【世界最大級の映画祭が開幕】海外大学生たちによる字幕作品が上映
第23回ニッポン・コネクション(以下、ニチコネ)が、2023年6月6日よりドイツのフランクフルトで開催される。ニチコネは、長編、短編、インディーズ作品など幅広いジャンルの日本映画が上映される世界最大級の日本映画祭で、今年もおよそ100本の日本映画がラインナップされている。JVTAは若手監督に実験的アプローチへの場を提供する「ニッポン・ヴィジョンズ」のアワード・スポンサーとして参加するほか、日英字幕翻訳の体験レッスンを開催するなど、様々な形で本映画祭に関わっている。海外の大学生が英語字幕を付けた作品の上映もその1つだ。
JVTAは2017年から「海外大学字幕プロジェクト(GUSP)」を実施している。海外の大学生がJVTA講師の指導のもとで英語字幕を制作し、完成した作品が「ニッポン・ヴィジョンズ」内の「JVTA Meets PIA Film Festival: Shorts」で上映されるのだ。今回は『最も無害で、あまりにも攻撃的』(中田江玲監督)、そして『暮れる』(竹田優哉監督)の2作品をドイツのハインリッヒ・ハイネ大学とベルギーのゲント大学の学生たちが制作した。
『暮れる』(竹田優哉監督) ハインリッヒ・ハイネ大学(ドイツ)の学生が字幕を担当。
『最も無害で、あまりにも攻撃的』(中田江玲監督) ゲント大学(ベルギー)の学生が字幕を担当。
GUSPの授業は東京にいる講師と現地の学生をオンラインでつなぎ、ディスカッションしながら英語字幕を完成させていく流れだ。完成後、ニチコネの上映会で初披露される。
授業は、翻訳室チーフディレクターでJVTA講師でもある石井清猛と、同じくJVTA講師のビル・ライリーが担当。2人はGUSPだけでなく、ニチコネの字幕ワークショップでも教えている。JVTAでニチコネに長年携わっている石井講師は、今までGUSPに参加してきた両大学の学生は日本語力だけではなく、翻訳に必要なスキルを持ち合わせていると語る。
「彼らの日本語に対する知識は豊富です。アカデミックに勉強していて、文化的な関心が高いのも分かります。映像翻訳の本質は文化や言葉の壁を越えてコンテンツを届けること。ただ言葉を訳すのではなく、どのようにコンテンツと向き合い、消化するのかが重要です。その点において、彼らは非常に優秀で、いろんなアイデアを持っています。加えて、多様な映像作品に触れているので、作品のストラクチャー(構成)や登場人物の分析など、コンテンツを解釈するポテンシャルも高い。たとえ、彼らの考えや答えが間違っていてもそれなりにロジックを持っていて、そこは非常に良い点だと思います」
ニチコネでJVTAは英語字幕制作だけでなく、日本語学習者向けの日本語レッスンや日英字幕翻訳のワークショップを担当している。どちらもオンラインで行われるので日本からでも参加が可能だ。
その他、60を超えるワークショップ、コンサート、講演、展示など、多彩なプログラムが用意されているので、ぜひチェックしてみてほしい。
<JVTAが担当するワークショップ>
日本語学習者向けワークショップについてはこちら 。
(6月8日(木)11:30開始。2時間程度。無料)
日英字幕翻訳ワークショップについてはこちら 。
(6月10日(土)13:00開始。2時間程度。無料)
GUSPでの授業の様子は、JVTAの特設サイト で公開される予定だ。
その他上映作品、イベント情報は公式サイト から。
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【スタッフコラム】Fizzy!!!!! JUICE #35 赤ちゃんが笑うとき●小濱みなみ(スクール部門チーフ)
甥っ子が1歳半を迎えた。 子どもは特段好きでも嫌いでもなかったが、甥っ子のことはかわいくかわいくて仕方がない。 泣き顔がかわいい。物を床に投げる手がかわいい。笑い声と仕草に心を奪われる。「きゅんとする」とはこういうことなのか。ああ、愛おしい。 よく「子育てをすると、子どもから学ぶことがたくさんある」と聞くけれど、たしかに、甥っ子を見ているだけの私でも気づきがある。今回は最近の気づきを3つほど紹介したい。(子育てが大変な皆さん、のんきなことを言って申し訳ない。)
1.心と体はつながっている 甥っ子はお通じが上手くいかないと不機嫌になる。さっきまで喜んでいたオモチャを見せても、ぷいっとそっぽを向く。しかしお通じが上手くいくと、とたんにニコニコと上機嫌だ。 体の調子と心の調子は直結している。当たり前のことように思えるが、そのつながりを日常で意識することはあまりない。大人になると、疲れるまで体を酷使し、自分の機嫌が悪くなってはじめて「ああ、私、疲れているのかも」と気づく。普段から、もっと体の声に耳を傾けられたら、もっと心の声に素直に行動できたら、心と体の調和がとれるように思う。ニコニコ笑う甥っ子を見ながら、自分の胸に手を当ててそっと息を吸った。
2.興味は自分で見つける 8カ月を過ぎた頃の甥っ子は、私の変顔を見てよく笑った。高い声をあげて笑うのがかわいくて、次に会った時にもいっぱい変顔をしようと心に決めた。ところがどっこい、数カ月後に会ったとたんに泣かれ、私の存在に慣れても変顔には反応しない。私の顔に迫力が足りないだけかもしれないが、よく観察すると絵本やオモチャの「お気に入り」が変わったことに気づく。興味のあるものが変わったのだと、当たり前のことに感動を覚える。 私だって、海外ドラマや音楽の「お気に入り」は変わる。ただ、興味が湧くものに日々出会っているという感覚はそれほどない。よく周りを見渡せば、初めて見聞きする物事はすぐに見つけられるはずなのに、いつも同じ景色を見ている気がする。なんとも平坦な毎日だ。幼いころは自然と感じていた「これは何だろう?」。その一瞬の好奇心を見逃さず、自ら探してみよう。
3.転んでも意外と大丈夫 歩けるようになった甥っ子。まだよたよたしているのに、走りたくなるらしい。だだっと駆けて、どたっと転ぶ。すぐに泣き出すのかと思いきや、数秒固まる。いち、にい、さん…ここであわてて大人が駆け寄ると、はっと気づいたように泣き始める。ゆっくり落ち着いて近寄ると、意外と大丈夫。泣かない。立ち上がって、すたすた歩きだす。 仕事でうまく行かなかったとき、私生活で思うように物事が進まなかったとき、誰かに共感してもらえると、とても安心する。しかし、「つらい」という言葉を誰かと一緒に発し続けると、本当はそこまでつらくなかったはずのことにまで、心が重くなってくる。甥っ子がすくっと立ち上がるように、日常のハプニングには一呼吸おいてから落ち着いて立ち向かいたい。
以上、最近私がもらった3つの気づきだ。これらの気づきは、映像翻訳を学ぶうえでも役立つのではないか。翻訳の課題や仕事に追われると、心と体の声を聞くことが疎かになり無理を重ね、仕事中心の日々で視野が狭くなり、冷静に深呼吸することも忘れて心が重くなってしまうことがある。そんな時は赤ちゃんの笑顔を想像しながら、ぜひ上記3つの気づきを思い出してほしい。
さて、これだけの気づきをくれた甥っ子に、今度は何を持っていこう。絵本かな、オモチャかな、最近お気に入りのおやつは何だろう。この原稿を書いている間にも、姉から甥っ子の写真が送られてきた。うれしそうに木琴を叩いているではないか。ピアノも好きなようだったし、この子は音楽家になるのかしら。ああ、かわいい。のんきな叔母の愛は、今日もあふれてとまらない。
—————————————————————————————– Written by 小濱みなみ
こはま・みなみ●日本映像翻訳アカデミー・スクール部門チーフ。 —————————————————————————————–
「Fizzy!!!!! JUICE」は月に1回、SNSで発信される、“言葉のプロ”を目指す人のための読み物。JVTAスタッフによる、示唆に富んだ内容が魅力です。一つひとつの泡は小さいけど、たくさん集まったらパンチの効いた飲み物に。Fizzy! なJUICEを召し上がれ! ・バックナンバーは▶こちら ・ブログ一覧は▶こちら
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【イベントレポート】JVTA生は生涯にわたってJVTA生!2023年4月期ウェルカムパーティーをリモート開催!
