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マルチバースとカンフーで世界を救え!?『エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス』の予告編

マルチバースとカンフーで世界を救え!?『エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス』の予告編
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【最近の私】来月はアカデミー賞受賞式です。どの作品が取るか楽しみにしています。
 
ここ数年、ハリウッドではアジア系の俳優または監督による作品が大きく注目されている。たとえば『ミナリ』(2020年)や、『パラサイト 半地下の家族』(2019年)などが記憶に新しい。今回は3月に日本公開される『エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス』(以下『エブリシング』と略)の予告編を紹介したい。
 

予告編は、ワン(ミシェル・ヨー)が、コインランドリーで佇んでいる場面から始まる。ワンはコインランドリーのオーナーだが、経営は悪化しており、税金の問題に直面している。老いた父親の介護や、優しいが便りにならない夫(キー・ホイ・クァン)、反抗期の娘との暮らし。さらに税務局の役人(ジェイミー・リー・カーティス)から税金の申告をやり直すよう求められている。
 

そんな時、ワンは、この世界とは別にある複数の世界、マルチバースに連れていかれる。そこで、夫から「僕は夫ではなく別の宇宙(ユニバース)から来た」と告げられる。異なる世界には何千人もの自分がいて、シェフや歌手、そしてカンフーの達人として存在しているという。夫は「その異なる自分たちにアクセスして、スキルを引き出して使うんだ」と話す。その目的は、全宇宙を脅かす巨悪と戦うためだ。だが、なんとその悪の正体はワンの娘だった?!はたして、ワンは家族と世界を救うことができるのか。
 

なんとも不思議な予告編だ。これを見て、現実とは違う世界というと『マトリックス』(1999年)を思い出す。コンピューターに支配された仮想現実の世界マトリックスで暮らす主人公が、目覚めて世界を救おうとする物語だった。当時はまだハリウッドでは珍しかったカンフーやワイヤーアクションを使用して注目を浴び、以降はハリウッドでもカンフーを取り入れたアクション映画が多く制作されることになった。
 

『エブリシング』でも、別の世界ではカンフーの達人であるワンがいて、そのスキルを取り入れながら自身が強くなっていくらしい。主人公ワンを演じるのはミシェル・ヨー。80年代から香港映画で活躍し、『皇家戦士』(1986年)では真田広之と共演もしている。『ポリス・ストーリー3』(1992年)でジャッキー・チェンとともに危険なアクションに挑戦していた。その後、『007 トゥモロー・ネバー・ダイ』(1997年)ではボンドガールとして登場し、以降はハリウッド作品に多く出演することになる。
 

そして、ワンの夫(本当は違うらしい)を演じるのは、キー・ホイ・クァンである。彼を初めて観たのは『インディ・ジョーンズ/魔宮の伝説』(1984年)だ。作品では、キーは中国人の少年の役で、考古学者インディの相棒として活躍していた。その後は『グーニーズ』(1985年)で人気を獲得する。その後は俳優業を休止し、『X-MEN』(2000年)では武術指導アシスタント、ウォン・カーウァイ監督の『2046』(2004年)では助監督を務めていた。そして『エブリシング』では俳優業に復活するべく、オーディションを受けて今回の役を獲得したという。予告編で久しぶりにキーを見て、『インディ』の頃の面影を残しつつ、彼が俳優としてカムバックしたことに感動しました。
『エブリシング』はゴールデン・グローブ賞でミシェルが主演女優賞、キーが助演男優賞を受賞。3月のアカデミー賞でも、作品賞、主演女優賞、助演男優賞ほか、10部門11ノミネートと話題となっている。2人がアカデミー賞も獲得することを強く願います。
 

マルチバースとカンフーでアカデミー賞を受賞できるか?その前に、映画館で『エブリシング』を見届けてきます!
 
今回注目した予告編:
『エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス』
監督:ダニエル・クワン、ダニエル・シャイナート
出演:ミシェル・ヨー、キー・ホイ・クァン、ジェイミー・リー・カーティス
2023年3月3日より公開
公式サイト:https://gaga.ne.jp/eeaao/

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Written by 鈴木 純一(すずき・じゅんいち)
映画を心の糧にして生きている男。『バタリアン』や『ターミネーター』などホラーやアクションが好きだが、『ローマの休日』も好き。
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戦え!シネマッハ!!!!
ある時は予告編を一刀両断。またある時は悪役を熱く語る。大胆な切り口に注目せよ!
 
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