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English Clock主任講師 山根克之 ロジカルリーディング力を鍛える⑧

English Clock主任講師 山根克之 ロジカルリーディング力を鍛える⑧
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English Clockは“プロの映像翻訳者が持つ思考プロセス”を伝授し、
映像翻訳に必須の「英文解釈力」を着実にレベルアップさせることを目的としています。

 
2019年10月から新講座「ロジカルリーディング力強化コース」を開講。英文読解を高度な知的活動と捉え、英文を「何となく読める」レベルから脱却し、確実な根拠に基づいて理解した内容を自分の言葉で説明できるようになるまで考え抜くトレーニングを行います。英字紙の社説やドキュメンタリー番組のスクリプトなど、深い内容の素材を訳しながら、英文を貫く論理の見出し方、筋の通った訳文の作り方を学びます。

 
翻訳者は何よりもまず根拠のある訳文作りができないとなりません。それは具体的にどういうことなのか? ミステリー作家コーティ・ザンのインタビューの訳例を考えてみましょう。

 
◆CBSのサイトに掲載されたミステリー作家コーティ・ザンのインタビューより。
当時の新作『The Never List』の執筆動機について語っています。青字部分をどう訳すが考えてみましょう。


 
Through it may seem that a book about abduction and captivity would be about women’s powerlessness, my goal was to present it as a story of empowerment and resilience.

 
【訳文】
拉致や監禁がテーマと聞くと、女性の無力さを思い浮かべるかもしれません。
でも私が描きたかったのは…。


 
◆ポイントはempowermentとresilienceをどう訳すか?
これは『禁止リスト』という翻訳版が出ているミステリー小説です。監禁や拷問などの被害にあった女性が犯人に立ち向かうというストーリー。前半はこちらで訳してみました。上記の文章の中で作家が言いたいポイントは、empowerment と resilienceです。まずは辞書で引いてみましょう。

 
empowermentは、権限を与えること、自立の促進、resilienceは、回復力、立ち直りといった言葉が出てきます。

 
◆empowermentとresilienceの対になっているワードは?
前半部分とは、Throughで繋がっていることに着目しましょう。「○○」だけど「△△」という対の関係なっています。empowermentとresilienceと対になっているワードはpowerlessnessですよね。powerlessはすでに「無力さ」と訳したので、「無力さ」と対比するようにempowermentを訳してみましょう。拉致や監禁というひどい目にあっても戦い続ける「女性の力強さ」などになりますね。それに合わせてresilienceの訳語を考えれば、「立ち向かう」「不屈の精神」などがあてはまるでしょう。

 
◆前半と後半で対になった言葉を意識して訳す
始めに辞書で引いた訳を参考にしながら、前後で対になるように訳文を整えてみましょう。反対や同格など、対になった部分をセットと捉えて意識して訳すことで、強調すべきポイントが明らかになり、分かりやすい訳文になります。

 
【上記を踏まえてブラッシュアップした訳文】
拉致や監禁がテーマと聞くと、女性の無力さを思い浮かべるかもしれません。でも私が描きたかったのは、そうした経験に屈することなく、強く生きようとする女性の姿なのです。

 
いかがですか? 辞書通りに訳すより、イメージがクリアに伝わりますね。

 
このように、英語で読んだ内容を頭の中で整理し、自分の言葉(日本語)で再構築して説明する力、それがロジカルリーディング力です。10月開講のロジカルリーディング力強化コースは、毎回さまざまな角度からそのための方法を考えていきます。今回のように「対や反対の関係」については第2講で学びます(カリキュラムはこちら)。
(Text by English Clock 主任講師 山根克之)

 
◆山根克之講師のレッスンをもっと聞いてみたい!
「English Clock ロジカルリーディング力 強化コース」

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※その他のレッスン記事もご覧いただけます。

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