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【日英映像翻訳が伝えた“NIPPON”】ニッポン・コネクション2021を振り返る!

【日英映像翻訳が伝えた“NIPPON”】ニッポン・コネクション2021を振り返る!
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長編、短編、インディーズ作品など幅広いジャンルの作品が上映される世界最大級の日本映画祭、第21回「ニッポン・コネクション」が6月6日に閉幕した。
 

JVTAは今年も、日本映画の“掘り出し物”や“原石”と呼べるような作品を特集するニッポン・ビジョンズ(NIPPON VISIONS)部門・審査員賞の「アワードスポンサー」として参加。また、字幕翻訳や日本語コミュニケーションのワークショップ開催した。改めて、2021年のニッポン・コネクションを振り返ってみよう。
 

字幕翻訳に大切なポイントとは? 満員御礼のワークショップ

日本時間6月4日深夜0時に開催したのは「Subtitling-Workshop with Markus Nornes」。日本語の映像作品に英語の字幕を付ける体験ができるワークショップだ。およそ50人の参加者(満席)に指導したのはJVTAで英日・日英映像翻訳を教える石井清猛講師と、米ミシガン大学の阿部・​マーク・ノーネス教授。ノーネス教授はかつてJVTAの課外講座にも登壇した研究者で、映画監督でもある。
 

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ワークショップではまず、初めて映像翻訳に触れる参加者たちに字幕作りのポイントを解説。1シーンに使える文字数・行数の制限や、情報を取捨選択することの大切さ、そして、作品の背景にある日本の文化を考慮して翻訳に取り組むことをレクチャーした。ルールを覚えたら早速実践。日本のあるテレビドラマを題材に、いくつかのグループに分かれて字幕制作を始めた。
 

大切なのは、独りよがりにならず、ディスカッションしながら最も観客に伝わる言葉を選ぶこと。紡ぎ出した訳を合わせて映像にのせると、参加者たちからはリモート画面ごしに拍手が巻き起こった。
 

日本語を学ぶ人が世界中にいることを実感

日本時間6月5日21時には「JLMI Online – Interactive Course For Japanese Learners」がスタート。このワークショップでは、JVTAで字幕翻訳の講義を受け持つビル・ライリーとアレクサンドラ・プリマックが登壇。海外に住む日本語学習者およそ30名に向けて日本語でのコミュニケーションの実践的な方法をレクチャーした。
 

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参加者らは、ペアに分かれてさまざまなテーマで日本語のフレーズを練習し、そのやり取りを最後に発表した。ほとんどの人が最初の挨拶から始まり、自分の仕事を紹介するまでを日本語で伝えられるようになっていた。発表の中で明らかになったのは、日本語の勉強をしている人たちの幅広さだ。デザイナー、研究者、教師、公務員、アパレル関係者など職種もさまざま。世界中の人たちが新しい言葉の習得にチャレンジしているということだ。中には、昨年10月に日本語を学び始めたという人も。「(コロナ禍で)ずっと一人で日本語を学んでいたから、こうやって会話できる機会を得られてうれしい」という感想に、他の参加者らもうなずいていた。
 

審査員賞は『海辺の彼女たち』 次回作にはJVTAが英語字幕を贈呈

JVTAがアワードスポンサーを務めるニッポン・ビジョンズ審査員賞は、国際色豊かな審査員によって受賞作品が決まる。今年の審査員としては、Ellen Harrington氏(director of DFF – Deutsches Filminstitut & Filmmuseum)、イアン・トーマス・アッシュ監督(自身も本映画祭で『牛久』を発表しNippon Docs賞を受賞)、SKIPシティ国際Dシネマ映画祭プログラミング・ディレクターの長谷川敏行氏が名を連ねた。受賞作品は藤元明緒監督作品『海辺の彼女たち』に決定。藤元監督の次回作にはJVTAから英語字幕が贈呈される。
 

●『海辺の彼女たち』
ベトナムから来た3人の女性たち、アン、ニュー、フォン。彼女たちは日本で技能実習生として3カ月間働いていたが、ある夜、過酷な職場からの脱走を図った。ブローカーを頼りに、辿り着いた場所は雪深い港町。不法就労という状況に怯えながらも、故郷にいる家族のため、幸せな未来のために懸命に働き始めたが……。より良い生活を求めて来日したベトナム人女性たちを主人公に、きらめく未来を夢見ながら、過酷な現実と闘う姿を描く。
 

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【受賞作発表時の様子】
 

* * *
 

映画祭に密着して見えたのは、日本の映像コンテンツを愛するリモートでアクセスした世界の観客と、映像作品で日本を伝えるクリエーターたちの思いが、日英映像翻訳を介して響き合う姿、そして、コロナ禍の今でも自分を磨き続ける人々同士の出会いだった。
 

映画と、日英映像翻訳で伝わったさまざまな“NIPPON”。それはコロナ後の世界を良い方向に変える力に、すでになっているのかもしれない。
 

◆ニッポン・ビジョンズ部門「JVTA Meets PIA Film Festival: Shorts」で上映された
『アスタースクールデイズ』『タヌキ計画』両監督のインタビューはこちら:
 

『アスタースクールデイズ』稲田百音監督インタビュー
▶https://www.jvta.net/tyo/2021nippon-connection-voice-2/

『タヌキ計画』チェ・ユシン監督インタビュー
▶https://www.jvta.net/tyo/2021nippon-connection-voice-3/
 

「ニッポン・コネクション2021」公式サイト
https://nipponconnection.com/en/start/
 
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