【『バーバリアン狂騒曲』がオンライン上映】字幕翻訳チームリーダー、青井夕子さんが翻訳裏話と見どころをじっくり解説
映画『バーバリアン狂騒曲』は、フランスの田舎町でシリアからの難民一家を受け入れることになったことから始まる騒動を描いた作品だ。主演・監督は映画『ビフォア』シリーズで人気のフランス人俳優のジュリー・デルピー氏。2025年の難民映画祭で上映され、一番人気を集めたという同作が現在、「世界難民の日」の関連企画としてオンライン上映されている。この作品の日本語字幕をJVTAの修了生11名がチームを組んで手がけた。
字幕翻訳チームでリーダーを務めた青井夕子さんは、難民映画祭の広報サポーターとしても活動し、翻訳秘話のコラムを執筆している。青井さんによると、101分の作品のなかで台本上のセリフは1571個。それを11人で割り1人あたり142~143個のセリフを担当した。10日ほどの作業時間の中でそれぞれが担当箇所の字幕を作り、全員で相互チェック。さらにリライトを重ねて、一つの字幕として完成させた。
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字幕翻訳では、作品に込められた意図を正しく読み解くための入念なリサーチが不可欠だ。青井さんのコラムには、翻訳作業の中で知ったデルピー監督の想い、タイトルバックに映し出される絵画や人物の名前に秘められた意味、下ネタの訳し方…などチームでじっくり話し合った過程が丁寧に解説されている。青井さんは先日、文京シビックホールで行われた「難民映画祭パートナーズ上映会2026第2部」に翻訳チーム3人と共に参加し、初めて同作を劇場で鑑賞。エンドロール後に翻訳チーム全員の名前がスクリーンに映された時は、胸がいっぱいになり、両隣に座っていた翻訳チームの仲間と、小さく拍手を送りあったという。
◆ジュリー・デルピー監督のメッセージ動画はこちら ※こちらの字幕も青井さんが担当
青井さんが綴った『バーバリアン狂騒曲』の字幕翻訳秘話と視聴者のレビューは「難民映画祭広報サポーターの公式note『みて考えよう!難民映画祭』の中で紹介されている。作品をすでに観た人もこれから観る人も要チェックだ。そして字幕にもぜひ注目してほしい。
◆難民映画祭広報サポーターの公式note「みて考えよう!難民映画祭」 ・「バーバリアン狂騒曲」関連記事まとめ ※青井さんのコラムや視聴者のレビューが紹介されています。
◆『バーバリアン狂騒曲』のチャリティオンライン上映は2026年7月31日まで開催中! 詳細・お申し込みはこちら
【関連記事】 ・難民映画祭とJVTAの字幕制作のサポートの詳細はこちら ・【難民映画祭20周年】わたしと難民映画祭(字幕翻訳者編)
◆【映像翻訳科 次期開講は2026年10月予定】 映像翻訳にご興味をお持ちの方に向け、リモート個別相談を開催しています。映像翻訳の詳細はJVTAのカリキュラム等についてマンツーマンでご説明します。お気軽にご参加ください。 ※詳細・お申し込みはこちら
「TUFS Cinemaイラン映画上映会」が開催 検閲下のイランで人々が詩に託した想いを読み解く
7月4日(土)、東京外国語大学で「TUFS Cinemaイラン映画上映会 『捨てられたものたちの詩人』」が開催される。日本語字幕をJVTAで学んだ翻訳者5名(加藤きく美さん、鈴木詩乃さん、土方有希さん、彦坂貴美さん、松本悠里さん)がチームを組んで5つのパートに分けて制作した。主人公はイランで詩人を目指しながらも清掃員となった青年。想いを寄せる女性に匿名で手紙を送り続ける。イラン国内の検閲下で製作されたため、曖昧かつ詩的な表現が随所に用いられており、その解釈が作品理解の鍵となった。翻訳者はイラン社会に関するリサーチと作品の解釈についてチームで話し合いを重ねたという。
この作品の背景や見どころについて、翻訳者の土方有希さんと彦坂貴美さんはこう話す。
「この映画は、2005年のイラン社会を映し出しています。イランでは雇用不足が深刻で、失業者も多い時代でした。そうした社会の中で、将来の夢をあきらめざるを得ず、清掃員として働く若者たちの生き様が心を打ちます。また、人目を忍んでひっそりと暮らす詩人の姿から、言論の自由が制約された抑圧的な社会であったことが伝わってきます。」(土方有希さん)
「見どころは、希望のない中にも希望を見出して生きる主人公の姿だと思います。私たち日本人は恵まれた環境に生きていますが、外国に目を向けてみれば、明日の命の保証もない、そういう環境に生きている人々もいます。そんな中でも、この作品の主人公は、詩を愛し、愛する人を見つけ、ひたむきに生きています。作品のクライマックスで、主人公の愛は女性に伝わったのではないかと私は思っています。最後の女性の表情をぜひ見てほしいです。」(彦坂貴美さん)
冒頭のパートを担当した鈴木詩乃さんは、作品の舞台背景やテーマを観客に提示する重要な役割を担っていたため、宗教的・政治的な背景描写には最大限の配慮を尽くしたという。イランには古くから詩が深く根付いており、その音感や表現は、思わずうっとりしてしまうほど美しいと鈴木さんは振り返る。
「本作は、そうしたイラン特有の詩的な感性を駆使し、社会問題や政治的なテーマを間接的かつ秀逸に描き出しています。さらに社会に対する鋭い風刺を、視覚的な面白さを交えて軽やかに表現している点も面白く、とても魅力的な作品です。」(鈴木詩乃さん)
加藤きく美さんが担当したパートにも短い詩があった。解釈に特に悩んだのは、愛の詩の一節の「歯」という言葉だったそうだ。