AIの進化も楽しみながら、自らのスキルを高め学び合おう
日本映像翻訳アカデミー(JVTA)では毎期ごとに、新しく映像翻訳を学び始めた方を迎えたウェルカムパーティーを開催している。
2023年4月期のウェルカムパーティーも引き続きリモートで開催となった。「英日映像翻訳総合コース・Ⅰ」「日英映像翻訳総合コース」、バリアフリー字幕や音声ガイドの制作のスキルを学ぶ「バリアフリー講座」の「音声ガイドディスクライバー養成講座」、そして英文解釈力の向上を目指す「English Clock ロジカルリーディング力強化コース」 の受講生とスタッフ合わせて約60名が参加。日本各地だけでなくアメリカやイギリス、インドネシア、ドイツ、オーストラリア、オランダなど世界各国からの参加者がおり、日本語と英語が飛び交うグローバルなパーティーとなった。
パーティーはJVTA代表・新楽の挨拶からスタート。ここ最近で急速に社会的な話題となっている生成AIなどに対し、新楽は「『人かAIか?』と議論されているタイミングだが、AIがどれだけ進化しても、人が言葉を学び社会に還元していくことは揺るがないと思っている」と断言。テクノロジーの進化によって、むしろ時代がおもしろくなってきたとして、「AIを人が活用することで、よりおもしろいことができるとJVTAは考えている。皆さんにも楽しんでほしい」と語った。
今回の乾杯の音頭は、英日と日英映像翻訳で指導するほか、日本のコンテンツを世界に売り込むためのスキルを身につける「ブランド&マーケティングストラテジスト養成コース」も担当する浅川奈美講師が担当。「学校は教え合い、高め合い、真似し合い、作り合うことができる場所。JVTAで学びを最大限にし、高めあってほしい」と熱く語り、乾杯へと進んだ。乾杯の後は講師陣、受講生の皆さんの学習をサポートするクラス担当スタッフ、そしてJVTA各セクションの代表者の自己紹介が行われた。
毎回パーティーでは参加者同士の交流を深めるためのアクティビティを用意。今回は、一部が隠された映画ポスターを見て作品名を当てるクイズだ。問題が進むにつれて隠される範囲が増え、徐々に難易度が上がっていく。
参加者はグループごとにブレイクアウトルームに分かれ、話し合った。問題となっている作品は近年のヒット作からクラシック映画の名作まで幅広い。しかし映像作品が好きな受講生が多いため、作品の名前自体はすいすいと出てくるグループが多かった。一方で、意外に難しいのが作品名の「表記」。「『THE GREATEST SHOWMAN』の日本語タイトルは『グレーテスト』か『グレイテスト』か?」「サブタイトルも必要か?」「『すずめのとじまり』は『戸締り』?『戸締まり』?」「・(ナカグロ)を入れるかいれないか?」など、何の作品かは分かっても表記に悩み、なかなか回答がまとまらないというのも、日ごろから課題で熱心に調べものをしている受講生ならではの会話だ。ただ回答をまとめるだけでなく、その映画を見たかどうかや、自分なりの感想を語り合いながら進めるグループもあり、映画好きな仲間と出会えた楽しさを共有していた。
そしていよいよ正解発表へ。司会者から回答が提示されると、参加者は一喜一憂。「サブタイトルがないとダメですか?」「『アバター2』だけだと不正解?」などの質問も飛び交った。「この『レゴ(R)ムービー』の日本語吹き替え版は、8人の声優で150以上のキャラクターを吹き替えています」などと、題材となった映画に関する豆知識を司会者が披露する場面もあり、場はさらに盛り上がった。
最終的に優勝したのは、桜井講師が率いるグループ。回答を提出するのも一番早かったということで、大差の勝利となった。他のチームからは、「こんなに採点が厳しいとは」と悔しがるコメントも。
アクティビティの後は再度グループに分かれての歓談タイムとなった。最近見た映画や翻訳のコツの話で盛り上がる。バリアフリー講座の受講生が参加しているグループでは、音声ガイドや言葉選びの難しさについての意見交換も行われていた。その他、「仕事で好きなジャンルの映像を選んで受けることができるか」「修了後に自分の翻訳ペースが本当につかめるようになるのか」など、かなり具体的な質問を講師にしているグループも。そういった真剣な相談には、講師たちが自分の経験をもとにアドバイスする。クイズという共同作業の後だったので、参加者同士はとても打ち解けた雰囲気になっていた。終了後の参加者アンケートでも「なかなか機会と勇気がなく話せていなかったクラスメートの皆さんとやっと話せた」「悩みなどもこういう場だとざっくばらんに話すことができる」「普段会えない講師の方々にも会うことができて嬉しかった」という声が届いた。受講生同士に加えて、講師やスタッフとの距離も近づいたようだ。
最後の挨拶は、翻訳室チーフディレクターであり、英日・日英映像翻訳の両方で指導する石井清猛講師。新楽の開会あいさつと同様にテクノロジーに言及し、「AIと競う必要はないが、負けるはずもないと思って一緒に頑張ろう」と話した。また、「一度JVTAの受講生になったら、一生JVTAの修了生。私たちは一生のサポートを惜しまない」と熱く呼びかけると、参加者は笑顔になっていた。
★参加者みんなで記念撮影★
全てのアクティビティが終了した後は、希望者が残って歓談できる時間が再度設けられた。自由参加であったにもかかわらず、多くの参加者が最終終了の時間まで残っていた。授業以外での貴重な交流機会を最大限活用したいという気持ちを、参加者の誰もが抱いていたのだろう。今回深まった受講生同士の絆は、今後学習を続けていくにあたって大きな力になるはずだ。
JVTAは今後も皆さんの学習を全力でサポートしていきます。
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SSFF&ASIA2023がもうすぐ開幕!注目作の英日・日英翻訳を手掛けた修了生にインタビュー!
