【ロジカルリーディング力強化コース】山根講師のモットーは「リラックスした雰囲気の中で高度な内容を分かりやすく」
ロジカルリーディング力 強化コースは、適切な訳文をひねり出すために英文と格闘することで一段上の解釈力を目指すカリキュラムになっています。課題は一筋縄ではいかないものが多く、受講生の皆さんも苦労されているようです。でも、心配は要りません。ロジカルリーディングのクラスでは「リラックスした雰囲気の中で高度な内容を分かりやすく」をモットーに授業を進めていきます。課題に取り組んでいる時に生じた疑問は授業中に解決できます。そうして新たに学んだ考え方が次の課題に生きてきます。
今回はロジカルリーディング力 強化コースを通じての学びとクラスの雰囲気について受講生の声を集めてみました。
・とても丁寧に解説して下さり、分かりやすかったです。細かな原文のニュアンスを伝える訳語の選び方、原文にはないが言葉を足す部分、原文の複雑さに付き合わずにすっきり訳す部分など、気づきが多かったです。いつも受講生の方の、よかった部分にフォーカスして授業を進めて下さるので、間違えたら恥ずかしいという気持ちを持たずに参加できました。(Aさん)
・どの回も悩む箇所がありましたが、山根講師の解説により疑問点がすっきりと解消される感覚がありました。またユーモアを交えた先生のお話を聞くのも楽しみで、個人的に多忙な期間だったのですが、授業の時間は毎週の活力になっていました。レベルの高い他の受講生の方々の訳文にも刺激をたくさんいただきました。(Bさん)
・「もう一歩踏み込んで考える」というのが、私が思っていた位置よりもさらにもう一歩踏み込んだ所でした。また、「一歩引いて全体を見る」というのも、私が思っていた位置よりさらにもう一歩引いた所でした。その幅を広げられたのは今後活きてくると思います。
何より山根講師がとても面白く、毎回授業が楽しみでした。他の生徒さんたちの笑顔をたくさん見られるのが、山根講師の授業の一番の特徴です!(Cさん)
・「5名いたら5通りの表現になる」。クラスメートがその訳文に辿り着いた過程を知ることができて、“原文を理解する”ためにどういったアプローチで考えるべきなのか?を見直すきっかけになりました。山根講師の解説と、他のクラスで登場した訳例なども共有していただけたことで、自分の発想だけでは足りない部分を補うことができたという感覚もあります。(Dさん)
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【関連記事】 【山根克之講師のコラム】ロジカルリーディング力を鍛える 【ロジカルリーディング力 強化コース】トライアル合格者多数!修了生にインタビュー
探究!昭和歌謡ブーム ~6つのコラムで知る‟古くて新しい、エモい”の秘密~
本格的な記事の執筆にチャレンジするJVTAの日本語表現力強化コース。 2026年3、4月期の受講生が、キラリと光るコラムで「昭和歌謡」の魅力に迫ります。
Ⅰ. 昭和歌謡はなぜささる!?
■心に沁みるのは、シンプルな旋律とストレートなことば 取材・文/舟津由美子 ■演じるように歌う。 表現者、山口百恵 取材・文/松村 彩花 ■昭和歌謡に学ぶ、言葉のチカラ 取材・文/リスカウ知恵美
Ⅱ. あの歌が誘うもう一つの世界
■選び抜かれたフレーズ、「ひとりぽっちにしないでおくれ」 取材・文/磯﨑留実 ■あみん 素朴さが愛された異彩のデュオ 取材・文/勅使河原美紗 ■血のバラを贈る愛。浅川マキが歌う「かもめ」に酔いしれる 取材・文/嘉數千絵
Ⅰ. 昭和歌謡はなぜささる!?
■心に沁みるのは、シンプルな旋律とストレートなことば 取材・文/舟津由美子
先日、何気なく見ていた歌番組で中森明菜の『スローモーション』が流れてきた。昭和歌謡の特集のようだ。1982年(昭和57年)に発表されたこの曲は、中森明菜のデビュー曲である。
この時代の曲らしく、メロディーがシンプルで耳に残る。初めて聞く人でも、思わず口ずさんでしまいそうなわかりやすい旋律だ。このシンプルさこそが昭和歌謡の魅力の一つといえる。ちょっと頑張れば自分にも歌える、昭和歌謡にはそんな親しみやすさがある。テクニックばかりが前面に押し出され、難しいイメージのある現代の楽曲とは対照的だ。
昭和歌謡は、メロディーだけでなく歌詞もシンプルでわかりやすい。その一番の特徴は、喜びや悲しみや切なさといった、誰もが抱く感情をストレートに表現している点だ。誰か特別な人の話ではなく、等身大の自分を感じることができる。だからこそ、半世紀近くたった今も、多くの人に支持されているのだ。
昭和歌謡には現代の若者もラブコールを送る。SNSやTikTokが火付け役となり、人気が再燃している。彼らの言葉を借りると、昭和歌謡は「エモい」。「エモい」とは、英語の「emotional」を語源とし、心が強く揺さぶられるものに対して使われる形容表現だ。
世の中がどれほど変化しようと、人の喜びや悲しみの本質が変わることはない。昭和歌謡には、現代の楽曲のような派手さや斬新さはない。だがそこには、現代の若者たちの心を揺さぶるだけの、シンプルでストレートな魅力があるのだ。
■演じるように歌う。 表現者、山口百恵 取材・文/松村 彩花 昭和歌謡が注目を集めている。特に注目したいのは、昭和のアイドルたちだ。昭和のアイドルが残した曲は、どんな世代でも知っているはず。特徴は、耳に残るキャッチーなメロディー。現代の複雑化した楽曲に比べると、歌いやすいと感じるかもしれない。しかし、そのシンプルさゆえに、聴き手の心を揺さぶる高い歌唱力と、圧倒的な表現力が求められる。それらなしには大ヒットは成立しないのだ。
表現力が特に際立つスターがいる。1970年代に活躍した山口百恵だ。
表現力とはいっても、感情をあらわにするようなものではない。歌詞を自らが吐く言葉のように歌い、聴き手の目の前に情景を浮かび上がらせる。まるでドラマを見ているように、その世界観にぐっと引き込まれる。
代表曲の『いい日旅立ち』は、旧国鉄の旅行誘致キャンペーンソングだった。一人旅に出る女性が、しっとりと、静かに、語りかけるように歌う。どこか切なさを感じさせる曲調だが、山口の演じるような歌唱法は、孤独というよりも、自立しようとする女性の強さを感じさせる。
サビでは、伸びやかに響く声とともに、車窓から望む日本の美しい情景が広がる。この女性に訪れるであろう明るい未来さえ予感させてくれる。
この曲のリリース当時、山口はまだ19歳。どのような経験を積めば、これほどの表現ができるのかーー。
彼女の楽曲にはそれぞれに異なる物語があり、彼女はそれぞれの人生を巧みに演じ分ける。もはやアイドルという言葉では語れない存在、それがそれが山口百恵だ。
■昭和歌謡に学ぶ、言葉のチカラ 取材·文/リスカウ知恵美 情緒あふれる昭和歌謡。聴けば懐かしい気持ちになる。昭和歌謡は時代を経ても色あせない。その魅力は、共感を呼び起こす歌詞にある。
昭和歌謡史を彩る名曲の一つ、『なごり雪』。1974年(昭和49年)、伊勢正三が作詞し、当初はフォークバンド、かぐや姫のアルバム収録曲の一つとして発売された。翌年、フォークシンガーのイルカがカバーし、『なごり雪』はイルカの曲として大ヒットを記録した。
君が去ったホームに残り 落ちてはとける雪を見ていた 今春がきて 君はきれいになった 去年よりずっときれいになった
(歌詞引用 『なごり雪』作詞・作曲 :伊勢正三)
別れの歌。男は恋人と別れて違う人生を歩く。伊勢正三がこの曲を作詞したのは、21歳の時だという。「『なごり雪』は自分自身にとってどんな曲か」という問いに対し、こう答えている。
僕の21歳の終わりの頃の感性だからこそできた曲。あの瞬間に(その時代を生きた僕の)すべてが詰まっている」。
