11月のテーマ：クール
 

公開まであと399日！　先週、スター・ウォーズの新作のタイトルが発表された。その作品名は『STAR WARS：THE FORCE AWAKENS（原題）』。ウォルト・ディズニーがルーカスフィルムを買収したことにより制作が決まった『スター・ウォーズ　シリーズ』の続編「エピソード7」だ。最新作では、旧3部作の主要メンバーに新たなキャストを加え、『ジェダイの帰還』の30年後の世界を描く。監督は海外テレビドラマ『LOST』や映画『M:i:III』、『SUPER ８／スーパーエイト』を手がけたＪ・Ｊ・エイブラムス。脚本は監督自身と『帝国の逆襲』や『ジェダイの帰還』の脚本を担当したローレンス・カスダン。スター・ウォーズファンにとっては期待が高まる顔ぶれだ。「エピソード1～3」では成し得なかった、旧3部作に匹敵する作品にしてほしい。
 

私が初めて『スター・ウォーズ』に出会ったのは小学生のときだ。当時はただライトセーバーや宇宙船のカッコ良さやアクションを楽しんでいただけだったが、やがて少しずつヨーダやオビ＝ワン・ケノービの言葉に興味をひかれるようになっていた。そして何回も観るたびにその言葉の意味や重さ、深さの虜になった。今や私の人生のバイブルである。
 

ビデオテープの時代から始まり、レーザーディスク、ＤＶＤ、ブルーレイと再生メディアが変わるたびに、その最新の機器に合わせて発売されたソフトを買い続けている。興味のない人に言わせると同じ内容なのになんで何枚も買うの？　と呆れられるが、実は少しずつ本編に変更があったり、特典映像がついていたりと微妙に違うのである（笑）。
 

スター・ウォーズを愛するファンが制作したドキュメンタリー映画『ピープルＶＳジョージ・ルーカス』という作品の中に“『スター・ウォーズ』と書いてあるとなんでも買ってしまう”というあるファンの話が出てくるが、まさにそんな感じである。私も“スター”という言葉が出てくるだけで、反応してしまう。自分にとって『スター・ウォーズ』はすべてではないが、自分の体の一部であることに間違いはない。
 

現時点で最新作の主な撮影は無事に終わり（途中、ハリソン・フォードの怪我はあったが）、早くも公開に向けてファンの間では盛り上がりを見せている。エイブラムスは、“リークしてしまった感”を演出しながら撮影中の写真や動画をＷebにアップするといった、小粋で遊び心のあるマーケティングを展開している。これから少しずつ情報が公開され、2015年12月18日にいよいよその全貌が明かされる。タイトルが発表されただけで、これだけ話題になり楽しめる作品が他にあるだろうか？　生みの親であるジョージ・ルーカスの手を離れて新たな境地を開拓し、前6部作を超えるクールな作品にしてほしい。もう二度と新3部作のような失望を味わいたくない（あくまで私の個人的な感想だが、新３部作は旧３部作と比べて本当の大人向けに作られていない）。
 

そして私は来年、一体いくら“スター・ウォーズ”のために散財してしまうのか、今から心配だ。
 

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『Star Wars : The Force Awakens（原題）』
監督：Ｊ・Ｊ・エイブラムス
出演：ハリソン・フォード、マーク・ハミル、キャリー・フィッシャー
製作国：アメリカ
製作年：2014年
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Written by 塩崎 邦宏（シオサキ・クニヒロ）　
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[JVTA発] 今週の1本☆　10月のテーマ：事件
 
日本映像翻訳アカデミーのスタッフが、月替わりのテーマに合わせて選んだ映画やテレビ番組について思いのままに綴るリレー・コラム。最新作から歴史的名作、そしてマニアックなあの作品まで、映像作品ファンの心をやさしく刺激する評論や感想です。次に観る「１本」を探すヒントにどうぞ。