6月6日(火)より、世界最大級の短編映画祭「ショートショート フィルムフェスティバル & アジア 2023(SSFF & ASIA 2023)」が開催される。2023年で25周年という祝年を迎える映画祭だ。今年のテーマは「UNLOCK」。「『解き放て!』 UNLOCK CINEMA / UNLOCK YOURSELF /UNLOCK THE WORLD」をキーワードに、既存概念から「UNLOCK(解放)」 する映画祭体験を提供する。 今年の映画祭では、スタンダップ・コメディアンであり俳優としても活動するクリス・ロックと、スペイン人俳優として初めてアカデミー賞を受賞したハビエル・バルデムが共演した『LOOK AT ME』(Sally Potter、2022)や、ベン・アフレックとマット・デイモンがプロデュースした『崩壊しつつある世界で』(Alex Lawthe、2022)などの作品が日本プレミアを迎える。また俳優の土屋太鳳や玉木宏が初めて監督を務めた作品や、映画『ちょっと思い出しただけ』(2022)で第34回東京国際映画祭の観客賞を受賞した松居大悟などの日本人フィルムメーカーによる作品にも注目だ。 JVTAは毎年、本映画祭を字幕でサポートしている。今年も上映される約200作品について、ほとんどの字幕を修了生が担当した。 今回は『LOOK AT ME』の日本語字幕を担当した茂貫牧子さんと『ネッパ』(松居大悟、2022)の英語字幕を担当したKevin Yuanさんに、字幕制作の舞台裏を聞いた。
■『LOOK AT ME』
監督:Sally Potter/イギリス・アメリカ/16:00/ドラマ/2022
チャリティイベントの会場で、支配人となり損ないのドラマーの男が対立する。自己表現と統制という二つの欲はぶつかり合いながらエスカレートし、絶え間なく続くリズミカルな背景を背に、二人の公私が爆発的に衝突する。(SSFF&ASIA2023 上映作品紹介より ) 本作の字幕を担当したのは茂貫牧子さん。茂貫さんは本作について、「短いセリフに実は意味がたくさん込められているセリフが多くて苦労した」という。 日本語字幕の制作では、「1秒につき4文字」という制限がある。そのため情報量が多いセリフは100%訳出することができない。シーンのつながりやセリフの意図を理解した上で、訳出する情報の取捨選択が必要となる。『LOOK AT ME』は、物語が進むにつれて様々な要素が明らかになる作品だ。前半のセリフが後半のシーンに影響を与えることもあり、セリフの裏に隠された真意をしっかりと読み取り、限られた字数内で適切な字幕にすることが重要である。 「物語前半で、『俺に触るな』というセリフに対して『他人のフリか?』と答えるやり取りがあります。この『他人のフリか?』は、原文では『俺のことを知らないとでもいうのか?』というセリフです。二人の関係性は、物語の後半ではっきり分かるようになります。そのため流れの中であまり唐突な感じにならないように、かつ、6文字でいかに表現するか、何度も書いては消してということを繰り返しました。」(茂貫牧子さん) 他のシーンでも、字数制限や情報の出し方に工夫を重ねた。作業過程で難しい取捨選択を迫られたこともあったそうだが、その一方で「一般の方よりも先に、繰り返しじっくりと作品を見ることができるというのは、まさにこのお仕事の役得だなと感じています」と、字幕翻訳ならではの楽しみも実感していた。 「本作は視聴者に委ねる終わり方なので、その点も気になる作品です」と茂貫さんは語る。短編作品であり、配信での視聴も可能な本作。ぜひ一つ一つのシーンやセリフに注目して、茂貫さんのようにじっくりと作品を見てほしい。
■『ネッパ』
監督:松居 大悟/日本/24:52/ドラマ/2022
お客さんには伝えずに迎えた、50年続いたサウナの最終営業日。熱波師でもあるトウジは最後の熱波(ネッパ)に向かう。何も知らない客は…「なんか今日、気合い入ってない?」。サウナ施設の小さな夜。(SSFF&ASIA2023 上映作品紹介より ) 本作はKevin Yuanさんが英語字幕を担当した。Kevinさんは本作について、サウナ施設の最終営業日の様子しか描かれていないにもかかわらず、50年間の長い歴史を感じられる点がとても魅力的だと言う。サウナに行った経験がほとんどなかったとKevinさんにもサウナの魅力が伝わり、実際に行ってみたくなるほどおもしろい作品だったそうだ。 「作品内に出てくるロウリュや熱波のサウナ文化は日本発祥のものではありませんが、日本文化の中で人気を集めてきたものです。映画祭での上映や配信を通して、『日本文化にはこんなものもあるよ!』というような紹介にもなってほしいと思います。」(Kevin Yuanさん) サウナ経験がほぼなかったというKevinさんは、当然サウナに関して詳しいわけでもなかった。そのため、「熱波」のシーンの翻訳には時間をかけたと言う。ロウリュと熱波の違いや、アロマ水の活用、熱波師の役割など、サウナに関して調べていくなかで少しずつ理解できるようになった。「予備知識がないときはいい字幕を作ることが難しい」と、翻訳者にとって調べものが非常に大切であることを改めて感じた。 その他、作中で登場人物が泣くシーンでは、泣いているときのセリフの途切れに字幕を合わせ、感謝の気持ちが伝わるような表現を使うようにした。「字幕には登場人物の性格や気持ちを表す役割もある」と、登場人物の気持ちがきちんと伝わるような字幕を心がけたそうだ。 「25分の作品ですが、個性あふれる登場人物の言動を通じて、サウナ施設に対する様々な思いがうまく描かれていくことに感心した」とKevinさんが語る本作。ぜひ英語字幕にも注目して見てもらいたい。 『LOOK AT ME』と『ネッパ』の上映スケジュールやオンライン配信予定は、SSFF2023の公式サイトでぜひチェックを。
■ショートショートフィルムフェスティバル&アジア2023 公式サイトは▶こちら
■オンライン会場は▶こちら
配信期間:2023年4月27日~7月10日 さらに6月6日(火)には、LINE CUBE SHIBUYAにて映画祭オープニングセレモニーが開催される。会場での鑑賞チケットは現在発売中。オンラインでの同時配信も実施されるので、こちらも要チェックだ。
■オープニングセレモニー 詳細は▶こちら
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「日本語はセンスではない」日本語表現力強化コース講師が教える日本語のブラッシュアップ方法