青春。その一瞬の煌めきと切なさが込められた『なごり雪』。大切だった恋人が静かに去っていくシーンが浮かび上がる。皆それぞれが、それぞれに経験する青春。この曲を聴くと、自らの記憶が蘇ってくる人もいるだろう。歌詞に共感を抱き、郷愁に浸る時間は格別だ。
現代の曲にはカタカナや英語の歌詞が多い。「かっこいい曲風」にはなるが、思いが伝わりにくいと感じる人もいるだろう。一方、昭和歌謡には聞き手の共感を呼ぶ言葉がある。歌に込められた感情がストレートに伝ってくる。それは、言葉の素晴らしさをあらためて教えてもらう時間でもある。
※イメージ
Ⅱ. あの歌が誘うもう一つの世界 ■選び抜かれたフレーズ、「ひとりぽっちにしないでおくれ」 取材・文/磯﨑留実
近年、昭和歌謡のリバイバルブームが熱い。キャッチーなメロディーが注目されがちだが、もっと掘り下げたい魅力がある。それは、「こだわり抜かれた歌詞」だ。
昭和歌謡を代表する作詞家、星野哲郎。その唯一無二の表現力が如実に表れているのが、美空ひばりの「みだれ髪」だ。特に秀逸なのが3番の歌詞である。まず着目したいのは、その最初のフレーズだ。
春は二重(ふたえ)に巻いた帯 三重(みえ)に巻いても余る秋
恋人に捨てられた女が、つらい日々を過ごし痩せ細っていく。その痛々しい姿が、着物の帯を用いて見事に表現されている。また、春から秋への移り変わりは、ただ時間の経過を表しているだけではない。幸せだった「春」から、失意の「秋」へ。四季の持つイメージを巧みに使い、情景を思い浮かべやすくしているのだ。
ひとりぽっちにしないでおくれ
これは3番の最後、すなわち曲全体の最後のフレーズだ。特筆すべきは、ただ1文字、「ぽ」である。「ひとり〝ぼ〟っち」と比べてどうだろうか。「ひとり〝ぽ〟っち」の方が、より一層わびしさが匂い立つように感じないだろうか。取り残された感が増す、とも言えるかもしれない。たった1文字違うだけなのに、もの悲しさが際立つのだ。しかも、このフレーズで曲が終わる。ラストにこのワードが来ることで、哀れな女の心痛が、余韻として聞き手の心に残るのである。
これは3番の最後、すなわち曲全体の最後のフレーズだ。特筆すべきは、ただ1文字、「ぽ」である。「ひとり〝ぼ〟っち」と比べてどうだろうか。「ひとり〝ぽ〟っち」の方が、より一層わびしさが匂い立つように感じないだろうか。取り残された感が増す、とも言えるかもしれない。たった1文字違うだけなのに、もの悲しさが際立つのだ。しかも、このフレーズで曲が終わる。ラストにこのワードが来ることで、哀れな女の心痛が、余韻として聞き手の心に残るのである。
何とも味わい深い星野哲郎ワールド。あなたも一歩足を踏み入れれば、心を打つフレーズに出会えること間違いなしだ。
(歌詞引用 「みだれ髪」作詞:星野哲郎、作曲:船村徹)
■あみん 素朴さが愛された異彩のデュオ 取材・文/勅使河原美紗 1982年(昭和57年)、オリコン年間売上1位を獲得したのは、素朴な大学生だった。それが、あみん。岡村孝子と加藤晴子による歌謡デュオだ。
二人は同年春のヤマハポピュラーソングコンテストでグランプリを受賞。優勝曲『待つわ』でデビューすると、瞬く間にスターダムを駆け上がり、年末にはNHK紅白歌合戦に出場した。
当時は「アイドル黄金期」。80年デビューの松田聖子のほか、小泉今日子や中森明菜ら「花の82年組」は、近年の昭和アイドルブームでも存在感を放つ。そんなスターを横目に、82年唯一のミリオンセラーとなったのが、あみんの『待つわ』だ。
それでも、二人は自然体だった。紅白歌合戦の初出場者会見を欠席したのは、なんと、大学のレポートで多忙のためと言う。
楽曲『待つわ』も、飾り気のない表現が愛された。曲名の通り、サビは「待つわ」と繰り返す。
私待つわ いつまでも待つわ たとえあなたが ふり向いてくれなくても 待つわ いつまでも待つわ 他の誰かに あなたがふられる日まで (歌詞引用 『待つわ』 作詞、作曲:岡村孝子)
想う人がいる。大胆に行動する勇気はない。出来るのは、待つことだけ。純粋で臆病な本音を乗せた、混じりけのないハーモニー。華麗なアイドルが世間をにぎわせた時代、あみんの無垢さは異彩を放った。
デビューから1年4カ月で、あみんは活動休止した。加藤が学業に専念し、就職を目指すのが理由だった。
年月を経て、2007年には再結成を果たしている。時代を超えてもあみんの真っすぐな歌は、私たちの心にすっと入り込む。
■血のバラを贈る愛。浅川マキが歌う「かもめ」に酔いしれる 取材・文/嘉數千絵 昭和歌謡が今、若者を惹きつけている。感情を赤裸々につづった歌詞が、スマートさに慣れた世代には新鮮に映るらしい。そうであるならば、この一曲を聴いてほしい。人間臭さという点において格別の異彩を放つ、浅川マキの『かもめ』だ。
※イメージ
1968年(昭和43年)、新宿の地下劇場。深夜。
黒いドレスに、長い黒髪。タバコを燻らせる浅川マキ。三拍子のリズムに乗せて彼女は歌う。
おいらが恋した女は 港町のあばずれ
劇作家で歌人の寺山修司が、娼婦に恋した船乗りを描く。「かもめ」と呼びかけるが、相手は海鳥なのか女なのかは分からない。
男には金がない。娼婦の部屋の前をうろつくのが精一杯だ。ある夜、バラを抱えた上客が彼女につくのを見た。匂い立つバラと抱きあう二人。妄想しては落ち込む男。しかし、「おいらの恋は本物」との自負が、彼を行動に駆り立てる。
不意にジャック・ナイフをふりかざして 女の胸に赤いバラの贈りもの
折り畳み式の大型ナイフが肉を裂く。噴き出す鮮血を見て、男は「赤いバラ」と呼ぶ。不本意な禁欲を強いられた男の愛が、最悪の形で結実する……。
娼婦の言い分はひと言もない。船乗りの独りよがりな恋物語を聞かされるだけだ。
浅川はこの歌を歌うたびにジャックナイフを女の胸に突き立て、自身も胸から血を流して死んでいたのかもしれない。男の身勝手で命を落とした娼婦に捧げる、無言のやさしさ。鎮魂歌。
人の業を包み隠さず歌に昇華させるのが昭和歌謡の底力だ。現代人とて、人には言えないドロドロした思いを胸に秘めているのは同じだろう。
常に「受け入れやすさ」を求められる今だからこそ、昭和の苦味が心に響く。浅川マキを聴いて、人間の不条理をのぞき見る。そんな夜が、あってもいい。
(歌詞引用 『かもめ』作詞:寺山修司 作曲:山木幸三郎)
※イメージ
【日本語表現力強化コース】 プロの映像翻訳者に高い日本語力が不可欠と考え、私たちが「日本語表現力強化コース」(年2回開講)をスタートさせたのは2009年。これまでトータルで300名以上の方々が受講されました。「書く仕事」の実務に即した課題と実務レベルの個別添削、アドバイスを繰り返す演習を行います。 詳細はこちら
映像翻訳の授業で英語力の自信を喪失 ロジカルリーディングで得たプロデビューへの鍵
JVTAの受講生の多くは長年英語を学習していたり海外経験があったりして、仕事でも日頃から英語を使っている人が多い。それにもかかわらず、映像翻訳を学ぶ中で翻訳力が足りないのではと悩む人が実は少なくない。仕事で常に英語を使っていたという修了生の髙原千亜紀さんが、JVTAに入学したころのTOEICのスコアは985点。長年同じ職場に勤めてきたが、人生は1度なのだからずっとやりたかった映像作品に関わってみたいと映像翻訳を学び始めた。しかし、授業を受けるうちに、自身の英語力に自信を失ってしまう…。そんな髙原さんは現在、トライアル(プロ化試験)に合格し、プロデビュー前の最後の過程であるOJT(On the Job Training)に参加している。英語力に自信があった髙原さんがなぜ不安になったのか、その後どのように克服してスキルアップしたのか、話を聞いた。
