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「日英映像翻訳者は英語ネイティブじゃないとなれないのか?」その答えは…

「日英映像翻訳者は英語ネイティブじゃないとなれないのか?」
決してそんなことはない。

映画を中心とするエンタメに特化したフリーランスの日英翻訳者、通訳者として活躍する田村麻衣子さんは広島県に生まれ育った。現在は、日本の映画・テレビ番組の英語字幕や、映画の脚本(日⇔英)、漫画等の英語翻訳のほか、通訳としてハリウッド俳優来日時のアテンド/通訳、海外作品のプロダクション業務や撮影現場の通訳など幅広い現場に携わっている。かつて、三宅唱監督が2018年に制作した『きみの鳥はうたえる』の英語字幕制作を担当。三宅監督はその後、『ケイコ 目を澄ませて』で国内外の映画祭で高い評価を得たほか、最新作『旅と日々』がスイスのロカルノ国際映画祭で最優秀賞の「金豹賞」を受賞し、話題となったばかりだ。受賞直後にJVTAのサマースクール『日本生まれ日本育ちの英語字幕翻訳者にインタビュー!』に登壇した田村さんは、三宅監督の受賞は自分のことのように嬉しかったと話している。

◆英会話スクールで興味を持ち、国際科のある公立高校へ進学

田村さんが英語に興味を持ったのは、小学校時代の英会話スクール。ALT(外国語指導助手)との交流が楽しく、外国人とコミュニケーションが取れることに感動したからだとという。高校は国際科のある公立学校へ進学。英語に特化した授業や校外学習が多く、留学生の受け入れや交換留学なども行う校風だった。田村さんも独学で英語の歌詞を訳す、英語で日記を書くなど積極的に英語に触れる。広島ということもあり、平和学習で世界各国の人と学び、日本語を教えるボランティアも経験。ノンネイティブに教えるのは翻訳にも近い作業であり、よいトレーニングになったという。

◆高校でアメリカ留学、その後アメリカの大学で学ぶ

高校2年から3年の1年間、フロリダ州に留学し、日本人が誰もいない環境に身を置いた田村さん。その後、アメリカの大学でコスメトロジー(アメリカの美容師資格)を学ぶ。

「洋画好きな父の影響で学生時代からアメリカの映画に親しんでいましたが、当時は特殊メイクに興味があり、美容系の分野を学びました。大学の授業で役に立ったのは日本で学んだ英文法です。授業を聞き取り宿題に取り組むには文法が必須です。また現地の会話はスピードが速く、イディオムやスラングが多いので会話力も身につきました。生きた英語に触れるために現地の人とコミュニケーションを取り、当時は必須だった電子辞書を持ち歩き、知らない言葉はすぐに調べていました。」

◆日本映画の繊細な心の動きを読み解けるのが強味

アメリカの大学を卒業した田村さんは、帰国後に外国映画の配給会社に就職。その一方でアメリカ滞在時にJVTAのLA校で字幕体験レッスンを受けたことや知人の監督から英語字幕の依頼を受けたことをきっかけに、JVTA東京校で日英映像翻訳の学習をスタートした。その授業で多くの日本映画を知り、興味を持つようになったという。

「日本映画は繊細な心の動きを感じ取れるのが魅力です。それを読み取って言葉にするのが英語字幕です。原文の理解を間違えるとすべてが変わってしまします。日本語や日本の文化を背景にした作品を自然に解釈し、肌間隔で人物の気持ちを理解できること、それは日本語ネイティブが英語字幕を作る一番の強味だと思います。」

JVTAは、SKIPシティ国際Dシネマ映画祭など多くの映画祭の出品作品の英語字幕を手がけ、映画祭や上映イベントなどで監督や出演者と会う機会もある。それも日英翻訳の特権と言える。英語字幕制作だけでなく、イベントのアテンド通訳なども手がける田村さんは、「若手クリエイターとチームとなり、日本のコンテンツを世界に発信できる手助けができることが日英映像翻訳の魅力」と話す。

◆日本では定番のフレーズもシチュエーションで訳し分ける

「お疲れ様です」「お世話になっております」「よろしくお願いします」「行ってきます」「おかえりなさい」…。日本語では定番のフレーズが実は英語字幕ではとても難しい。会話をする人物の関係性や前後の流れ、細かい感情によって伝えるべき真意が変わってくるからだ。この微妙なニュアンスを読み解けるのも日本語ネイティブだからこそのメリットとなる。

「英語ネイティブじゃなくても日英映像翻訳者になれる」。田村さんのお話を聞けば、この言葉は実感できるはずだ。「日本の映画やドラマ、アニメ、マンガ、ゲームなどが好きで世界に発信したい!」という想いを抱く方は、“日本語ネイティブという強味”を活かしてぜひ日英翻訳に挑戦してほしい。

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ニーズの高まりを実感するゲームの分野を学ぶ

コマ単位受講制度 体験談 鈴木綾さん

日英映像翻訳 総合コース「ゲーム翻訳」

日本のコンテンツが海外で人気を集めるなか、日英映像翻訳者のニーズが高まっている。

映画やドラマはもちろん、世界で人気を集めるアニメやマンガなどそのジャンルは幅が広い。中でも昨今増えているのがゲームの翻訳だ。1996年にスタートし、今年で35回目を迎える東京ゲームショウは、毎年多くの人の人が訪れる人気イベントとなっている。そこでJVTAでは2024年10月期より日英映像翻訳科の総合コースに「ゲーム翻訳」の授業を新設した。

JVTAは、こうした最新の授業を過去の修了生も受けられる機会を作りたいと2024年秋から「コマ単位受講制度」を開始。過去の受講時にはなかった授業やプロになった今だからこそ復習したい授業を単発で受けられる制度を導入した。

鈴木綾さんは、日英映像翻訳の実践コースを2024年9月に修了し、2025年に日英映像翻訳者としてデビュー。現在は、映画やドラマ、講演会やオンデマンドの授業、映画のコメンタリーなど、様々なジャンルを手がけている。今回、コマ単位受講制度を利用し、受講生時代にはなかった「ゲーム翻訳」を受講した。

◆ゲーム翻訳のニーズ増加を日々実感

一般に公開されている映像翻訳者の募集情報をリサーチしていると、ゲーム翻訳が必ずあがってくるので、とにかく今ニーズが増えていると感じていました。そんな時、JVTAのメルマガでコマ単位受講制度を知り、仕事の幅を広げていくために受けてみようと思いました。」(鈴木綾さん)

実は、鈴木さん自身はほとんどゲームをすることはないという。現在は友人宅でたまにやるくらいでゲーム機も持っていない。子どもの時は好きだったものの、社会人になってからは多忙でなかなかやる時間もないうえに、やりはじめたら性格的にハマってしまうとわかっていたので敢えて避けてきたと話す。