「ペルシャ語の現代詩は、自由な芸術作品としてではなく、政治批判のための表現手段として使われることもあります。そのような背景を踏まえながら本作品を見ると、より深く理解できるのではないかと思います。この比喩表現は何を表しているのか、本当は何を訴えたいのかを考え、社会背景とともにイランで隠喩として使われる言葉を調べながら訳しました。」(加藤きく美さん)
「検閲下で『語らずに語る』構成にぜひ注目してほしい」と話すのは、松本悠里さんだ。直接的に語れない制約があるからこそ、詩やゴミの中の手紙といった間接的な手段を通じて、登場人物たちの愛や希望、絶望、社会への静かな怒りなどが浮かび上がってくるという。
「劇中で老詩人が語る蝶の逸話は、ギリシャの作家カザンザキスの小説『その男ゾルバ』からの引用でした。まゆの中の蝶を早く羽化させようとして息を吹きかけ、結果的に殺してしまうという話です。出典を確認したことで、この逸話が作品の中で『焦り』というテーマとどう結びつくかを意識でき、登場人物の語り口や言葉の重さを日本語に移す際の指針になりました。」(松本悠里さん)
この作品の翻訳にあたり、JVTAでは翻訳チームの特別トライアルを実施。今回は比較的納期に余裕があることや上映会単発の作品であること、調べものなど翻訳者にも学びが多い作品であることなどを理由に通常のトライアル(隔月で開催)とは別に本件限定でのトライアルを行った。合格した5名は、全体を5つのパートに分けて各自が翻訳後、全員ですべての字幕を精査し、1つの字幕に仕上げた。それぞれが重ねたリサーチ内容を共有し、5つの視点で考えた解釈の基に再校し、ワードやトーンの統一を図ることでより、字幕の精度を高めていく。一人では気づけなかったポイントをお互いに再確認できることが最大のメリットだ。
「チーム翻訳では相互チェックがあるので、なぜその言葉を選んだのか、自分の訳語を説明する必要があります。スクールでは『根拠をもって訳す』ことの大切さを学んできましたが、チーム翻訳を通して、根拠ある訳語選びをより一層意識するようになりました。」(加藤きく美さん)
「私の訳をチェックしてくださった方が、担当パートに出てくる詩の一節の出典を教えてくださいました。そのおかげで、さらに掘り下げて調べることができました。翻訳には丁寧なリサーチが欠かせないことを改めて実感しました。」(土方有希さん)
「一番苦心したのは、イランの文化や言葉を『どこまでかみ砕くか』というさじ加減です。分かりやすくしすぎると作品特有の空気感が消え、かといって説明不足では伝わらない。この難しいラインを他のメンバーと話し合い、何度もリライトを繰り返しました。物語の独自性を損なわず、かつ分かりやすくもある…その絶妙なバランスを追求して、最終的な訳に落ち着きました。」(鈴木詩乃さん)
「英語字幕自体がペルシャ語からの翻訳であるため、そこまで遡って検証し、前後の展開に矛盾が生じない表現をチームで探りました。原文をただ訳すだけでなく、作品全体の整合性を保つことの大切さを実感しました。」(松本悠里さん)
「この作品を通して、作品の美しい部分を視聴者にそのまま伝える手助けをするのが翻訳者の役割ではないかと思いました。視聴者の方々に、作品の美しさが伝わることを願っています。」(彦坂貴美さん)
この上映イベントでは、トークイベントで専門家による解説も予定されており、イラン社会を内側の視点から見ることができる貴重な機会となるはずだ。ぜひ、会場に足を運んでみてはいかがだろうか。
◆TUFS Cinemaイラン映画上映会『捨てられたものたちの詩人』 日時 2026年7月4日(土) 14:00開映 (13:40開場、16:30終了予定) 会場 東京外国語大学 アゴラ・グローバル プロメテウス・ホール 公式サイト:https://www.tufs.ac.jp/event/2026/260704_c01.html
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【ISMS取り組み2026】災害を想定した避難訓練を毎年実施
当社では毎年、ISMS災害訓練の一環として地震や火災の発生を想定した避難訓練を実施、今年は、6月18日に敢行し社員15名(リモート勤務1名含む)が参加しました。
これは、「震災や火災のような緊急事態に直面しても、企業の責務として従業員や顧客の安全を確保し、重要な業務を中断せずに継続、または早期再開すること」を目的としたものです。緊急時に備え、非常時における社内の避難経路や避難場所の確認、電気系統やシステムの維持などについて、オフィス内のスタッフだけでなく、ビル管理会社やとリモートスタッフとの連携などをシミュレーションし、訓練を遂行しています。
午後15時過ぎに震度5弱の地震発生のアラームにより、社内スタッフに緊急事態を周知、オフィス内のスタッフはリーダーの避難指示に従って行動を開始。
まずは避難路を確保(ドア、窓の解放)した上で、揺れが収まるまではデスク下で身を守り、揺れが収まった後、オフィスエリアから非常階段へ移動。
非常階段を降り、避難扉を開け、オフィス近くの避難場所へ向かいます。日常は使っていない避難経路を各自が実際に歩いて認識します。
避難場所に到着後、その場でスタッフの安否確認をし、災害の現状を報告。
リモートワークのスタッフは、予め共有している緊急連絡網に沿って、安否を確認します。
管理会社との連絡や現状の情報収集をしながら、オフィスの安全状況を確認。
オフィスに戻り、被害状況やネットワーク環境、電話回線などの復旧を指さし確認。
すべての確認が取れたら、業務継続の決定と終了報告、その後、当日開講予定の授業の有無について、授業を担当する講師や受講生などへの伝達シミュレーションを行いました。
