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英文の中の“光”を見落とすな! アガサ・クリスティーといえばキーワードは?

英文の中の“光”を見落とすな! アガサ・クリスティーといえばキーワードは?
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8月24日(2020年)、JVTAサマー・スクール「伝わる訳文を作るための解釈力~英文の中の“光”を見落とすな!~」を開催、約90人が参加しました。JVTAの英語力強化コース、「English Clock」の主任を務める山根克之講師が登壇。3問の例題を基に、訳文をブラッシュアップするためにフォーカスするポイントや言葉選びについて具体的に解説しました。

 
レッスンの一部を紹介します。

 
◆アガサ・クリスティーの失踪事件を扱った特集記事より
We will probably never know what happened in those 11days, in a real life mystery that even Hercule Poirot might have been unable to solve.


 
【機械翻訳の訳例】
エルキュール・ポアロでさえ解けなかったかもしれない実話のミステリーで、失われた11日間に何が起こったのか、私たちはおそらく知ることはないでしょう。


 
◆機械翻訳はなんとなく合っているが物足りないのはなぜ?
上記の訳例に決定的な間違いはありません。でも訳文として物足りないのはなぜかを考えてみましょう。原文をみた時にどの単語が目を引きますか? 今、何の話をしているのか、改めて考えてみてください。テーマはアガサ・クリスティーの失踪事件ですね。(山根講師)

 
◆アガサ・クリスティーといえば…
アガサ・クリスティーといえば、どんなイメージがありますか? 「mystery」と「Hercule Poirot」ですよね。彼女は著名なミステリ―作家で、エルキュール・ポアロは彼女の作品に登場する名探偵。これは広く浅い知識でおそらく分かるでしょう。となれば、このキーワードが目立つように訳文を作りたいわけです。(山根講師)
オリエント急行殺人事件

 
◆違和感の理由はWe will probably never knowが目立つこと
日本語は文法的に最後に重要な点が入ってきます。そのルールに従うと、機械翻訳の訳文ではWe will probably never knowが結論として訳されていることになりますが、これが違和感の原因。「mystery」と「Hercule Poirot」といったポイントが霞んでいますね。ここでもうひとつ注目したいのが「mystery」を修飾する「real life」。作家の書いた作り物ではなく、現実に起きたミステリーというニュアンスです。訳文の着地点をここに持っていきましょう。(山根講師)
ポアロ

 
◆二文に分けて、ポイントを明確にする
We will probably never know what happened in those 11days,でまず情報をまとめます。それを受けて後半をIt is a real life mystery that even Hercule Poirot might have been unabke to solve.として訳文を作ってみましょう。実は後半に「even」という強調のキーワードがあります。「名探偵でさえも解けない」というニュアンスを入れたいですね。彼女が生み出した名探偵ポアロでさえ解けないなどと補足してもいいでしょう。(山根講師)

 
【上記を踏まえてブラッシュアップした訳文】
彼女が失踪していた11日間に何が起こったのか、誰も知ることはないだろう。これは彼女が生み出した名探偵エルキュール・ポアロでさえ解決できない現実世界のミステリーなのだ。


 
いかがですか? ぐっと分かりやすくなりました!

 
山根講師は、訳す際にはまず、原文で光るワードを見つけるのが大切だと話します。例えば、「not only」には「but also」、「Just because」には「it doesn‘t follow that」など対になる決まり文句があれば、その対の関係が確実に伝わるように訳すことを意識します。気になるワードがあれば、なぜそのワードが使われているのかを考え、前後の情報と絡めて補足することも時には必要です。参加者から生で寄せられた質問には、学習中の段階ではまず全訳をしてから字幕を作ることの大切さや、調べもので知識を深めたりする重要性などを解説。ロジカルにブラッシュアップするための具体的な考え方をリアルタイムで共に学べるレッスンとなりました。

 
参加者からは、「辞書に掲載されている訳語に引きずられがちですが、一度離れて意味を捉える方法の一つを簡潔に教えてもらえて目から鱗でした」「機械翻訳と比較した訳例。自分の訳文がイマイチだと感じる理由が理解できました」「英語は理解できていても、いざ日本語に訳すとなるとうまく訳せない事が多々あり、今日はうまく訳すヒントを頂けたと思います」「英語を『ロジカル』に読み取って分かりやすい日本語に直すこと、英語の文章の中に『光』を見つけ出すことができました」「解説がとても分かりやすかったです。さすがプロだな~と思う訳文でした」などの声を頂きました。

 
◆山根克之講師のレッスンをもっと聞いてみたい!
「English Clock ロジカルリーディング力 強化コース」

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