◆ゲーム翻訳は操作のマニュアル作りでもある

「実践コースを修了以来、久しぶりの授業で緊張しましたが、ゲーム翻訳の知識が全くなかったのでとても興味深い内容でした。作品の世界観を伝えるなどドラマや映画の映像翻訳と似ている部分もあるのですが、ゲームの場合はそれに加えてシステム関係の翻訳もあります。例えばコントローラーの使い方や設定画面の解説など、ゲームを操作するためのマニュアル的な要素も含まれるので、一つの作品の中でもより多くの知識が必要になってくると感じました。」(鈴木綾さん)

◆指導するのは第一線で活躍するデビン・ニール講師

JVTAの授業は自らもプロの映像翻訳者として活躍する講師が指導するのが特徴だ。ゲーム翻訳の授業を担当するのは、ゲームおよびアニメ翻訳を専門とする日英翻訳者であるデビン・ニール講師。これまでに『スターオーシャン 6 THE DIVINE FORCE』、『ポッ拳』などのゲームや、『未来少年コナン』、『ツルネ ―風舞高校弓道部―』、『宝石の国』などのアニメ翻訳を手掛けている。

「ニール先生曰く、『ゲーム翻訳は映像翻訳よりも意訳が好まれることが多い』とのこと。アイテムや技の名前を考えるのは楽しいですし、より想像力も必要になってくるのかな?と思いました。想像力(妄想力)だけは自信があるので、いつかチャレンジしてみたいと思います。作品の規模にもよりますが、仕上げるのに何ヶ月もかかる場合もあるようなので、作品に対する思い入れがより強くなっていきそうだなと感じました。」(鈴木綾さん)

一筋縄ではいかない作業の難しさを知る

ゲームの翻訳の場合、操作によってさまざまな画面や表示にリンクするため、プラットフォームやテキストを表示させる場所によって枠の大きさが異なる。そのため、どの位置にどのように文字が入るのかを常に考えて翻訳することが求められる。これもいわゆる映画やドラマの字幕とは違うポイントだ。

「ゲームの制作段階から翻訳することも多いため、SST(字幕制作ソフト)で作業する時のように実際に映像で仕上がりを確認しながら進めることができない場合が多いのは驚きでした。ニール先生の授業はわかりやすく非常に勉強になりました!」(鈴木綾さん)

◆注目は日々進化するAI翻訳

最近は大好きなバラエティ、映画、ドラマなどのエンタメ系の作品を手がけることが多いという鈴木さん。先日は、映像クリエイターの登竜門として知られる「SKIPシティ国際Dシネマ映画祭」で上映された全編関西弁の映画『お笑えない芸人』(西田祐香監督)で英語字幕を手がけ、同作が「スペシャル・メンション」を受賞するなど確実にキャリアを重ねている。関西在住の鈴木さんにとって「お笑い」または「バラエティ」は元々好きなジャンルでとにかく楽しいという。

「今後またコマ単位受講制度を利用するとしたら、『AI翻訳』ですね。受講中はなるべく『AIに頼らない翻訳』を心がけていたのですが、ここ一年だけでも驚くほどの進化を遂げているのを感じています。自分の翻訳の効率、質を上げるために利用できるツールが他にあるのなら再度学んでおきたいと思っています。1年後、2年後は授業の内容もさらに進化していくのではないでしょうか。」(鈴木綾さん)

「ゲーム翻訳」の授業は、鈴木さんのように個人的にはゲームにあまり馴染みがない人にも分かりやすい内容となっている。すでに日英の翻訳者として活躍する中で、さらにキャリアの幅を広げたいと考えている人にもおすすめだ。日英映像翻訳のコースには、字幕や吹き替えの概論以外にもマンガや映画祭カタログ、ストーリー概論、YouTube動画、企業VPなどさまざまなジャンルの実践的な授業を行っている。ぜひコマ単位受講制度を利用して活躍の場を広げてほしい。

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◆【コマ単位受講制度体験談】10数年ぶりに“受講生”に!初のリモート受講で最新のAI翻訳を学ぶ

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【2025年8月】英日OJT修了生を紹介します

JVTAではスクールに併設された受発注部門が皆さんのデビューをサポートしています。さまざまなバックグラウンドを持つ多彩な人材が集結。映像翻訳のスキルを学んだことで、それぞれの経験を生かしたキャリアチェンジを実現してきました。今回はOJTを終え、英日の映像翻訳者としてデビューする修了生の皆さんをご紹介します。

◆川原田仁美さん(映像翻訳Web講座、他校で学び、JVTA英日映像翻訳実践コースに編入・修了)

職歴:日本語教師(海外・国内)、旅行代理店など

【映像翻訳を学ぶきっかけは?】

好きな英語や海外に関われることと、夫が海外転勤の可能性がある転勤族のため在宅で仕事ができることが翻訳の学習を始めたきっかけです。最初は実務翻訳を学習していましたが、某翻訳情報誌のコンテストで映像翻訳の魅力に取りつかれ、学習を開始しました。実践コース受講中に夫の転勤で引っ越し、翻訳を選んでよかったと改めて思いました。

【今後どんな作品を手がけたい?】

コメディ、アクション、ヒューマンドラマ、実話に基づく作品、香港映画などの海外作品(特にアジアの作品)が好きなのでぜひ手がけたいです。ドキュメンタリーでは歴史もの(特に近代以降)、戦争ものをよく見ます。中国とタイでの就労経験があり、中国語の学習は15年以上続けています(タイ語も少し学習経験あり)。そのため、中国作品、タイ作品にも関わりたいです。

◆シュレーゲル 京 希伊子さん(LA校 英日映像翻訳実践コース修了) ※日英映像翻訳実践コースも修了済み

職歴:外交政策の調査・立案、スピーチ原稿の作成 → 環境問題に関するプロジェクト運営 → フリーランス翻訳家・通訳・ライター

【OJTを終えて】

日英デビューしてから1年。ようやく、目標だった英⇔日ハイブリッド映像翻訳者になることができました。英日トライアルは険しい道のりでしたが、授業中に講師から受けた数々のフィードバックを思い出し、不合格が続いても心を切り替えながら、突破を目指しました。

ところが、トライアルに合格して喜んでいたのも束の間、実際にOJTが始まると、受講中にこなしたどの課題よりもハードで、フィードバックも厳しいものでした。「そうか、トライアルに受かったくらいで浮かれてはいけないな。ここからがスタートなのだ」と思い知らされました。

JVTAで映像翻訳の基礎を学び始めてから、早くも2年が経ち、知らぬ間に「慣れ」や「驕り」の気持ちが生まれていたのかもしれません。仕事をする上で、スピードや効率はもちろん大事ですが、丁寧に作品に向き合うことの大切さをOJTで再確認しました。そして何より、「楽しく仕事をすること」。これが最も重要で、その姿勢が訳文にも表れるのだということを学びました。思えば私自身も、当初は「映像翻訳ってこんなに楽しいんだ」と夢中で課題に取り組んでいたものです。そんな初心に立ち返れたことが、OJTの最大の収穫でした。

