだ。

私が最も印象に残っている作品の一つが『ソニータ』だ。何十回とスクリプトと映像を見てもどうしてもいい訳文が思い浮かばないことがあった。最終納品の前夜になっても、まだ納得のいく訳文にならない。その状況はまさに“追い詰められる”という言葉がピッタリだ。“原文の意味がよく分からない”“どう処理していいか分からない”という壁に翻訳者は常に突き当たる。だが、それこそが翻訳者の真価が問われる“試練=トライアル”だ。

字幕にはたくさんのルールやテクニックはあるものの、翻訳の良し悪しを最終的に決めるのは“伝えたいという思い”(ハート)だと私は信じて疑わない。どうしてもうまく訳せない時は、登場人物の表情や視線を見ながら、息づかいや気持ちを自分の中で重ね合わせて言葉にする。翻訳とは“作品を見る人に届けること”だ。自分でも分からないまま原稿を出してはいけない。

私は映画祭を通じて、日本最高峰とも言えるすばらしい翻訳者さんたちに出会えた。奢りでも誇張でもなく、翻訳者たちが持てる力・知識をすべて注ぎ込み、その時自分にできる最高の字幕にして送り出している。ぜひ、ご家族や友人とも一緒に作品を楽しんでもらいたい。最後に、日々、思いのたくさん詰まった原稿を届けてくれる翻訳者さんたちに、この場を借りて感謝を伝えたい。
※今年の“難民映画祭”は初のオンラインで開催。『ソニータ』をはじめ、過去の上映作品6本をインターネット上で観ることができます。
▶ UNHCR WILL2LIVE ムーブメント 2020

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Written by 先崎 進

せんざき・すすむ●メディア・トランスレーション・センター(MTC)ディレクター。主にドキュメンタリー案件の受発注を担当する。主な映画作品は『ソニータ』『アレッポ 最後の男たち』など。
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「Fizzy!!!!! JUICE」は月に1回、SNSで発信される、“言葉のプロ”を目指す人のための読み物。JVTAスタッフによる、示唆に富んだ内容が魅力です。一つひとつの泡は小さいけど、たくさん集まったらパンチの効いた飲み物に。Fizzy! なJUICEを召し上がれ!
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