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日本のコンテンツで世界と闘うために グローバルブランド『竜とそばかすの姫』のブランドプロデューサーに聞いた知識とスキル

日本のコンテンツで世界と闘うために グローバルブランド『竜とそばかすの姫』のブランドプロデューサーに聞いた知識とスキル
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いま映像の世界では、日本発のコンテンツとの連携による世界展開が求められている。大手動画配信サービスが日本発の実写化映画やアニメに力を入れる一方、映画『ゴジラvsコング』(2021)は全世界の興行収入が500億円を超えた。戦略的に作品の魅力を伝えれば、日本のコンテンツはまだまだシェアを広げることができるはずだ。JVTAは2022年1月15日(土)から4週にわたって、『竜とそばかすの姫』などの海外展開に携わるブランドプロデューサー、林美千代さんと共同開発した特別セミナー「世界を市場にするための知財(IP)戦略セミナー 最低限知っておくべき4つのファクター」を開講する。その入り口として、林さんに開講の背景や、海外での成功につなげるための、グローバルスタンダードの知識やスキルを聞いた。
林さんは『竜とそばかすの姫』の他にも『セサミストリート』や『ウォレスとグルミット』『スティッチ!』『HONDA』『ウルトラマン』などのブランド/コンテンツ・プロデューサーとしてマーケティングや事業戦略などを幅広く手掛けている。
 

日本のコンテンツは
世界ではまだまだ小さな存在

まず、日本のエンターテインメントコンテンツの市場規模を数字で見てみましょう。エンターテインメントコンテンツというのは、映像や音楽、ゲーム、マンガなどの出版、そしてキャラクタービジネスなどです。すべて合わせると、だいたい11兆円ほどになります。これは日本のスポーツ産業と同じくらいの数字で、とても大きく感じますね。しかし、世界のコンテンツ市場は約134兆円。比較すると、日本のシェアは8%ほど、アニメだけでいうと2%になります。アニメーション市場に限っていうと、世界の市場規模33兆円に対して日本は2.5兆円、シェアは7%です。残りの93%に対して“家族で楽しめるアニメ”のような直球で勝負していない日本は、まだまだ力を出し切ってないといえるでしょう。私たちは海外のアニメファンたちの様子を見て「日本はすごい」と思いがちですが、実はとても小さな存在なんです。映像に関していえば、実写もアニメもまだまだ頑張らなくてはいけないと感じています。
 

広める人材が不足している
しかしながら、海外に対して効果的にプレゼンテーションしたり、コンテンツをマネジメントしたりできる企業や人は少ないというのが現実です。私は仕事柄、海外マーケットの出展者の企画や営業用の提案書を見させていただくこともありますが、もっと精度を高められると感じています。ほとんどの場合、これらの提案書は国内向けの資料を英訳するに留まっています。ですが「ピッチデック」と呼ばれるこの提案書には営業目的であれ、コンテンツ提案であれ、グローバルスタンダードがあります。その考え方に沿うなら、日本のピッチデックのほとんどは社内の提案書の領域に留まり、フォーマットスタンダードの要素を十分に網羅していないケースが多いと思われます。海外では、誰に向けて、何を売り込むのか、自社のIP(知的財産)の市場ポジショニングと相手のブランドポリシーを客観的に把握した上で取り組むことが求められます。
 

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プレゼンテーションのやり方も、日本側にはまだ課題があります。プレゼンテーションというのは基本的に、15分から20分で終わらせないといけない。相手を20分でその気にさせるというのは、とても高度な技。そのための“デック”を作るとなると「簡潔に」「的確に」「美しく」をモットーに、「文字はほとんど入れない、あなたが喋る」「フックとなる言葉を効果的に。解説は最小限に」「数字もグラフも、ただ見せてダラダラ喋るのではなくて導かれたポイントをコンパクトに伝える」という、人を引き付けるような魅せ方が必要です。悲しいけれどグローバルスタンダードを踏まえないプレゼンは、国際的な取引の場ですぐに見限られてしまいます。今回のセミナーでは“世界で勝つ”とちょっと大げさに聞こえるタイトルを付けていますが、決して宣伝用の言葉ではありません。自分のコンテンツについてちゃんとプレゼンして、スポットライトを浴びてほしい、結果を出してほしい、という思いが込められています。見本市への参加は、お金を払えば誰でも可能です。でも結果を出すためには、現在の主流である米ハリウッド方式のピッチデックの入念な準備、効果的なプレゼンテーション、そしてプレゼン後に興味を持ってくれた人へのフォローアップが必要です。力を入れる割合としては準備が6割、プレゼン1割、残りがフォローアップ――といったところでしょうか。
 