今回は、フランスから来日中のインターンスタッフが訓練に参加。自国では大きな地震はほとんどないため、地震を想定した訓練は今回が初めてだったといいます。
「フランスでは学生時代にテロや有毒ガス漏洩を想定して室内で安全を確保する訓練に2度ほど参加しました。今回の訓練は地震発生時の避難経路や非常時に取るべき行動などがとても段取りよくオーガナイズされていて分かりやすく、地震が多い日本の企業ならではのリアルなシミュレーションと対応を体験できました。」(フランス出身インターン)
彼は奇しくも数日前に関東で起こった震度5弱クラスの地震を体験。その直後の訓練は、特に強く印象に残る貴重な体験となったそうです。
当社は今後も定期的に訓練を行うことで、実際に災害に遭遇した際の具体的な行動の流れをスタッフ全体で再認識し、従業員の安全と情報セキュリティの維持、事業の継続に努めてまいります。
◆当社の情報セキュリティへの取り組みはこちら をご覧ください。
【JVTA修了生が字幕を手がけた『バーバリアン狂騒曲』がオンライン上映】世界難民の日キャンペーン「もしも わたしが あなただったら」が開催中
6月20日は「世界難民の日」。世界では現在、紛争・迫害などを理由に、故郷を追われた人々が 1億人以上にのぼる。「世界難民の日」はこうした現状を知り、多くの人に難民支援への関心を寄せてもらえるよう国連が定めた国際デーで、毎年さまざまなイベントが行われている。
JVTAは2008年から難民映画祭を字幕制作でサポートしており、多くの修了生が無償で協力するという、映像翻訳者ならではの支援を続けてきた。
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2026年の世界難民の日は、6月9日(火)~7月31日(金)にわたり、『もしも わたしが あなただったら』と題したキャンペーンが実施中。2025年の難民映画祭の上映作品『バーバリアン狂騒曲』(字幕はJVTAの修了生が制作)がオンラインで上映 されるほか、6月20日(土)にはUNHCR親善大使MIYAVI氏が登壇するウェビナーが開催される。
また、同期間中は「世界難民の日」関連イベントが複数のリアル会場で開催され、JVTAの修了生が字幕を手がけた映画『バーバリアン狂騒曲』『難民アスリート、逆境からの挑戦』 『Ru』 などが上映される。
『バーバリアン狂騒曲』
多くの受講生・修了生の皆さんが長きにわたり携わってきた難民支援について、まずは知ることから始めてほしい。
◆世界難民の日(2026年)公式サイトhttps://www.unhcr.org/jp/wrd2026
◆世界難民の日2026キャンペーン『もしも わたしが あなただったら』https://www.japanforunhcr.org/appeal/wrd-charity-screening-2026
◆世界難民の日チャリティオンライン上映 映画『バーバリアン狂騒曲』 詳細・お申し込みはこちら
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【イタリアの話題作2作品が劇場公開!】伊日翻訳で活躍する杉本ありさんインタビュー
JVTAで英日映像翻訳を学んだ修了生の中には、多言語の知識を活かして活動する人も多い。杉本ありさんは、出版社勤務を経てイタリアへ留学。その後JVTAで映像翻訳を学び、伊日、英日翻訳の翻訳者として活躍。昨今は、コメディからシリアスな刑事ものまで、イタリアの映画やドラマの字幕を数多く手がけている。また、絵本や児童書の翻訳も手がけるなどその実績は多岐にわたる。
◆『シャオ・メイ/ローマ大決戦』でカンフーアクションに初挑戦 2026年も担当作品の劇場公開が続いている。5月29日公開の『シャオ・メイ/ローマ大決戦』はローマを舞台にしたイタリア製の香港アクション。イタリアで行方不明になった姉を探しにきた若き中国人女性シャオ・メイ(リウ・ヤーシー)が、凶悪犯罪組織に立ち向かう。主演のリウ・ヤーシーはスタントウーマン出身。激しいアクションシーンとイタリアの融合という独自のスタイルが話題となっている。
『シャオ・メイ/ローマ大決戦』© 2025 WILDSIDE S.R.L. – GOON FILMS S.R.L. – PIPER FILM S.R.L.
イタリアの作品を多く手がける杉本さんは、1960年代〜70年代にかけてイタリアで制作された“マカロニウエスタン” の字幕は何度かつけたことがあるが、カンフーアクションは今回が初めてだという。アクション作品は個人的にも好きで、楽しく翻訳にも取り組めた半面、こうしたジャンルならではの悩みどころがあるそうだ。
「私には罵倒する言葉のボキャブラリーが圧倒的に足りないのが悩みです。シャオ・メイのような悪党がたくさん出てくる作品は全編にわたってかなり多くの罵り言葉が出てきますが、その訳し方にいつも悪戦苦闘します。英語でもいわゆる『フォー・レター・ワード(four-letter word)』(汚い言葉)がよく出てきますが、『くそったれ』しかくらいしか思いつかず頭を抱えることも多々あります。」(杉本ありさん)
翻訳者にとって罵り言葉は、どこまでひどい言葉を使ってよいかという基準も難しい。「自分の中ではかなり悪党っぽく訳したつもりでも実はそうでもなかった」ということも…。放送用に古い映画の字幕を作ったときには、あとから劇場公開されたときの字幕を見たら、かなりのべらんめえ口調になっていて驚いたそうだ。
『シャオ・メイ/ローマ大決戦』© 2025 WILDSIDE S.R.L. – GOON FILMS S.R.L. – PIPER FILM S.R.L.
