年末が近づくと「今年一年は何をしたかな？」と考えてしまう。たぶん、みんなそうだろう。私の場合はこの数年間、このコラムを年末近くに書いているので良い振り返りになっている。
昨年は『愛の不時着』にハマったことを書いた。『興味がなかった新しい分野に手を出して「広く浅く」やってみるのも自分の糧になるのではないだろうか』と書いた。
では、今年はどうだっただろうか。『愛の不時着』で韓流にハマってドラマをたくさん観たが、今年は少しだけ「広く深く」なった気がする。

春先だったと思うが、たまたま7人のアイドルグループのMVを観た。最初は歌とダンスが上手なグループだなと思った程度で、そこまで気にしていなかった。世間では注目をされているらしく、そのMVが流れていることが多くなりよく耳にするようになってきた。そして、ある日、彼らの新曲『Butter』がリリースされてすっかり虜になってしまった。そのグループとは『BTS(防弾少年団)』である。今やアメリカン・ミュージック・アワードでパフォーマンスを披露して、最多となる3冠に輝き、グラミー賞にもノミネートされるほどの人気グループだ。『BTS』の話をもっとしたいところだが、今日の主人公ではない。

私がSNSやYouTubeで『BTS』を検索しているときに、ふと目についたグループがあった。ライブパフォーマンスで踊っている中で一人だけ目立つ人がいた。キレッキレでダンスをしている。いくつかの映像を観るうちに歌のすごさ、ダンスパフォーマンス、テレビ番組でのバラエティー力に魅了された。そのグループとは今年で結成16年を迎えた『SUPER JUNIOR』だ。BTSと比べるとさわやかさや初々しさはないが、頂点を極めた貫禄と苦労も経験した実直さがあるベテラングループだ。JVTAでは『スター・ウォーズ』ファンで知られている私だが今までファンクラブなどに入ったことはない。そんな私が「E.L.F（エルプ）』になってしまった。韓国のアイドルグループのファンはそのグループごとで呼び方がある。『BTS』は「ARMY（アーミー）」、『東方神起』は「Bigeast（ビギスト）」など。「E.L.F」は『SUPER JUNIOR』のファンのことである。

『SUPER JUNIOR リターンズ』や『SUPER TV』など彼らが出演している番組をたくさん観た。ただ、韓国語がまったくわからない・・・。あらためて字幕のありがたさを痛感した。それと同時に韓国語を知りたいという気持ちも湧き上がっていた。この感覚はアメリカの映画やテレビドラマが大好きで「英語がわかるようになりたい」と思った子供のころと同じだ。

新しく一つのことに興味を持ち横に広げていき、それを掘り下げていくことができれば、「広さと深さ」が生まれてくる。それを繰り返していけば、新しい分野を開拓してその分野のプロフェッショナルになることもできる。それが自分の知識を広げ、人生を豊かにしてくれる。そうするには常に動き続けることしかない。もっと早く『SUPER JUNIOR』のことを知りたかったと思う反面、今知ってよかったとも思っている。新しいことを知るのに遅いことなんてない。アイドルグループのことを語って何を言っているんだと思われるかもしれないが、原点の考え方はすべて同じではないだろうか。そして大事なのはそれをどう広げていき、持続するかだろう。
少しずつでいいから、歩みは止めず動いていきたい。

※参照
SUPER JUNIOR・・・日本オフィシャルファンクラブ名：「E.L.F-JAPAN」
東方神起・・・日本オフィシャルファンクラブ名：「Bigeast」
BTS・・・日本オフィシャルファンクラブ名：「BTS JAPAN OFFICIAL FANCLUB」「BTS Weverse Shop JAPAN」のみ。
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Written by　塩崎邦宏

しおさき・くにひろ●日本映像翻訳アカデミー・管理部門。英日映像翻訳科修了生。
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