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【JVTA発!世界で活躍する人たち―翻訳者編】オーストラリア・アデレード在住 リシェル・ブリテンさん(フリーランスの翻訳者)

<strong>【JVTA発!世界で活躍する人たち―翻訳者編</strong>―<strong>】オーストラリア・アデレード在住 リシェル・ブリテンさん(フリーランスの翻訳者)</strong>

JVTAでは現在、全面リモートで授業を行っており、国内外のさまざまな国や地域で受講生が学んでいる。海外で暮らしながら日本の授業を受講、修了後のトライアルやOJTもオンラインで参加し、現地で映像翻訳者として活躍する修了生も少なくない。そこで、実際にどんな人がどのように海外で学び、仕事に取り組んでいるのか、紹介する。

オーストラリア・アデレード在住 リシェル・ブリテンさん(フリーランスの翻訳者)

◆コロナ禍をきっかけにオーストラリアからJVTAで学ぶ
リシェル・ブリテンさんは、大学生のころに一年間、関西外国語大学に留学。当時からエンタメ系の翻訳者に憧れていたものの、オーストラリアに帰国後は、医療受付や整形外科で管理スタッフ、法廷転写など翻訳ではない仕事に従事していたという。転機はコロナ禍。以前から気になっていたJVTAの授業が全面リモートになったことを知り、日英映像翻訳コースの受講を始める。

「当時は法廷転写の仕事をしていましたが、今後の仕事をどうすべきか悩んでいた時期でした。まずは副業で翻訳の仕事を始めようと考えたときにJVTAの日英映像翻訳のコースを見つけ、『憧れのエンタメ業界に入れるチャンスになるかも』と思い入学しました。総合コースと実践コースに分かれていてまずは半年から受講できるのも魅力でした。ずっとやりたかった字幕翻訳にやっと触れることができて受講中はとても楽しかったです。」

ブリテンさんはJVTAで学びながら、オンラインでいくつかのエージェンシーに登録してトライアルを受けるなど翻訳の仕事をしていく準備も進めていく。その中の1社にJVTAと縁のある人がいて仕事を依頼されるきっかけにもなった。そして、JVTAのコース修了後は法廷転写の仕事を退職して翻訳者としてフリーランスになり、それからは順調に進んでいるという。

◆フリーランスは自分のペースで働ける
オーストラリア在住だが、自国のクライアントはなく、日本をメインに世界各国の会社と一緒に仕事をしているというブリテンさん。メールやオンラインプラットフォームなどを使い、仕事はすべてオンラインで完結している。

「仕事は水曜~日曜、朝11時から夜まで、休憩も適宜取りながら働いています。会社勤めの時は朝早く起きるのが苦手でしたが、今は自分のペースで仕事の開始時間を決め、好きな曜日に働けます。フリーランスの仕事は、大半が時給ではなく、プロジェクト単位の報酬です。時給制の仕事で一定の時間オフィスにいなければならないという状況はありません。定時の勤務時間に縛られることなく、効率よく仕事をするほど稼働時間が短縮され、収入も上がるというのは、フリーランスならではの働き方だと思います。」

◆時差も納期の味方
オーストラリアと日本の時差は30分(サマータイムは1時間30分」)なので、時差の問題はまったくないと言うブリテンさん。逆にアメリカの会社と一緒に仕事をする場合、時差があることが便利だアメリカの夜に依頼を受け、オーストラリアの昼間に作業をして、アメリカの翌日朝までに納品することができる。日本に住むか、海外に住むか、どちらにもそれぞれの長所があるという。

「日本在住であれば、クライアントとの関係を築きやすい、会議にも参加しやすいというメリットがあります。第二言語である日本語に慣れることもできます。一方、ターゲット言語である英語が主要言語である国に住む場合、ターゲット層に囲まれた環境にいるので、英語へのローカライズはしやすいと思います。英語は直接的な表現が主ですが、日本語は間接的な表現が多い言語です。英語ネイティブだとしても、日本に暮らすうちに『正しい文法だけど丁寧すぎる英語表現』になることがあると感じます。また、スラングや流行に常に気付けるのもメリットです。コロナ禍以降、オンラインで仕事をするのが当たり前になったので、以前よりずっと世界とのコミュニケーションが簡単になりました。」

◆過去の職歴も活かして幅広く活動
ブリテンさんは現在、日英映像翻訳者として字幕翻訳をメインに、テキスト翻訳(スクリプト、マーケティング関連、ビジネス、ツーリズム)なども手掛ける。かつて裁判所で英語文字起こしに従事しタイピングするのが早いことから、日本の会社が英日翻訳をするための英語文字起こし、英語のデータ入力、プルーフリーディング、ネイティブチェックなど多彩な仕事に携わっている。また、これまでの経験を活かして日本翻訳者協会(JAT)のエンタメ系分野別分科会(SIG)というJATENTの共同代表(ボランティア)を務める。

「JATENTは、字幕、文学、漫画、ゲームなど、エンターテインメント分野に関係する翻訳・通訳を専門とした分科会です。エンタメ業界は、若い参入者も多く、JATENTでは、スキルを磨いたり、経験や知識を共有したりできる場として、特にワークショップやネットワーキングに力を入れ、イベントを開催しています。日本のエンタメにかかわる翻訳者たちが集まって、アイデアや意見を共有したり、新しいことを学んだり、仲間とつながったりするコミュニティを作りたいと思っています。最近はスポッティング入門やゲームローカライゼーションについてのセミナーなどを行いました。」

自国のオーストラリアからJVTAのリモート授業に参加し、日英映像翻訳者のスキルを身につけたことで世界に活躍の場を広げたブリテンさん。今後もさらなる展開を期待したい。

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