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【新講座の講師にインタビュー】偶然が必然になった映像制作のキャリアとスクリーンライティングとの出会い

<strong>【新講座の講師にインタビュー】偶然が必然になった映像制作のキャリアとスクリーンライティングとの出会い</strong>
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英語で脚本の書き方を学ぶことで、物語の構成を読み解く力が付く――。

7月19日から開講する新講座「英語でScreenplay(シナリオ)書いてみよう ~作品理解力を高めて、英語脳を鍛える!~」の講師である高木 淳一氏は、映像翻訳者として多角的にものを見る目を養うことが能力向上の機会になると断言している。

高木氏は海外の映像コンテンツが地上波やケーブルテレビで提供され始めた初期の頃から10年以上にわたり、翻訳番組ディレクターとして活躍してきた。当初、高木氏は映像翻訳を学んでいたわけでもなく、大の映画ファンというわけでもなかった。映像の世界と脚本の世界に導いたのは、ある偶然の出来事によるものだった。

大好きな音楽が入口だったアメリカ文化・社会への興味

1980年代、世界の音楽シーンは米国のロック、ポップミュージックで溢れ、高校生だった高木氏も夢中になった。ボストン、ヴァン・へイレン、カーズ、モトリー・クルー、ビリー・ジェエルなど幅広いアーティストの曲を聞いた。特にボストンというバンドは中学生時代に初めて観たライブでスケール感に圧倒され、そんなアーティストを生み出したアメリカという国に興味が湧いた。もう1つ夢中になったのが、アメリカ文学だ。アーウィン・ショーの小説は高校生だった頃の高木氏の道徳観に大きな影響を与え、話の舞台であるアメリカに行ってみたいと考えるきっかけとなった。ボブ・グリーンのエッセイからはアメリカ社会について多くを学んだ。「表現が簡潔」「読みやすい」「人間模模様を繊細に描いている」という執筆スタイルが今でも彼のライティングの手本になっている。

脚本制作との出会いはたまたま通りかかったカナダ大使館だった

日本の大学在学中に約1年間のアメリカ留学を経験し、卒業。一般企業に就職したあとも、将来的にアメリカの大学院で学ぶことを見据え、英語の勉強を続けていた。ある日、偶然カナダ大使館の前を通りかかって館内に入ると、たくさんの学校のパンフレットが置かれていた。その中で目に入ったのがバンクーバー・フィルム・スクールだ。映画は好きだったが、音楽や文学ほど没頭したことがなかった。しかし、なぜかこの時「これを勉強してみよう!」と直感が働く。その後のキャリアを考えると、偶然ではなく必然だったのかもしれない。

英語ネイティブが自分の脚本を評価してくれた

カナダ大使館での偶然の出会いからほどなくして、バンクーバー行きを決意。おそらく脚本を書く機会があるだろうと思い、事前にスクリーンライティングに関する書籍を入手し基礎を学んだ。その後カナダに渡り、授業がスタート。予想通り、早速脚本を書く課題が与えられた。約30名の中から、4名の脚本が選ばれて映像作品を作ることができる。クラスメートのほとんどがカナダ人とアメリカ人で英語ネイティブではないのは自分とヨーロッパ出身の数名くらいだ。出来上がった脚本を授業の中で発表する機会があり、高木氏が「これは行けるかも!」と思ったのは、読後にクラスメートが妙にシーンとなった瞬間だ。結果として、クラスメートの高評価もあって脚本が選ばれ製作された。高木氏は音声録音を担当し、卒業スクリーニングでは大画面で自分が書いたセリフを北米の俳優が喋るのを体験。その後目指す道が開けたのを実感する。バンクーバー・フィルム・スクールを卒業すると、ニューヨークに移り、短編映画を2本製作、北米の映画祭等で発表した。