「英語を日本語に訳す翻訳者」と聞くと、多くの人は「高い英語力が必要」と考えるだろう。もちろん一定の英語力は必要だ。しかし、実際の翻訳では、英語力以上に「日本語力」が求められる。JVTAはプロの映像翻訳者を育成するなかで、この日本語力のスキルアップに力を入れている。「映像翻訳者=言葉のプロ」として、日本語表現力の大切さを一貫して説いてきた。 今回JVTAが開催した特別セミナー「コトバを仕事にする前に知っておきたい 日本語ライティング 5つの心得」は、「日本語のライティングを勉強してみたい」「これから翻訳者を目指したい」という日本語ライティングの初級者に向けたセミナーである。JVTAでは、英日映像翻訳者に求められるスキルの1つに「日本語表現力」を掲げ、カリキュラムに組み込んでいる。本セミナーは、実際に「日本語表現力強化コース」を教える丸山雄一郎講師が登壇し、様々な例文を用いながら読み手に伝わる日本語表現について解説した。◆知っトクポイント◆字幕にも通じる日本語表現のポイント「できるだけシンプルに表現する」
登壇者 丸山雄一郎:「情報を補足してシンプル」にとしています。例文ではこんな文章です。発電に利用可能な土地はほぼすべて国立・国定公園内にあるため、これを保護する自然公園法が障害となってきたのだ。 という文章です。これも分かりづらくはないかなという文章です。ですがこれを普通に読んだとき、文法がおかしいわけでもないのでスルっといきそうなのですが、「この中身が知りたい」、もしくは仕事で必要となったときに、「障害となってきた」の「障害とはどんな障害なのか?」と考えませんか?障害ってつまりどういうこと?どんな障害なの?何がダメなの?何ができないの?と「はてなマーク」が出てきます。それを埋めてあげたいのです。2文に分けてもいいのですが、1文の中で解決するとしたらと考えて、次の文章を見てみます。発電に利用可能な土地のほぼすべてが国立・国定公園内にあるため、自然公園法が障害となり、開発が進められないのだ。 最初で「?」のままになっている文章を補足して、その答え(下線部)を1文の中に入れてあげると、読み手にとって非常に分かりやすくなります。 映像翻訳の場合で言えば、原文があるのではてなマークのままということもあると思います。でもその場合はなるべく次の字幕や、次の次の字幕くらいにその答えを言ってあげてほしいです。もしかすると原文と多少順番が違ってきてしまう可能性もあります。ただ、文章を読んでいてはてなマークの答えが分からないまま先に進んでいくのは、非常につらい。そのためなるべく、答えがないものには補足をしてあげたいです。そうするだけで、読み手の理解が変わります。 丸山講師は、頭に「?」が浮かばないような日本語表現の工夫を意識する大切さを伝えた。特に字幕は、前に戻って読み返したり、自分のペースで読み進めたりすることができない。読み手が一読で意味を捉えられるように、時には原文の裏に隠されている情報を足すことも必要になるのだ。 セミナーでは上記のように例文を使ってより良い日本語表現を解説することに加え、日本語の文法に対する考え方、また誰でも簡単にできる「誤字脱字チェックの方法」などが紹介された。終了後のアンケートでは「日本語のリライトが参考になった」「自分の日本語がなぜ不自然になるのか理由が分かった」「翻訳の仕事を始めてから日本語力の重要性に気づいたため、大変勉強になった」などの感想が届き、日本語表現に対する参加者のモチベーションが上がったことが伺えた。 丸山講師はセミナー内で「日本語はセンスではない」と言い切った。日本語表現力は、努力次第で誰でも高められるものなのだ。これから映像翻訳を学ぶ、もしくは学習中の皆さんには、ぜひこの言葉を信じて日本語力を磨いていってほしい。 JVTAリモートセミナーシリーズ Winter 2023 ~ もっと知りたい!メディア翻訳の世界~の詳細は コチラ
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【スタッフコラム】Fizzy!!!!! JUICE #34 これからの日韓関係について思う●筆谷信昭(取締役 兼 LA現地法人代表取締役)
これを書いている今現在、8年半ぶりにソウルに来ている。
今回の来訪目的はソウルで開催されるメンサという国際団体のアジア各国のボードメンバーが集まるASIAN PACIFIC MENSA GATHERINGという会議に参加することで、自分自身が昨年からJAPAN MENSAの運営委員(国際担当)になったことで、初めて参加させていただけることに。 自分と韓国とは振り返れば色々ご縁がある。 大学生の時、ソウル五輪を現地観戦し、韓国と韓国語に興味を持って、その後1989年に日韓学生フォーラムという活動に参加した。日韓それぞれ約20人の大学生が集まり、日韓の政治、経済、歴史、文化など両国をめぐる問題や課題などを英語でディスカッションするという一見お堅い内容のものだったが、そこはお互い学生なのでむしろ夜の飲み会や雑談、歌合戦などのほうが今は思い出深い。若き日に2週間を九州の福岡・佐賀・長崎で一緒に過ごしたのは今も忘れられない。 今回この時の仲間にも久々に会うことが出来た。みんな仕事のある中の平日のランチだったが、当時覚えた下手な韓国語も繰り出しつつ 、30年以上の時を超えてこのようなご縁がどうにか続いているのは本当に嬉しい。 韓国の近年の映像・音楽などの分野での目覚ましい世界的な活躍はあえて述べる必要もないだろう。日本でも韓流ドラマやK-popは根強い人気で、一方で日本のアニメも最近韓国で『スラムダンク』や『すずめの戸締まり』が大ヒット、またコロナ後の海外旅行先としても日本の人気は極めて高い。 韓国の人と会うと、やはりWBCの日本優勝や大谷翔平の話題もよく出る。 野球やサッカーに関しては、韓国に対しネガティブな感情を持っている日本の人が自分の周りでも少なくないが、マウンドに旗を立てたとかはもう大昔のことで、やはりこの両国が競い合いお互いレベルアップして欲しい。ネガティブな人は総じて韓国の人とリアルで話したりしたことがなく、反日、反韓的な記事に煽られてる人が多いのではないかと感じる。 一方で、自分がやはり大好きなフィギュアスケートでは今年は韓国選手の大活躍。先日日本で開催された世界選手権では、韓国の選手が演技を終了したら場内たくさんの韓国旗が掲げられ、日本のファンは皆韓国の選手の好演技に拍手していた。もちろんスポーツの性格の違いはあるし、自国を応援し勝利を願うのは当然だが、野球やサッカーも相手をネガティブに思うのではなく、フィギュアのようであって欲しいと思う。 両国を巡る政治や歴史的な問題に対して、今の両政府が前向きに解決に向けて動いているのも嬉しいことだ。もちろん簡単でない課題も多々あるが、今年2023年が、ギクシャクしていた両国の関係が大きく改善することに期待を持てるのは嬉しい。 JVTAとしても、これまで以上に韓国と仕事で関わって行ける機会を見つけてゆきたいと思う。 *2023年の世界フィギュアスケート選手権での女子フリー、韓国イ・ヘイン選手の好演技と、それを讃える日本の観客たち(2023年3月、さいたまスーパーアリーナ)
