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【プロになるための「思考法」を学ぼう!】第3回 シーンごとのテーマを見つけよう

【プロになるための「思考法」を学ぼう!】第3回 シーンごとのテーマを見つけよう
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プロになれる人となれない人とでは、英文を見た時からその見え方が違っています。
映像翻訳者に必要な「英文解釈力」とは、文法の理解や構文の把握といった英語の基本的なことだけではありません。最も大切なのは「プロの思考法」を身につけることなのです。

 
シーンごとのテーマを見つけよう

 
第3回目となる今回のテーマは「段落のテーマを見つけること」です。
課題を仕上げた時、英文と突き合わせてみると一文一文は正しく訳せているにもかかわらず、全体的には今ひとつまとまっていない訳文になってしまったことはないでしょうか?その原因の1つは段落のテーマが見出せていないことです。

 
下記はヒラリー・クリントンがアメリカ国務長官を務めていた時に語ったセリフです。

 
I think it helps a lot. I don’t want to just talk to leaders I want to talk to people. And that celebrity gives me the opportunity to get on the television shows that people are actually watching. I mean most people in the world don’t watch news programs, with all due respect, I mean I’m a junkie I watch them. But most people don’t.

 
この英文に対して、下記の訳文をどう思いますか?

 
***********

 
(訳例)
知名度の高さは私にとって大きな力になります。各国の指導者だけでなく、国民にも語りかけたいと思っていますからね。私は知名度があるおかげで人々が実際に見ている番組に出演する機会がめぐってきます。こう言っては失礼ですが、多くの人はニュース番組を見ませんよね。私は大好きだから見ますよ。でもたいていの人は見ません。

 
***********

 
上の訳文は、一文一文を見れば正しく訳せています。ただ、1つの段落として見た場合、結局何が言いたいのか伝わってきません。通常、日本語の文の構成は最も言いたいことが最後に来ます。その観点に立つと上の訳文の最も言いたいことは「私はニュースを見るが、たいていの人は見ない」ということになってしまいます。ヒラリーが言いたいのはそんなことでしょうか?もっと大事な彼女の政治姿勢が述べられている部分はありませんか?その部分こそがこの段落で最も伝えたいことです。この「段落で最も伝えたいこと」を「段落のテーマ」と言います。

 
では、この英文の中でテーマとなるセンテンスを1文だけ選ぶとしたら、皆さんはどれを選びますか?答えは下記の一文です。

 
I don’t want to just talk to leaders I want to talk to people.

 
これがこの段落のテーマです。つまりこの段落は「国民に語りかけたい」というヒラリーの政治姿勢が伝わるように訳すべきなのです。

 
〇プロになれない人は一文一文を漫然と訳す。

 
〇プロの映像翻訳者はシーンのテーマを見出し、それが伝わるように訳す。

 
<上記を踏まえた訳例>
知名度の高さは私にとって大きな力になります。各国の指導者だけでなく、国民にも語りかけたいと思っていますからね。私は知名度があるおかげで普段から人々によく見られている番組に出演する機会がめぐってきます。それがニュースを見ない国民にも声を届ける機会となるのです。

 
(Text by English Clock 主任講師 山根克之)

 
いかがでしたか?

 
「映像翻訳に興味はあるけど英語力に自信がない」「プロになる前に英語の基礎をしっかり身につけておきたい」という方は、English Clockがおすすめです。上記の問題であやしいなと思った方はまず、無料体験レッスンに参加してみませんか?

 
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★こちらもぜひ挑戦してみてください!
第1回 英和辞書に“答え”を求めるな
第2回 つねに疑問を持とう

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