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[JVTA発] 今週の1本☆inBLG

今週の1本 『コーチ・カーター』

今週の1本 『コーチ・カーター』
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10月のテーマ:気配

 
すっかり夏の暑さもおさまり、世間では旬の食べ物などに秋を感じることが多くなってきた。秋といえば、「食欲の秋」「スポーツの秋」「芸術の秋」などいろいろあるが、私はスポーツをしたくなる。涼しくなってきたからこそ運動するには丁度いい。私が好きなのは学生の頃やっていたバスケット。映画やドラマでもバスケットを題材にしたものは多いが、一番好きなのは『コーチ・カーター』だ。

 
問題児ばかりの弱小チーム、リッチモンド高校バスケ部「オイラーズ」にOBのケン・カーター(サミュエル・L・ジャクソン)が新コーチとして就任。初めに、カーターは問題児ばかりの部員達と保護者と3つの契約を交わす。
1 「決められた点数以上の学業成績を収めること」
2 「授業には全部出席し、一番前に座ること」
3 「試合の日には上着とネクタイを着用すること」

 
治安の悪いリッチモンド地区では将来に希望を失い、犯罪に手を染める若者が多い。彼らを大学へ進学させ、部員達の卒業後の将来を明るいものにするための契約だった。

 
しかし、それに反発し退部する者もいた。チームの主力選手であるクルーズもその一人だ。練習は、腕立て伏せやダッシュなど、ひたすらに体力をつけることばかりで、カーターに反抗すると回数が増えていった。誰が見ても鬼コーチだ。そんな中、カーターの息子のダミアンが父のもとでバスケをするため、名門校から転校してくる。そしてシーズンが始まり、初戦でなんとか勝利を収めた。嬉しそうな部員を見ていたクルーズは「チームに戻りたい」とカーターにお願いする。しかし、カーターが与えた条件は、腕立て伏せ1000回、ダッシュ2500回だった。クルーズは期限までに達成することができなかったが、チーム全員で残りの回数を補い無事に復帰。そこからリッチモンド校は快進撃を続け、ついに地区大会で優勝する。

 
初優勝に浮かれる部員達だが、カーターの元に各教師からの学業進度報告書が届く。内容は「不合格」「要個別指導」ばかり。その日から、カーターは部員達の成績が上がるまでは体育館を封鎖し、練習も禁止、大会にも出場させないという無謀な決定をする…。その後の展開はぜひ、ご自身で確かめてほしい。

 
指導者とはチームを強くするだけでなく、人としても大きく成長させてくれることがある。私も小学校からバスケを始めたが、決して強いチームではなく、中学1年生までは「バスケがやりたくてやっている」いう感覚ではなく、なんとなくやっていた。だがある日、顧問の先生が代わった。彼もまさに最初の練習はひたすらに体力強化だった。バスケのことはそんなに知らない人なのに、練習はハードになり、バスケが本当に嫌いになりそうだった。だが、そのトレーニングの末、ある試合で強豪チームに勝ったことをきっかけに、バスケへの取り組む姿勢が変わった。この映画のように、大会で優勝などもしていないし、問題児などもいなかったが、試合に勝つ喜び、負ける悔しさなどをこの時に学んだ気がする。私の顧問の先生は、カーターほど厳しい人ではなかったが、部活以外でもいろいろなことを教えてくれた。『コーチ・カーター』は、なんとなくあの頃の自分を思い出させてくれる、そんな映画だ。

 
『コーチ・カーター』
監督:トーマス・カーター
出演:サミュエル・L・ジャクソン、リック・ゴンザレス、ロブ・ブラウンほか
製作年:2005年
製作国:アメリカ

 
Written by 堤竜大

 
〔JVTA発] 今週の1本☆ 10月のテーマ:気配
当校のスタッフが、月替わりのテーマに合わせて選んだ映画やテレビ番組について思いのままに綴るリレー・コラム。最新作から歴史的名作、そしてマニアックなあの作品まで、映像作品ファンの心をやさしく刺激する評論や感想です。次に観る「1本」を探すヒントにどうぞ。

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