【JVTAの思い出】

LA校でリモート受講しましたが、同期の仲間とは一緒に旅行をするくらい親しくなりました。受講が終わった時は、毎週の課題から解放されてホッとしたと同時に、心にぽっかり穴が開いたような気持ちに…。同じ目標に向かって全力投球すると、大人になっても友人は作れるのだと実感しました。

今回の英日OJTでもチームメイトに恵まれ、新たな交友の輪を広げることができました。在宅での翻訳は孤独になりがちですが、映像翻訳はチーム作業が多く、その点がとても魅力に感じています。

得意分野やバックグラウンドの異なる人たちから学ぶことは多く、自分の視野が広がります。これからも仕事を通じて、ますます色々な人と出会い、刺激を受けるのが楽しみです。

◆蔦谷光香子さん(映像翻訳Web講座 プロフェッショナルコース修了)※日英映像翻訳実践コースも修了済み 

職歴:法律事務所にて翻訳を含むパラリーガル業務

【映像翻訳を学ぶきっかけは?】

高校生の頃から映像コンテンツが好きで、英日と日英のどちらにも興味がありました。ある時、仕事を辞めて海外で生活をすることになり、当時は海外からも受講できた英日の映像翻訳Web講座(※)を通して、ずっと憧れていた映像翻訳を学ぶことを決めました。修了後、オープントライアルになかなか合格することができなかった時に「そうだ、日英も受講しよう!」と思い、最終的に英日・日英の両方を学ばせていただきました。

※映像翻訳Web講座は現在、国内在住者のみの受講です。

【今後の目標】

日本語の表現力と語彙力を磨いていきたいです。具体的な目標としては、ロアルド・ダールの作品に携わるのが私の夢です。(小さい頃からロアルド・ダールの小説が大好きで、既に映画化されているものも多い児童小説から大人向けの短編小説まで、ほとんど読んでいます!)また、動物が大好きなので、人間と動物の絆を描いたストーリーや、動物が主人公となっている素材をぜひ翻訳してみたいです。

★JVTAスタッフ一同、これからの活躍を期待しています!

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10数年ぶりに“受講生”に!初のリモート受講で最新のAI翻訳を学ぶ

コマ単位受講制度 体験談】 武井順子さん
英日映像翻訳 総合コース・Ⅰ「AI翻訳 基礎」

JVTAでは、最新のニーズに合わせて授業内容を常に更新している。2023年にはAI翻訳についての授業が新たに追加された。この授業では、AI翻訳の急速な普及を過度に恐れずにその性能を正しく理解し、上手く活用しながら翻訳の効率を上げるためのスキルアップを目指す。翻訳者にとって、もはや避けることができないAIとの共存について学べる内容となっている。

こうした最新の授業を過去の修了生も受けられる機会を作りたいと2024年秋から「コマ単位受講制度」を開始。過去の受講時にはなかった授業やプロになった今だからこそ復習したい授業を単発で受けられる制度を導入した。なかでもAIに関する授業は特に人気が高い。

10数年ぶりにJVTAの最新授業でAIを学ぶ

武井順子さんは、2012年10月期に英日映像翻訳 実践コースを修了後、映像翻訳者としてデビュー。ドラマやドキュメンタリー、スクリーニング作品や特典映像などの字幕を手がけてきた。武井さんが受講していた当時は、動画配信サービスも今ほど普及しておらず、視聴者が映像作品を観る環境も今とは大きく異なる。ましてAI翻訳を日常的に使うことはなかった。AIは苦手な分野だったという武井さんが、コマ単位受講のことを知ったのは、JVTAのメールマガジンだったという。

「翻訳の仕事はしていたものの、業界の最新状況をはじめ、実際の仕事の進め方や流れ、内容などがどのように変わったのか、現状をアップデートできずにいました。特にAI翻訳については10年以上前の私の受講当時にはなかった授業です。今後の映像翻訳者はうまくつきあっていく必要がある一方、自分の弱い分野でもあり、気になっていました。」(武井順子さん)

◆地方在住で初のリモート受講を体験

武井さんは受講当時、通学して日本橋にある東京校の教室で授業を受けており、今回のコマ単位受講が初のリモート受講となった。現在は地方都市に暮らす武井さんだが、オンラインだったからこそ、今回の受講を検討できたと話す。

「どこにいても受講ができるリモート受講は有り難く、受講生時代に戻ったようで懐かしかったです。リモートは講義形式で聞いているだけかと思っていたのですが、発言を求められて少し焦るなど、自宅にいても教室に参加している実感がありました。また、学校の教室に座って受講する際は受講生同士の顔は見えませんが、リモートだとカメラ越しに皆さんの顔が見えるというのが新鮮でした。目標に向け頑張っている皆さんの姿が刺激になりました。」(武井さん)

◆AIとうまく共存するイメージができた

AI翻訳の基礎では、実際にAIが翻訳した字幕を映像に載せて見比べたのが興味深かったと言う武井さん。AIが今できること、まだ人力でなければできないことが明確になり、少しほっとしたという。これから、うまく共存していくイメージができたようだ。

「今後は、機械翻訳(MT)の出力結果を人が確認・修正するポストエディット(PE)の仕事が増えていくとのこと。そうした案件のご依頼を頂けた際には、今回教わったように、クライアントと納品品質についての共通認識を作ることが大切だと感じています。一から翻訳し100%を目指す職人気質とは違いますが、AIが原文を基に訳したものを字幕として整えていく作業は楽しそうでやってみたいです!」(武井さん)

◆コマ単位受講制度を利用して仕事の幅を広げたい

AI翻訳を基に精度を高める作業は、武井さんのようにこれまで一定の知識や経験のある翻訳者だからこそできるスキルだ。武井さんは今後また「コマ単位受講制度」を利用して、AI翻訳の「応用」や「実践」も受けてみたいという。また、これまでは字幕が中心だったが、「ボイスオーバー」などを受講して仕事の幅を広げることも検討している。

個人のニーズに合わせて受けたい内容を単発で受講できる「コマ単位受講制度」。リモート受講なので、通学していた当時に遠方に引っ越して進級が叶わなかった方の復学へのきっかけにも最適だ。また子育て中で外出がままならない方や、プロの翻訳者の学び直しなどにもぜひ積極的に活用してほしい。

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【関連記事】

◆~コマ単位受講のススメ①~プロの英日映像翻訳者に必要な「日本語力」に注力する
◆~コマ単位受講のススメ②~AI翻訳と上手に付き合うための第一歩
◆~コマ単位受講のススメ③~映像のジャンルに合わせた英語字幕をつくる
◆~コマ単位受講のススメ④~需要が高まる「ゲーム翻訳」の知識を身につける

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アカデミー賞受賞『アイム・スティル・ヒア』が劇場公開 字幕は修了生の原田りえさん