◆英語力に不安はなかったはずなのに授業で自信を喪失 JVTAに入学した時、英語力に関する不安は全くなかったという髙原さん。しかし、映像翻訳の授業では、英文解釈のミスやニュアンスの違いを指摘されることが多々あり、一気に自信を失ってしまったという。そんな髙原さんにとって、スキルアップへのきっかけとなったのが、総合コース・Ⅰで受講した山根克之講師の「映像翻訳者に求められる英語力」の授業だった。
「私は本当は、ちゃんと英語を理解できていないのか!?とものすごくショックを受けて、自分の中で英文解釈力が弱点なのではという思いが募っていきました。そんな時、山根講師の英語力に特化した授業を受け、論理的かつ緻密な英文解釈のポイントがものすごく勉強になりました。ここまで考えて一つひとつの訳を作っていくのか!と、まさに“目から鱗”でした。」(髙原千亜紀さん)
◆英英辞典を使いこなすことで訳語の幅が広がる 髙原さんは映像翻訳実践コースを修了した後、追加で山根講師のロジカルリーディング力強化コースを受講。初回の授業で、英和辞典を引いてもどうしてもぴったり当てはまる言葉が見つからない時のある対処法を知り、今も習慣になっているという。
「英英辞典を引いて、英語の説明文を踏まえて訳語を考えると良いというアドバイスが、とても印象に残っています。私も2回目以降の授業から、単語の訳がなんだかピンとこない時には、英英辞典を必ずチェックするようになりました。言葉の選び方は無限大で何を選んでいいのか頭を悩ますこともありますが、訳語の幅が広がったようなワクワク感があります。」(髙原千亜紀さん)
山根講師は授業で、作品全体の流れや原文の細部の解釈にいたるまで、徹底的に向き合い、少しでも違和感があれば見逃さない。髙原さんはそんな講師の姿勢に感銘を受けたと話す。プロの映像翻訳者とはこうあるべきなのだなということをひしひしと感じ、見習っていきたいと思ったそうだ。
◆授業で常に問われるのは“訳文の根拠” ロジカルリーディング力強化コースの修了生からよく聞くのは、「これまでは英文を“なんとなく分かったつもり”で訳していたことに気づいた」という声だ。同コースでは、英字新聞の記事や歴史ドキュメンタリー番組などを題材に、段落のテーマや背景の理解などにフォーカスして英文を深く読み込んでいく。授業では、なぜその訳文に辿りついたのか、その根拠を山根講師に毎回問われる。髙原さんも最初は、なんとなく感覚で訳していてうまく言語化できなかったと振り返る。やがて講師の問いに説明ができるようにするため、訳文一つひとつに丁寧に向き合うようになったという。
「『毎回ここまで考えれば大丈夫だろう!』と課題に取り組んでいても、見落としや、気づいてさえいないポイントが必ずありました。そういうポイントについて授業中に山根講師から解説やフィードバックを受けられたことが本当に勉強になりました。授業を通して翻訳時に注意していかなければならないことを少しずつ蓄積できました。」(髙原千亜紀さん)
◆英文が伝えたいことを把握し、情景をイメージできる訳文を作る 授業で自分の意識が変わっていくことを実感した髙原さんは、さらにスキルアップを目指して、応用編となる「ロジカルリーディング・アディショナル5」も受講。疑問点があれば積極的に質問し、講師の丁寧な解説とやりとりを通して自信を取り戻していく。最後まで授業に出るのが楽しかったそうだ。
「授業で教わった『引継ぎと展開』や『段落のテーマ』などの考え方を踏まえて、流れをより意識した訳作りができるようになったのではないかと思います。これまでは元の英文に囚われて直訳調だったり、何が言いたいのか伝わりにくいAIみたいな訳になったりすることもありましたが、今は元の英文が伝えたいところをしっかり理解した上で、読んだ人が具体的に情景をイメージできる訳作りを心掛けるようになりました。」(髙原千亜紀さん)
約3カ月にわたり、英文をロジカルに読み解くトレーニングを繰り返した髙原さんは、見事トライアルに合格する。合格したトライアルの回では、それまでのトライアルで指摘を受けたポイントと、ロジカルリーディングで学んだことを再度すべて確認した上で臨んだ。そのため、不安を感じる箇所はほとんどなく、自信を持って訳せたそうだ。
翻訳というと「英語力が高ければできる」と思われがちだ。しかし、実際に翻訳に携わった人は例外なく「英語力だけで翻訳はできない」と実感する。自分がなんとなく理解するのと、第三者に伝えるために言葉を置き換える作業は全く異なるものだからだ。そのため髙原さんのように元々英語力を持っていても、学習中に壁にぶつかるときがある。そんなときのために、JVTAではロジカルリーディング力強化コースや日本語表現力強化コースなど、各分野に特化したコースを用意している。自分の弱点に合わせてうまく活用し、トライアル合格はもちろん、プロデビュー後の実務に対応できる確かなスキルを身につけてほしい。
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映像翻訳実践コース修了後、ロジカルリーディングを短期集中で学び、トライアルに合格
JVTAには映像翻訳本科のほかに英文解釈力や日本語表現力に特化したコースがあり、受講生、修了生が短期集中で苦手な分野を克服できる環境が整っている。修了生の笹本菜奈子さんは、英日映像翻訳の実践コースを修了後、英文解釈にフォーカスしたロジカルリーディング強化コースを受講し、見事トライアル(プロ化試験)に合格した。笹本さんが映像翻訳を学び始めたきっかけは、コロナ禍で一時的に仕事が少なくなったことだったという。以前から洋画やドラマの字幕づくりに挑戦してみたいという想いがあり、映像翻訳に特化したJVTAに入学した。当時仕事ではメールや書類作成、海外出張で英語を使っていたものの、業務上で使う決まった内容が多く、実際に英語がペラペラというわけではなかったそうだ。笹本さんは映像翻訳を学ぶなかでどのようにスキルアップしていったのか、話を聞いた。
◆映像翻訳に必要なのは英語力だけではない 笹本さんはかつてフランス語圏での留学経験があったものの、英語圏での生活経験はなく、入学時には英語の原文の解釈力には少し不安があったという。さらに実際に課題に向き合い、映像翻訳を学ぶうちに字幕づくりに必要なのは英語力だけではないことを知る。
「字幕を作るという作業には、英語力はもちろん、日本語表現力、調査力、コンテンツ解釈力など、さまざま能力が必要であることを学びました。それらの力を総合的に高めることによって、英語力に自信がなくても補うことができると感じました。」(笹本菜奈子さん)
◆実践コース修了後、トライアル合格を目指し、ロジカルリーディングを学ぶ 笹本さんは、実践コースを修了しトライアル受験を続ける中で、英文解釈に特化した「ロジカルリーディング力強化コース」を受講した。同コースでは、英字新聞の記事や歴史ドキュメンタリー番組などを題材に、段落のテーマや背景の理解などにフォーカスして英文を深く読み込んでいく。毎回、担当の山根克之講師から課題に対するフィードバックを受けられて、とても効率の良いブラッシュアップになったそうだ。クラスメートがいることで気持ちの上でもとても支えられたと振り返る。
「『ロジカルリーディング』というコース名の通り、英語の文章をロジカルに読み解くことと、日本語の文章をロジカルに作っていくことをしっかりと学べました。私は、JVTAで映像翻訳を学ぶ以外に、翻訳を勉強したことがなかったので、そもそも『翻訳』とはどのような思考回路で行うべきなのか、授業の度に新しい学びがありました。」(笹本菜奈子さん)
◆文章全体や細部をバランスよく見て訳すことができるようになった 「ロジカルリーディング力強化コース」の修了生はみな、山根講師の丁寧で的確なアドバイスで自分の弱点を知り、改善できたと話す。課題の訳文への丁寧なフィードバックや自由にコミュニケーションできるアットホームな雰囲気もこのコースの魅力だ。同コースで学び、笹本さんも翻訳時の意識が変わったという。