VIDEO
—————————————————————————————– Written by 筆谷信昭
ふでたに・のぶあき●日本映像翻訳アカデミー取締役 兼 JVTA, Inc (ロサンゼルス現地法人)代表取締役 —————————————————————————————– 「Fizzy!!!!! JUICE」は月に1回、SNSで発信される、“言葉のプロ”を目指す人のための読み物。JVTAスタッフによる、示唆に富んだ内容が魅力です。一つひとつの泡は小さいけど、たくさん集まったらパンチの効いた飲み物に。Fizzy! なJUICEを召し上がれ! ・バックナンバーは▶こちら ・ブログ一覧は▶こちら
映像作品の「音」が持つ役割を探る バリアフリー字幕における音の表現方法
「映像作品の音」と聞くと、どんな音を思い浮かべるだろうか? 作中に流れる音楽、効果音、役者が発するセリフ…映像にはさまざまな音が存在している。では、その音を「聞こえない、聞こえづらい人」へ、効果的に伝えるためにはどうしたらいいのか? 「バリアフリー字幕」とは、音が聞こえない状況でも映像作品を楽しめるようにするための字幕である。映像翻訳の字幕制作では、外国語のセリフを翻訳した日本語を簡潔で分かりやすい字幕にする。対して、バリアフリー字幕は日本語のセリフをそのまま字幕にするだけでなく、映像作品の「音」も情報として伝える。JVTAが開催した特別セミナー「はじめて学ぶ『バリアフリー字幕の世界』<音編>~講師と考える音の表現方法~」では、バリアフリー講座の講師が登壇。「映像の音」に注目し、バリアフリー字幕制作における音の捉え方、表現の仕方を紹介した。◆知っトクポイント◆ 映像にはどんな音が存在するのか
セミナーではJVTAの「バリアフリー講座」で授業を担当している渡辺三奈講師が、クラシック映画の名作を題材に「音の役割」について解説した。
バリアフリー字幕の制作では字幕にする音を「音情報」、役割のある音を選択することを「音を拾う」と表現する。渡辺講師は、「今回紹介するのは、音がある役割を持っているシーンです」と切り出した。
セミナーで紹介されたそのシーンの中には、音を消して映像だけ見ると不自然に感じる部分がある。自分の部屋にいる登場人物の男性が、何かに気づいてハッと顔を上げる動きをするのだ。実は、そのシーンでは部屋の外で鳴るサイレンの音が入っている。
このシーンについて、渡辺講師は次のように説明した。
「バリアフリー字幕では、音が聞こえなくても男性が顔を上げた理由が分かるよう、文字でその音情報を入れます。そのため、ここには「(サイレンの音)」という音情報を文字で入れることが必要です。ただ、実はサイレンの音は男性が顔を上げる前から鳴っています。段々と音が大きくなって、男性はようやくその音に気づくのです。この音情報の字幕は音が鳴り始めたところではなく、男性が音に気づく瞬間に入れます。」
音が鳴り始めた時点で「(サイレンの音)」という情報を入れてしまうと、視聴者が字幕に注目してしまってシーンの細かいところに目が行かなくなる、と渡辺講師は言う。どうしても人間は字幕を見てしまうので、音情報を表示するタイミングを間違えると、そのシーンで視聴者に注目してもらいたいところから注意を逸らしてしまいかねない。そのため今回の例で言えば、男性が音に気づいたタイミングで字幕を入れるのが一番効果的になる。 セミナーではこうしたなんらかの「役割のある音」の他、「拾う(字幕にする)べき音と拾わなくてもいい音」「同じ音だが役割が異なる音」が、具体的なシーンと共に紹介された。渡辺講師は「音が流れているからといってすべてを字幕として入れればいいわけではなく、その音の役割を見極め、映像を理解するためにふさわしい場所で拾うことがバリアフリー字幕では大切」と語った。 セミナーの後半では日本映画のワンシーンを使い、実際にセミナー参加者が音を拾う体験をした。「海の近くで3人の学生が映画の撮影をしている」というシーンにおいて、どんな音が存在しているか? 渡辺講師が呼びかけると、チャット欄には参加者からさまざまな音情報が届いた。波の音、カモメの声、カバンを閉じるジッパーの音、手を叩く音…普段ならなんとなく聞き流してしまうような、かすかな音にまで注目する。渡辺講師はそれらの音について、シーンの中で持つ役割やどの音を字幕として拾うべきかを丁寧に解説した。 バリアフリー字幕に初めて触れた参加者も多かったのか、「通常の字幕とは違った視点で作品の解釈が必要な字幕作業であることを知ることができた」「視覚で(そのシーンの)場所が海だと分かっているから波や風の音は字幕に入れない、ということには、『なるほど!』と思った」など、映像翻訳とは異なる視点での字幕制作作業に大いに興味を持ったようだ。参加者にとって、映像作品の新たな見方を学ぶことにもつながるセミナーとなった。 バリアフリー字幕は、テレビ放送や動画配信でも気軽に観ることができる。ぜひ、日本の作品でも字幕をオンにして見てほしい。制作側の意図をより深く感じられるはずだ。 JVTAリモートセミナーシリーズ Winter 2023 ~ もっと知りたい!メディア翻訳の世界~の詳細はコチラ
MASC×JVTA バリアフリー講座 字幕ライター養成講座、音声ガイドディスクライバー養成講座の詳細は こちら
海外の映画が日本へ届く道のりを知る 知られざる映画ビジネスの裏側
日本映像翻訳アカデミー(JVTA)の「JVTAリモートセミナーシリーズ Winter 2023 ~ もっと知りたい!メディア翻訳の世界~」では、ロサンゼルスからの特別ゲストを迎えたセミナーを開催。「『ラ・ラ・ランド』の敏腕バイヤーに学ぶ!買い付けから配給までの映画ビジネスの仕組み」と題して、海外の映画が日本で公開されるまでの舞台裏に迫った。
登壇者の附田斉子さんは日本の大手配給会社で洋画のバイヤーを務め、現在は映像コンサルティング会社を運営する映画のプロフェッショナルだ。セミナーでは附田さんに買い付けから配給までの流れ、日本ならではのマーケティングや宣伝方法、公開前の映像データの管理に関する現状まで幅広く解説していただいた。◆知っトクポイント◆映画の「権利」とは?どこでどのように買うのか?
