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[JVTA発] 今週の1本☆inBLG

今週の1本 『ジュリー&ジュリア』

今週の1本 『ジュリー&ジュリア』
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1月のテーマ:決意
 

年末、かつての職場の先輩の家にお邪魔したのだが、この日は驚きの連続だった。数年前までは貿易関連の職場でバリバリ働いていた先輩が専業主婦として料理や育児に専念していた。一緒に仕事をしていたときは家庭的な女性というイメージはなかったが、食卓に出される料理は先輩の愛情が感じられるものばかりだった。本人曰く、もともと料理が嫌いなわけじゃなかったが、仕事が忙しくてなかなかできなかったとのこと。しかし、主婦になり、やらなきゃと思うと自然に料理にもこだわるようになったと話してくれた。次第にこれが先輩の本来の姿と思え、そのおもてなしに感激しっぱなしで食事会は終わった。
 

新年を迎える度に私は、今年はこれをやってみようと決意する。年末のこの出来事もあり、今年の目標は「料理」にした。その第一歩として再び手に取ったのが、映画『ジュリー&ジュリア』のDVD。2人の女性が料理に関わることで、人生が彩りのあるものに変わるという実話を基にした物語で、全ての人に幸せを!というテーマで作られた映画だ。
 

1949年、外交官の夫がパリに転勤したのをきっかけにフランス料理に興味を持ったアメリカ人女性ジュリア・チャイルドは、名門料理学校で腕を磨いていた。卒業後、ジュリアは家庭で誰でも作れる524のレシピを掲載した本を出版。この本がベストセラーとなり、ジュリアはテレビで料理の腕を披露するほどの人気者になった。彼女は今でもアメリカの料理の母と称され、アメリカ人にフランス料理のすばらしさを紹介したことで知られている。
 

そしてこの作品にはもう一人、料理で人生を変えた女性が登場する。現代のニューヨークで平凡な日々を過ごしていたOLジュリーだ。「こんな自分に何ができるのか?」と自問自答していたジュリーはある日、ジュリアの524のレシピを1年で制覇することを決意。さらには、料理を作っていく過程を全て自分のブログに載せていく。
 

ジュリアが本に込めた「おいしい料理をどの家庭の食卓にも出してもらいたい」と想いは、時代を越えて悩める女性たちの人生をも変えていく。ジュリーのブログもまた大きな反響を呼ぶのだ。
 

DVDを見終って、私も第一歩を踏み出せた気がした。数年前にこの映画を見たときは、料理が楽しそうだとは思えなかったが、今回は「料理=楽しい」と思えた。料理の楽しさとは、自分の作ったものを食べてくれる人が「おいしい」と笑顔になってくれることなのだ。そんな単純なことにようやく気づけた。ジュリアがジュリーの人生を変えたように、もしかしたら私の人生までも変えてくれるかもしれない。
 

とりあえず私も何か一冊レシピ本を探したいと思う。ネットのレシピもいいが、やはりバイブルを手元に置いておきたい。ただ、バイブル探しだけで一年が終わらないように気をつけたいところである。
 

『ジュリー&ジュリア』
監督:ノーラ・エフロン
出演:メリル・ストリープ、エイミー・アダムスほか
製作年:2009年
製作国:アメリカ
 

Written by 諸江美樹
 

[JVTA発] 今週の1本☆ 1月のテーマ:決意
当校のスタッフが、月替わりのテーマに合わせて選んだ映画やテレビ番組について思いのままに綴るリレー・コラム。最新作から歴史的名作、そしてマニアックなあの作品まで、映像作品ファンの心をやさしく刺激する評論や感想です。次に観る「1本」を探すヒントにどうぞ。

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