News
NEWS
[JVTA発] 今週の1本☆inBLG

今週の1本 『映画ドラえもん のび太の宇宙英雄記(スペースヒーローズ)』

今週の1本 『映画ドラえもん のび太の宇宙英雄記(スペースヒーローズ)』
Tweet about this on TwitterShare on Google+Share on FacebookShare on TumblrPin on PinterestDigg thisEmail this to someonePrint this page

3月のテーマ:空気
 

毎年、春休みに上映されているドラえもんの映画。今年で35作目となるこのシリーズは毎作品、200万人以上の観客数を誇り、2013年に公開された『ドラえもん のび太の秘密道具博物館』では、邦画史上初となるシリーズ累計1億人という観客数を記録している。その人気の秘密は、昔も今も、不器用なのび太が困難に立ち向かう姿に、観客の子どもたちが自分の姿を重ね合わせることができるからだろう。今作でものび太は、宇宙海賊からポックル星を守るために傷つきながらも敵と懸命に闘っていく。
 

これだけ長く作られていると、舞台や敵が違うだけで、同じようなストーリーになってしまうのは仕方がないだろう。「じゃ、大人にとって退屈な映画なのか?」というと、そんなことは全くない。子どもにねだられて映画館に足を運んだ親(大人)にもドラえもんの映画は、大事な何かをくれる。子ども時代の楽しい気持ちや記憶、家族や友情の大切さと素晴らしさ、好きな相手を思う気持ち…。人によってそれは違うだろうが、どこか心があったかくなるような幸せな気持ちだ。
 

その顛末を聞いているだけで本当に苦しくなるような川崎の事件。「アパルトヘイトを称揚したことなどない」と釈明した作家のコラム。隣国の人に対しての心ない書き込み。どこを見ても僕の心には「怒り」ばかりが湧いてくる。まるで怒りの厚い空気に心が覆い尽くされてしまったようだ。
 

心の中に風を吹かせて、怒りの感情を少しでも吹き飛ばしたい。だから僕はドラえもんの映画を観続けたい。この何年間かは子どもたちと観に行っていたが、子どもたちも大きくなった。もうドラえもんの映画を「観たい」とは言わなくなってしまったので、パパは一人で観に行くしかない。ちょっとさびしい気持ちだ。
 

─────────────────────────────────
『映画ドラえもん のび太の宇宙英雄記(スペースヒーローズ)』
監督:大杉宜弘
演出:酒井和男
原作:藤子・F・不二雄
声の出演:水田わさび、大原めぐみ、かかずゆみ、木村昴、関智一ほか
製作国:日本
製作年:2015
─────────────────────────────────

──────────────────────────────
Written by 丸山雄一郎
──────────────────────────────

[JVTA発] 今週の1本☆
当校のスタッフが、月替わりのテーマに合わせて選んだ映画やテレビ番組について思いのままに綴るリレー・コラム。最新作から歴史的名作、そしてマニアックなあの作品まで、映像作品ファンの心をやさしく刺激する評論や感想です。次に観る「1本」を探すヒントにどうぞ。

Tweet about this on TwitterShare on Google+Share on FacebookShare on TumblrPin on PinterestDigg thisEmail this to someonePrint this page