進行役 ゲイラー世羅(以下、「ゲイラー」):まず、映画の権利にはどんな種類があるのでしょうか。 登壇者 附田斉子(以下、「附田」):映画の権利というものは、「ある映画を、あるテリトリーで何年間公開する権利を持つ」ということです。例えば私の場合は日本がテリトリーなので、作品を買って字幕をつけたとして、日本以外に持っていって公開することはできません。日本の権利しか買っていないからです。また「何年」ということで、一生その映画の権利を持てるわけではありません。 権利の種類は劇場公開の権利、ビデオの権利、最近強くなっているストリーミングの権利、テレビの権利などがあります。映画の権利の範囲も広がっていて、昔は権利として存在していなかったストリーミングが、今やメインになっていますね。権利も時代や技術の進歩によって変わっています。
ゲイラー:ありがとうございます。では、映画はどこでどのように買うのでしょうか。 附田:映画を買うのは、世界中の大きな映画祭が多いです。例えば1月にサンダンス映画祭、2月にベルリン国際映画祭、少し小さいものですが3月に香港フィルマートがあります。そして5月にはカンヌ国際映画祭、夏にベネチア国際映画祭、9月にトロント国際映画祭、イタリアのローマ国際映画祭がありますね。11月にはアメリカのサンタモニカでアメリカン・フィルム・マーケットがあります。映画祭というものは、普通の観客もチケットを買えば映画を見ることができる映画の祭典です。しかし、「マーケット」というものは、バイヤーやセラーなど、登録したビジネスにかかわる人しか参加できません。カンヌ国際映画祭やベルリン国際映画祭には、このマーケットが併設されています。つまり私たちが「映画祭に行く」というのは、「マーケットに行く」ということになります。そのマーケットで、セラーとバイヤーが丁々発止の交渉を行うのです。
ゲイラー:映画を買うと言っても、色々なプロセスがありいろいろな人が関わっていますね。
附田:アメリカン・フィルム・マーケットは、マーケットのみのイベントです。このマーケットでは近くのホテルにセラーが集まり、そこにバイヤーが出向いて交渉やミーティングを行います。またサンタモニカのシネコンでの映画上映もあり、そこで作品を見ることもあります。
ゲイラー:私もアメリカン・フィルム・マーケットに行かせていただいたことがありますが、セラーとバイヤーの真剣勝負という印象を受けました。
映画の権利を買い付けた後には、字幕をつけたり吹き替えを作ったり、日本向けの宣伝を行ったりと様々なプロセスが発生する。附田さんが語るその一つ一つは、普段は聞くことのできない、まさに「映画ビジネスの裏側」だった。日本ではおなじみの「映画の前売り券」が日本や台湾くらいでしか見られないこと、チラシやパンフレットも日本独特の宣伝方法であるというお話にも、参加者は非常に興味を抱いた様子だった。
終了後の参加者アンケートでは「普段、知ることができない映画配給の仕事の流れや、映画バイヤーの方の貴重なお話を聞くことができて楽しかった」「バイヤーや宣伝の方が苦労して映画を日本に輸入し宣伝しているお話を聞き、翻訳者としてその苦労を無駄にしてはいけないと思った」などの感想が届いた。翻訳者として映画や映像に関わっている、もしくは将来映画に関わる仕事をしたいと思っている参加者にとって、本セミナーはとても刺激になったようだ。◆映像翻訳を学ぶ方や、語学力を生かして仕事をしたい方に向けて、附田さんからメッセージをいただきました! セミナーの中でもお伝えしたのですが、「英語を話せる=英語で仕事をする人として優秀」とは限りません。ぜひそのことを肝に銘じていただきたいと思います。例えば英語の発音に自信がなくても、間違いのない、明確な英語で頑張ればいいのです。英語力がネイティブスピーカー並みだったとしても、企業で十分に英語を使って仕事ができるかというと、そうではない例もたくさんあります。「英語ができる」ということと「英語で仕事ができる」ということは別の話なのです。
大切なことは、必要な分野をしっかりと学ぶことです。映像翻訳であれば非常に多くのルールがあるということですので、そういうことをきちんと学ぶ。映画の解説をしたければ、映画をきちんと見る。映画の買い付けをしたいのであれば、買い付けもチームワークなので、自分の意見をきちんと通せるような交渉力や熱意を伝えられるコミュニケーション力を身につける。英語力以外の様々なスキルが必要です。「英語ができる」ことは基礎なのです。語学力だけでなく、しっかりしたビジネス感覚を養ってください。そして目標に適した勉強をして、謙虚に、いろいろな経験を積んでほしいと思います。 1本の映画が日本で公開されるまでの道のりには、大勢の人間が関わっている。そして映像翻訳者もその一部だ。本セミナーは、自分ひとりで翻訳作業をしていると忘れがちになってしまうこの事実を、改めて再認識するきっかけとなっただろう。映画が様々なプロセスを経てようやく日本にやってくることを知り、参加者たちの映画愛と映像翻訳へのモチベーションはさらに高まったに違いない。 JVTAリモートセミナーシリーズ Winter 2023 ~ もっと知りたい!メディア翻訳の世界~の詳細はコチラ
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JVTAメールマガジン1000号特別企画!大先輩3人に聞く 翻訳と歩んだ20年
毎週金曜日に配信しているJVTAメルマガが、2023年4月14日配信号で1000号を達成しました!いつもご覧いただいている皆さん、ありがとうございます。
JVTAメルマガの記念すべき第1号配信は、21年前の2002年4月10日でした。そこで今回は、メルマガ第1号配信当時に受講生であり、現在まで翻訳業界で活躍している大先輩の小松原宏子さん、平間久美子さん、そしてJVTAで講師も務める藤田奈緒さんにインタビュー!今回お話を伺った3名は当時クラスメートとして切磋琢磨した仲。受講当時の思い出や約20年にわたって業界で活躍し続ける秘訣などを伺いました!
★小松原宏子さん
(翻訳家、児童文学作家。2002年、JVTA東京校「英日映像翻訳」修了)
1.映像翻訳を学ぼうと思ったきっかけはなんですか?
テレビで戸田奈津子さんの番組を見て、字幕っておもしろそうだな、と思ったのがきっかけです。
2.JVTA受講当時の思い出を教えてください
入学したとき、私はすでに40代で、まわりがみんな若い方ばっかりだったので、ちょっと場違いだったかな、と思って焦りました。深井先生が初めての授業で古い辞書をもっていらして、「1961年の辞書にはcomputerのところに『大型計算機』って書いてあるだけ。皆さんが生まれる前のことですね」って言ったんです。生まれていた私は思わず目をそらしてしまいました(笑)。
ともかく、あの頃は、平間さんや藤田さんはじめ、若くて英語ができてたくさんの未来にあふれている周りの受講生たちに囲まれ、劣等感のかたまりでした。それでも、字幕の勉強がおもしろくて嬉しくて、毎週の授業が楽しみでなりませんでした。
3.受講当時から約20年経って感じる、映像を取り巻く環境や映像翻訳業界の変化はありますか?
ネット辞書が普及してよかったな、と思います。辞書だけでなくインターネットで検索できることが飛躍的にふえて、調べものも楽になりました。
昔のほうが今よりいい、と思うことはあんまりありませんが、今は吹き替えを好む人が増えているのはちょっと寂しいです。昔は劇場で役者のリアルな声を聞きながら字幕で映画を楽しむのが当たり前でしたので。
4.翻訳者として活動する中で、特に印象に残っている案件や出来事を教えてください
翻訳って孤独な作業の印象がありましたが、JVTAに通ったおかげで、横のつながりができて、お互いに助け合うことができたことは大きな恵みでした。先生だけでなく、受講生仲間からもたくさんのことを学ばせていただきましたし、逆に質問してもらえると、頼られているようで嬉しくなったものです。
5.翻訳者として長く続けるうえでの秘訣や心がけていることはありますか?
秘訣は特にありませんが、好きだから続いているのかなあ、と思います。楽しんでお仕事するのが一番ですね。
6.JVTAで学ぶ後輩たちへの応援のメッセージをお願いします
わたしは遅いスタートだったうえに、英語にも自信がありませんでしたが、教えられたことを忠実に守ることから始めました。なにごとも基本が大切だと思いますので、プロセスを飛ばすことなくがんばってください。
あと、文法の勉強と読書は絶対必要だと思います。足りないと思う方は、すぐに始めることをおすすめします。
★平間久美子さん
(映像翻訳者、通訳案内士。2002年、JVTA東京校「英日映像翻訳」修了)
1.映像翻訳を学ぼうと思ったきっかけはなんですか?