8月8日(金)から劇場公開の映画『アイム・スティル・ヒア』(ウォルター・サレス監督)の日本語字幕をJVTA修了生の原田りえさんが手がけている。この作品は、第97回アカデミー賞®で3部門(作品賞、主演女優賞、国際長編映画賞)にノミネートされて国際長編映画賞を受賞したほか、第81回ヴェネツィア国際映画祭の脚本賞を獲得するなど世界で高い評価を受けた話題作だ。

舞台は1970年代のブラジル。元国会議員の夫ルーベンス・パイヴァと妻のエウニセは5人の子どもと穏やかに暮らしていたが、ある日、ルーベンスが軍事政権に連行されてしまう…。夫の消息を捜し続けるエウニセを演じたフェルナンダ・トーレスは、第82回ゴールデングローブ賞 主演女優賞(ドラマ部門)を受賞。さらに老年のエウニセを彼女の実の母であり、サレス監督の代表作『セントラル・ステーション』でブラジル人初のアカデミー主演女優賞候補となったフェルナンダ・モンテネグロが演じるという“母娘の共演”も注目されている。

この作品は実話に基づいており、サレス監督は幼少期にパイヴァ一家と交流があったという。原作は、ルーベンスの息子で作家のマルセロ・ルーベンス・パイヴァが執筆した書籍であり、身近な人でしか知り得ないことを丁寧に描いた伝記的な作品となっている。英語、フランス語、スペイン語、ポルトガル語、日本語の5言語に対応する原田さんは、オリジナル原語のポルトガル語から日本語に翻訳した。

「アカデミー賞受賞作品ということで、より幅広い観客層を想定して、ブラジルの歴史や文化に馴染みがない人にも分かりやすい字幕になるように心がけました。ごく当たり前だった家族との幸せな日々が、軍事政権によって突然奪われてしまう恐ろしさ。エウニセは自分の心まで権力に屈することを断固として拒否し、夫の尊厳と子供たちの人生を守るために闘い続けます。深い絶望の中でも希望の光を見つけようとするエウニセの強い意志に、私はとても勇気づけられました。フェルナンダ・トーレスの圧巻の演技を、ぜひ劇場のスクリーンでご堪能ください!」(原田りえさん)

『アイム・スティル・ヒア』2025年8月8日公開
出演:フェルナンダ・トーレス、セルトン・メロ、フェルナンダ・モンテネグロ
監督:ウォルター・サレス
脚本:ムリロ・ハウザー、エイトール・ロレガ
音楽:ウォーレン・エリス
撮影:アドリアン・テイジド
公式サイト:https://klockworx.com/movies/imstillhere/

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◆“あなたは、この結末を「誤訳」する” 『9人の翻訳家 囚われたベストセラー』字幕は修了生の原田りえさん

◆デンマーク発のダークな感動作『アダムズ・アップル』 字幕は修了生の原田りえさん

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【2025年7月】英日OJT修了生を紹介します 3

JVTAではスクールに併設された受発注部門が皆さんのデビューをサポートしています。さまざまなバックグラウンドを持つ多彩な人材が集結。映像翻訳のスキルを学んだことで、それぞれの経験を生かしたキャリアチェンジを実現してきました。今回はOJTを終え、英日の映像翻訳者としてデビューする修了生の皆さんをご紹介します。

◆青羽真理子さん (英日映像翻訳実践コース修了)

職歴: 機械メーカー、輸送会社(営業事務・秘書・総務など)

【映像翻訳を学ぶきっかけは?】

高校時代にアメリカへ留学し、英語を学ぶ楽しさに気づきました。それから一般企業でマニュアル翻訳などにも携わりましたが、軽い気持ちで参加したJVTAの字幕体験レッスンで映像翻訳の難しさを痛感し、もっと映像翻訳を学びたいと思い受講を決意しました。

【今後どんな作品を手がけたい?】

スポーツ系のドキュメンタリーやインタビュー、試合中継などの映像翻訳に関わりたいです。野球が特に好きで、メジャーリーグの選手、監督、スタッフなどのマニアックな情報を提供できるような翻訳ができたら最高です。また、料理系の作品も好きなので、いつか海外の料理番組に携わりたいです。

◆板垣麻衣子さん(英日映像翻訳 実践コース修了)
職歴:新聞記者(大学卒業後、17年間やっています)

【映像翻訳を学ぶきっかけは?

20年前、当時まだストリーミングサービスが存在しない頃からアメリカのDVDを取り寄せてドラマやリアリティーショーを浴びるように見ていました。2023年に産休に入ったことを奇貨に、兼ねてから興味のあった映像翻訳のスキルを学ぶことにしました。

【今後どんな作品を手がけたい?

映像作品の魅力は、知らず知らずのうちに時代の空気をつくることです。男女同権や人種問題など人権にかかわるイシューを交えた、おもしろくて学びになる作品を手がけてみたいです。早すぎたフェミニズム映画とも呼ばれる「テルマ&ルイーズ」など名作映画の翻訳アップデートにも関心があります。

◆小笠原愛子さん(英日映像翻訳 実践コース修了)
職歴:食品メーカー(卸、小売、飲食)広報担当

【映像翻訳を学ぶきっかけは?】

仕事でレシピ動画の撮影、編集、キャプションをつけるところまで1人で行い、改めてVisual Mediaが好きなことを実感しました。本当は高校生の頃から(ドラマ『フレンズ』がきっかけで)映像翻訳に興味があったのに、英語力以前に自分には日本語力が足りないと諦めていたので、やっぱり好きなことを学ばないと後悔する!という気持ちで受講を決めました。

【映像翻訳の魅力】

翻訳を通して知識を得ることが楽しいです。知識がある話題なら日本語でも英語でも前のめりで話せるのに、知らないことはどんな言語でも言葉が出てこない。言葉のプロには到底なれないと思っていた私でも、たくさん調べて知識を得れば、言葉のプロじゃない人にもわかりやすい言葉で訳せると思うので、視聴者目線の「やさしい翻訳者」を目指します。

◆小池陽子さん(英日映像翻訳 実践コース修了 ロジカルリーディング力強化コース修了)
職歴:自動車メーカーや時計メーカー、日本語学校で広報を中心とした業務に携わってきました。

【JVTAを選んだ理由、JVTAの思い出】

もともとイタリア語の絵本翻訳を学びたいと考えていました。そんな折、友人と会った際、その友人がJVTAの英日コースを受講していて、映像翻訳の魅力を楽しそうに語ってくれました。ちょうどその頃、オンライン説明会が開催されていたので参加し、体験レッスンで初めて字幕翻訳に挑戦。自分で訳した言葉が映像にのる体験が新鮮で、とても楽しく、すぐに受講を決めました。いろいろな偶然が重なって今日につながりました!

