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字幕にもアートな試み 第12回恵比寿映像祭が開催中! 

字幕にもアートな試み 第12回恵比寿映像祭が開催中! 
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JVTAが字幕でサポートするのは映画やドラマだけではありません。時にはアート作品に携わることもあります。現在開催中の「第12回恵比寿映像祭」もその一つ。JVTAは、毎年このフェスティバルをサポートしており、今年は5作品の字幕を5人の修了生が手がけました。

 
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恵比寿映像祭は、展示や上映だけでなくライヴ・パフォーマンス、インスタレーション、トーク・セッションなどさまざまなジャンルの作品を集めた“映像とアートの国際フェスティバル”です。今年は、オリンピック・パラリンピックが開催される2020年の東京を文化の面から盛り上げる「Tokyo Tokyo FESTIVAL」の一環として行われます。今年のテーマは「時間を想像する」。誰にとっても身近で同じように存在する「時間」という概念。映像の中では時間が逆行したり、現在と過去、未来が繋がったりさまざまな時空が存在しています。そんな「時間」をテーマにしたさまざまなアート作品が展示されています。

 
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そこで今回は、修了生の阪東真実さんが日本語字幕を手がけた映像作品《イリュージョンズ(幻想)第2章―オイディプス》を紹介します。

 
《イリュージョンズ(幻想)第2章―オイディプス》
日本語字幕担当 修了生・阪東真実さん

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グラダ・キロンバ《イリュージョンズ(幻想)第2章―オイディプス》2018
Installation View at Goodman Gallery, Cape Town, 2018, Courtesy of Goodman Gallery

 
【作品の見どころ】
作品前半は有名なギリシャ悲劇『オイディプス王』の話で、後半はその解釈、という構成になっています。ただ、心理学を学んだ人にはおなじみの“エディプス・コンプレックス”の話かな、などと思って気楽に見ていると、かなり面食らうでしょう。ネタバレになるので詳しく説明できないのですが、この作品を制作したアーティストのグラダ・キロンバ氏が扱っているテーマを知った上で鑑賞することは必須だと感じます。ちなみに私は今、沖縄に住んでいますが、そのことがこの作品の視点を理解するのに役立った、というのもヒントになるかもしれません。

 
映像は淡々とした感じですが、それゆえ逆に目を引かれる多彩さに気づくと思います。鍵はそこにあったのか、と鑑賞後に分かる、そんな作品です。

 
【字幕で苦労したポイント】
学生時代の専門だった心理学の知識を活かせそうだと思い、翻訳のご依頼をいただいた時はうれしかったです。しかしその後、みすず書房の専門書を3冊抱えて七転八倒する羽目に陥りました。向き合うべき文章が人文科学系であり、思想そのものが自分の理解を越えていたためです。こういう場合、産業系の翻訳案件で技術面での理解が追いつかないケースとはまた違った種類の冷や汗が出るもの。今回は幸い解説書も入手できたので、作品で描かれている範囲の内容は何とかつかめたと思います。

 
他に難しかったのは、字数について「最終的にどこに字幕を入れることになるかはアーティストのご判断になります。念のため全編縦字幕にし、表示文字数の上限は1行あたり11文字でお願いします」と言われたことです。ここまで厳しい文字数制限は私にとって、おそらく初めてだったので、いい訓練になりました。
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※会場で展示を見たところ、大きなメインの画像と、その左隣に設置された物語を朗読する女性を映した小さなモニターがあり、字幕は片方の下部に表示されるという少し変わったスタイルになっていました。

 
また、JVTAが手がけた他の作品、スタン・ダグラス《ドッペルゲンガー》では、スクリーンが2分割され、字幕はスクリーンの前後どちらからも読めるという、アート作品ならではの実験的な試みがありました。
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スタン・ダグラス《ドッペルゲンガー》2019
©Stan Douglas Courtesy the artist, Victoria Miro and David Zwirner
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スタン・ダグラス《ドッペルゲンガー》2019
(第12回恵比寿映像祭「時間を想像する」展示より)
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スタン・ダグラス《ドッペルゲンガー》2019
(第12回恵比寿映像祭「時間を想像する」展示より)

 
その他、JVTAが字幕を手がけた作品は下記です。

 
◆メルス・ファン・ズトフェン《光速》2018
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(第12回恵比寿映像祭「時間を想像する」展示より)

 
◆ニナ・フィッシャー&マロアン・エル・ザニ《移動の自由》2017
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(第12回恵比寿映像祭「時間を想像する」展示より)

 
◆グァン・シャオ《普通の日》2019
Courtesy the artist; Kraupa-Tuskany Zeidler, Berlin; and Antenna Space, Shanghai; Commissioned by Tai Kwun Contemporary, 2019.
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(第12回恵比寿映像祭「時間を想像する」展示より)

 
第12回恵比寿映像祭 「時間を想像する」
会期:2020年2月7日(金)−2月23日(日・祝)
10:00−20:00 (最終日は18:00まで)
10日(月)、17日(月)をのぞく15日間
会場:東京都写真美術館
日仏会館 / ザ・ガーデンルーム / 恵比寿ガーデンプレイス センター広場 / 地域連携各所ほか
料金:入場無料
※ 定員制のプログラムは有料
公式サイト:https://www.yebizo.com/

 
【関連記事】第12回恵比寿映像祭「時間を想像する」のレセプションにJVTAスタッフが参加
アートな展示会場の様子をスライドショーでご紹介
https://www.facebook.com/JvtaTokyoLa/posts/2992983570741242

 
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https://www.jvta.net/tyo/open-school/
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