『シャオ・メイ/ローマ大決戦』は本編の中にイタリア語と中国語が混在している。作中にはメイがスマートフォンで中国語をイタリア語に自動翻訳して相手に伝えるというユニークなシーンもある。杉本さんは中国語の部分のスポッティングに苦労したと話す。
スポッティングとは、「字幕を表示する『始まり』と『終わり』の時間(タイミング)を決める作業」のこと。字幕を表示できる秒数は字数制限にも関わるため、重要なポイントでもある。字幕翻訳者は、原語のセリフの間や内容も考慮したうえで、どのタイミングで字幕を分けるべきかなどを判断しながらスポッティングをしていく。
『シャオ・メイ/ローマ大決戦』の翻訳の際は、中国語の部分には中国語とイタリア語のスクリプトがあったが、映像で話している中国語と、イタリア語のスクリプトのどこが対応しているのかを見極めるのに苦労したという。中国語→イタリア語→中国語→イタリア語と会話が続く分には明確だが、メイがしゃべり続ける場面では、中国語のスクリプトの中から「好」や「起立」など聞き分けられる言葉を探して、映像と照らし合わせながら対応する箇所を確認していったそうだ。
◆70年代のイタリアのファンションを堪能『ダイヤモンド 私たちの衣装工房』 一方、6月19日に劇場公開の『ダイヤモンド 私たちの衣装工房』は、1970年代のローマにある姉妹が営む⾐装⼯房を舞台にした物語。ある日、世界的なデザイナーの依頼で映画の衣装を担当するビッグチャンスが舞い込み、お針子たちが奮闘する姿が描かれている。イタリアで220万人を動員し2024年イタリア映画最大のヒットとなった作品だ。
『ダイヤモンド 私たちの衣装工房』© 2024 Greenboo Production – Faros Film – Vision Distribution
作中の衣装は、2026年のミラノ・コルティナ冬季オリンピックの閉会式の⾐装を⼿がけた新進気鋭の⾐装デザイナーのステファノ・チャミッティが担当。70年代のイタリアの洗練されたファンションも見どころの一つだ。
「布を切る音、ミシンの音、ビーズがぶつかる音、布の光沢…手芸好きの私はワクワクしっぱなしでした。もちろん、手芸好きでなくても、お針子たちが作る舞台や映画の衣装は、本当に素敵なものばかりだし、70年代の女性の服装もおしゃれで、ファッション好き、デザイン好きにはたまらないと思います。」(杉本ありさん)
『ダイヤモンド 私たちの衣装工房』© 2024 Greenboo Production – Faros Film – Vision Distribution
◆イタリアの作品をイタリア語から翻訳することの醍醐味 杉本さんは現在、イタリア語の作品をメインに映画やドラマのほか、児童書の翻訳なども手がけている。2026年はイタリア文学最大の詩人ダンテの神曲にまつわるドキュメンタリー映画『ミラービレ・ヴィジオーネ』の字幕を担当した。(https://www.jvta.net/tyo/mirabile-visione/ )。イタリアでは誰もが知る国民的文学や聖書、現地の文化的背景などの知識も翻訳に役立っている。
「イタリア語を学んだ理由はいろいろありますが、根底にあるのはイタリアが大好きだからということです。作品の原語を理解し、それを使う国や文化を知る翻訳者が訳すということは、その訳者の愛情あふれる訳になると思います。私もそういう訳を目指しています。多言語の翻訳者さんとはたくさんおつきあいしていますが、皆さん自分のメイン言語が使われている国への愛情が深いし、この国のことなら任せて、という方が多いです。私もそうなりたいと常々思っています。イタリア語に限らず、原語から訳すほうが、その言語の話者がそのセリフを読んだときや聞いたときに感じることを伝えられるのではないでしょうか。」(杉本ありさん)
杉本さんは、中学生・高校生向けのYA(ヤングアダルト)の書籍や絵本の翻訳も手がけている。書籍翻訳の作業は映像翻訳とは違うポイントを意識するという。
「物語の舞台となっている時代的な背景、ヨーロッパという地理的な背景が重なるため、どうしてもイタリアの子どもが読むのと同じように、日本の子どもが読むのは難しいかと思います。そのため、日本の子どもにも理解しやすいように補足をして肉付けをして訳しています。決められた字数の中で情報をそぎ落とす字幕翻訳とはある意味真逆かもしれません」(杉本ありさん)
イタリア語の知識や現地での経験を重ね、多様なニーズに対応する杉本さん。現在、国内外に点在する受講生、修了生の皆さんも。杉本さんのように多言語の知識やスキルがある方は、ぜひ得意分野としてその力を発揮してほしい。
杉本ありさん(イタリア語翻訳者) 出版社勤務を経てイタリアへ留学。帰国後、フリーランスの編集者として活動。その後、一念発起してJVTAに入学し、映像翻訳の世界へ。字幕の代表作に『ほんとうのピノッキオ』『ダーク・グラス』『ヴァニーナ カターニアの殺人課』『マリア・モンテッソーリ 愛と創造のメソッド』など。また訳書に『コミック密売人』(岩波書店)、『ローラとわたし』(徳間書店)、『飛ぶための百歩』『フォグ 霧の色をしたオオカミ』(岩崎書店)などがある。
『シャオ・メイ/ローマ大決戦』© 2025 WILDSIDE S.R.L. – GOON FILMS S.R.L. – PIPER FILM S.R.L.
◆『シャオ・メイ/ローマ大決戦』 5 月29 日(金)より新宿ピカデリー他全国ロードショー 公式サイト:https://xiaomei-movie.jp/
『ダイヤモンド 私たちの衣装工房』© 2024 Greenboo Production – Faros Film – Vision Distribution
◆『ダイヤモンド 私たちの衣装工房』 6 月19 日(金)より新宿ピカデリーほか全国順次ロードショー 公式サイト:https://child-film.com/films/diamanti
◆【映像翻訳科 次期開講は2026年10月予定】 映像翻訳にご興味をお持ちの方に向け、リモート個別相談を開催しています。映像翻訳の詳細はJVTAのカリキュラム等についてマンツーマンでご説明します。お気軽にご参加ください。 ※詳細・お申し込みはこちら
【電話回線の復旧のお知らせ】
7月6日(月)10時35分時頃より、弊社の通信機器の不具合により、弊社の電話回線がつながらない状態が発生しておりました。