【今後どんな作品を手がけたい? 今後の目標】

絵本や児童書の翻訳、子ども向けの映像コンテンツに挑戦してみたいと思っています。また、難民映画祭など、社会的意義のあるプロジェクトにも関わっていけたら嬉しいです。

そして、朝ごはんの時間などにVOGUEのYouTubeコンテンツを観るのが小さな楽しみなので、「What’s in My Bag」や「Get Ready With Me」などの字幕制作にも、携わってみたいです。イタリア語を10年ほど学び、フィレンツェの語学学校に通った経験を活かして伊日翻訳にもぜひ挑戦したいですね。

★JVTAスタッフ一同、これからの活躍を期待しています!

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◆【2025年10月期の受講申込を受付中
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【SKIPシティ国際Dシネマ映画祭】全編大阪弁の映画『お笑えない芸人』の英語字幕制作秘話

映像クリエイターの登竜門として知られる「SKIPシティ国際Dシネマ映画祭」が今年も7月18日(金)に開幕する。この映画祭は、“新たな才能を発掘し、育てる映画祭へ”をモットーに、これまで白石和彌監督(『孤狼の血』『碁盤斬り』)、中野量太監督(『湯を沸かすほどの熱い愛』『浅田家!』)、上田慎一郎監督(『カメラを止めるな!』『スペシャルアクターズ』)など国内外の多くのクリエイターを生み出してきた。今年の審査委員長を務める石川慶監督も2009年に同映画祭に短編を出品、最新作『遠い山なみの光』が第78回カンヌ国際映画祭」ある視点部門で上映され、話題となったばかりだ。本映画祭では「特集「商業映画監督への道」と題し、代表作『愚行録』の上映と共に石川監督もトークに登壇する予定となっている。

JVTAは毎年、この映画祭の日本の上映作品の英語字幕を手がけてきた。今年は長編5作品、短編3作品の字幕に加え、映画祭ガイドの翻訳に携わっている。

長編『お笑えない芸人』の英語字幕を手がけたのは、修了生の鈴木綾さんとローガン・ランプキンスさんだ。

『お笑えない芸人』(西田祐香監督 英題:Chuckle Chuckle)

芸人を目指す佐原は、相方の瀬戸口と「激甘酢豚」というコンビで活動してきたが、ある出来事をきっかけにコンビは解散。夢半ばで立ち止まった佐原の前に、ある日突然“芸人として爆発的に売れた理想の自分”が現れる。(公式サイトより引用)

『お笑えない芸人』©映画「お笑えない芸人」製作

芸人が主人公のこの作品は全編が大阪弁で展開する。コントのネタの場面も多く、翻訳者にとっては難しいジャンルと言える。しかし、今回は鈴木さんが大阪在住の関西人で、関西弁の解釈に困ることはなかったという。また、日本語ネイティブと英語ネイティブの2人がチームで翻訳を手がけたことで両方の視点から考察することができた。

まず悩ましかったのは、字数制限だ。漢字が使えない英語字幕ではよくあることだが、コンビ名「激甘酢豚」の訳し方については2人で話し合った。Sweet&Sour Porkでは、いわゆる一般的な酢豚で“劇甘”のニュアンスが出せない。

「鈴木さんと代案(Ultrasweet Pork、Ultrasweet ‘n Sourなど)を出し合って文字数の制限を考慮したUltrasweet Sourporkに決めました。結局、四字熟語の意味を全て2ワードにまとめることができました。」(ローガン・ランプキンスさん)

作中には、日本語の「てにをは」の使い方の違和感をネタにするシーンがある。日本語として文法的に不自然な言い回しの面白さを、英語でも表現する工夫が求められる。限られた文字数の中でテンポよく進む会話のニュアンスも出さなければならない。

「作品の前後半で同じ漫才のネタが登場し、過去のフラッシュバックもたくさんあります。ネタとして細かい部分まで統一し、合わせるのは大変でした。」(鈴木綾さん)

「努力はしているのになかなかうまくいかないという辛さ・悔しさを描いた作品なので、お笑いに興味がなくてもそのメッセージが伝わると思います。漫才なのでセリフの英訳を面白くしたいのに、作品本来のストーリーはコメディーではないため、敢えて面白くしてはいけないという状況もあり、ネタの翻訳には結構苦労しました。」(ローガン・ランプキンスさん)

固有名詞もその意味が伝わるよう工夫する必要がある。例えば、日本では漫才頂上決戦と言えば『M-1グランプリ』だが、英語で「M-1」と訳しても伝わらない。

「『M-1』というワードは何度か出てくるキーワードなので入れつつ、『audition』と併用するなどの工夫をしました。また、ネタもその前後がわからないと英訳しにくい部分があり、全体の流れを見ながら伝わるように調整しました。」(ローガン・ランプキンスさん)

『お笑えない芸人』©映画「お笑えない芸人」製作

この作品には芸人として売れず葛藤している佐原と、芸人として成功し自信にあふれた佐原が登場する。同じ俳優が演じているが、そのキャラクターが全く違うのも見どころの一つだ。

「ストーリー自体ももちろん面白いのですが、個人的にはとにかく2人の佐原が見ていて楽しかったです。別人かと思うぐらい声のトーンや仕草を変えていらっしゃるので、違和感のない2人のやり取りは非常に興味深かったです。字幕もそれぞれのキャラクターに合わせて口調や表現を使いわけました。」(鈴木綾さん)

現実の冴えない自分と理想とする華やかな自分の狭間で葛藤する主人公が向かう先にあるものは?お笑い好きな人もそうでない人も楽しめる作品となっているので、日本語と英語字幕の繊細なニュアンスにもぜひ注目しながらご覧ください。

◆SKIPシティ国際Dシネマ映画祭2025(第22回)

2025年7月18日(金)~ 7月26日(土)

公式サイト:https://www.skipcity-dcf.jp/

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【英語字幕PROゼミ】完成した字幕はSKIPシティ国際Dシネマ映画祭で上映

映像クリエイターの登竜門として知られる「SKIPシティ国際Dシネマ映画祭」が今年も7月18日(金)に開幕する。この映画祭は、“新たな才能を発掘し、育てる映画祭へ”をモットーに、これまで白石和彌監督(『孤狼の血』『碁盤斬り』)、中野量太監督(『湯を沸かすほどの熱い愛』『浅田家!』)、上田慎一郎監督(『カメラを止めるな!』『スペシャルアクターズ』)など国内外の多くのクリエイターを生み出してきた。今年の審査委員長を務める石川慶監督も2009年に同映画祭に短編を出品、最新作『遠い山なみの光』が第78回カンヌ国際映画祭」ある視点部門で上映され、話題となったばかりだ。本映画祭では「特集「商業映画監督への道」と題し、代表作『愚行録』の上映と共に石川監督もトークに登壇する。

