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10/2(月) 特別公開セミナー予習編!映像翻訳者が知っておくべき「映画祭」4つのポイント

10/2(月) 特別公開セミナー予習編!映像翻訳者が知っておくべき「映画祭」4つのポイント
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劇場公開作品の翻訳を手掛けることは決して遠い夢ではなく、「映画祭」という場で叶えられることをご存じでしたか? 10/2(月)開催の特別公開セミナー「ぴあフィルムフェスティバル総合ディレクターに聞く!『映画祭』って一体なんだ?」を企画した藤田奈緒ディレクターは「ぜひこの機会に“映画祭”を深く知り、目標に近づいてほしい」と語ります。映像翻訳の醍醐味があふれている“映画祭”って一体なんでしょう?

 

奈緒さん映画祭2 - コピー
藤田奈緒ディレクター(以下藤田) 来月2日にJVTAで開催する特別公開セミナー「~『映画祭って一体なんだ?』」の講師は映画祭ディレクターの荒木啓子さん。39年の歴史がある日本の映画祭「PFF ぴあフィルムフェスティバル」の総合ディレクターを務めていらっしゃる方です。当日は主催者の視点で映画祭の意義や開催する上で大切にしていること、作品の魅力を引き出すために必要なことについて語っていただく予定です。

 

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今回のセミナーを開催しようと思ったのは、映画祭には映像翻訳の醍醐味が溢れていると確信しているからなんです。ここではセミナーに先立ち、字幕翻訳や吹き替え翻訳に興味のある方なら知っておきたいポイントをご紹介したいと思います。

 
ポイント1 映画祭には新人翻訳者にも活躍のチャンスがある

藤田 映画祭は一定の期間内に多くの作品を一挙上映するため、短期間で大量の作品を受注します。ですから新人の翻訳者にもチャンスがあります。また1つの作品をチームで取り組むことも多く、先輩翻訳者の指導を仰げるというのも新人には嬉しいメリット。経験を積みながら確実に実績を残し、自分の関わった作品として堂々とキャリアに加えることができます。また最近は日本の作品に英語字幕をつけて世界に発信する仕事も増えており、日英映像翻訳者の需要も高まっています。自分がつけた字幕で世界にその作品の魅力を伝えられるのも、映画祭の醍醐味ですね。

 
ポイント2 映画祭の上映作品が後に劇場公開に!
藤田 映画祭で字幕をつける作品は英日の場合は日本で、日英の場合は世界でプレミア上映という作品がほとんどです。まだ一般に知られていない作品をいち早く観てその魅力を伝えられるのは映像翻訳者ならではの喜びと言えるでしょう。さらに作品によっては映画祭での上映が好評で、その後に劇場公開されるものもあります。例えば、過去に難民映画祭で上映されたアンジェリーナ・ジョリーの初監督作品『最愛の大地』なども後に劇場公開されましたし、2016年の上映作品『ソニータ』も今年10月に劇場公開が決定しています。

 
最愛の大地SONITA_main - コピー
 
ポイント3 監督や出演者に翻訳者が会えるチャンスも!

藤田 映画祭では上映後に監督や出演者が登壇するトークショーなどがよく行われます。英語で通訳をするスキルのある修了生のなかには、こういう場での通訳や関係者のアテンドを担当する人もいます。作り手の想いを直接聞けるチャンスは滅多にないので、作品に対する解釈も深まり勉強になるはずです。場合によっては監督や出演者の方が会場に来ていて翻訳者が直接会えることもあります。これは普段翻訳者が関わるお仕事ではなかなか味わえない感動ですよね。
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※第26回レインボー・リール東京~東京国際レズビアン&ゲイ映画祭~にて
 コンペティショングランプリ作品『カランコエの花』の中川駿監督と出演の皆さんに英語字幕を担当した修了生の磯貝さおりさんが対面し、共に記念撮影