「山根講師は、提出課題の訳文をしっかりとチェックして、的確なコメントを添えて返却してくれました。その繰り返しによって、翻訳する際に、ストーリー全体を考えること、細部のニュアンスを大切にすること、そのどちらもバランスよくできるようになったと思います。今までは、細部か全体の流れか、意識がどちらかに偏っていた気がしますが、山根講師にロジカルに読み解くこととそれを正しく伝える日本語の文章を作成するポイントを教えていただき、翻訳時に迷うことが減ったと思います。」(笹本菜奈子さん)
◆英文解釈力をアップしてトライアルに合格 ロジカルリーディング力強化コースを修了後、笹本さんは見事トライアルに合格。実践修了時の面談で受けたアドバイスや自分の弱点をしっかり復習したことも功を奏したと話す。
「実は、合格した回のトライアルに自信(手ごたえ)はあまりありませんでした。でも、ロジカルリーディングを受講していたからこそ翻訳の大切なポイントが身についていて、自然にそれを発揮できたのかもしれません。」(笹本菜奈子さん)
映像翻訳のコースで学ぶ中で、誤訳や流れの悪さを指摘されたり、自分の訳文に確信がもてなかったりして悩んでいる人は多い。実践コース修了後に一人でトライアルに向き合いながら不安を抱えることもあるはずだ。そんななかで笹本さんは、ロジカルリーディング力強化コースの受講で、プロデビューの前に確かな英文解釈力を身につけることができた。同コースを受講した多くの人が笹本さんと同じようにトライアルに合格している。映像翻訳者としての基礎体力をしっかりつけたい人にぜひおすすめしたい。
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【ダマー国際映画祭が開催】 映像翻訳ディレクターに聞く字幕制作の現場
JVTAは毎年、多くの映画祭を字幕や公式プログラムの翻訳などでサポートしており、JVTAで学びトライアルに合格した翻訳者が活躍している。米国アカデミー賞公認・アジア最大級の国際短編映画祭「ショートショート フィルムフェスティバル & アジア」や世界最大級の日本映画の祭典「ニッポン・コネクション」、映画を通じて難民問題への関心を高める「難民映画祭」など、そのラインナップは多岐にわたる。
◆2025年の映画祭サポートの実績はこちら
◆ダマー国際映画祭の上映作品13本でJVTAが日本語字幕を担当 4月11日、12日に開催されるダマー国際映画祭もその一つだ。2001年にワシントン州シアトルでスタートした国際短編映画祭で、今年で25周年を迎える。映画祭の代表を務めるのは、『パッション』や『ナルニア国物語』、『Ray / レイ』などの企画やマーケティングを手掛けたマーク・ジョセフ氏。「ダマー」とはヘブル語(ヘブライ語)で「隠喩」や「たとえ話」を意味する言葉だ。この映画祭の特徴は、露骨な暴力描写や過激な映像に頼らず、人間の多様な感情や体験を芸術的に表現することを評価すること。バイオレンスシーンが苦手という人も安心して観ることができ、視聴者の心に深く響く作品が集められている。30分未満であることが応募の条件とされており、JVTAは今年も13の短編作品の日本語字幕を制作、うち12作品は上映用の完パケ(編集ソフトで上映用に映像に日本語字幕をつける作業)まで手がけた。
今年この映画祭の翻訳ディレクションを務めたのは、板垣七重ディレクター。板垣ディレクターはこれまで、恵比寿映像祭やSKIPシティ国際Dシネマ映画祭、難民映画祭、ショートショート フィルムフェスティバル & アジアなどさまざまな映画祭で英日、日英両方のディレクションを担当してきた。今年のダマー国際映画祭の作業を中心に、映画祭上映作品における字幕制作の流れを聞いた。
◆「指示書」を共有し翻訳作業がスタート 作業はまず、映画祭事務局から翻訳の依頼を受けることから始まる。依頼を受けると、映像翻訳ディレクターは本数や各映像の尺、納品の形式や納期などを確認する。長編映画が多い映画祭の場合は、短期間に多くの作品の納品が必須となるため、1作品を複数の翻訳者で分けて担当するチーム翻訳という体制をとることも多い。そこで必要となるのが「指示書」である。
「指示書とは、文字数制限や記号の使い方、表記、スポッティング(字幕をいつ表示して、いつ消すのか決める作業)、ファイル名、申し送りの書き方など、各作品でバラつきがないよう、事前に統一するための資料です。作品の翻訳担当者や、翻訳された映像をダブルチェックする役割のチェッカー担当者に共有します。映画祭のテーマによっては、専用の指示書があることもありますが、JVTAでは一般的な指示書を作成しています。」(板垣ディレクター)
今年のダマー国際映画祭の字幕翻訳チームは、13人の翻訳者と4人のチェッカーで構成された。この映画祭は短編のみなので翻訳者は1人で1作品を担当。チェッカーは一人で複数の作品を手がけた。翻訳者に依頼する際、ディレクターはどこをポイントにして担当者を決めているのだろうか。
「翻訳者さんを探す時は、もちろん得意分野の確認もありますが、それ以前に依頼したお仕事の出来栄えを最も参考にしています。やり取りの丁寧さ、フットワークの軽さなども考慮しています。」(板垣ディレクター)
今回の上映作品はすべて30分以内の短編作品。この映画祭の上映作品は、生や死、家族愛など人間の深い心理を捉えたものが多い。長編に比べてセリフが少なく、作品解釈が大きなカギとなる。
「まずは映像をよく見て、原文スクリプトを注意深く読み込み、全体の流れや前後の流れ、話者のキャラクターや置かれた状況などからを最適な言葉選びをすることが大切です。特に限られた時間内でストーリーを語る短編映画では、映像に映るすべてのものに意味があると思います。セリフも入念に練られています。作り手の立場になって正しい作品解釈ができているかを常に考えてほしいと翻訳者さんには伝えています。」(板垣ディレクター)
◆翻訳者の初稿をチェッカーが客観的な目で確認 翻訳者から初稿が納品されると、チェッカーの作業が始まる。翻訳者は何度も映像を見てリサーチを重ねて字幕を仕上げるため、自分の原稿を客観的に見ることが難しくなりがちだ。そこで冷静な視点で確認するチェッカーの存在が必須となる。チェッカーは翻訳経験が豊富な人に依頼することが多い。具体的に初稿原稿のどんなポイントを見ているのだろうか?
「チェッカーさんには、表記を含む指示書を守れているか、ストーリーの展開をしっかり理解した流れになっているか、調べものができているか、キャラクターにあった表現か、字面が読みやすいかなどの確認をお願いしています。視聴者の目線で作品の内容をきちんと理解できるかを見てもらうことはとても大切な作業です。」(板垣ディレクター)
チェッカーによるチェックを経た後、板垣ディレクターがさらに作品をチェックする。クライアントの意向とズレがないかを再度確認し、修正してから最終納品となる。こうした入念なチェック作業は、AIではなく人間の目で行うことで、よりクオリティの高い字幕となる。
これから映画祭が目白押しの季節がやってくる。映像翻訳者にとって世界各国の新進気鋭のクリエイターの作品に出会えるチャンスだ。映画祭によっては主催者や来場した監督や出演者と言葉を交わすこともできる。各映画祭の個性や上映される場の雰囲気を知るためにもぜひ積極的に会場にでかけてみてはいかがだろう。自らの字幕を観客の皆さんと共に観る醍醐味をぜひ味わってほしい。
★ダマー国際映画祭 2026年4月11日(土)、12日(日) 日比谷コンベンションホール https://www.damahfilm.com/
【関連記事】 【制作者や観客に字幕が届く瞬間を体感できる】映画祭へ行こう!
