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English Clock主任講師 山根克之講師 ロジカルリーディング力を鍛える②

English Clock主任講師 山根克之講師 ロジカルリーディング力を鍛える②
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English Clockは“プロの映像翻訳者が持つ思考プロセス”を伝授し、
映像翻訳に必須の「英文解釈力」を着実にレベルアップさせることを目的としています。

 
2019年10月から新講座「ロジカルリーディング力強化コース」を開講。英文読解を高度な知的活動と捉え、英文を「何となく読める」レベルから脱却し、確実な根拠に基づいて理解した内容を自分の言葉で説明できるようになるまで考え抜くトレーニングを行います。英字紙の社説やドキュメンタリー番組のスクリプトなど、深い内容の素材を訳しながら、英文を貫く論理の見出し方、筋の通った訳文の作り方を学びます。

 
この講座で何を学ぶのか、自らも映像翻訳者として活躍する山根克之講師に聞きました。

 
◆English Clock主任講師 山根克之講師
9927

 
翻訳者は何よりもまず根拠のある訳文作りができないとなりません。それは具体的にどういうことなのか? 前回は、アメリカの元国務長官、ヒラリー・クリントンのセリフを例に、段落ごとのテーマを見つけて最も伝えたいポイントが分かるように訳出しました。原文のニュアンスを正しく理解できたところで、これを字幕として仕上げていきましょう。

 
情報の取捨選択を適切に行う


 
今回のテーマは、「情報の取捨選択を適切に行うこと」。
字幕を作成する際に苦労する点の一つが、原文の内容を限られた文字数の日本語で表現しなければならないことです。体言止めや助詞止めを使って文字数を削るだけでは不自然な字幕ができあがるだけ。無理なく制限文字数に収めるためには、情報の取捨選択を適切に行うことが大事なのです。

 

下記は、前回取り上げたヒラリー・クリントン元アメリカ国務長官のセリフです。前回は字数を気にせずに正しく全訳することを考えました。今回は最終段階として、次のように4枚に分けた字幕にしてみましょう。カッコ内の数字はハコの長さに対する制限文字数を表します。なお、1枚目のitはヒラリーの知名度の高さを指します。まず、各文の意味を復習しましょう。

 

I think it helps a lot. (8)

知名度の高さは私にとって大きな力になります。

 
I don’t want to just talk to leaders I want to talk to people. (12)

私は各国の指導者だけでなく、国民にも語りかけたいのです。

 

And that celebrity gives me the opportunity to get on the television shows that people are actually watching. (26)

私は知名度があるおかげで人々が普段からよく見ている番組に出る機会がめぐってきます。

 

I mean most people in the world don’t watch news programs, with all due respect, I mean I’m a junkie I watch them. But most people don’t. (27)

こう言っては失礼ですが、多くの人はニュース番組を見ませんよね。私は大好きだから見ますよ。でもたいていの人は見ません。

 

訳文をそのまま入れたら字数オーバーになるのは明らかですね。そこで情報の取捨選択を行います。どの情報を残すべきかを判断する際に基準となるのが、前回取り上げた「段落のテーマ」です。この段落のテーマは「国民に語りかけたい」というヒラリーの政治姿勢です。このテーマに沿って4枚の字幕がつながるように考えてみましょう。

 

◆まずヒラリーの政治姿勢と明らかに無関係であると思われる部分は削る。
→「私は大好きだから見ますよ。でもたいていの人は見ません」は不要な情報

 
◆次に残された情報とヒラリーの政治姿勢の関連性を考えて、必要ならば言葉を補足する。

 
→「知名度が高いおかげで人々がよく見る番組に呼ばれること」と「国民に語りかけたい」というヒラリーの政治姿勢はどのようにつながるのか?

 
→「ニュースを普段あまり見ない人でもよく見ているような番組に出演することで国民に語りかけることができる」と解釈することができる。

 
→以上を受けて、原文にはないけれども、ヒラリーの政治姿勢を明確に伝えるために「ニュースを見ない国民にも声を届ける」という言葉を補って訳す。

 
情報を削る時、常に「今何の話をしているんだっけ?」と自分に問いかけてみてください。テーマに沿って正しく情報の取捨選択を行えば、たとえ字数を減らしても分かりやすい字幕を作ることができます。こうしたプロの思考法を身につけることがトライアル合格への大きな一歩となるのです。

 
<上記を踏まえた訳例>

私は政治家として(8)
国民に語りかけたいのです(12)
私は知名度があるおかげで
様々な番組に呼ばれます(23)
それがニュースを見ない国民にも
声を届ける機会となるのです(27.5)


 
このように、英語で読んだ内容を頭の中で整理し、自分の言葉(日本語)で再構築して説明する力、それがロジカルリーディング力です。10月開講のロジカルリーディング力強化コースは、毎回さまざまな角度からそのための方法を考えていきます。このコースでは、前回のような丁寧な解釈をロジカルに解説できる力を養い、今回の問題のように具体的に字幕にしていく工程はその後の進級コース(全5回)「アディショナル5」で学びます。 (ロジカルリーディングのカリキュラムはこちら)。

 字幕を作るには、こうした丁寧な作業の積み重ねが必要です。自分の字幕を論理的に説明できるスキルが、翻訳者の信頼に繋がるのです。

 
(Text by English Clock 主任講師 山根克之)

 
【下記の問題にも挑戦】
English Clock主任講師 山根克之 ロジカルリーディング力を鍛える①
English Clock主任講師 山根克之 ロジカルリーディング力を鍛える③
English Clock主任講師 山根克之 ロジカルリーディング力を鍛える④

 ロジカルリーディング力 強化コース、無料体験レッスンを開催中
お申し込みはこちら

 

English Clock主任講師 山根克之が登壇するイベントのご案内
2019年10月6日(日)JVTA東京校で開催します。

glolab20191006
 

◆当サイト内お申し込みページ
 
https://www.jvta.net/tyo/lab2019-ec/
 

◆Peatix(ピーティックス)
 
http://ptix.at/U1zSGP
 



この機会に、ぜひJVTAにお越しください!
 
 

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