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あの頃、君は悪かった。キーファー・サザーランド in 『スタンド・バイ・ミー』

あの頃、君は悪かった。キーファー・サザーランド in 『スタンド・バイ・ミー』
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【最近の私】今年の春から、畑を借りて野菜作りを始めました。見る間に育っていく野菜たちに、命の力強さを感じています。

 
毎年、決まった時期に観返す映画がある。例えばハロウインの頃には『ハロウイン』(1978年)や、年末にはクリスマスのロサンゼルスを舞台にした『ダイ・ハード』(1988年)などがある。今回はその中から、夏の少年時代の物語『スタンド・バイ・ミー』(1986年)で不良役を演じたキーファー・サザーランドを紹介したい。
 

舞台は1950年代のオレゴン州の小さな街。12歳の作家志望の少年ゴーディ(ウィル・ウィートン)は、同学年のクリス(リヴァー・フェニックス)、テディ(コリー・フェルドマン)、バーン(ジェリー・オコンネル)たちと秘密基地でタバコを吸い、ラジオを聴きながらトランプに講じるなどして日々を過ごしている。ある日、バーンがこんな話を立ち聞きしてくる。街から数十キロ離れた線路ぞいに、数日前から行方不明になっている青年の死体があると。「死体を見つければ有名になれる」と考えた4人は、死体を探すことに決める。一方、エース(キーファー・サザーランド)をリーダーとする不良グループも、この死体の話を聞きつけ、車で死体のある場所まで行くことに。
 

『スタンド・バイ・ミー』は、ホラー作家スティーヴン・キングの小説の映画化だが、十代の青春の日々を描いた作品として広く知られている。だが主人公の少年グループには、それぞれ複雑な家庭の事情を抱えている。例えば、ゴーディは兄が事故死をしており、兄は死んだのに自分は生きているという罪悪感を持っている(兄を演じているのはジョン・キューザック。若い!)。クリスの父親はアルコール依存症だ。そしてテディの父親は戦争に行った経験があるが、それがトラウマとなり精神を病んでいる。その父親にテディは虐待を受け、耳にやけどを負っている。物語の冒頭で、ゴーディが「ここは小さな街だが、12歳の自分には世界そのものだった」というが、少年には逃げ場がなく家族との日々は、重く閉鎖的だったに違いない。
 

不良グループ率いるエースも、飲酒運転しながら人の家の郵便ボックスをバットで殴る、ナイフで人を脅すなど、悪役というより素行の悪い少年だ。だが12歳の少年たちにとっては、恐怖の存在として大きく立ちはだかっていたと思う。
 

エースを演じたキーファー・サザーランドは、俳優のドナルド・サザーランドを父親に持つ。子役としてテレビに出演していたが、『スタンド・バイ・ミー』で注目される。その後は『ロストボーイ』(1987年)、『ヤングガン』(1988年)などに出演。その後、90年代にも多くの作品に出演してきたが、2000年代に大ヒットしたTVドラマ『24 -TWENTY FOUR-』シリーズ(2001~2010年)で人気俳優となった。
 

本作ではキーファーは出番が少ないものの、初めて映画を観た時に、彼の寂しげなまなざしが印象的だった。今回再見してみて、エースの家庭環境は描かれていないが、もしかしたら彼も事情があり、その反動で粗暴な性格になったのではと思う。『スタンド・バイ・ミー』は公開されてから約30年になるが、今でも色あせない魅力を持った作品である。この映画を観ていない人がいたら、ぜひこの夏に観ていただきたいです。
 
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Written by 鈴木 純一(すずき・じゅんいち)
映画を心の糧にして生きている男。『バタリアン』や『ターミネーター』などホラーやアクションが好きだが、『ローマの休日』も好き。
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戦え!シネマッハ!!!!
ある時は予告編を一刀両断。またある時は悪役を熱く語る。大胆な切り口に注目せよ!

 
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