JVTAは毎年、この映画祭の主に国内コンペティションにノミネートされた作品の英語字幕を手がけている。特筆すべきは、2013年から10年以上にわたり、この映画祭とタッグを組んで毎年「英語字幕PROゼミ」を継続的に開催していることだ。「英語字幕PROゼミ」では、数名の翻訳者がチームを組み、プロの映像翻訳ディレクターのフィードバックを受けながらゼミ形式で字幕を制作する。今年は、修了生の井部亜貞奈さん、岡田哲史さん、葉維晨さんがこのゼミに参加し、短編映画『さざなみに揺れる手』の英語字幕を手がけた。

『さざなみに揺れる手』(川上栄輝監督、英題:Swaying Hand)

13年前に殺人事件を起こし服役していた母・葉子と、その間を施設で過ごした娘・朱莉。葉子の出所後、二人は朱莉の住む静かな港町で13年ぶりの「家族生活」を始める。(公式サイトより引用)

『さざなみに揺れる手』©2024 川上 栄輝

字幕は作品全体を3つのパートに分けて3人の翻訳者がそれぞれ担当する。その後オンラインでプロの映像翻訳ディレクターによる2度のフィードバックを受けながら細かいニュアンスなどを全員で話し合い、一つの字幕として全体を整えていく。こうして完成した字幕が映画祭のスクリーンに投影されるのも貴重な経験だ。

「作品や背景の理解も各々個性があり、1人での翻訳より学びが多かったです。自分の癖や傾向を客観的に指摘してもらえたのも収穫でした。最初は他の方が考えた末の訳に対して代案や修正を言うのは気が引けました。とは言え、講師のアドバイスを受けて作品内での一貫性を保つためには翻訳者同士のすり合わせは必須でした。」(岡田哲史さん)

「自分で気づかない盲点、1人で思い浮かばないセリフがあり、チームのおかげでやり遂げた気がします。」(葉維晨さん)

「このゼミではお互いがその訳に至るまでの背景や考え方を聞き、異なる解釈をすり合わせてひとつの結論に導く過程が新鮮で、非常に学びが多かったです。また、それを通して、自分の訳のクセ(直訳調になりがち、詩的・感情的な表現に偏って不自然な表現になる点)を自覚できたのも大きな収穫でした。」(井部亜貞奈さん)

『さざなみに揺れる手』©2024 川上 栄輝

この作品は全体的にセリフが少ない。13年というブランクを経て再び一緒に暮らし始めた母娘のぎこちない会話なども丁寧に解釈したいポイントだ。ナレーションやモノローグもなく、「敢えて説明しない」という意図を大切にしたという。字幕もそれを踏まえて「説明し過ぎないように訳す」「直訳ではない、とはいえ意訳しすぎない」というバランスが必要で、そこについて話し合うことが多かったと岡田さんは話す。

「一つひとつの言葉がどのような意味を持つのか、どんな背景や心情から発せられたのかを、じっくりと話し合いました。また三者三様の訳案と向き合い、この表現に辿り着いた理由についても意見を交換しました。」(井部亜貞奈さん)

「人物のキャラクターを踏まえて口調を考える、前後のストーリーから感情を想像するなど、抽象的な解釈の部分を話し合うことが多かったですね。」(葉維晨さん)

3人で解釈の理解を深めるなかで、表現にこだわりすぎてしまうことも…。しかし、プロのディレクターの客観的な意見を聞くことで、「映画祭で観る視聴者にとって本当に良い字幕とは何か?」を改めて考え直すことができたという。

「私たちは翻訳のために日本語と英語を比較しながら何度も巻き戻して見返しましたが、実際に映画祭で見る方はそういう見方はしないわけです。『じっくり読むと詩的で味・雰囲気があるけれどもしかしたら読みにくい字幕』よりも、『要所以外はシンプルでスムーズに読める字幕』を心掛けることも重要と再認識しました。」(岡田哲史さん)

「話しあった解釈がにじみ出ていると思われる原文の字幕には『そこを表さねば』と力が入りすぎて、かえって自然な流れが損なわれたり、見ている人が引っ掛かる表現になってしまったりすることがありました。本当に背景を字幕で表現すべきかどうかは、映画全体やシーンごとのバランスを見ながら優先順位をつけるべきと学びました。」(井部亜貞奈さん)

公式サイトで川上栄輝監督は、こう語っている。

「『優しく生きる』が僕の人生のテーマで、自分の創作を通して様々な『優しさ』を追求していきたいと思っています。」

最後に、いち早くこの作品に深く向き合った3人にこの作品のみどころを聞いた。

「閉塞感、困惑、共振、悔恨…のような複雑な感情を敢えて説明しすぎない…。しかし見て行くと時間の経過とともに人物の関係性や世界観がわかっていきます。結果的に非常に丁寧に表現しつつまとまっている作品だと思います。」(岡田哲史さん)

「登場人物の心境の変化と、お互いの関係性が交錯していく様子が見どころだと思います。

人生と、ちゃんと向き合う勇気をもらえる作品だと思います。」(葉維晨さん)

「一見淡々とした映画ではありますが、登場人物は皆、一生懸命に生きており、それぞれどこか共感できる存在です。救いがないように見えても、確かに希望はある――そんな人生の応援歌のような作品だと感じました。」(井部亜貞奈さん)

完成した英語字幕はSKIPシティ国際Dシネマ映画祭の会場で観ることができる。ぜひ、会場のスクリーンでこの作品をご覧いただき、英語字幕にも注目してほしい。

◆SKIPシティ国際Dシネマ映画祭2025(第22回)

2025年7月18日(金)~ 7月26日(土)

公式サイト:https://www.skipcity-dcf.jp/

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映画+トークを通して、環境保護やジェンダー平等の問題を「自分ごと」に。「WATCH 2025」上映イベント開催レポート

2025年7月3日(木)~7月13日(日)にかけ、学生がSDGsに関連する海外ドキュメンタリー作品に字幕をつけて上映する無料のオンラインイベント「WATCH 2025: For a Sustainable Future(以下、WATCH 2025)」を開催。本イベントは東京外国語大学(東京都府中市)が共催、神戸市外国語大学(兵庫県神戸市)が協力となる産学連携のインターンシップ・プログラムだ。インターン生が主体となり翻訳、プロモーション、イベント制作を行うことが大きな特徴である。プログラムは2022年より実施しており、今年で4回目となった。

「WATCH 2025」では、国内外の大学から参加した53名のインターン生が日本語字幕を付けた長編ドキュメンタリー2作品、英語字幕を付けた短編ドキュメンタリー作品1作品のオンラインでの無料上映を実施。さらに長編ドキュメンタリー2本は、東京外国語大学の「TUFS Cinema」と連動し、リアルでの上映イベントを開催した。

TUFS Cinemaは、映画を通じ、世界の諸地域における社会・歴史・文化の理解を深めることを目的として東京外国語大学で行われている上映イベントである。今回は「SDGsを考える映画特集」として、「WATCH 2025」のインターン生が字幕を制作した『自然と未来~オーストリアとブータンからの学び~』と『イスラームの変革者~女性イマームの誕生~』の2作品を上映。さらに各映画のテーマに造詣の深いゲストを招き、学生とのトークセッションを行った。

