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80年代悪役メモリアル② 銃ではなくて、ナイフで決着をつけてやる!ヴァーノン・ウェルズ in『コマンドー』

80年代悪役メモリアル② 銃ではなくて、ナイフで決着をつけてやる!ヴァーノン・ウェルズ in『コマンドー』
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【最近の私】映画『メッセージ』を観ました。とても良かったです。この監督の新作『ブレードランナー 2049』が今から楽しみです。

 
アーノルド・シュワルツェネッガーは、『ターミネーター』(1984年)に出演後、80年代に多くのヒット作に主演し、人気の絶頂期を迎えていた。当時の彼は、シルヴェスター・スタローンと人気を二分する肉体派アクション俳優と呼ばれていた。今回は『ターミネーター』の次にシュワルツェネッガーが主演した『コマンドー』(1985年)で、悪役を演じたヴァーノン・ウェルズを紹介したい。
 

『コマンドー』でシュワルツェネッガーが演じるのは、元コマンド部隊の隊長ジョン。彼は軍を引退して娘と平和に暮らしていた。だがジョンの部下たちが次々に殺され、ジョンも謎の集団に捕えられる。ジョンを襲ったのは、かつて南米バル・ベルデの大統領だったアリアスが率いる一味で、その中にはジョンの部下だったベネットもいた。ベネットは残虐な人格のため、コマンド部隊から追放されて以来、ジョンに復讐する機会を狙っていたのだ。アリアスはジョンに、バル・ベルデの現大統領暗殺を命じ、断れば娘を殺すと脅す。ジョンは、バル・ベルデに向かって離陸した飛行機に乗り込むが、途中で飛び降りると(!)、娘を救いに向かう。飛行機が現地に到着するまで11時間。それまでに娘を救わねばならない。
 

リーアム・ニーソン主演の『96時間』(2008年)を観た時、「これは『コマンドー』みたいだな」と思った。誘拐された自分の娘を主人公が96時間以内に救おうとする物語だが、それに比べ、『コマンドー』は11時間以内と制限時間が短いので、シュワルツェネッガーは敵を次から次へと倒していく。
 

本作でのシュワルツェネッガーは本当に強い。電話ボックスをかついで投げ飛ばし、横転した自動車を手でひっくり返すなど、とても人間業とは思えない。まるで、『ターミネーター』で彼が演じたサイボーグが、実はコマンド部隊長でしたというような強さだ。終盤ではジョンが1人でアリアスの基地に乗り込み、数百人の兵士を相手に銃撃戦と爆破を繰り広げ、最後はベネットとの一騎打ちとなる。
 

ベネットを演じたヴァーノン・ウェルズはオーストラリア出身で、『マッドマックス2』(1981年)でも悪役を演じていた。ベネットは10万ドルでジョンの娘の誘拐を引き受けたが、タダでもやっていいというくらい、ジョンに恨みを持っている。だがジョンの強さを認めており、彼に恐怖心も持っている男でもある。

 

クライマックスでは最初、ベネットは銃を手に娘を人質にして優位に立つ。だがジョンに「銃なんかではなく、ナイフで決着をつけよう。俺を殺すのが目的だろう」と挑発され、「銃なんか要るか、ナイフで殺してやる!」と見事に乗ってしまい、銃を投げ捨ててナイフでの一騎打ちになる。相手の言うことにすぐキレるところが彼の弱点かもしれない。しかし、そんな人間っぽいところが、無敵ぶりを披露するシュワルツェネッガーと対照的で、魅力的なキャラクターだといえる。そして、元コマンド部隊の2人がナイフと肉弾戦で繰り広げる激しい戦いの末に迎える、ベネットの悲惨な最期は、見どころの1つでもある。
 
 

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Written by 鈴木 純一(すずき・じゅんいち)
映画を心の糧にして生きている男。『バタリアン』や『ターミネーター』などホラーやアクションが好きだが、『ローマの休日』も好き。
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戦え!シネマッハ!!!!
ある時は予告編を一刀両断。またある時は悪役を熱く語る。大胆な切り口に注目せよ!

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