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明けの明星が輝く空に
空想がいつの日か現実に?

明けの明星が輝く空に<Br>空想がいつの日か現実に?
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【最近の私】11月30日、富士山マラソンに参加。足が痛くなって苦しかったが、「足が痛くても死ぬわけじゃない」と自分に言い聞かせると、少し楽になった。気の持ちようとはこのことか。
 

僕は、iPhone 6のニュースを見てもまったく興味が湧かないような人間だが、ウェアラブル端末というものには、ちょっとだけ心を動かされる。メガネ型の端末はSF映画の兵士を連想させるし、腕時計型ならウルトラ警備隊になった気分が味わえそうだからだ。
 

『ウルトラセブン』に登場するウルトラ警備隊は、“ビデオシーバー”と呼ばれる腕時計型の通信機器を使用していた。それはいわば小型のテレビ電話で、カバーを開けば、その裏面のモニターに相手の顔が映し出される仕組みだった。当時の子どもたちが憧れたビデオシーバーが、数十年たったいま、現実に手に入れられそうなところまできている。僕はこんなにも早く、「長生きはするものだ」という言葉を実感するとは思わなかった。
 

ビデオシーバー以外にも、特撮作品に登場したテクノロジーは現実のものとなりつつある。たとえば「垂直に着陸するロケット」。これを実際に開発しているのは、アメリカのスペースX社。特撮ファンが考えたとしか思えないようなネーミングの会社だが、それだけに大いに期待したくなる。ただし、まだ実験の段階で、数百メートルの高さまでしか飛ばせないようだ。このロケットで他の惑星に着陸するという姿を見るのは、かなり先のことになるだろう。
 

将来、実現したら便利だと思う空想科学テクノロジーが3つある。まず1つ目は「カプセル怪獣」のカプセルだ。主人公のモロボシ・ダン(ウルトラセブン)は何らかの理由で変身できないとき、懐から取り出したカプセルを投げ、その中に入っているしもべの怪獣を巨大化して出現させ、自分の代りに戦わせた。あんなカプセルがあれば護身用に使える。ドーベルマンなどを入れて携帯すれば、夜道を歩く女性も安心だろう。子どもに持たせれば、誘拐事件も減るに違いない。またカプセル怪獣のカプセルは、災害時にも役に立つ。大型犬をポケットに入れて避難できるので、被災地に置き去りにしなくて済む。畜産農家の場合は、大事な家畜を失うこともない。怪獣が収まるぐらいのキャパなのだから、牛の50頭や100頭ぐらいどうってことないはずだ。
 

2つ目は、敵の攻撃を防ぐ「バリヤー」。いうまでもなく、これも護身という観点から実用性が高い。例えばウルトラ警備隊の専用車、ポインター号は光波バリヤーで車体を包んで敵の攻撃を防いだ。また、ウルトラマン最強の敵、ゼットンの電磁バリヤーは、スペシウム光線すら通じない強力なものだった。そんなバリヤーを発生する装置を身に着ければ、通り魔がナイフを持って暴れようが、突風で看板が飛んでこようが、かすり傷ひとつ負うことがないだろう。女子高校生なら、満員電車で痴漢にあうこともなくなる。スズメバチ駆除の業者は、気軽にTシャツで作業できる。個人的には、ぜひ自転車に乗るときに使いたい。以前、峠道で雷雨に遭遇したとき、まったく逃げ場がなくて肝を冷やす思いをしたからだ。
 

そして最後が、「テレポーテーション(瞬間移動)」だ。『スター・トレック』では転送装置を使って宇宙船と惑星の間を行き来していたが、望ましいのはウルトラマンのように装置に頼らず、自らの力で移動する方式だ。その理由は、映画『ハエ男の恐怖』を思い出してもらえれば分かるだろう。スター・トレック方式は、下手をすれば、ショッカーの改造手術を受けていないのに、クモ男やハチ女に生まれ変わるはめになってしまう。ただし、ウルトラマン方式にも問題はある。寿命をかなり縮めてしまうのだ。それを考えると、虫が転送装置に紛れ込まないよう、細心の注意を払うしかない。どちらにせよ、もしテレポーテーションが可能になれば、これほど便利なことはないだろう。海外旅行へ行くのに、何時間も飛行機に乗らずに済む。災害時には速やかに避難できる。竹富島や富良野に住みながら東京の会社で働くこともできるし、単身赴任なんて過去のものとなる。
 

特撮作品はいうまでもなく、空想の世界のお話だ。それを現実の世界に引き寄せて、あれこれ想像の枠を広げてみるのも楽しい。カプセル怪獣やバリヤー、テレポーテーションには、上に書いた以外にもいろいろ活用法があるかもしれない。この記事を読んでいる皆さんも、想像してみてはいかがだろうか。
 

●明けの明星が輝く空に
改めて知る特撮もの・ヒーローものの奥深さ。子供番組に隠された、作り手の思いを探る
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【written by 田近裕志(たぢか・ひろし)】
子供の頃から「ウルトラセブン」などの特撮もの・ヒーローものをこよなく愛す。スポーツ番組の翻訳ディレクターを務める今も、初期衝動を忘れず、制作者目線で考察を深めている。
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