(左から)髙梨真央さん、寺村優奈さん、古川高子先生、村山木乃実先生、
内田理香子さん、村上梨緒さん、近藤絢乃さん(司会)、桜井徹二(JVTA)


テクノロジーに囲まれた私たちが、自然保護と幸福を両立するには?
1本目の上映作品は『自然と未来~オーストリアとブータンからの学び~』。監督自身がブータンとヨーロッパを旅しながら、気候変動と人間の暮らしの関係を見つめ直すドキュメンタリーだ。自然と調和したブータンの有機農業やGNH(国民総幸福量)の思想を通じ、現代の消費行動や価値観に問いを投げかける作品である。

上映後のトークセッションには、東京外国語大学 世界言語社会教育センター 特任講師で、ヨーロッパ近現代史や自然と人間の社会史について研究している古川高子先生がゲストとして登場。東京外国語大学の寺村優奈さんと髙梨真央さんが共に登壇し、インターン生が作った字幕の感想や、映画の内容から派生した「自然保護とはどうあるべきか」という疑問、自然保護と幸福を両立するにはどうしたらいいのかなどを質問した。

セッションの中で髙梨さんは、「テクノロジーに囲まれた便利な生活をする現代において、どのようにその幸福を享受しながら自然を保護していくことができるのか?」と古川先生に問いかけた。この問いについて古川先生は、「技術と自然は対立するものではなく、どちらも人間をとりまく『環境』である」と回答した。

「テクノロジーと自然は対立するものではなく、どちらも人間を取り巻く『環境』だと考えてみるとどうでしょうか。例えばテクノロジーが進化して、人間を監視したり人間に命令するようになるかもしれません。そうなると、その時点で初めて人間は『命令されない環境』を考えるようになります。
山の中に暮らしているような人は、自分の周りの環境を整えないと、いつ自然に殺されるか分からない生活をしています。それが自然保護をする理由なんです。そしてそれは、長い目で見たら人間の幸福につながるはずです。
テクノロジーに囲まれている私たちも、その進化によっていつその脅威にさらされるか分かりません。進み過ぎたテクノロジーを制限する必要性に迫られるかもしれません。それは決して幸福な状態とは言えないでしょう。
つまり幸福を享受しながら自然保護をするという考えではなく、『自分たちの周りの環境を保護しなければ幸福になれない』と、少し逆転の発想をするのが良いと思います」(古川先生)

この回答に髙梨さんは「『自然は大事だから保護しなくてはならない』と考えていたが、環境を守ることが人間を保護することにつながり、最終的に幸福に繋がっていくという意見が新鮮に感じた」と感想を述べた。映画鑑賞と古川先生の解説を通し、地球規模で遠く感じがちな「自然保護」が、自分ごととなった人は多いだろう。




日本とは異なる、イスラムの「平等」の定義
2つ目の上映作品は『イスラームの変革者~女性イマームの誕生~』。女性主導によるモスクの開設を目指す主人公が、イスラム教に対する誤った認識や恐怖が広がりつつある現実に際し、従来のジェンダー・ヒエラルキーからの脱却を目指す物語である。

上映後のトークセッションのゲストは、東京外国語大学 アジア・アフリカ言語文化研究所特任研究員で宗教学、ペルシア文学、イラン思想を研究する村山木乃実先生。東京外国語大学の内田理佳子さんと東京外国語大学大学院の村上梨緒さんが共に登壇し、イスラムに関する専門用語や日本ではなかなか知る機会の少ないイスラムにおける結婚や離婚、ジェンダーギャップなどについて聞いた。

映画の中では女性がイマーム(導師)となることについて、様々な議論が行われるシーンがあった。それにちなみ、村上さんはイスラムにおけるジェンダー平等について村山先生に質問。すると村山先生は「イスラム圏の一般的理解や政府の見解における『平等』の概念と、他の地域における『平等』の概念は異なる」と解説した。

「日本や他の地域における一般的なジェンダー平等の概念は、『男女が同じ能力や役割を持ち、それを発揮する機会を持つこと』です。一方、イスラムにおける一般的な考え方は『男女それぞれが別々の能力や役割を持ち、それを相互補完的に発揮すること』。根本の考え方が違うので、日本の平等の概念でそのままイスラムの平等を考えることは難しいのです」(村山先生)

しかしながらイスラムの世界でも、女性の高等教育や社会進出の広がり、世界的フェミニズム運動に後押しされる形で、従来の男性中心主義の考えに対抗する動きも起きていると村山先生は言う。このような変化が進むためには、女性やマイノリティの問題に関して連帯して変革を求めることが重要であり、そのためには「WATCH 2025」のようなイベントを通して「問題を知る」ことが大切であると結んだ。



終盤には会場参加者からの質疑応答も実施。「『自然と未来~オーストリアとブータンからの学び~』の舞台のひとつであるオーストリアの自然保護は、隣国のドイツの影響もうけているのか?」「イマームというものは、誰がどのような形で権威を認めるのか?」など、多数の質問が先生方に寄せられた。映画、トークセッション、さらに質疑応答を通し、世界規模での環境保護やジェンダー平等について理解を深め、更なる興味を掻き立てられる上映イベントとなった。イベントを通し、参加者は自分から遠いと思っていた社会問題を少し身近に感じられるようになっただろう。

「WATCH 2025」のインターンシップ・プログラムの概要や上映作品情報は、公式HPで掲載している。さらに、学生主体でのInstagramとnoteも運営。こちらではインターン生視点での字幕翻訳の感想や、インターン生がプロの映像翻訳者に行ったインタビューなども掲載している。ぜひこちらもチェックしてほしい。


WATCH 2025 公式サイトは▶こちら
公式Instagramは▶こちら
公式noteは▶こちら

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難民映画祭上映作品『ザ・ウォーク ~少女アマル、8000キロの旅~』が劇場公開 キーワードは“home”

2024年の難民映画祭のオープニング上映作品『ザ・ウォーク ~少女アマル、8000キロの旅~』が7月11日から劇場公開される。日本語字幕をJVTAの修了生8人が担当した。

©JEAN DAKAR

JVTAは2008年から難民映画祭を字幕制作で支援しており、これまで多くの修了生がプロボノ(職業の専門性に基づく知識や経験などを生かして行う無償の社会貢献活動)で協力してきた。難民という立場に置かれた人たちの目線で制作された作品を翻訳し、日本語字幕を通して彼らの想いを伝えることが、翻訳者ならでの支援のカタチとなっている。同作の翻訳チームのリーダー、児山亜美さんとサブリーダーの脇本綾音さんに話を聞いた。

◆字幕翻訳者(50音順)

