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Tipping Point Returns Vol.23  ■新しい「営業」の時代を楽しもう

Tipping Point Returns Vol.23  ■新しい「営業」の時代を楽しもう
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「営業」の時代が到来した――。
あの手この手で接待に奔走し、売上表を眺めては一喜一憂する企業戦士…。そんなイメージの「営業」がビジネス社会で大事な役割を担っているのは確かだ。しかし、ここで話したいのは、それとは違う、新しい時代の「仕事のとり方」のこと。特にフリーランスやフリーランスを目指す人には知ってほしい。
 

「営業とは、自分が評価されるために何かをすること」
 

これが、私が新たに据えている定義だ。コロナ禍を経て確信に至り、今年からは「フリーランサーの働き方」を教える授業でも話している。当たり前の定義のように見えるかもしれないが、実はそうではない。
 

まず、「何かをすること」って、ざっくりとし過ぎていないか。いや、これでいい。映像翻訳者の例で話そう。「こんな仕事を請け負った」、「こんな勉強をして新たな知識を身につけた」などはもちろん含まれる。でもこれからは、それだけでは足りない。
 

本、映画、ドラマ、セミナーからあなたは何を学んだのか、何を感じ取ったのか? 
旅先で何を発見したのか?
何に愛情を注ぎ、何を大切にしているのか?
本業のほかに表現していることは何か?
世界、地域社会、ビジネス社会、家族などについてどんな価値観をもっているのか?
自分と社会が持続するために何を心がけ、何をしているのか?
 

「何かをすること」とはこれらすべてを指す。新たな時代の「営業」とはそういうものだと私は信じている。「営業」の目的をすり替える気はない。営業の成果は仕事を受注して対価を得ることに決まっている。言葉としては好きではないが「稼ぐための活動」である。
 

「読書」を例に挙げよう。あなたが素晴らしい本に出会い、それによって新たな技能や価値観を得たとする。あなた自身はそれが自分の仕事力を向上させたと確信している。しかし、従来型の営業にそれを活かすのは難しい。履歴・職歴などを記した定型のレジュメに示せるのはせいぜい「趣味/読書」。追記できてもジャンルくらいだろう。「志望動機」の欄があっても、一冊の本との出会いと思いの深さを書き上げられるほど、文字数は取れない。
 

直接話すという手はある。しかし、初対面の相手や仕事を依頼されたい相手に対面して好きな本についてたっぷり語れる時間などほぼない。腕の立つ営業職に就く人が身近にいたらきっとこう言うはずだ。「顧客に好きな本について語るなんて、何度通ってもそこまでいくのは稀」。
 

でも、「新しい営業」はそれを可能にする。SNSやブログで、丁寧に、しっかりと語ればよいのだ。
 

背景には、デジタル化による社会のドラスティックな変化がある。昭和や平成を知る私が一番驚いたのは「赤の他人が書いたり映したりしたもの(コンテンツ)を積極的に見に行く、取りに行くという行為が世界中で定着したこと」。時間消費という観点で見れば、睡眠や就業(学習)に次いで3番目だという人はもはや珍しくない。ビジネス社会では、気になる会社があればホームぺージを読み込むのは常識だし、社長のブログがリンクされていれば(されていなくても)目を通すのが常識だ。会社と個人、個人と個人の関係でも同じことが言える。
 

つまり「他者が作成したデジタル・コンテンツを評価し、つながりを持つか持たないかを日常的かつ能動的に判断する習慣」が生まれたのだ。これが現代人、特に若い世代のナイーブ(純粋)さや繊細さを過剰に刺激して様々な問題が生まれているという側面もある。だが、そのあたりは社会学者や心理学者の研究を待とう。

話を営業に戻す。仕事を得る、継続するためには「(高く)評価されること」が不可欠だ。評価を得るための「何か」、あなたの切り札や隠し玉、武器までも含めて、それらの優位性はSNSやブログ、その他のデジタルプラットフォーム上で、指先一つで表現できる。しかも、それを見つけよう、評価に用いようとする外の世界があり、その中には今はまだ見ぬ顧客もいる――。
 

SDGsが叫ばれる今、仕事とは無縁だと思って続けていたあなたの小さな善行や社会貢献さえも、新たな顧客との出会いを生む可能性をもつ。正しい考えを抱き、自分と社会を思いながら生きている人、それをデジタルの領域で表現しようと努めている人は、それだけで評価が上がる。懸命に、でも目立つことなく働いてきた人なら、その事実や思いを綴るだけでもいい。必ず読んで、あなたを評価する人はいる。少なくとも私はそう努力する。
 

裏返せば、仕事には関係ないからとSNSで好き勝手なことを言うのはNGだ。いくら実績があっても、技術を持っていても評価を下げる。また、過去に褒められないことをしたりした人は要注意かもしれない。デジタルの世界では何らかのかたちで悪事が露見し、営業においてハンデとなることはあり得る。このコラムの読者が心配するような話ではないが、念のため。
 

もし「自分には書けることがない」という人がいても落ち込む必要はない。これから書くことを一つずつ作っていけばいいだけだ。むしろ楽しみが増えたと考えてほしい。
 

私は語学に打ち込んでいる人、言葉を編む仕事をする人、目指す人が好きだ。自分の内面とじっくり向き合い、社会(他者)の内面に寄り添える資質を備えた人が多いからだ。そして、そういう人の弱点とされた「昭和的なアクティブな営業」はもはや不要になった。そう言える時代になったことはうれしい。
 

静かな人でいい。人見知りでも問題ない。人間関係における消極性、内向性はもはや「営業」における欠点ではあり得ない。ただし、優位性を表現することを忘れずに。それができれば「営業」も一流だ。常に良い仕事と出会い、途切れない。私はそう信じている。
 

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Tipping Point Returns by 新楽直樹(JVTAグループ代表)
学校代表・新楽直樹のコラム。映像翻訳者はもちろん、自立したプロフェッショナルはどうあるべきかを自身の経験から綴ります。気になる映画やテレビ番組、お薦めの本などについてのコメントも。ふと出会う小さな発見や気づきが、何かにつながって…。
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2002-2012年「Tipping Point」のバックナンバーの一部はコチラで読めます↓
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