◆【映像翻訳科 次期開講は2026年10月予定】 映像翻訳にご興味をお持ちの方に向け、リモート個別相談を開催しています。映像翻訳の詳細はJVTAのカリキュラム等についてマンツーマンでご説明します。お気軽にご参加ください。 ※詳細・お申し込みはこちら
子育て・社内翻訳・映像翻訳…複業を成功させるバランスとは?
JVTAの受講生・修了生は比較的女性が多く、子育てや仕事と両立している人も多い。なかには産休で少し時間に余裕がある間にスキルを学び始めたという人もいる。修了生のクニサワ未歩さんは、3人のお子さんの育児とIT系の企業の社内翻訳者(週3日のパートタイマー)、フリーランス翻訳者という3つの柱のバランスを保ちながらプロの日英映像翻訳者としてキャリアを重ねている。
クニサワさんは、教育学部出身で塾講師をしていた経験から、現在13歳、7歳、4歳の子どもたちをホームスクールしながら、翻訳者(社内翻訳とフリーランスの兼業)として活動。家事とホームスクール以外の時間を『翻訳』の仕事に充てているという。
「朝は8時に起床し、日中は主に社内翻訳や家事、ホームスクールなどに充て、20時から24時にフリーランスの翻訳の仕事を行い、1時に就寝というスケジュールで稼働しています。また、下の子がお昼寝をする時間は上の子も勉強に集中する時間と決めて、私も仕事時間を確保しています。週3日の社内翻訳の仕事がない日は、できるだけ午前中に料理を済ませたいのですが、子どもたちがよく食べてくれて作りおきになりません(笑)」(クニサワ未歩さん)
◆納期の前日に完了できるかを考慮して受注 多忙を極める複業を持続する鍵は時間管理にある。締め切り厳守を意識し、映像翻訳の仕事を受ける際は常に納期に余裕を持って受注することにしている。案件の依頼があった際は、「納期の前日に完了できるか」を考え、それが難しそうな案件(納期が極端に短い特急案件などの例外はあり)は基本的に辞退しているという。
「この余裕があれば、もし子どもが熱を出したりしても『1日あればどうにかなる!』と思えるからです。おかげで納期に遅れたことはありませんし、突発的なことがなければ納期の前日には納品できるので、クライアントさんからは『早めの納品ありがとうございます!』と感謝されることが多いように思います。」(クニサワ未歩さん)
◆子育てから得られることも多い フリーランスの仕事は時間が不規則になりがちだが、子育てで生活にメリハリがあるとクニサワさんは感じている。仕事だけだと没頭しすぎてしまうが、育児があることで、強制的にワークライフバランスが保てているという。
「子どもたちに最近の流行りを教えてもらえるので、今人気のアニメや漫画、音楽などに自然と詳しくなれるのもメリットですね。また、子育てをテーマにした作品や子ども向けの作品は深く共感できますし、当事者目線で字幕を作れると感じています。いつか、ホームスクールやオルタナティブ教育等をテーマにした作品に携われたらうれしいです。」(クニサワ未歩さん)
◆複業の経験が得意分野になる 日英の映像翻訳者としてプロデビュー後は、企業系動画、セミナー、ドラマ、バラエティ、ドキュメンタリー、アニメ等さまざまな作品の英語字幕を手がけているというクニサワさん。複業の経験が得意分野にも繋がっているそうだ。
「もともと社内翻訳者・実務翻訳者だったこともあり、企業系の案件をご依頼いただくことが多いように思います。身近な企業の案件をいただけると、その会社の理念等、知らなかった部分も学べるので、企業に対する親近感が増します。また、映画祭に出品するための作品も複数担当させていただきました。翻訳者としてクレジットを載せていただけるのは大変光栄に思うとともに、その作品の良さを引き出す責任も感じます。作品をより多くの方々に届けるお手伝いができるのはこの上ない喜びです。より良い翻訳ができるよう、これからも日々の学びを止めないよう努力を続けていきたいと思っています。」(クニサワ未歩さん)
◆各家庭に合った仕組みづくりが大切 映像翻訳は基本、一人で取り組む作業であり、世界中どこにいてもできる仕事だ。子育て中の女性も活躍できる環境と言える。クニサワさんが映像翻訳を学ぶきっかけは、YouTube動画100本に英語字幕をつける仕事を手がけたことだった。実務翻訳の経験は豊富にあったものの、字幕制作には様々なルールがあり、手探り状態で取り組んだという。
「映像翻訳には映像翻訳の作法があるということを痛感し、きちんと学ぶ必要性があると感じました。そこでJVTAのオープンスクールに参加。字幕体験レッスンが興味深かったこと、修了後にトライアルがあり、合格すれば映像翻訳の仕事につながると説明もあったことで受講を決めました。受講時は住んでいた市が運営する託児付きのコワーキングスペースを週に1~2回程度利用。また、主人が休みの日には子どもたちを見てもらって、私はカフェで勉強するなど、家族の協力があって修了まで乗り越えることができました。」(クニサワ未歩さん)
クニサワさんは子育てをしながら翻訳者を目指す人たちに「子育てをしながら、映像翻訳を学んでいるのが既に素晴らしいこと。そんな親御さんの背中を見て、お子さんたちも学ぶことがあると思うので無理せず頑張ってほしい」とエールを送る。これから挑戦する人たちに、自身が具体的にどんな工夫をしているのかアドバイスを聞いた。
「この仕事を続けていく上では『仕組みづくり』が大切だと感じています。私の場合、フリーランスになってすぐ、『寝かしつけ』をやめたことで子どもと寝落ちせず夜に仕事時間が確保できるようになりました。また、引越しをきっかけに『仕事・勉強用の部屋』を作ったことで仕事に集中できる環境ができました。今は社内翻訳の仕事がある日は娘かテレワークの主人が『お昼ご飯を作る担当』になりました。子どもたちの成長に伴って少しずつ仕組みを整えたことで仕事に集中できる時間・環境が整っていったように思います。皆さんもそれぞれのご家庭にあった『仕組み』を探ってみてください!」(クニサワ未歩さん)
出産後に映像翻訳という新たな職能を身につけ、家庭と両立しながらキャリアを重ねている受講生、修了生は多い。コロナ禍後に授業が全面リモートになってからは、地方都市や海外など世界各地で学べるようになり、ますます可能性が拡がった。「英語力を活かした仕事がしたい」「字幕や吹き替えに興味がある」という方はぜひ、挑戦してみてはいかがだろう。
HPでは、プロデビューした皆さんの声も紹介しているので、これから受講を検討している方はぜひ、先輩たちの声を参考にしてほしい。
◆受講生・修了生のインタビューはこちら
クニサワ未歩さん
高校から大学院までをアメリカで過ごし、大学時代に出会った日系アメリカ人と結婚・帰国。帰国後は英会話講師や塾講師に従事。メーカーでの社内翻訳者を経て、2020年にフリーランスの実務翻訳者として活動を開始。その後、JVTAで日英映像翻訳を学び、2025年1月からは映像翻訳中心の働き方に転身。3人の子どものホームスクールをしながら企業系動画、セミナー、ドラマ、バラエティ、ドキュメンタリー、アニメ等さまざまな作品の英語字幕を手がける。今後の目標は、スポーツ関連や子育てや教育関連の作品を手がけること。
◆【映像翻訳科 次期開講は2026年10月予定】 映像翻訳にご興味をお持ちの方に向け、リモート個別相談を開催しています。映像翻訳の詳細はJVTAのカリキュラム等についてマンツーマンでご説明します。お気軽にご参加ください。 ※詳細・お申し込みはこちら
伊日翻訳で活躍する修了生が字幕を担当!ダンテの『神曲』にまつわるドキュメンタリーが上映
イタリアの詩聖、ダンテ・アリギエーリに捧げる記念日の3月25日、イタリア文化会館でドキュメンタリー映画『ミラービレ・ヴィジオーネ』が上映される。この作品の日本語字幕をJVTAの修了生、杉本ありさんがイタリア語から翻訳した。杉本さんは出版社勤務を経てイタリアへ留学。JVTAで映像翻訳を学び、伊日、英日翻訳の翻訳者として活躍。昨今は、コメディからシリアスな刑事ものまで、イタリアの映画やドラマの字幕を数多く手がけている。