大坂 恵子さん河村 綾音さん清家 蘭さん栗原 美晴さん

児山亜美さん中橋 幸恵さん森田 朝美さん脇本 綾音さん

「The Walk」とは、9歳のシリア難民の少女をかたどった3.5メートルの人形 “アマル” が世界中を旅するアートプロジェクト。戦争、暴力、迫害に苦しむ子どもたちに対する国際社会の意識を高めることがこのプロジェクトの目的で、2021年に始まり、現在までに17カ国166の町や都市を訪れている。映画では、アマルを「主人公」に、トルコ・シリア国境からヨーロッパ各国を横断する旅を追いながら、難民状態にある人たちが直面する世界の実情を映し出していく。ローマ教皇やフランスの欧州議会なども訪ねるが、その道のりは好意的なものばかりではない。作中には実在のシリア難民の少女アシルや、同じくシリア難民のムアイアド、パレスチナ人のフィダも登場し、彼らの「故郷」への思いも詰まっている。

©JEAN DAKAR

翻訳チームが特に話し合ったのは“home”の訳し方だという。作中のさまざまな場面に何度も出てくるキーワードだ。字幕制作において一般に作品内で同じワードが出てくる場合、訳を統一して同じ言葉にすることが多い。しかし、この作品では2つの表現で訳し分けた。

「この作品には『難民の子どもたちの苦しい状況を知ってもらう』というメッセージが込められています。そういった全体のテーマや流れを意識した時、“home”を単純に『家』と訳すのは違う…と思いました。改めて“home”の意味を辞書で引き、作品の背景を調べ、最終的に『ふるさと』と『居場所』と2つの表現を使うことにしました。」(児山亜美さん)

「単語を必ずしも一語に統一する必要はなく、むしろ状況に合わせて適切に訳し分けることがより効果的であると気づけたのは翻訳者として大きな学びとなりました。」(脇本綾音さん)

©JEAN DAKAR

一方、事実に基づいたドキュメンタリー作品を訳す際は、定訳をきちんと訳出することも重要だ。翻訳者は、ニュースサイトや国連関連の公式サイトなどを参考に定訳を確認し、適切な日本語に訳す必要がある。脇本さんは、フィクションの要素を含む作品だが、難民問題という現実のテーマを土台にしているため、言葉選びには特に慎重を期したと話す。

「会話劇を訳す際には、つい自分が普段使い慣れている言葉に頼りがちです。例えば humanitarian tragedy という言葉を訳すときも、『人道的悲劇』という日本語がすぐに頭に思い浮かんでも、そのまま採用せず、国連WFPやBBCのウェブサイトで実際の使用例があるかを確認しました。また、『イスラム恐怖症』や『イスラム嫌悪』という表現は、大手新聞社での使用頻度が少なく、十分に浸透しているとは言い難いため、『反ムスリム意識』と言い換えるなど、チーム内でもリサーチ結果を共有しながら言葉選びには細心の注意を払い訳出しました。」(脇本綾音さん)

©JEAN DAKAR

ドキュメンタリー作品では事実確認も必至だ。児山さんは、「トルコのシリア国境からヨーロッパを横断する」というアマルがたどった8000キロの旅路について、地図を見ながら正確に把握するように努めたという。

「この旅路は難民となった人々が実際に歩んだ道のりであり、その過酷さを視聴者の方が追体験するためにも分かりやすく言い換えるなどの工夫が必要だと考えられたからです。調べる過程では、海を渡る危険なルートの存在や、有名観光地における難民の現状などについて初めて知り、それまでの自分自身の無関心さを思い知らされました。」(児山亜美さん)

この作品で旅をする主人公「アマル」は3.5メートルの巨大な人形。その力強くも繊細な動きや表情が見どころの一つだ。行く先々で人々と心を通わせ、時にはひどい言葉を浴びせられても、前を向いて歩き続ける彼女が踏み出す一歩一歩からは、難民となった人々の困難に立ち向かう強さが感じられると児山さんは話す。2024年の難民映画祭では広報サポーターも務めた児山さんは、六本木で行われた同作のオープニング上映に駆けつけ、トークショーに登壇したタマラ・コテフスカ監督 とジャン・ダカール撮影監督と対面する機会に恵まれた。『希望はある』と話し、映画の力を心の底から信じる監督の思いを生で聞き、翻訳者として刺激を受けたという。

「『希望はどんな国境も越える』劇中のこの言葉に言い表されるように、希望のメッセージを伝えるこの作品は、難民の子どもたちを取り巻く問題について考える、その入口にぴったりな作品だと思います。」(児山亜美さん)

2024年難民映画祭オープニング上映の会場にて

一方、脇本さんによると最大の見どころは、単なるドキュメンタリーでも純粋なフィクションでもないという独自の構造にあるという。この作品は、実際に行われたアートプロジェクト「The Walk」を追ったドキュメンタリーでありながら、主人公の少女「アマル」は実在する特定の人物ではない。しかし、その背後には、故郷を追われた無数の難民の子どもたちの現実が重ねられている。アマルは物語上の架空の存在でありながら、確かに存在すると脇本さんは感じている。

「難民問題は、統計やニュースだけでは『遠い出来事』として消費されがちですが、実際に世界各地を歩き、人々に歓迎され、ときに拒まれ、現実の社会と交わったアマルの姿は、観客に『自分がアマルと共に歩くなら、何ができるのか?』と問いかけてきます。ドキュメンタリーとして淡々と事実を伝えるだけでもなく、フィクションとして物語を作り込むだけでもない、独自の構造により、単なるドキュメンタリーやフィクションでは生まれない“共感”を引き出し、私たちに問いかける力を持つ作品だと思います。」(脇本綾音さん)

©JEAN DAKAR

同作では、アマルが訪れる各国の美しい風景も強く印象に残る。迫力ある力強い歩みをぜひスクリーンでご覧いただきたい。アップリンク吉祥寺では7月11日の初日から3日間、上映後にゲストを迎えたトークショーが開催される。(https://joji.uplink.co.jp/movie/2025/27173)この作品の背景をさらに深く知ることができる貴重な機会、こちらもどうぞお見逃しなく。

©JEAN DAKAR

『ザ・ウォーク ~少女アマル、8000キロの旅~』

2025年7月11日(金)アップリンク吉祥寺ほか全国順次ロードショー!

公式サイトはこちら

※翻訳チームリーダー、児山亜美さんの字幕翻訳に関するコラムはこちら

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◆世界難民の日 チャリティオンライン上映

『ビバ・マエストロ! 指揮者ドゥダメルの挑戦』

開催日程:2025年6月20日(金)世界難民の日~7月31日(木)

参加費 :寄付つき観賞、または、無料観賞から選択

詳細はこちら

◆国連UNHCR協会の公式サイトで、難民映画祭を字幕制作で支援する日本映像翻訳アカデミーの活動を紹介していただきました

◆2024年の難民映画祭 広報サポーターの公式note

※JVTAの修了生3名+JVTA広報メンバーが広報サポーターとして参加しました。

◆【制作者や観客に字幕が届く瞬間を体感できる】映画祭へ行こう!

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