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ベルリン国際映画祭、レインボー・リール東京で大反響!『ゴッズ・オウン・カントリー』が日本で劇場公開!

ベルリン国際映画祭、レインボー・リール東京で大反響!『ゴッズ・オウン・カントリー』が日本で劇場公開!
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2018年に「レインボー・リール東京~東京国際レズビアン&ゲイ映画祭」で上映された作品『ゴッズ・オウン・カントリー』が2月2日から劇場公開されます。JVTAはこの映画祭を毎年字幕制作でサポート。この作品の字幕は修了生の今井祥子さんが手がけました。今井さんはJVTAを修了後、同映画祭の運営に10年以上携わっており、作品の翻訳だけでなく、プログラマーとして上映作品の選定や映画会社との交渉、素材の輸入、字幕制作や完パケ制作などにも関わってきました。2017年にはベルリン国際映画祭のテディ賞(セクシュアル・マイノリティを題材にした作品に与えられる賞)の審査員を務めました。『ゴッズ・オウン・カントリー』はそのベルリンで大きな反響を呼び、今井さんが東京での上映にセレクトした作品です。現地での反響や東京での上映時の様子、作品の魅力、字幕で心掛けたことなどを今井さんに聞いてみました。

 
God's Own Country_Main - コピー
※『ゴッズ・オウン・カントリー』より 
© Dales Productions Limited/The British Film Institute 2017

 
JVTA まず、『ゴッズ・オウン・カントリー』の見どころを教えてください。

 
今井さん
※字幕を手がけた修了生の今井祥子さん

 
今井祥子さん(以下今井さん) この作品には、ヨークシャー地方の牧場で育ったフランシス・リー監督のこだわりがふんだんに取り入れられています。主演のジョシュ・オコナーとアレック・セカレアヌは、撮影前に2週間ほど実際にロケ地の牧場で働き、羊飼いの仕事や生活について身をもって学んだそうで、2人の演技はリアルそのもの。孤独で心を閉ざしていたジョニー(ジョシュ)がゲオルゲ(アレック)との出会いによって恋を知り、人間として成長していく様子が説得力をもって描かれています。映画を観終わる頃には、この2人が愛おしくてたまらなくなるはずです。

 
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※ベルリン国際映画祭にて。左端が今井祥子さん

 
JVTA 広大な大自然の風景も魅力の一つですよね。

 
今井さん そうですね。God’s Own Country(神の恵みの土地)と呼ばれるヨークシャーの自然を、ぜひ大きなスクリーンで体感していただきたいです。吹きすさぶ風の音、凍えるようなフェル(山)の夜、生まれたての羊の鳴き声、雲の合間から差し込む春の光…。厳しくも美しい世界が映像や音で見事に表現されています。

 
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※『ゴッズ・オウン・カントリー』より 
© Dales Productions Limited/The British Film Institute 2017

 
JVTA 字幕制作で心がけたポイントはありましたか?

 
今井さん レインボー・リール東京での上映時は、本国からDCP(デジタルシネマパッケージ)が届いたのが上映の数日前というギリギリの状況だったので、字幕にこだわる余裕はなく間に合わせるのに必死でした。今回の劇場公開にあたり、配給会社の意見も取り入れながら全体的に修正を加えたので、さらに良い字幕になっていると思います。この作品はとにかくセリフが少ないんです(104分の尺で字幕は500枚弱)。言葉以上に役者の表情や風景が雄弁に語りかけてくる映画なので、字幕で映像の邪魔をしないよう、極力シンプルにすることを心掛けました。

 
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※『ゴッズ・オウン・カントリー』より 
© Dales Productions Limited/The British Film Institute 2017

 
JVTA ベルリン上映時の現地の反応はいかがでしたが?

 
今井さん ベルリン国際映画祭での上映は、サンダンス映画祭での受賞(ワールドシネマ・ドラマ部門監督賞)後だったこともあり、観客の注目度が高く、約600席の大劇場が満員でした。私たちが観たのは映画祭の後半のほうの回で、その頃までにはたくさんの作品を観ていたのですが、『ゴッズ・オウン・カントリー』上映後の観客の熱気は特に印象的でしたね。Q&Aでも時間が足りなくなるくらい次々と質問が挙がり、観客の興奮ぶりが肌で感じられました。テディ賞の審査員の間でも、これは確実に受賞候補の1本になるだろうと、その場で話していました(最終的にはMänner Reader’s Jury Awardを受賞)。

 
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※2017年のベルリン国際映画祭にて今井さんが撮影

 
JVTA 昨年の東京の映画祭での上映も大盛況だったとか。

 
今井さん レインボー・リール東京でもプログラム発表直後から大きな反響があり、日本での上映を待ちわびていた人の多さを実感しました。2回の上映のチケットは異例の速さで完売し、上映当日には立ち見も出たほどです。私は舞台裏のモニターで見ていたのですが、エンドロールが終わったあとに客席から割れんばかりの拍手が聞こえてきて感動しましたね。ベルリンで初めて観た時から「この作品は必ず日本の観客にも響くはずだ!」と確信していたので、上映後にTwitterでたくさんの人から熱い感想が寄せられて、プログラマー冥利に尽きました。

 
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※2018年レインボー・リール東京ではプログラムの表紙に採用。

 
JVTA 満を持していよいよ日本での劇場公開。今後の反響が楽しみですね! ありがとうございました。

 
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『ゴッズ・オウン・カントリー』
配給:ファインフィルムズ
© Dales Productions Limited/The British Film Institute 2017
公式サイト
http://finefilms.co.jp/godsowncountry/

 
2018年 レインボー・リール東京の公式サイト紹介ページ
http://rainbowreeltokyo.com/2018/program/gods_own_country

 
【関連記事】
JVTA修了生 今井祥子さんがベルリン国際映画祭に国際審査員として参加!(前編)
https://www.jvta.net/tyo/berlin2017-report1/

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