◆イタリア文学最大の詩人による名著を、現代の視点から解釈 ダンテの『神曲』は、地獄篇、煉獄篇、天国篇の3部から成る長編叙事詩。ダンテ自身が語り手となり、地獄、煉獄をめぐり天国にたどり着くというあらすじである。ドキュメンタリー映画『ミラービレ・ヴィジオーネ』は、この地獄篇を現代的な視点からダンテの人生と共に読み解いていく。
「イタリア語学習者であれば誰でも、ダンテ・アリギエーリという名も、彼の『神曲』という作品についても、一度や二度は必ず耳にしたことがあるはず。そしてダンテと聞けば、わし鼻が特徴的な彼の横顔もすぐに目に浮かぶはずです。そのくらい、現代のイタリアでもダンテの存在は大きく、とりわけ『神曲 地獄篇』はイタリアの国民的文学と呼べるのではないかと思います。イタリアの高校生は、学科にもよるかと思いますが、学校でみっちり学ぶと聞きます。」(杉本ありさん)
杉本さんが翻訳を担当したのは、『神曲』の本文ではなく、それを現代社会に照らし合わせて解説している部分だ。そのまま訳したのでは、ダンテに馴染みのない日本人の視聴者は何が言いたいのかと頭を抱えてしまう箇所も多く、訳語を選ぶのに苦労したという。ダンテの言いたかったことと現代の問題とをリンクさせるための解釈にも時間を要した。
「翻訳には苦労したものの俯瞰して全編を見ると、ダンテがたどった地獄の道を一緒に旅している気分が味わえる作品だということに気づきました。何より驚いたのは、ダンテは700年以上先の、この現代社会に警鐘を鳴らしていたのではないかと思えることです。」(杉本ありさん)
◆翻訳作業を通して改めて感じたダンテの「奥深さ」 字幕翻訳にあたり、杉本さんは図書館から複数の資料を取り寄せ、個人的にも書籍を購入し、ダンテの人生を改めて学び直した。ダンテが生きた中世のフィレンツェやダンテが放浪していた数々の町に思いをはせたという。政争に敗れたダンテはフィレンツェを追放されたあと、ヴェローナやボローニャなどを放浪し、ラヴェンナで亡くなる。現代ならば日帰りもできるような距離だが、当時のイタリアはフィレンツェもヴェローナもボローニャもそれぞれが「都市国家」。フィレンツェを追われ他の都市国家へ行くのは、現代で言う「亡命」と同じことになる。「愛した故郷はすぐそこなのに、その故郷に帰ることがかなわなかったダンテ。ダンテの悔しさは想像に難くない」と杉本さんは慮る。
「その一方で、“亡命したからこそ『神曲』は誕生した”とも言われているそうです。亡命者だからこそ故郷を客観的に見て、社会を批判できたのだと。ちなみにダンテは嫌悪していた人物を作中で何人も地獄に落とし描いているそうです。うらみつらみをペンで晴らしたんですね。ダンテの人間らしい一面を垣間見ることのできるエピソードだと思います。そんなことを思いながらこの作品を観ると、面白さも深まるかもしれません。」(杉本ありさん)
杉本さんは、映画やドラマの字幕翻訳のほか、児童書の翻訳など多くのイタリア語の作品に携わってきた。そんな杉本さんも映画『ミラービレ・ヴィジオーネ』の字幕翻訳を通して改めてダンテの奥深さを知ったという。イタリアの国民的文学、ダンテを知る貴重な機会、ぜひ会場に足をはこんでみてはいかがだろう。
◆上映会「ミラービレ・ヴィジオーネ」 2026年3月25日(水)18時30分(開場18時) イタリア文化会館ホール 主催:イタリア文化会館 イベント公式サイトはこちら ※公式サイトより、事前に申し込みが必要
杉本ありさん(イタリア語翻訳者) 出版社勤務を経てイタリアへ留学。帰国後、フリーランスの編集者として活動。その後、一念発起してJVTAに入学し、映像翻訳の世界へ。字幕の代表作に『ほんとうのピノッキオ』『ダーク・グラス』『ヴァニーナ カターニアの殺人課』『マリア・モンテッソーリ 愛と創造のメソッド』など。また訳書に『コミック密売人』(岩波書店)、『ローラとわたし』(徳間書店)、『飛ぶための百歩』『フォグ 霧の色をしたオオカミ』(岩崎書店)などがある。
◆こちらも注目! 【杉本さんが字幕を担当】映画『ダイヤモンド 私たちの衣装工房』 が2026年6月19日から劇場公開。 「1970年代、ローマの衣装工房で働き、それぞれ悩みを抱えながらも強く生きる女性たちの物語です。手芸好きの私は、工房の様子を見ているだけでワクワクしました。翻訳は孤独な作業が中心ですが、人と何かを作ることのすばらしさを教えてくれる一本でもあります。」(杉本ありさん)
【関連記事】 ◆【JVTAが字幕を担当】イタリアの短編映画上映会SIC@SIC2022が9月22日に開催! ◆多言語翻訳ルートマップ! ~JVTAから飛び立ったマルチリンガルたち~ 〈イタリア語の映像翻訳〉杉本ありさん
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2つの仕事を両立!兼業映像翻訳者の一日
映像翻訳者としてプロデビューした人の中には、翻訳と別の仕事を兼業している人もいる。JVTA修了生の児山亜美さんは、2024年1月にプロデビュー。平日は教育関係で事務職をしながら、映像翻訳者として難民映画祭やショートショートフィルムフェスティバル&アジアの上映作品の字幕、ドキュメンタリーシリーズの吹き替え台本の翻訳などを手がけてきた。
児山さんは地方都市在住。コロナ禍で在宅勤務が普及してきた頃に、JVTAで映像翻訳をオンラインで学べることを知った。地方在住という環境を変えず、学生時代から興味があった仕事にチャレンジできる点にとても魅力を感じたという。
「映像翻訳を学ぶタイミングで、月曜から金曜に10時から17時までの勤務(残業なし)という受講と両立しやすい職種に転職しました。現在、映像翻訳の作業は主に平日・休日ともに20時から0時頃まで(休日は日中も)をメインに行っています。納期が近い作品がある場合などは、夜中の2時、3時まで作業し、睡眠時間を削る場合もあります。」(児山亜美さん)
映像翻訳という仕事は基本、自宅で1人パソコンに向かって作業をする。それだけに自己管理をきちんとしないと不規則な生活になりがちだ。児山さんは、事務職勤務のために規則的な時間に外に出て、業務や休憩の中で同僚とコミュニケーションをとる、ということが健康面でもプラスになっていると話す。
「私自身、夜型の人間なので、作業をしているうちに意識が覚醒して寝不足になってしまうことはあります…。兼業をしていると、どうしても翻訳の仕事は夜になってしまうので、質のいい睡眠をとる方法を模索中です。ただ、慢性的な睡眠不足になってしまわないように、『疲れている時は寝る』とメリハリをつけて作業できる余裕はあります。」(児山亜美さん)
◆兼業にはスケジュール管理が必須 兼業では、両方のスケジュールの管理が重要となる。児山さんの場合、事務職の方は比較的作業が一定化しており、繁忙期などもない。それでも翻訳の仕事を受ける際には、その仕事のボリュームや、かかるであろう作業時間を細かく確認するそうだ。
「納期が近い作品の打診が来た場合は、平日の日中に作業ができなくても納品が間に合うか担当の映像翻訳ディレクターに確認するようにしています。また、作業時間に限りがあるため、2つの翻訳案件を同時進行するような日程になる場合は、受注できるかどうかを慎重に判断するように心がけています。」(児山亜美さん)
時には個人ではなく、フリーランスの翻訳者たちとチームで作業をすることもある。たとえば、難民映画祭の上映作品『ザ・ウォーク ~少女アマル、8000キロの旅~』などはチーム翻訳で対応した。
「チーム翻訳は複数人の翻訳者で分担してひとつの作品を翻訳します。すると内容に関するやり取りが随時メールで発生します。けれど私の場合、基本的に日中はパソコンを使っての作業ができません。そのため昼休みなどに必ず新着のやりとりがないか、スマホでチェックしていました。昼間のうちにチームの中で話が進んでいることもあるので、こまめに確認することが大切だと思います。」(児山亜美さん)
◆兼業だからこそ得られるメリットがある 兼業することで必然的に仕事をしている時間は長くなる。体力的には大変な部分があるものの、双方の仕事に良い影響もあるという。
