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【スタッフコラム】Fizzy!!!!! JUICE #38 海外版お笑いースタンダップコメディ●葉維晨(GCSディレクター)

【スタッフコラム】Fizzy!!!!! JUICE #38 海外版お笑いースタンダップコメディ●葉維晨(GCSディレクター)
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日本のお笑いには、漫才、コント、一発ギャグなど多様なジャンルがある。それぞれ劇場で楽しむこともできるが、映像コンテンツが充実した現代では、劇場への足が遠のいている人もいるかもしれない。しかし海外では、有名な役者を輩出し、さらに観客も大きく増えているお笑いのジャンルが存在する。それがスタンダップコメディだ。


「トークショー」という言葉は耳にしたことがあるかもしれないが、スタンダップコメディはまだ知らない人も多いと思う。日本では「海外版お笑い」と呼ばれたりしているものだ。英語圏でとても人気のあるライブパフォーマンスの一種で、言語は基本的に英語。日本にいる外国人、もしくは外国にいる日本人が出演する場合も、英語で演じることが多い。


なぜ急にスタンダップコメディの話をするのかと言うと、私が台湾出身だからだ。私自身意外に思うことだが、小さい台湾の島には、7個ものスタンダップコメディクラブが存在している(2022年時点)。たまに漫才や音楽コメディ(いわゆる「歌ネタ」)などのパフォーマンスも開催しているが、主にスタンダップコメディ一本でクラブ運営が可能だ。


台湾人はミーム(Memes)が大好きであり、政治や民族をネタにした皮肉なスタンダップコメディも大好きだ。それは時に炎上することもあるが、辛辣な内容もスタンダップコメディの醍醐味と言える。


映像翻訳とスタンダップコメディ。まったく関係ないように思えるかもしれないが、実は、映像翻訳者はスタンダップコメディアンと似ていると思う。「面白さ」の感じ方は、育った環境やたどってきた経歴などによって変わる。自分が面白いと思うジョークを、どうやって観客に伝えるか。そのプロセスとマインドセットはまさに、映像翻訳者と同じだ。どうしたらこのセリフをうまく伝えることができるか。原稿を書き、添削し、言い方を変え…。自分が満足いくまで修正をするが、最終的な結果は観客(視聴者)の反応を得るまで分からない。


異なる部分もある。スタンダップコメディアンはオープンマイク(Open Mic)という毎日クラブで開催されるステージで、自分のジョークが面白いかどうか、観客の反応を見ることができる。より大きなステージにたどり着くまで、何回も何回もそのジョークを修正できるのだ。しかし、映像翻訳者は様々な理由から、誰にも作成中の訳を見せることができない。仕事の関係者に見せることはあるが、たくさんの人に訳を見てもらい、意見をもらうことは難しい。翻訳が人々の目に触れるのは、映像が一般に公開されてからだ。ある意味、一発勝負である。


私はよくYouTubeで、エンタメとしてスタンダップコメディショーを観ている。前述のとおり、スタンダップコメディショーのジョークは何度も推敲され作り上げられている。英語のスタンダップコメディショーを見ることは、洗練された英語表現を習得することにもつながり、翻訳にも役立つのだ。また、私は自分のツボに刺さったジョークを友達に教えている。そうするうちにいつのまにかにジョークが頭に残り、お笑い芸人を目指しているわけではないのだが、話が面白いと言われるようになった。一石二鳥だ。


この記事を読んで興味を持った方は、ぜひ近くのスタンダップコメディクラブやネット上でショーを堪能してほしい。


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Written by 葉維晨

よう・いしん●台湾出身。法政大学を卒業後、新卒として日本映像翻訳アカデミーに入社。グローバル・コミュニケーション・サポート部門(GCS)で日→英、日→多言語の翻訳案件を担当。
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「Fizzy!!!!! JUICE」は月に1回、SNSで発信される、“言葉のプロ”を目指す人のための読み物。JVTAスタッフによる、示唆に富んだ内容が魅力です。一つひとつの泡は小さいけど、たくさん集まったらパンチの効いた飲み物に。Fizzy! なJUICEを召し上がれ!
 
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