現在は復旧し、通常通りご利用いただけることをご報告申し上げます。不通時にお電話をいただいたお客様がいらっしゃいましたら重ねてお詫び申し上げます。
お問い合わせいただいた皆さまには、多大なるご不便、ご迷惑をお掛けしましたことを、心より深くお詫び申し上げます。
【カンヌ国際映画祭で4冠の話題作『シラート』の字幕を担当】多言語翻訳で活躍する杉田洋子講師インタビュー
2026年6月5日、カンヌ国際映画祭で4冠(審査員賞、サウンドトラック賞、AFCAE賞スペシャルメンション、パルムドッグ審査員賞)に輝いた話題作『シラート』が劇場公開される。字幕を手がけたのは、JVTA修了生で現在はJVTAで講師も務める杉田洋子さん。キューバに留学経験があり、ブラジル音楽にも親しんできた杉田さんは、英語とスペイン語、ポルトガル語のスキルを活かして多彩な仕事に取り組んでいる。
杉田洋子さん
『シラート』は、砂漠で行われるレイブパーティに参加したまま失踪した娘を探して車を走らせる父ルイスと息子エステバンの姿を追うロードムービー。各国の賞レースで49受賞124ノミネート(3/10時点)という驚異的な数字をたたき出し、世界で絶賛された注目作がいよいよ日本で公開される。杉田さんは、「2026年アカデミー賞で音響賞と国際長編映画賞にWノミネートされた最高の音を、ぜひ迫力ある映画館の音質でご覧いただきたいです」と話す。
『シラート 』
© 2025 LOS DESERTORES FILMS, A.I.E., TELEFÓNICA AUDIOVISUAL DIGITAL, S.L.U.,FILMES DA ERMIDA, S.L., EL DESEO DA, S.L.U., URI FILMS, S.L.,4A4 PRODUCTIONS
「最小限の情報量と極上のサウンドの中で、この世の万物と向き合うような2時間です。前代未聞の鑑賞体験になることは間違いありません。翻訳者としては、全登場人物たちを愛しつつ、作品の持ち味を邪魔しないよう心がけました。また、最近の傾向かと思いますが、本作もスペイン語だけでなく、フランス語、アラビア語、英語と複数の言語が飛び交う作品です。スペイン語に訳されたスクリプトは支給していただきましたが、各言語の原意も確認しながら作業しました。」(杉田洋子さん)
現在は基本的にスペイン語やポルトガル語の作品に絞って受注しているという杉田さん。しかし、最近は1本の中で英語をはじめ複数の言語がミックスされている作品が年々増えていると感じているという。
例えば、2021年に杉田さんが字幕を手がけたティルダ・スウィントン主演の『MEMORIA メモリア』も作中に英語とスペイン語が入り混じる作品だ。同作はタイ出身のアピチャッポン・ウィーラセタクン監督の初のタイ国外での制作作品。基本的には英語とスペイン語だが、コロンビア、タイ、イギリス、メキシコ、フランス、ドイツ、カタールなど複数の国が制作にかかわる。舞台となったコロンビアにちなみ、アカデミー賞国際長編映画賞コロンビア代表に選出されている点も興味深い。
スペイン語を母国語とする話者は約5億人。スペインはもちろん、中南米など多くの国の公用語であるため、オリジナル言語がスペイン語の映画やドラマは少なくない。杉田さんは昨今、空港内の深層心理サスペンス『入国審査』や『ドン・キホーテ』の著者ミゲル・デ・セルバンテスの若き日を描いた歴史ドラマ『囚われ人』、画家サルバドール・ダリに憧れるシェフの物語『美食家ダリのレストラン』など幅広いジャンルの映画の字幕を手がけている。またスペイン語やラテンアメリカの作品を集めた「ラテンビート映画祭」にも携わってきた。当初翻訳者として参加したのをきっかけに運営コーディネートや上映作品の翻訳などを手がけた。
杉田さんには、通訳案内士としての顔もある。インバウンド需要が高まる中で、スペイン語での案内のニーズも多く、スペインやメキシコ、アルゼンチンなどからの旅行客をアテンドしているという。
JVTAが字幕制作をサポートする国内外の映画祭にも世界各国の上映作品がある。多言語のスキルを活かしたいと考えている翻訳者に杉田さんからメッセージを頂いた。
「昔から多言語(特に欧米系)の作品は英訳があるため、英語の翻訳者さんが字幕をつけるパターンも少なくありませんでした。さらにAIの台頭もあり、深く知らない言語でも訳しやすい時代がきました。それでも、オリジナル言語を知っている翻訳者には、細かなニュアンスや歴史・文化的背景の理解から、適切なスポッティング、固有名詞の表記、リサーチに至るまで、圧倒的な強みがあると思っています。映像翻訳者としての基本スキルを磨きつつ、胸を張って専門言語についてもアピールしていきましょう!」(杉田洋子さん)
コロナ禍以降、JVTAで映像翻訳を学ぶコースはすべて、国内外からリモートで学べるようになった。そのため、世界の各地に受講生、修了生が点在しており、現地の知識や言語のスキルを持つ人も多い。杉田さんのように多言語のスキルを持つ人は、映像翻訳という職能と掛け合わせて独自の得意分野を確立し、ぜひ仕事の幅を広げてほしい。
映画『シラート』は6月5日公開。『ワン・バトル・アフター・アナザー』でアカデミー賞を獲得したポール・トーマス・アンダーソン監督に「映画館で体験すべき真の映画」と言わしめる傑作を、どうぞお見逃しなく。
◆『シラート』 6月5日(金) 新宿ピカデリー、ヒューマントラストシネマ有楽町、Bunkamuraル・シネマ 渋谷宮下ほかにてロードショー 監督:オリベル・ラシェ『ファイアー・ウィル・カム』 製作総指揮:エステル・ガルシア 製作:ペドロ・アルモドバル 脚本:オリベル・ラシェ、サンティアゴ・フィジョル 撮影監督:マウロ・エルセ 編集:クリストバル・フェルナンデス 美術:ライア・アテカ 音楽:カンディング・レイ(デヴィッド・ルテリエ) 出演:セルジ・ロペス『パンズ・ラビリンス』、ブルーノ・ヌニェス・アルホナほか 公式サイト:https://transformer.co.jp/m/sirat/
◆杉田洋子さん キューバへの留学やブラジル音楽の演奏活動などでスペイン語、ポルトガル語、英語のスキルを身につけ、映像翻訳者、通訳案内士、映画祭運営など幅広く活躍。JVTAの英日映像翻訳科で講師も務める。昨今字幕を手がけた作品は『シラート』『入国審査』『囚われ人』『美食家ダリのレストラン』『MEMORIA メモリア』『サムシング・ハプンズ・トゥ・ミー』『2月のために~マリア・ベターニアとマンゲイラ』など多数。