 
ポイント4 映画祭は映画通になるための知識の宝庫

藤田 映画祭には上映作品に独自のテーマを持っているものが多く、そのジャンルを深く追求し、自分の世界を広げられるのも魅力です。北欧の作品にフォーカスした「トーキョー ノーザンライツ フェスティバル」や短編ばかりを集めた「ショートショート フィルム フェスティバル & アジア 2017」やLGBT関連の作品に触れられる「レインボー・リール東京~東京国際レズビアン&ゲイ映画祭」、インドの中でも南インドに特化した「南インド映画祭」、コメディ映画を下町で楽しむ「したまちコメディ映画祭in台東」など本当に多様です。また巨匠の監督や注目の俳優の特集上映や、国別の特集、サイレント映画の特集、ホラー映画の特集などもあり、ラインナップを見ているだけでも面白いと思います。
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映画祭には映像翻訳者なら知識として知っておきたい情報が溢れているんです。ぜひ皆さんもさまざまな映画祭に足を運んで欲しいですね。

 
◆映像翻訳者の醍醐味がある映画祭。一番の魅力は…
藤田 JVTAではこういった10以上の映画祭に毎年翻訳で協力しています。私も国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)駐日事務所と特定非営利活動法人 国連UNHCR協会が共催で行う国連UNHCR難民映画祭(※)で字幕翻訳ディレクターを9年ほど前から専任しており、毎年約30~50名の修了生と上映作品の字幕を作成しています。この映画祭の場合はボランティアですが、難民の現状を多くの人に伝えることを使命として毎年協力してくれる人もいるんですよ。

 
※2016年までは国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)駐日事務所の主催でUNHCR難民映画祭として開催。2017年は9月30日からスタート。東京、札幌、名古屋、大阪、福岡、広島で順次開催。

難民映画祭 - コピー

 
映画祭の上映作品の場合、ほぼ全ての作品に翻訳者の名前のクレジットが入ります。翻訳者が普段手掛けるお仕事ではクレジットが入らないことも多いので、これも嬉しいポイントだと思います。なにより観客の皆さんと一緒に鑑賞することができるのが一番の魅力です。苦労して作った字幕で観客が泣いたり笑ったりできる瞬間を目の当たりにできるのは翻訳者の醍醐味といえるでしょう。

 
今回のセミナーでは「PFF」で多くのクリエイターを発掘してきた荒木さんだからこそ語れる映画祭の舞台裏を徹底的に解説。映画ファンにとっても必見のセミナーです。ぜひ足を運んでみてください!

 
◆ぴあフィルムフェスティバル 総合ディレクターに聞く! 「映画祭」って一体なんだ?
日時:2017年10月2日(月)19:00~20:30
場所:日本映像翻訳アカデミー 東京校
料金:1000円(税込)
お申し込みはこちら
https://www.jvta.net/extracurricular/pff/


 
★多くの巨匠を輩出する「PFFぴあフィルムフェスティバル」とは?
pff2017
今年39回目を迎えるPFFぴあフィルムフェスティバルは、「映画の新しい才能の発見と育成」をテーマに1977年にスタート。これまで、黒沢清監督(最の新作『散歩する侵略者』)や荻上直子監督(最新作『彼らが本気で編むときは、』)、熊澤尚人監督(最新作『ユリゴコロ』)など現在国内外で活躍するクリエイターを数多く輩出している。JVTAでは2016年に園子温監督、塚本晋也監督、手塚眞監督、矢口史靖監督など日本を代表する監督9人が手がけた幻の8ミリ映画11本の英語字幕を担当。「8ミリマッドネス!!~自主映画パンク時代~」と名付けられたこの企画は、国内に留まらずベルリン国際映画祭と香港国際映画祭で上映され、海外でも大きな反響を呼んだ。

「8ミリマッドネス!!~自主映画パンク時代~」に関するJVTAの記事はこちら
https://www.jvta.net/tyo/2016pff-8mm-madness/

 
◆PFFぴあフィルムフェスティバル
2017年9月16日(土)~29日(金)
東京国立近代美術館フィルムセンターにて開催
公式サイト:https://pff.jp/


 

★JVTAが協力している映画祭はこちらご覧ください。
http://www.jvtacademy.com/school/moviefes.php

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