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[JVTA発] 今週の1本☆inBLG

今週の1本 『ひつじのショーン』

今週の1本 『ひつじのショーン』
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5月のテーマ:緑
 

私はストップモーション・アニメーションや、食品サンプルなどのミニチュア雑貨が大好きだ。ご存じの方もたくさんいらっしゃるだろうが、ストップモーション・アニメーションとは、登場人物や小道具を少しずつ動かしながら撮影し、1秒間の映像に25枚ほどの写真を使ってまるで動いているかのように見せる手法。私も手先が器用であれば、字幕翻訳の次くらいに携わりたい仕事だが、残念ながら絶望的に不器用なので、鑑賞専門にしている。
 

中学時代、英語の先生が授業中に見せてくれた、アードマン・アニメーションズが手がける『ウォレスとグルミット』もお気に入りの作品だ。この作品のスピンオフとしてテレビアニメ化されたのが『ウォレスとグルミット 危機一髪!』に登場した羊を主人公にした『ひつじのショーン』。牧場で大騒動を巻き起こすイタズラ好きなショーンと個性豊かな仲間の羊たち、彼らの尻拭いをさせられる牧羊犬のビッツァー、何も知らずにのんびりと暮らす牧場主などなど、魅力的なキャラクターたちが繰り広げる楽しい日々を描いている。『ウォレスとグルミット』と同じく、街並みや家、家具、食器など、ものすごく細かいところまで精巧にかわいらしく作りこまれていて、ミニチュア好きにはたまらない作品だ。
 

羊が暮らしている場所といえば、芝生。メイキングを見たところ、ショーンたちが暮らす牧場の芝生は、いつも青々としているが、これは番組のアートディレクターがこまめに色を塗り直しているそうだ。ちなみに、私が今住んでいる家に家主が芝生にしたかったであろう共用スペースがある。欧米の家のように手入れをすることもなくほったらかしているので、年中ベージュの枯れ草が生い茂るばかりだ。いつかは私も緑の芝生の上に、ねじまき式ショーンのおもちゃを置いてスマホで撮影してみたいと常々思っているのだが、その夢はなかなか叶いそうもない(冒頭の写真はオフィスのデスクに動物のミニチュアフィギュアを置くためのニセモノの芝生です)。
 

話がずれたが、『ひつじのショーン』にはセリフがない。尺が7分程度と短く、ストーリーがシンプルなこともあり、ジェスチャーや表情だけでストーリーを楽しむことができるのも魅力のひとつだ。今ちょうど私が担当しているショートショートフィルムフェスティバル&アジア2016にもセリフのない作品が多くある。セリフがないのに物語を伝えるのはきっとものすごく難しいだろうが、感動したり、笑えたり、いろんなこと考えさせられるステキな作品ばかりだ。映画祭は6月2日から始まるので、皆さんもぜひ見に行ってみてほしい。
 

◆ショートショートフィルムフェスティバル&アジア2016
http://www.shortshorts.org/
 

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『ひつじのショーン』
原案:ニック・パーク
監督:リチャード・ゴルゾウスキー
制作:ジュリー・ロックハート
製作国:イギリス
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Written by 野口 博美
 

[JVTA発] 今週の1本☆ 5月のテーマ:緑
当校のスタッフが、月替わりのテーマに合わせて選んだ映画やテレビ番組について思いのままに綴るリレー・コラム。最新作から歴史的名作、そしてマニアックなあの作品まで、映像作品ファンの心をやさしく刺激する評論や感想です。次に観る「1本」を探すヒントにどうぞ。

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