【関連記事】 ◆多言語翻訳ルートマップ! ~JVTAから飛び立ったマルチリンガルたち~〈スペイン語の映像翻訳〉 ◆杉田洋子講師が運営と翻訳に携わるラテンビート映画祭が開幕
◆【映像翻訳科 次期開講は2026年10月予定】 映像翻訳にご興味をお持ちの方に向け、リモート個別相談を開催しています。映像翻訳の詳細はJVTAのカリキュラム等についてマンツーマンでご説明します。お気軽にご参加ください。 ※詳細・お申し込みはこちら
あなたの言葉が、誰かの“目”になる——「ディスクライバー」という、もう一つの言葉のプロ
映像の情景や人物の動きと表情を言葉で解説し視覚障害者をサポートする「音声ガイド」。JVTAの講座を修了し、2026年「ショートショートフィルムフェスティバル & アジア」のユニバーサル上映作品『彼方の声』(野上鉄晃監督)などを手がけるディスクライバーの浅本由梨子さんは、作中のセリフを訳す字幕や吹き替えの翻訳とは異なり、セリフや音の合間に一から言葉を紡ぐ難しさと日々向き合っている。今回は浅本さんに、作品の熱量を届けるための情報の取捨選択や、独自の言葉選びのこだわりについてお話を伺った。
【ディスクライバーとは? 5/30開講「音声ガイドコース」無料説明会実施中】 詳細・お申し込みはこちら
◆制作者の想いや画面に込められた伏線を見落とさないために 「たくさんの方が長い時間をかけて作り上げた作品の魅力を、より多くの人に伝えたい。その思いから、細かな演技や小道具、カメラワークなど、画面に込められた意味を見落とさないよう気を付けています。特に、視覚情報によって伏線や人物の感情が表現されている作品では、重要な要素を取りこぼさないよう意識しています。」(浅本由梨子さん)
音声ガイド制作に携わるまでは、同じ作品を何十回も観ることはなかったという浅本さん。今は、繰り返し観ることで、新たな発見や気づきが生まれる面白さがあり、作品に対するリスペクトの気持ちも、見る度に深まっていくという。
◆短編映画『彼方の声』で意識した「鑑賞者の想像の余地」 『彼方の声』は、庄司浩平さん演じる主人公、尚人がAIとして再構築されたかつての恋人・澪(みお)と1日だけの再会を果たす物語。約22分の短編だ。同作は、明確に答えを提示するというよりも、鑑賞者それぞれに解釈が委ねられている作品だと浅本さんは感じたという。そのため、音声ガイドが解釈を誘導したり主観を入れたりして鑑賞者が想像する余地を奪ってしまわないように意識した、と振り返る。
『彼方の声』
「セリフや声色、間の取り方はもちろん、風景や視線の動き、距離の取り方といった視覚的な情報によって生まれる空気感も大切にされていると感じました。そうした細やかな部分が、鑑賞者それぞれの感じ方につながっていくと思ったので、制作側の意図した表現をきちんと受け取っていただけるよう、丁寧にガイドすることを心掛けました。テーマやシチュエーションが難しい作品でしたが、とにかくこの素敵な世界観を壊さないように、という一心で取り組みました。」(浅本由梨子さん)
◆詰め込みすぎは禁物。ディスクライバーを悩ませる「余白」のさじ加減 音声ガイドのディスクライバーは、映像翻訳者と同じように、多くのリサーチを重ね作品を深く解釈したうえで、ガイドづくりに臨む。学習を始めたばかりの人は「あれもこれも伝えなければ」と多くの情報を詰め込みがちだ。しかし、視聴者はセリフや音のない“余白の部分”も楽しんでいることを忘れてはならない。音を聞いていれば分かることまですべてガイドしてはうるさいと感じさせてしまう。そのさじ加減がディスクライバーにとっての悩みどころだ。
「仕事を始めたころは、そのシーンだけをじっくり見てガイドをつくろうとしていました。しかし、実写ドラマやアニメなど様々な作品に取り組むうちに、ストーリー全体の中で監督さんが大事にしていることや人物同士の距離感などを見極めて、それを軸にしてガイドすることも大切なのだと気づきました。また、音声ガイドの原稿を書くのはディスクライバーですが、監修や当事者のクオリティチェック、収録現場でのご提案などさまざまなご意見をいただきリライトしていくので、最終的にはチームとしてつくりあげるものだと実感しています。」(浅本由梨子さん)
◆主観を排し、「映像で見分けられる情報」をニュートラルに伝える難しさ 複数の意見を取り入れることは重要だ。例えば、古い建物の壁の色一つにしても『クリーム色』ではおしゃれな北欧風をイメージするとの指摘で『黄ばんだ壁』にリライト。夕景の車のライトの流れに「キラキラした」という表現を使った際には、この場面の意味を考慮し、よりニュートラルな表現に変えたこともあったという。また、表情は「悲しい目」「嬉しい顔」といった主観的な表現ではなく、目や眉や口の動きなどをガイドするのが基本だ。浅本さんは日本、韓国、アメリカなどさまざまな国の作品を担当する中で表情の演技にも違いがあり、その伝え方にも工夫が必要であると気づく。とはいえ、映像ではわからないのに、リサーチで得た情報までガイドに盛り込んではならない。結局は、「映像で見たまま」を伝えるという原則に立ち返り、「一度聞いただけで理解できる表現は何か」を追求していく。
◆未来のディスクライバーへ:多面的な視点と視野を広げることの大切さ 浅本さんが「音声ガイド」に興味を持ったきっかけの一つが、視力を失っていくカメラマンと音声ガイドディスクライバーとの交流を描いた映画『光』(河瀬直美監督 2017年)だったという。昨今は声優や俳優がガイドのナレーションを担当するケースも増え、『彼方の声』の音声ガイドのナレーションを、声優の佐々木望さんが担当するなど、幅広い層に認知され始めている。浅本さんは「鑑賞したい映画を、誰もが諦めずに楽しめる社会であってほしい、そのためにも、より多くの人に音声ガイドの存在を知っていただき、利用してもらいたい。」と話す。