映像翻訳を向上させるポイント

高木氏が帰国した1990年代後半から2000年にかけては、日本でBSやCSなどのデジタル放送が開始され、開局したばかりの番組表の穴埋めに多くの字幕や吹き替え番組が必要とされていた。CS局を傘下に持つマルチチャンネル・オペレーターに入社し、海外の番組に字幕や吹き替えを付けるディレクションを担当。高木氏は、映像制作の経験はあったものの、翻訳や字幕に携わった経験がなかった。しかし「マーケットが確立されていない映像翻訳の分野で、番組製作を介して多くのプロの翻訳家を育てる」というビジョンに魅力を感じた。

多くの翻訳番組をディレクションしてきた高木氏には、映像翻訳を向上させるポイントがあると言う。大事なのは映像に振り回されず、原稿の完成度を追求することだ。翻訳は映像製作者の意図しているストーリーラインを忠実に伝えるのがミッションであり、同時に独立した存在でなければいけない。違和感がある字幕、吹き替えのほとんどは映像に振り回されている。映像翻訳者は自分の翻訳を紙面上で何回もチェックしてほしいと語った。 

ふと目にした広告で米国大学のライティングコースへ

映像翻訳ディレクターとしてキャリアを築いてきた高木氏が、再び脚本の世界に戻るきっかけとなったのは、またしても偶然の出来事だ。

新型コロナウイルス感染症の蔓延でステイホームを余儀なくされ、同時に趣味としてやっていたボクシングで足を負傷。トレーニングを休まなければいけなくなったことも重なり、時間に余裕ができていた。そんなある日、カリフォルニア大学バークレー校がやっているエクステンションのライティングコースの広告が目に入った。学費さえ払えばオンラインで受けることができる。「時間がある今、またチャレンジしてみたい」と思い、コースに申し込んだ。授業は広義に渡るライティングの手法を学びながら、受講生がチャット式のコミュニケーションツールで自分の作品をピッチし、講評するスタイルだ。高木氏は自分の作品に対する講評から、米国マーケットで生き抜く方向性や表現を探った。

プロの作家からマンツーマンでフィードバック

約1年のエクステンションコースを終え、アメリカの大学院に入り、さらに執筆のスキルを磨くことを決意。アメリカ国内には、東京に居ながらオンラインでスクリーンライティングを学べる大学院が多くあり、その中から選んだのが西コネチカット州立大学だ。高校時代に読んだ作家ジョン・アーヴィングの出身がコネチカット州も含めたニューイングランド地方だったこともあり、そのエリアに興味を持っていた。バークレー校のエクステンションで指導を受けた教授からの推薦状と作品集をまとめたポートフォリオを提出し入学する。 大学院では約2週間に1回、自分自身が書いた作品を提出。米国マーケットでプロとして活躍する作家たちからマンツーマンのオンラインセッションで講評を受ける。また、他の生徒とは年1回、本国で開催される合宿で交流する機会もある。来年の卒業に向けて、執筆中の長編脚本を在学中に完成し、米国マーケットで売ることを目指している。

最後に高木氏に今回の講座を学ぶメリットを聞いた。

「映像翻訳の上達には、ストーリー理解と並行して、言語を多方面で応用する能力が必要。この講座で言語の応用力、アプローチ、視野を広げ『コトバのプロ』にさらに一歩近づくと共に、自らの創造性も磨いて欲しい」。

高木氏は10年後のエンタメの世界について、ある仮説を唱えている。

最近、日本ではK-POPの影響もあり、英語歌詞を積極的に取り込むシンガーが増えてきた。10年後には日本語ネイティブが英語の脚本を書き製作する時代が必ず来るはずだ。20年前、映像翻訳は特殊技能であり一部の限られた人だけができる仕事と考えられていた。それが今、多くの学校卒業生がプロフェッショナルとなり、この分野で活躍している。同じ歴史を映像製作も辿るに違いない。本講座を通して、翻訳者としてのスキルの幅を広げるだけではなく、一歩先取りした新しいキャリアにチャレンジしてみてほしい。

「コトバのプロ」のための新講座・誕生!
英語でScreenplay(シナリオ)書いてみよう

~作品理解力を高めて、英語脳を鍛える!~

<7月19日(金)夜開講>
全4回 日本語で指導、未経験者大歓迎!

高木氏が指導する講座を7月に開催、

詳細・お申し込みはこちら

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