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【JVTAが字幕】イタリア映画の翻訳秘話 「短編映画6選~一年で昼が一番短い日に~」

【JVTAが字幕】イタリア映画の翻訳秘話 「短編映画6選~一年で昼が一番短い日に~」
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12月23日(金)、イタリア文化会館ホールで上映会「短編映画6選~一年で昼が一番短い日に~」が開催される。全6作品のうち、『ミストラル』(Maestrale)はイタリア映画の最高の名誉とされるダヴィッド・ディ・ドナテッロ賞短編映画賞受賞作品。その他の日本初公開となる5作品の字幕をJVTAの修了生、平岡洋子さん、小倉麻里矢さん、御囲ちあきさんが手がけた。担当の先崎進ディレクターによるとイタリア語を専門的に勉強してきた3名に依頼したという。『村一番の未亡人』『ナイト・ドロップス』『ガスマンになりたかった男』の3作品の字幕を担当したのは、イタリアのフィレンツェ在住の平岡洋子さん。通常は英語字幕からの翻訳がメインだが、今回はイタリア語から直で字幕を作成した。平岡さんにイタリアの作品の翻訳へのこだわりを聞いた。
 

ミストラル
※『ミストラル』
 

平岡さんが今回苦労したのは、同じイタリア語でも地域によって違う、“なまり”の解釈だったという。日本語で標準語や大阪弁、青森弁や沖縄方言など地域によって言い回しや使う単語が違うように、イタリア語も地域によって違いがあると話す。
 

「イタリアがほぼ今のような状態に統一されたのは1861年で、それまではあらゆる国や文化の影響を受けてきた長い長い歴史が地域ごとにあり、各地に方言が存在します。例えばナポリが舞台となっている映画『ゴモラ』では、リアルなナポリ弁(ナポリ語?)が台詞に使われているため、イタリアのテレビで放送される際はイタリア語(標準語)の字幕がつくほどです。今回担当した『村一番の未亡人』はナポリなまり、『ガスマンになりたかった男』はローマなまりの台詞だったため、スクリプトにない台詞や一部アドリブが入っている台詞などは特に、聞き取るのも内容を理解するのも苦労しました。」(平岡さん)
 

村一番の未亡人
※『村一番の未亡人』(字幕・平岡洋子さん)
 

また、一般的なイタリア人の特徴として、誰かが話している最中でも話したいことがあれば遠慮せずにかぶせて話し始めることが多いそう。これも字数制限のある字幕翻訳には難しいポイントとなる。
 

「2人どころかその場にいる全員が一斉に話しているというシーンは、日常生活でも映像作品でも珍しくありません。どの台詞を優先して訳出するかを決めなければならないというシーンが英語の作品よりも多いように思います」(平岡さん)
 

ガスマンになりたかった男
※『ガスマンになりたかった男』(字幕・平岡洋子さん)
 

イタリア人の食に関するこだわりや地元愛も意識して言葉を選んだと平岡さん。具体的なポイントを聞いてみた。
 

「『ガスマンになりたかった男』では原語で「bistecca」(ビステッカ)と出てくるのですが、映像を確認すると「ビステッカ」と訳出するには薄すぎる肉なので、「ステーキ」と訳出しました。日本語で「ビステッカ」と検索すると、フィレンツェ発祥のビーフステーキ、と紹介しているサイトもあるのですが、その正式名称は「bistecca alla fiorentina」(フィレンツェ風ビーフステーキ)です。日本ではビステッカと聞くとあの分厚くて、骨付きで外側はこんがり、中はレアだけど冷たくない、というフィレンツェ風ビステッカを思い浮かべてしまう人もいると思い、混乱を避けるために「ステーキ」と訳しました。フィレンツェ以外の地域の人が薄いステーキを「bistecca」とテレビなどで話していると、「あれはbistecchina(小さなステーキ)だ!」とフィレンツェの人は茶化します。もしも「ビステッカ」と訳出していたら、フィレンツェの方々に激怒されていたでしょう。こうしたイタリア人の食へのこだわりの強さ、地元愛の強さなどを理解した上で、訳出することが大切だと思います。」(平岡さん)
 

マミ・ワタ
※『マミ・ワタ』(字幕・小倉麻里矢さん)
 

字幕には現地で暮らす平岡さんならではのさまざまな視点も活かされている。平岡さんが今回手がけた3作品はそれぞれ違うテイストだが、翻訳時に意識したことは何だったのだろうか? さらに見どころを聞いた。
 

「『村一番の未亡人』は、微妙な人間関係や心の変化が視聴者にも伝わるよう、呼び方や口調に工夫を凝らしました。また、「肉団子」に「ポルペッテ」とルビを振ったり、「洗濯とアイロン済みの服」という台詞をきちんと訳したりすることで、イタリアらしさが出るように意識しました。
 

Night Drops Locandina
※『ナイト・ドロップス』(字幕・平岡洋子さん)
 

『ナイト・ドロップス』はモノローグのみという珍しい作品でした。作品全体に漂う静けさや、暗くて重い雰囲気に対して、プールがいかに癒しの場になっているかを表現することを心がけました。
 

『ガスマンになりたかった男』は、全体的にコミカルで軽快な雰囲気の作品でした。テンポのよさと、間を入れてもったいぶる場面とのコントラストを大事にしつつ、垣間見える主人公の俳優業への熱意や苦悩が伝わるよう、意識して字幕を作りました。イタリア人が見た時に笑えるシーンで、日本人もクスッと笑えるよう工夫を凝らしたので、お楽しみいただけると嬉しいです!」(平岡さん)
 

かよわきもの
※『かよわきもの』(字幕・御囲ちあきさん)
 

イタリア映画の魅力をいくつも堪能できる珠玉の短編映画に出会える機会、ぜひ会場に足を運んでほしい。
 

「短編映画6選~一年で昼が一番短い日に~」
12月23日(金)18:30
イタリア文化会館ホール
入場無料(要事前申し込み)
詳細・事前申し込みはこちら
 

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