「音声ガイドを書く時は、なぜその言葉を選んだのか、どうしてその表現をしたのかを、常に自分に問い続けています。これは、監修者さんや他のディスクライバーさんからいただいたフィードバックに自信をもって返答できなかった経験から、意識していることです。特に、登場人物の感情に触れるシーンでは、伝えるべきことはきちんと伝えながらも、主観に寄り過ぎていないか、いつも悩みます。一つの視点に偏らず、さまざまな可能性を想像しながら言葉を選ぶことが大切なのだと感じます。私自身も多面的に物事を捉え考える力を磨くためにも、多くのガイドを聞き、さらに本や舞台、音楽などさまざまな表現活動に触れながら、興味や視野を広げていきたいと思っています。作品やジャンルによってもテイストが違うので、今後ディスクライバーを目指す方は、日ごろから多くのガイドを聞いてトーンや言葉の選び方、間の取り方などに注力しておくと良いと思います。自分の好みの音声ガイドを見つけることもおすすめです。」(浅本由梨子さん)
映像を見なくても音声だけで映像を楽しめる音声ガイドは、緻密な作品解釈や工夫、検証のもとに作られており、晴眼者にとっても見逃したポイントに気づかせてくれる魅力的なツールだ。映像翻訳者にとっては「言葉のプロとして作品を伝える」という原点を追求する大きな学びがある。まだ利用したことがない方はぜひ、積極的に音声ガイドを利用してほしい。今後、さらなる普及のためにもJVTAはディスクライバーの養成を続けていく。興味のある方はぜひ挑戦してみてはいかがだろうか。
『彼方の声』
◆「ショートショートフィルムフェスティバル & アジア」 ユニバーサル上映会~ Cinema is Inclusive ~ 日時:2026年6月5日(金)16:20-18:10(終了) 会場:LIFORK HARAJUKU 料金:無料 ※誰でも参加可
※『彼方の声』を含む3作品が音声ガイドとバリアフリー字幕付きで上映されます。 ※声優の佐々木望さんのトークショーがあります。 チケットの予約はこちら
◆「ショートショートフィルムフェスティバル & アジア」の公式YouTubeチャンネルでバリアフリー字幕や音声ガイド付きで視聴できます。ぜひご覧ください。
★Short Film “So Far Away, So Close” |ショートフィルム『彼方の声』本編 ※字幕をオンにするとバリアフリー字幕が表示されます。 視聴はこちら
★ショートフィルム『彼方の声』本編(音声ガイド版) 視聴はこちら
★JVTAではバリアフリー字幕と音声ガイドの制作スキルを学べます! メディア・アクセシビリティ科 音声ガイドコースは5月30日(土)に開講 コースの詳細はこちら 無料説明会はこちら
【関連記事】・【JVTAが字幕ガイドと音声ガイドを制作】SSFF&ASIAのユニバーサル上映会に声優の佐々木望さんが登壇! ・アカデミー賞受賞者同士による作品も上映!ショートショートフィルムフェスティバル & アジア 2026を、今年も字幕翻訳でサポート ・アカデミー賞俳優のミシェル・ヨーが1人5役!『サンディワラ』の字幕を担当した映像翻訳者にインタビュー
◆【映像翻訳科 次期開講は2026年10月予定】 映像翻訳にご興味をお持ちの方に向け、リモート個別相談を開催しています。映像翻訳の詳細はJVTAのカリキュラム等についてマンツーマンでご説明します。お気軽にご参加ください。 ※詳細・お申し込みはこちら
【JVTAが字幕ガイドと音声ガイドを制作】SSFF&ASIAのユニバーサル上映会に声優の佐々木望さんが登壇!
JVTAは20年以上にわたり、短編映画の祭典「ショートショートフィルムフェスティバル & アジア」(SSFF&ASIA)の字幕翻訳に協力している。同映画祭では2022年から、見えにくい、聞こえにくい人も映画を楽しめるよう、バリアフリー字幕と音声ガイド(Audio Description)を付けた短編映画の上映を開始。JVTAは毎年、音声ガイドと字幕の制作も担当してきた。6月5日には今年も「ユニバーサル上映会~ Cinema is Inclusive ~」と題したリアルトーク&セミナーが原宿で開催される。会場では全3作品を音声ガイドおよび字幕ガイド付きで鑑賞できるほか、情報保障として、MCの手話通訳、要約筆記が用意される。さらに上映後のトークイベントには、今年で声優デビュー40周年を迎える佐々木望さんが登壇する。佐々木望さんは今年、東京都とSSFF & ASIAによる特別製作作品『彼方の声』で音声ガイドのナレーションを担当。この作品では、AI技術を通してある再会を果たす男性の1日が描かれている。
『彼方の声』
アニメ『幽☆遊☆白書』浦飯幽助役をはじめ、『AKIRA』鉄雄役、『銀河英雄伝説』ユリアン役など声優として多くの作品に出演してきた佐々木さん。昨今は音声ガイドという新たな分野にも活躍の場を拡げている。音声ガイドとは、見えない、見えづらい人が映像作品を楽しめるよう、映像に映っている情景や人物の動き、表情などを言葉で解説し音声で伝えるツールだ。上映後のトークでは、声優として40年のキャリアを持つ佐々木さんがさまざまな視聴者に作品を届けるという役割を担う音声ガイドへの取り組みについて語る。
このイベントではさらに2作品が上映される。
・『HANA』 2025年のSSFF & ASIAの上映作品。芥川龍之介の小説「鼻」を、胸の大きさにコンプレックスを抱えた女子高生の話に二次創作した短編映画だ。同年のクラウドファンディングにより、音声ガイドと日本語字幕ガイドが制作された。こちらは、ダチョウ倶楽部の肥後克広さんが初めて音声ガイドのナレーションを担当。一般公開はこのイベントが初となる。
・『日の出を知らない街』 東京都とSSFF & ASIAによる特別製作作品で、2025年のSSFF & ASIAで上映された。東京で仕事に追われる男性が奥多摩での休日で再生していく物語。
視聴者に映像作品の魅力を余すところなく伝える。その役割は翻訳字幕もバリアフリー字幕や音声ガイドも同じだ。それぞれのツールの利用者にとって本当に必要な情報とは何か。このイベントを通じて改めて考えてみたい。言葉のプロを目指す受講生・修了生の皆さんにとって「伝える」という原点について学びの多い機会になるはず。ぜひご参加ください。
◆「ショートショートフィルムフェスティバル & アジア」 ユニバーサル上映会~ Cinema is Inclusive ~
日時:2026年6月5日(金)16:20-18:10 会場:LIFORK HARAJUKU 料金:無料 ※誰でも参加可 チケットの予約はこちら
※『彼方の声』の音声ガイドを手がけたディスクライバー 浅本由利子さんのインタビューはこちら
★JVTAではバリアフリー字幕と音声ガイドの制作スキルを学べます!