かなり昔から漠然と字幕翻訳に興味を持っていたのですが、ある日、書店で手に取った雑誌に日本映像翻訳アカデミーの記事が載っていて「あっ、この学校に行けば字幕翻訳者になれるじゃん」と思い込み、何の迷いも疑いもなく受講を決めました(笑)。授業が始まり、毎週の課題などでいろいろ悩んだりもしましたが、「自分は絶対に映像翻訳者になれる」ということだけは常に信じ続けていました。思い込みって大事かもしれません。
2.JVTA受講当時の思い出を教えてください
小松原さんはクラスの中でも別格の「できる人」という印象で、あまりお話をしたことがなかったのですが、もっと情報交換させてもらえばよかったなぁ…と思っています。ぜひ、今からでも!
藤田さんと、もう1人の受講生と、毎回、課題提出が終わった後にメールで原稿を交換し、授業当日に赤入れしたものを交換していました。早い段階で評価する側の視点を経験できたことは本当に貴重でした。デビューできたのは2人のおかげです。
3.受講当時から約20年経って感じる、映像を取り巻く環境や映像翻訳業界の変化はありますか?
業界全般として納期が短くなっていますが、幸い、それを上回る勢いで自分の翻訳速度は上がり続けています。また、場所を選ばず仕事ができるようになったので、数週間から数カ月、旅をしながら仕事をすることも可能になりました。「昔は良かった」とは決して言わず、80代になっても最新テクノロジーにワクワクするおばあちゃんでいたいと思っています。
4.翻訳者として活動する中で、特に印象に残っている案件や出来事を教えてください
1つだけ選ぶなら、映像翻訳者としての初仕事となった「GPレーシング」というF1のドキュメンタリー番組です。サーキットに観戦に行くほどのF1好きだったので、得意なジャンルは「モータースポーツ」とアピールしていたところ、それがいきなり仕事に結びついて心から驚きました。翻訳をすることでさらにF1に詳しくなり、詳しくなったことでさらに仕事が来るという好循環は、そこから始まりました。
5.翻訳者として長く続けるうえでの秘訣や心がけていることはありますか?
作業時間の見積もりができるようになることと、複数の収入源を持つことだと思います。この案件にどのくらいの作業時間が必要かというのを計算できるようになると、複数の案件を受注したり、別の仕事と掛け持ちしたりということもできるようになりますし、プライベートの時間も確保できます。翻訳をする時はタイマーをかけて25分ごとに5分間の休憩を入れて、珈琲を淹れたり、ストレッチをしたりということも心がけています。
6.JVTAで学ぶ後輩たちへの応援のメッセージをお願いします
なかなかトライアルに受からなかったり、デビューしても翻訳にすごく時間がかかったりと、これから先、いろいろ悩むことがあるかもしれませんが、とにかく焦らないことです。それから、私のように「自分が映像翻訳者になることだけは決まってる」と思い込むのもいいかもしれません。思いが強ければ強いほど、必要な情報を引き寄せて、努力の仕方を知って、夢にどんどん近づけるんだと思います。よかったら私のブログも参考にしてくださいね。
平間さんのブログは▶こちら
★藤田奈緒さん
(JVTA翻訳事業推進部。2002年、JVTA東京校「英日映像翻訳」修了)
1.映像翻訳を学ぼうと思ったきっかけはなんですか?
中学に入り洋画をたくさん見るようになり、毎回のようにクレジットを目にした戸田奈津子さんに憧れたことがきっかけです(当時は必ず本編が始まる前に名前がでかでかと表示されていました)。大学に入り就職について考える時期になると、やってみたい仕事として戸田奈津子さんの仕事以外思いつかず。大学のOBで字幕翻訳をしていた方から「徒弟制度は終わった。これからはスクールで学ぶ時代」とアドバイスをいただき、「なる!」と決めてJVTAへの入学を決めました。
2.JVTA受講当時の思い出を教えてください
私はクラスの中では最年少で、周りのお姉様方に可愛がってもらいながら必死に食らいつく日々でした。小松原さんは常に教室の一番前に座る優等生で、英語や翻訳について既に知識を多くお持ちだったので憧れの先輩でした。中でも年の近かった平間さんともう1人とは、毎回お互いの課題に赤入れをし合い、講師からのフィードバック以上に落ち込んだことも(笑)。切磋琢磨の甲斐もあってか3人ともトライアルに合格し、今でも映像翻訳の仕事を続けています。
3.受講当時から約20年経って感じる、映像を取り巻く環境や映像翻訳業界の変化はありますか?
映像やスクリプトなどのデータの扱い方はかなり大きく変わりました。私がデビューしたての頃は、映像はVHSテープを郵送、紙のスクリプトはFAX送信か郵送、MTCに直接受け取りにいくことも。翻訳をする時はビデオデッキで一時停止しながらストップウォッチで時間を測って字数を計算していました(当時はSSTが高額で少しずつ出回り始めた頃)。気の遠くなるような作業でしたが、今はすべてサーバーからダウンロードの形なので時間短縮ができて夢のようです。
4.翻訳者として活動する中で、特に印象に残っている案件や出来事を教えてください
デビューしたての頃に受けたスクリプトなしの音楽素材には泣きました。文字通り睡眠を削っても自分のリスニング力に限界があり、お叱りを受ける結果に。プロとして責任を持てない仕事を受注してはいけないのだと痛感しました。MTC時代には「アメリカン・アイドル」を担当し、字幕チェックをしながら毎回のエピソードに感動しては涙を流しました。「こんなに感情を揺さぶられる仕事ができるとはなんて幸せなんだ」と思ったのを覚えています。
5.翻訳者として長く続けるうえでの秘訣や心がけていることはありますか?
特に意識して努力したことはないのですが、ここまで長く業界にいられるのは「翻訳が好きだから」の一言に尽きる気がします。もちろん予想以上に調べものが多い、納期が超タイトなどのハードな案件をこなすと嫌気が差すこともあります。それでもまた別の素敵な作品に出合った時に「やっぱり楽しい」と感じてやめられません。あとは自分の好みの範疇外の作品を意識的に見ることは心がけています。そうすることで作品を読み解く解釈力が養われると感じます。
6.JVTAで学ぶ後輩たちへの応援のメッセージをお願いします
先日開催した「映像翻訳者としてのこれからを考えるセミナー」に登壇していただいたパネラーのお1人も仰っていましたが、「映像翻訳者になる!」と決めたならば「なれる」と、実体験からも私は考えています。ただそのためにはもちろん努力が必要です。自分の力を過信せず、教室で得られるすべての情報・知識を素直な心で吸収し、力を伸ばしていってください。夢中になって学んだ先には必ず、厳しくも楽しい映像翻訳者の世界が待っています。応援しています!
「翻訳が好き」であること、「絶対に映像翻訳者になる!」という気持ちを持つこと。シンプルなことに思えますが、約20年にわたって活躍する大先輩からの言葉だと重みが違いますね。
また「基本に忠実に、得られる知識や情報を残らず吸収する」ことも大切です。JVTAで学んでいる間はもちろん、卒業してからも学習や情報収集を続けていきましょう。そして翻訳に関する情報収集には、ぜひJVTAのメルマガを今後もご活用ください!
