花と果実のある暮らし in Chiang Mai プチ・カルチャー集 Vol.92 フーテンの人々

★「花と果実のある暮らし in Chiang Mai」
インパクト大の写真をメインにタイのリアルなプチ・カルチャーをご紹介しています
チェンマイの雨季は、びっくりするくらい植物が伸びてきます。
最近、のびのび、ボサボサになった目の前の庭。さて、そろそろ庭師のおじさんにお願いするかなあと何度電話をかけても連絡が取れません。着信履歴が残っていても彼から折り返し連絡が来ることはありません。そしてここに長く住んでいると、こういうことにももう慣れっこになっています。何か都合が悪かったりすると音沙汰がなくなり、でもまたある日突然連絡が取れたりする。以前知り合いのご主人が何も言わず突然消息を絶ちました。奥さんはとても気を揉んで心配していたけれど、数か月後のある日ひょっこり戻ってきました。フーテンの寅さんか!? フーテンはもともと瘋癲(ふうてん)からきていて、メンタルが不安定な状態をさす言葉だそうですが、60年代後半からのヒッピー文化の中で頻繁に使われるようになり、昨今は自由に放浪するというニュアンスが定着してきたようです。彼らには自分の時間が必要で、その理由を語ることなく、自分のペースが戻ってきたら自然に戻ってくるんだろう。人間、精神が乱れることはあります。そんなとき、周りも問い詰めることこともなく、大きな騒ぎにもせず、さらっと流して過ごせる器がまだここには残っている気がします。我が庭師さんも時間を置いてまたひょっこり帰ってくるんだろうなあと見守っているけど、新しい庭師さん捜しに一苦労した出来事でした。


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Written by 馬場容子(ばば・ようこ)
東京生まれ。米国大学でコミュニケーション学専攻。タイ、チェンマイに移住し、現在は郊外にある鉄工房でものづくりをするタイ人パートナーと犬と暮らす。日本映像翻訳アカデミー代々木八幡・渋谷校時代の修了生。
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花と果実のある暮らし in Chiang Mai
チェンマイ・スローライフで見つけた小さな日常美
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