「本業の事務職で英語の書類を作成する際などは、翻訳のスキルが生かされていると思います。また、本業の職場は地域の国際交流イベントや、マニアックな展示会などの情報が耳に入りやすい環境です。将来映像翻訳者として関連する作品を担当するかもしれないし、面白そうだから行ってみるか、と幅広い場所に足を運ぶきっかけになることがよくあります。」(児山亜美さん)
時間管理の大切さは、受講生時代から感じていた。授業を受ける上では、クラスの時間帯を平日夜や休日の午前中など、複数の選択肢から選べたことがありがたかったという。その一方で、授業の難易度が上がるにつれて、授業の復習と次回の課題に取り組むための時間の確保に苦労した。課題にじっくり取り組むために復習を授業直後に済ませるなど、受講生のころから作業リズムを自分の中で作ることを意識したそうだ。児山さんと同じように、まずは本業と両立しながらプロデビューを目指したいという皆さんへのアドバイスを聞いてみた。
「兼業で翻訳の仕事をしたい方にとって、時間管理は心配な点だと思います。私もまだまだ作業スピードが遅いので、納期前は睡眠時間を削ることもあります。ですが、JVTAの受発注部門の方々は、打診の際に担当できる尺や作業日数を細かく確認してくださるので、まずは自分の作業スピードを正しく把握することが大切だと、日々痛感しています。皆さんも授業の課題で作業スピードを常に意識していると、兼業でプロデビューした後の時間管理で役に立つかと思います!」(児山亜美さん)
「複業」という言葉が浸透した昨今、あえて2つ以上の仕事を並行する人が増えてきた。映像翻訳は基本的に自宅で取り組めるので、児山さんのように外での仕事との兼業もしやすいだろう。字幕や吹き替えを作ることに憧れを抱いている人はもちろん、「語学力を活かして何か新しいスキルを身につけたい」という方はぜひ、この機会に挑戦してほしい。
HPでは、プロデビューした皆さんの声も紹介しているので、これから受講を検討している方はぜひ、先輩たちの声を参考にしてほしい。
◆受講生・修了生のインタビューはこちら
児山亜美さん
大学では文化人類学を専攻し、イタリアに留学。暇さえあれば、撮りためた紀行ドキュメンタリーを見ている。大好きなオアシスの映画『オアシス:ネブワース1996』を見に行った際、字幕クレジットに「日本映像翻訳アカデミー」の文字を見つけたことからJVTAに入学し、2024年に映像翻訳者としてプロデビュー。現在は事務職とプロの映像翻訳者と兼業で活躍中。難民映画祭上映作品『ザ・ウォーク ~少女アマル、8000キロの旅~』は後に劇場公開となった。 世界遺産検定2級を取得、近い将来1級を取得するのが目標。
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◆【制作者や観客に字幕が届く瞬間を体感できる】映画祭へ行こう! ◆【難民映画祭20周年】わたしと難民映画祭(字幕翻訳者編)
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世界のどこからでも参加可能 JVTAのOJT制度
JVTAは、映像作品の字幕や吹き替えを作るプロフェッショナルを育成する職業訓練校と、翻訳案件を受発注するエージェント部門を併設し、修了生がスクールで学んだスキルを活かして活躍するシステムを構築している。修了生には定期的にJVTA独自の「プロ化試験(トライアル)」を開催。合格者はOJT(On the Job Training)で、プロの映像翻訳者として仕事をするための最終確認を経て、プロデビューとなる。
◆実践コース修了時のトライアルに合格し、OJTを経てプロデビュー イギリス在住の修了生の狩野安奈さんは、2025年9月に初回のトライアルに合格し、OJTを経て日英映像翻訳者としてプロデビューを果たした。「せっかく映像翻訳を学ぶなら、仕事に繋げたい」と考えていた狩野さんは、プロまでの具体的なサポートがあることがJVTAに入学した決め手になったと話す。
「JVTAには受発注部門が併設されており、最終的に実際の仕事に繋がるシシステムがあります。また、公式YouTubeチャンネル やスクール開催の各種セミナー、外部の映像翻訳祭など、様々な場面で情報を発信していることからも映像翻訳者デビューまでをしっかりサポートしてもらえると感じ、受講を決めました。」(狩野安奈さん)
現在、狩野さんはドラマ、バラエティ、ドキュメンタリーなど、幅広い日本コンテンツの字幕のチェックや、企業向けのPRビデオの英語字幕などを手がけている。
「OJTは実際に字幕制作ソフトを使いスポッティング(字幕を表示するタイミングを決める作業)など行いながら進むので、実践を通して実務に必要なスキルを身につけることができました。慣れない作業もありましたが、実際に経験することで理解が深まると実感しました。」(狩野安奈さん)
◆OJTでの実務経験が初仕事でも活かされた JVTAのOJTはチーム翻訳で実施される。チーム翻訳とは、映画祭上映作品やアワード番組、スポーツ番組など即時性が求められる案件に多く用いられる手法。狩野さんは4人のメンバーで初のチーム翻訳に取りくんだ。このチーム翻訳では1つの作品を4つのパートに分け、各自が翻訳した字幕を合わせて1つの字幕にする。そのため、用語や表現の統一が必須であり、チーム内でのコミュニケーションが欠かせなかったと狩野さんは振り返る。
「プロデビュー後の最初の仕事もチームで取りくむものでした。そのためOJTで身につけたチームワークやコミュニケーションのスキルがすぐ役に立ちました。」(狩野安奈さん)
◆受講からOJTまでを日本国外から参加 イギリス在住の狩野さんは、コース受講からOJTまでをすべてイギリスからリモートで参加した。日本の夕方から夜にかけてのクラスはイギリスでは昼間の時間帯となる。狩野さんはフリーランスで英会話講師をしているため、仕事のスケジュールを調整して受講した。時差は特に大きな問題にならなかったという。
OJTでは、参加メンバーとJVTAの翻訳ディレクターが集まる「勉強会」も行われる。狩野さんが参加したOJTでは狩野さんがイギリス在住、その他のメンバーは北米在住と日本在住だったということで、3拠点を繋ぐ形での実施だった。狩野さんはイギリスの深夜の2時に参加することもあったが、苦にはならなかったそうだ。
「時差の関係で各自の作業時間がバラバラになるため、メールの返信のタイミングが合わず、作業が予定スケジュールから遅れてしまうこともありました。しかし、用語の統一表を作ることで、時差があってもお互いの意見や翻訳を共有できるように工夫。また、チームの方が親切にも、チーム内納品の締切時間などを各タイムゾーンでメールにまとめてくださったので、とても助かりました。」(狩野安奈さん)
◆好きなことを仕事にできることが嬉しい 映像翻訳は世界のどこにいてもできる仕事であり、JVTAの受講生、修了生は国内外のさまざまな場所に点在している。イギリス在住の狩野さんは、JVTAのYouTubeチャンネル で映像翻訳コースの存在を知り、「語学力を活かせること」「フリーランスとして世界中どこからでも働けること」、そして何より映像が好きという思いから、本格的に学ぶことを決意したと話す。最後に、映像翻訳者を目指す皆さんにメッセージを聞いてみた。
「好きなことを仕事にできるのは、とても嬉しいことです。普段から、興味のあるコンテンツの字幕や吹き替えを読んだり聞いたりすることが、自分の学びにもつながると思います。皆さんも楽しみながら映像翻訳に挑戦してほしいです。」(狩野安奈さん)
日英映像翻訳科では、英語ネイティブの受講生もおり、さまざまな国や地域で学んでいるため、JVTAでは時差があっても授業やOJTに参加できる体制を整えている。また、2026年4月期からは、リモート授業の録画映像を視聴して学習を進めることができる「タイムシフト受講」 も導入。さらに幅広いニーズに応えることができるようになった。狩野さんのように海外在住で英語力を活かせる職能を身につけたいという人は、この機会にぜひ挑戦してほしい。
HPでは、OJTを無事に修了しプロデビューした皆さんの声も紹介しているので、これから受講を検討している方はぜひ、先輩たちの声を参考にしてほしい。
※【プロデビューの翻訳者に聞く】映像翻訳の魅力、JVTAを選んだ理由、今後の目標…etc.
