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発見!キラリ  華になる

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12月のテーマ:華
 

あれは中学生の時だったと思う。毎月購読していた別冊マーガレットという少女漫画雑誌に、大沢まきの『花になる。』という作品が連載されていた。大正の時代を舞台に、千代という少女が人々に支えられながら銀幕のスターを目指す人間ドラマだ。そんなにヒットした作品ではない。でも、以前のキラリ(『水平線の向こう』 http://www.jvta.net/?p=7907)やGCAIの動画 (https://www.youtube.com/watch?v=0bI5gp-TC_o)でもお伝えしたように、中学生の頃から役者を夢見始めた私は『花になる。』にとても惹きつけられた。また、登場人物たちが洋装と和装を着こなす姿がとても魅力的で、着物が大好きな私はその画にも夢中になったものだ。
 

なぜこの漫画のことを今、思い出しているのか。
 

映画が活動写真と呼ばれていた時代。スターが本当のスターだった時代。その中でも伝説として語り継がれる存在が先日、亡くなった。原節子だ。
 

今見てもその美しさには女の私でも息をのむ。瑞々しく、凛として、品と華がある。「これが女優というものか」と思う。私が自分の芝居経験を語る時に自分のことを「女優」ではなく「役者」と言うのは、こういう人たちがいるからだ。私にとって「女優」とは別格の存在で、恐れ多くて自分のことを「女優」と思ったことはない。
 

原節子は大輪の花だった。しかし私が一番感銘を受けたのは彼女の花としての見事な散り際だ。映画史に名を刻んだ彼女は42歳という若さでスッパリと引退し、その後は一切表舞台に登場することはなかった。引退後の生活は謎のベールに包まれ、今回の訃報に「え、ご存命だったの?」と驚いた人も少なからずいたことだろう。原節子は、この生き様をもって完全に「花」になったと私は思う。大輪の花を咲かせ、人々の心に深い印象を残し、一瞬にして消えたのだ。
 

自分はどんな花を咲かせられるだろう? 潔く散れるか? いや~、無理かな。私は雑草魂なので、いいとこどこまでも泥臭く、踏まれても頑張って生え続けているタンポポくらいか。これはこれで悪くない(ちょっと、おこがましいが…)。『世界に一つだけの花』を咲かせられるよう、私らしく、凛として生きたい。
 

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Written by 檜垣 幸子
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[JVTA発] 発見!キラリ☆  12月のテーマ:華
日本映像翻訳アカデミーのスタッフが、月替わりのテーマをヒントに「キラリ☆と光るヒト・コト・モノ」について綴るリレー・コラム。修了生・受講生にたくさんのヒントや共感を提供しています。

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