メディア・アクセシビリティ科 音声ガイドコースは5月30日(土)に開講 コースの詳細はこちら 無料説明会はこちら
【関連記事】 ・あなたの言葉が、誰かの“目”になる——「ディスクライバー」という、もう一つの言葉のプロ ・アカデミー賞受賞者同士による作品も上映!ショートショートフィルムフェスティバル & アジア 2026を、今年も字幕翻訳でサポート ・アカデミー賞俳優のミシェル・ヨーが1人5役!『サンディワラ』の字幕を担当した映像翻訳者にインタビュー
◆【映像翻訳科 次期開講は2026年10月予定】 映像翻訳にご興味をお持ちの方に向け、リモート個別相談を開催しています。映像翻訳の詳細はJVTAのカリキュラム等についてマンツーマンでご説明します。お気軽にご参加ください。 ※詳細・お申し込みはこちら
【2026年5月】日英OJT修了生を紹介します
JVTAではスクールに併設された受発注部門が皆さんのデビューをサポートしています。映像翻訳の仕事は映画やドラマだけではありません。特に日英映像翻訳ではマンガやゲーム、企業のPR動画など幅広いジャンルがあり、翻訳者が体験してきた職歴や趣味などを生かして活躍しています。今回はOJTを終え、日英の映像翻訳者としてデビューする修了生を紹介します。
◆岡田哲史さん 職歴:直近3年間は地域おこし協力隊(多文化共生)として活動。それ以前は10数年間、複数の外資系企業にて品質・工程改善・コンプライアンス等の業務に従事。全ての職務で日英2言語による業務を遂行。シンガポールとニュージーランドに在住経験有。
【JVTAを選んだ理由、JVTAでの思い出】 歴史ある企業で盤石であること、オンラインで受講できること、受講→トライアル→デビューの道筋を示していること、外国語の他にバリアフリーなど多角的に取り組んでいること…を総合的に利点と感じ選びました。思い出は、課題はどれも興味深いのですが、他の受講生の訳と自分の訳を比べて粗が多くて落ち込むことばかりでした。トライアルも複数回落ちたので遠回りしたという感じです。それでも、トライアルで学んだこと、気づかせてもらったことが多々あり「一番の近道は遠回り」という言葉をしみじみ感じています。講師の皆様、一緒に学んだ受講生の皆様、JVTAの職員の皆様に感謝申し上げます。
【日英翻訳の魅力】 どちらかと言うと、通訳はその場を即時的に回していく演出力・瞬発力が必要で、字幕翻訳は特に作品・文脈・背景を深く考える思考力と字数制限に合わせる調整力が必要だと思います。じっくり考えて整合させていい訳に収斂させていく過程はとても楽しいです。翻訳者として最も興味があるのは市区町村のシティプロモーション映像です。その他も不得意・知らないと決めつけずに、謙虚に幅広く取り組みたいです。
◆Claire Gorantさん 職歴:音声・映像スタッフ、英会話、アート教育
【今後どんな作品を手がけたい?】 The genre that surprised me the most, in terms of how enjoyable it was, was documentary. The amount of research and preparation required is absolutely daunting, but it’s all the more satisfying to see at the end how much I’ve learned in the process. And speaking of satisfying, spotting! I would love more opportunities to work on the ultra-granular side of things.
【JVTAを選んだ理由、JVTAでの思い出】 Several years ago, I attended my first translation conference. One of the attendees I met was a graduate of JVTA, and she couldn’t recommend it enough. I signed up for the next available semester, equal parts excited and intimidated by the curriculum, and while the workload was No Joke, each project was incredibly enlightening. I also learned so much from my classmates themselves and the work they created.
◆David Palomoさん 職歴:Musician, Screen Printer, Teacher, English Instructor
【今後どんな作品を手がけたい?】 Unlike most people, my love of Japanese started with music. I’m a huge music nerd and one day, through the magic of the internet, I stumbled upon music from Japan. Not being able to understand what was being said, I bought a Japanese-English dictionary written completely in Romaji and attempted to translate lyrics. Needless to say, it didn’t go well. However, it sparked my interest in the language, and ultimately in translation. I have a deep knowledge of Japanese musicians as well as actors, writers, and directors, so I would love it if I was able to work on translations for music videos, interviews, or PR materials. In addition, translating a movie or drama written by Bakarhythm or Kankuro Kudo would be a dream come true.
【今後の目標】 I love independent music and film. There is a whole world of Japanese entertainment that exists apart from giant robots and idol groups. Although I’m a fan of mainstream entertainment as well, it’s the smaller, lesser-known musicians, directors, and writers that interest me the most. One of my main goals is to be able to put a spotlight on smaller creators and to help them expand their fan base beyond Japan.
★JVTAスタッフ一同、これからの活躍を期待しています! ◆翻訳の発注はこちら ◆OJT修了生 紹介記事のアーカイブはこちら
◆【映像翻訳科 次期開講は2026年10月予定】 映像翻訳にご興味をお持ちの方に向け、リモート個別相談を開催しています。映像翻訳の詳細はJVTAのカリキュラム等についてマンツーマンでご説明します。お気軽にご参加ください。 ※詳細・お申し込みはこちら