小松原さん、平間さん、藤田さん、ご協力をありがとうございました!
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映像作品ファンの意識を調査!SNS企画「みんなはどっち派? #JVTAなんでもアンケート」を実施!
「映画やドラマを見ることが好き」と一言で言っても、その楽しみ方は人それぞれだ。「事前にレビューを見るか見ないか」、「配信ドラマを一気に見るか少しずつ見るか」など、人によって好みが分かれる。また「字幕か吹き替えか?」も人によって異なるだろう。
日本映像翻訳アカデミー(JVTA)では2023年2月~3月にかけ、公式Twitter(JVTA_TOKYO)にて、フォロー&リツイートキャンペーン「みんなはどっち派? #JVTAなんでもアンケート」を開催した。
全4問の2択の投票で総数は279票。投票理由を投稿してくれた人も多く、それぞれの映像作品の楽しみ方が垣間見えた。
Q1:自分が翻訳に関わるなら「字幕」派?「吹き替え」派 ?
字幕派が81%と吹き替えを大きく上回った。投稿された理由には、「限られた文字数の中でセリフを最大限表現することが楽しい」「原語で聞く人が感じるおもしろさを、限られた字数の中で伝えられるよう考えたい」など、映像翻訳学習者らしい回答が並んだ。
吹き替え派を選んだ人からは、「プロの声優さんが、作ったセリフに命を吹き込んでくれると思うとワクワクする」という理由が届いた。JVTAでは、この投票直後に「みんなで吹き替え!プロの声優×翻訳講師と一緒に大勉強会!」という吹き替え翻訳に特化した特別セミナーを開催した。生配信で披露されたプロの声優の技に参加者は大興奮。このセミナーの後に投票を行ったら、結果が大きく異なったかもしれない。
JVTAへの入学を検討する層としては、「まずは字幕翻訳をやってみたい」という人が多い。しかし吹き替え翻訳の需要も年々高まっている。ながら見(家事や他の事をしながら視聴できる)ができる、文字を読むよりも疲れない、一般社会の活字離れなどの理由から、大手エンタメ配信業者を筆頭に、吹き替え版が増えているのだ。字幕と吹き替えの両方に対応できると、映像翻訳者としての仕事の幅が広がってくだろう。
★「みんなで吹き替え!プロの声優×翻訳講師と一緒に大勉強会!」 セミナーレポートはコチラ
Q2: 映画のレビューは事前に「見る」派?それとも「見ない」派
こちらは票が割れる結果となった。
「歴史背景を知らないと楽しめない映画は、理解を深めるため先にあらすじや解説サイト見る」「見るかどうか悩んでいる時は『見た方が良い』的なコメントに背中を押される」という意見が投稿され、「レビュー=ネタばれ」ではない使い方で楽しんでいる方もいることが分かった。
JVTAのYouTubeチャンネルでは、プロの翻訳者が「いい作品の見つけ方」を紹介している。「次は何を見よう?」と悩んでいる方がいたら、ぜひ参考にしてほしい。
★【コンテンツ特集】翻訳者なら必見!いい作品の見つけ方とは?
★JVTA修了生の鈴木純一さんによる連載コラム「戦え!シネマッハ!!!!」もおススメ。新作の「予告編」や「悪役」といった切り口で映画作品を紹介している。普段とは違う視点で作品に出会えるかも!
アーカイブはコチラ▶「戦え!シネマッハ!!!!」
★ウルトラマン、仮面ライダー、ゴジラなど特撮作品を見るなら、JVTA修了生、田近裕志さんのコラム「明けの明星が輝く空に」が必見。過去作のオマージュや制作側の想いに関する話が満載! アーカイブはコチラ▶「明けの明星が輝く空に」
Q3: 配信ドラマを見るなら 「全話一斉配信」派?それとも「毎週配信」派?
結果としては8割が「全話一斉配信派」だった。「一気に集中して見たい」という方もいれば、「先が気になってたまらないので、時間と体力が許す限り見る」という強者も。とはいえ「正確には3~4話ずつを一気に見るのが好き」など、必ずしも「一気に見る」というわけではなく、各々が自分のペースで楽しんでいる様子がうかがえた。
ちなみにシリーズものの翻訳の際には、登場人物の固有名詞や口調、呼称にシリーズを通した統一が必須になる。各話で口調が変わったり、自分のことを「俺」と言っていた主人公が途中から「僕」になったりすると、視聴者に違和感を与えてしまうからだ。そこで映像翻訳者は口調や呼称の統一表を作成し、ブレがないように翻訳作業をしている。ドラマを見る際、「自分ならどういった口調にするか?」などを考えながら視聴するのもおもしろいかもしれない。
★ドラマが好きなら、JVTA修了生の土橋秀一郎さんによるコラム「“Viewer Discretion Advised!”これがイチ押し、アメリカン・ドラマ」をぜひチェックしてもらいたい。注目の最新作や人気シリーズを独自の視点で解説し、先日100回目を迎えた人気コラムだ。 アーカイブはコチラ▶「“Viewer Discretion Advised!”これがイチ押し、アメリカン・ドラマ」
Q4: エンドロールは「見る」派?それとも「見ない」派?
こちらは90%以上が「見る派」と、全4問の中で最も大きく差がつく結果となった。「エンドロールを見ながら余韻に浸る」「エンドロールまで含めて作品」という意見から、「(洋画の)エンドロールで日本人の名前が見つかるとうれしい」という意見も。また、「昨今の映画はエンドロールで終わるとは限らない」という、近年の作品事情を踏まえた意見も興味深かった。
洋画の場合、エンドロールがすべて終わった後に「字幕 ●●」のように映像翻訳者の名前が出ることが多い(昨今は上映前に出るケースも見られる)。そのため、映像翻訳者、もしくは映像翻訳を学んでいる人は、ついエンドロールまで見てしまう傾向にあるようだ。
そんな「映像翻訳者あるある」については、ぜひJVTAのYouTubeチャンネルにアップされている動画「映像翻訳者が主人公のドラマ『それでも僕らは走り続ける』の翻訳者像に物申す?!」を見てほしい。映像翻訳者が主人公となっている珍しい韓国ドラマを見ながら、プロの映像翻訳者たちが「こういうことある!」と語り合っている。
★動画「映像翻訳者が主人公のドラマ『それでも僕らは走り続ける』の翻訳者像に物申す?!」
一人で楽しむこともできる映画や海外ドラマの鑑賞では、他のファンがどのように作品を楽しんでいるかを知る機会がなかなかないだろう。今回の企画を通して、参加者の皆さんが新しい映像作品の楽しみ方を見つけてくれていたらとても喜ばしいことだ。今後もJVTAのSNSでは、情報発信だけでなく皆さんが楽しめる企画を考えて実施していく。今回の企画に参加してくれた皆さん、本当にありがとうございました。
★映像翻訳に興味を持った方は、ぜひJVTAのオープンスクールや個別相談にご参加ください。「見て楽しむ」側から、「作品に関わって楽しむ」側へ、一歩踏み出してみるのはいかがでしょうか? 多くの映画好き、ドラマ好きの仲間と出会えるチャンスです!
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