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あの男が帰ってきた、新章始動。『ジェイソン・ボーン』の予告編

あの男が帰ってきた、新章始動。『ジェイソン・ボーン』の予告編
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【最近の私】NHKで待望の『浦沢直樹の漫勉』シーズン3が始まります。白い紙から漫画家のペンで世界が作り上げられていく過程は、何度見てもワクワクします。
 

当コラムで以前も書いたが、最近の映画は人気作品の続編、リブートやリメイクに加え、コミックの映画化が本当に多い。中には「何でこの映画の続編やリメイクを作るの?」と思ってしまう作品もある。一方、『スター・ウォーズ/フォースの覚醒』のように公開前は期待と不安があったが、公開されて好評を博し、今年末にはスピン・オフ『ローグ・ワン/スター・ウォーズ・ストーリー』が控えるなど、ファンには待ち遠しい作品もある。正編のファンというは、続編やリメイクに対して複雑な感情を抱くものである。今回はマット・デイモン扮するジェイソン・ボーンのシリーズ5作目となる最新作、『ジェイソン・ボーン』の予告編を紹介したい。
 

同作の1作目『ボーン・アイデンティティ』(2002年)は、記憶を失ったスパイ、ジェイソン・ボーンが、自分が誰であるかを追求する物語だ。CGやVFXを駆使した派手な要素はないが、スマートな動きで魅せる激しい格闘シーン、フランスの街を失踪するカーチェイスなど、リアルなアクションと知性を持ったボーンのキャラクターが人気を博す。この作品のこうした“リアル指向”は『007/カジノ・ロワイヤル』にも影響を及ぼしていると思われる。その後『ボーン・スプレマシー』『ボーン・アルティメイタム』と続編が製作され、2012年にはデイモン抜きでシリーズ4作目『ボーン・レガシー』が公開された。(デイモンは写真のみの登場だった)。
 

『ジェイソン・ボーン』の予告編は、ボーンがある男と『ファイト・クラブ』みたいに観衆に囲まれながら素手で殴り合いをしている場面から始まる。ボーンがなぜこんなことを?と思わせ、シーンが街中へと変わると、今度はボーンがバイクに乗って銃を撃つ。これまでジェイソンは雑誌やペン、タオルなど身近にあるものを使って戦ってきた。それが今回はなぜ銃を? ボーンを追跡するCIA長官(トミー・リー・ジョーンズ)が「なぜ今頃 戻ってきた?」とつぶやく。ボーンは3作目の『アルティメイタム』以降、行方が分からなくなっていたのだ。ちなみに、ジョーンズは最近の日本では缶コーヒーのCMのイメージが強いが、ハリソン・フォード主演の『逃亡者』で、主人公を追うFBI捜査官役でアカデミー賞を受賞した実力派だ。この映画以降、いまだに自分にはジョーンズに“追跡者”というイメージが残っている。その後、ジョーンズを主演に(『逃亡者』の)スピンオフ『追跡者』が製作されたことも大きい。
 

本作には、これまでもシリーズに登場したジュリア・スタイルズが、元CIAのニッキー役で再び登場している。「自分が誰か分かっている。全部思い出した」と言うボーンに、ニッキーは「それが全部じゃないとしたら?」と驚愕の発言をする。
 

予告編ではシリーズお馴染みの格闘シーンが披露され、ド派手なカーチェイスシーンもある。この場面はラスベガスの大通りで道路を一時閉鎖して撮影が行われたという。車が何台も大破するシーンはまるで『ワイルド・スピード』シリーズのようである。
 

CIAエージェントのリーを演じるのは、『リリーのすべて』でアカデミー助演女優賞を獲得したアリシア・ヴィキャンデル。リーは「世界は戦争状態。完璧な兵器が必要」とボーンを追う。ボーンの正体の秘密には、政府の作戦が関係しているのか。それからもう1人、ボーンを狙う工作員に『ブラック・スワン』のヴァンサン・カッセル。彼が悪役を演じているようだ。映画は悪役が強烈なほど面白い。カッセルは『ドーベルマン』でも強盗を演じていたので、また今回も凶悪なキャラクターを見せてほしいです。
 

予告編では「新章始動」とあるので、再びシリーズ化されるのか、そちらも気になるところ。とりあえず、新章となる『ジェイソン・ボーン』を映画館で観てきます!
 

今回注目した予告編:『ジェイソン・ボーン』
監督:ポール・グリーングラス
出演:マット・デイモン、ジュリア・スタイルズ、トミー・リー・ジョーンズ
10月7日から公開
公式サイト
http://bourne.jp/
 

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Written by 鈴木 純一(すずき・じゅんいち)
映画を心の糧にして生きている男。『バタリアン』や『ターミネーター』などホラーやアクションが好きだが、『ローマの休日』も好き。
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戦え!シネマッハ!!!!
ある時は予告編を一刀両断。またある時は悪役を熱く語る。大胆な切り口に注目せよ!
 

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