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[JVTA発] 今週の1本☆inBLG

今週の1本 『陽だまりの彼女』

今週の1本 『陽だまりの彼女』
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テーマ:ひだまり

 
最近の高校生たちが観るような恋愛映画を最近は“キラキラ映画”と呼ぶらしい。この作品も分類するとしたらそんなジャンルの一本だろうか。映画好きの大人からするとちょっと抵抗感のある種類の作品だ。でも時にはこんなジャンルの作品を見るのも決して悪くない。心に残るものはあまりないかもしれないが(笑)、代わりに僕らが忘れ去ってしまっていた感情や風景を思い出させてくれる。

  
キャリアを築き、家族を守り、将来に備え、自分の夢のために学習に励む。そこにはとてつもなく大きなエネルギーが必要で、時々疲れ果ててしまう日もある。そんな日々を過ごしているとキラキラ映画で描かれている恋愛なんて、バカバカしくて見ていられないと思うのも当たり前かもしれない。でもそんな僕たちにも恋愛だけが人生の中で一番大事と思い込み、相手の歓心(かんしん)を買うことだけに懸命だった時期があった。そしてそんな時だからこそ胸に響いた曲や、夢中になった小説や、ただ歩いているだけで心がときめいた街並みがあったはずだ。

 
それを思い出すことがいまの自分にとって何に役立つのかと問われれば、確かな答えはないけれど、人生のある時期に大好きだった人やものを思い出すことで、いまの立場や役割にとらわれない正直な気持ちや想いといった自分の原点を確認することができると思う。

 
どうしても映像に抵抗があるという方には、越谷オサムさんの原作をおすすめする。“熟達の~”という作家ではないが、彼のやさしさが滲んだ、まるで“ひだまり”のようなあたたかさに満ちた文章はきっと毎日の疲れを少し癒してくれるはずだ。

 
『陽だまりの彼女』
製作年:2013年
製作国:日本
出演:松本潤、上野樹里、玉山鉄二、大倉孝二
監督:三木孝浩
原作:越谷オサム
脚本:菅野友恵、向井康介

 
Written by 丸山雄一郎

 

[JVTA発] 今週の1本☆ 4月のテーマ:ひだまり
当校のスタッフが、月替わりのテーマに合わせて選んだ映画やテレビ番組について思いのままに綴るリレー・コラム。最新作から歴史的名作、そしてマニアックなあの作品まで、映像作品ファンの心をやさしく刺激する評論や感想です。次に観る「1本」を探すヒントにどうぞ。

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