狩野安奈さん
イギリス・ロンドン生まれロンドン育ち。小学校6年生から中学卒業までの4年間を日本で過ごす。大学では教育心理学を専攻。その後スペインで外国語指導助手として3年間勤務。現在はオンライン英会話講師として活動中。映像と語学の両方への関心からJVTAの日英映像翻訳コースを受講し、2025年にプロデビュー。プロの日英映像翻訳者として日本のドラマやドキュメンタリーなどの字幕制作に携わっている。今後の目標は、いつか自分が手がけた字幕作品を映画館で観ること。
【関連記事】◆“映像翻訳者になるための最終調整” JVTA独自の「OJT」とは?
◆【映像翻訳科 次期開講は2026年10月予定】 映像翻訳にご興味をお持ちの方に向け、リモート個別相談を開催しています。映像翻訳の詳細はJVTAのカリキュラム等についてマンツーマンでご説明します。お気軽にご参加ください。 ※詳細・お申し込みはこちら
“映像翻訳者になるための最終調整” JVTA独自の「OJT」とは?
映像翻訳者になるための一般的な道筋は、映像翻訳を学べるスクールに通った後、スクールや制作会社が設けている「プロ化試験(トライアル)」を受験するという流れである。JVTAでも独自のトライアルを設けており、修了生のみが受験できる。特にJVTAでは、トライアル合格後にOJT(On the Job Training)を用意。プロの映像翻訳者として仕事をするための「最後の確認」をOJTで行い、それが終わるとプロの映像翻訳者としてデビューとなる。
◆実務を想定したOJTで、プロデビューへ向けて最終調整
初谷亜希子さんは、2025年にOJTを修了し、映像翻訳者としてプロデビュー。現在は、カルチャーやライフスタイル系のドキュメンタリーや、アワード番組、映画などの字幕を手がけている。
初谷さんが映像翻訳を学ぶ場としてJVTAを選んだ理由のひとつに、このOJT制度がある。
「JVTAは映像翻訳に特化しており、受発注部門が併設されていること、さらにプロデビュー前のOJTなどサポート体制が整っていたため選びました。また、コース修了後も様々なセミナーや講座で学びを深めることができる点も魅力的でした。」(初谷亜希子さん)
初谷さんが参加したOJTでは、初谷さんを含めて4名のトライアル合格者で実施された。やはり、映画や音楽が好きな人たちが集まっていたが、仕事の経験では金融やIT関連、NPO、特許事務所などさまざまなバックグラウンドがあり、刺激を受けたという。
OJTでは約40分の動画をメンバーで約10分ずつ分担し、字幕制作を行った。定期的にお互いの翻訳をチェックしフィードバックをし合い、質の高いひとつの字幕を作り上げていく。
「チーム翻訳では他のメンバーから自分の訳に対して客観的なコメント(この訳文からは、自分が意図したものとは別の印象を受ける人もいる、など)をもらえて、非常に有意義でした。またJVTAの映像翻訳ディレクターの方からもフィードバックをもらえます。さらにOJTのメンバーと翻訳ディレクターと共にリモートで行う勉強会では、映像翻訳の作業に関する疑問や不安点を解消できました。」(初谷亜希子さん)
翻訳者にとって、コース受講中のクラスメートやOJTのチームメンバーは、プロデビュー後の「横の繋がり」としても貴重な存在だ。初谷さんもプロデビュー後、実際に受講生時代のクラスメートとチームで翻訳する機会に恵まれたそう。また、OJTのチームメンバーとの交流も続いているようで、「精神面でとても助かっている」と話す。
◆トライアル合格に向けてのサポートも充実 OJTに進むためには、2カ月ごとに行われているトライアルに合格する必要がある。JVTAではトライアル合格を目指す人たちに向け、「コマ単位受講制度 」や「日本語表現力強化コース 」「ロジカルリーディング力強化コース 」 など、様々なサポート制度を用意している。
初谷さんも合格を目指す間、翻訳者のための英文解釈力に特化した「ロジカルリーディング力強化コース」を受講し、英文解釈力の向上に努めた。また授業の課題に再度取り組み、講師やクラスメートの訳を見ながら分析を行ったという。
JVTAのトライアルでは、合格に加えて、合格一歩手前という「次点」も設けられている。この「次点」に入選すると、提出した翻訳原稿についてプロの映像翻訳ディレクターからフィードバックを直接受けることができる。初谷さんも、この次点に入ったことがある。
「次点フィードバックでは、改善の余地がある私の字幕案を取り上げ、解釈や訳文の方向性、単語の選び方などについてアドバイスをいただきました。セリフの背景にある話者の想いや、全体の流れを把握し、このセリフでは『つまり何が言いたいのか』を意識する、 というアドバイスが合格に繋がり、現在も仕事において役立っていると感じています。」(初谷亜希子さん)
◆映像翻訳は、これまでのどの仕事よりやりがいがある 最後に、映像翻訳者として活躍する初谷さんに、同じように映像翻訳者を目指す皆さんにメッセージを聞いてみた。
「大変なことも多いですが、これまでしてきたどの仕事よりも、映像翻訳にやりがいを感じています。何をするにも同じですが、諦めず地道に継続することが大切なのではないかと思います。」(初谷亜希子さん)
OJT制度は、翻訳受発注部門を併設しプロ化までの道筋が整っているJVTAならではの制度だ。JVTAでは「コース修了からが本番」とも受講生に伝えている。コース修了・トライアル・OJTと、順を追って進む中で、映像翻訳者として活動できるスキルが確実に身についていく。HPではOJTを無事に修了し、プロデビューした皆さんの声も紹介しているので、これから受講を検討している方はぜひ、初谷さんをはじめ、先輩たちの声を参考にしてほしい。
※【プロデビューの翻訳者に聞く】映像翻訳の魅力、JVTAを選んだ理由、今後の目標…etc.
初谷亜希子さん
学生の頃に映像翻訳という仕事を知り、英語と映画が好きな自分には天職なのではと感じるが、大学卒業後はゼネコンで経理、現場事務、人事などに従事。その後、JVTAの英日映像翻訳コースを受講し、2025年に映像翻訳者としてプロデビュー。現在は、カルチャーやライフスタイル系のドキュメンタリーや、アワード番組、映画などの字幕を手がける。今後の目標は、これまでの経験を活かし、イギリスの作品(留学経験あり)や、動物・芸術(アート、クラシック音楽、バレエ、建築など)・料理・陸上競技などに関する作品に携わること。
【関連記事】 ◆世界のどこからでも参加可能 JVTAのOJT制度
◆【映像翻訳科 次期開講は2026年10月予定】 映像翻訳にご興味をお持ちの方に向け、リモート個別相談を開催しています。映像翻訳の詳細はJVTAのカリキュラム等についてマンツーマンでご説明します。お気軽にご参加ください。 ※詳細・お申し込みはこちら