特に学んでおきたい4つのスキル
今回のセミナーでは、4週にわたって「ブランディング&ライセンスビジネス」「世界水準の知財管理と法務」「米国への企画ピッチ」「ソーシャルメディア・マネージメント」を学んでいただきます。
第1講「実践・ブランディング&ライセンスビジネス」ではブランドの定義を知った上で、知的財産のマネタイズの一つの形“ライセンスビジネス”のグローバルなビジネスのありかたを学びます。ブランドとは、消費者に対する“価値の約束”です。それは、ブランドを持っている人が定義するもの。例えばアパレルの世界でも、ハイブランドとファストファッションブランドでは、消費者に約束する価値は違うはず。IPオーナーはそれを明確に定義しているからこそ、それぞれの商品やサービス、そしてマーケティングコミュニケーションに反映できます。この認識がないまま海外でコンテンツをビジネスパートナーに預けると、その時点でブランドが毀損されたり、たたき売りされたりする恐れがあります。今回は、ブランディングとライセンスビジネスの2段組で授業を実施できることに非常に意義を感じています。
 

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第2講「世界水準の知財管理と法務」では海外での取引に必要な“契約の交わし方”について学びます。日本人は性善説に立って契約を交わすことが多いですが、海外では逆。いかなるネガティブなハプニングも起こり得ることを想定して契約に向き合います。納得のいくビジネスを進めるためには、その人自身にも法的な知識が必要ですし、どんな所にリスクがあるのかを知っておくことも大切です。日本式の発想から脱却して、自社あるいは自分の権利を守る術(すべ)を学びます。自分の弱みと強みを把握した上で中長期的な事業計画に則り、経験豊富な専門家と共に進めるためのKnow Howが詰まった講座です。
 

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第3講は「米国への企画ピッチ、ケーススタディ」。多くの方が苦手とする海外向けの「企画ピッチ」を成功に導くためのレクチャーです。講師は20年以上にわたり、北米の劇場映画公開や動画配信に向けて日本のコンテンツの企画提案と制作進行を担当し、成功に導いてきた制作プロデューサーです。
本来そのKnow Howを共有することはライバルを増やすことにもつながるのですが、「日本のコンテンツの世界進出を応援したい」という本講座の思いに共感していただき、特別に参加して頂くことになりました。ピッチデックの効果的な構成例、プレゼンテーションの仕方、制作進行における心構えなど、企画ピッチと進行の極意が詰まっています。
 

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最後は第4講「世界で結果を出す!ソーシャルメディア・マネージメント」。ソーシャルメディアはマーケティングとブランディングにおける諸刃の剣です。正しく使えば世界規模のプロモーションを可能にする一方、誤った進め方によってはブランドの資産価値に半永久的なダメージを与えることもあり得ます。本講座ではウェブ解析における日本の第一人者を迎えて、グローバルスタンダードのルールやSNSで炎上してしまった場合の対処法、ソーシャルメディアをうまく運用した成功事例、そして基本的なソーシャルメディアの運用方法について学びます。
 

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コンテンツの海外展開とは、いわば世界に“試合”を挑むことです。そして向こう(世界)のリングで立ち会うのなら、向こうのルールを知らなくてはだめだ、ということ。今回のセミナーは4人のプロフェッショナルが講師として集結して、集中的にそのルールをお伝えできる貴重な機会です。私も各回の後半に参加し、講師と共にお話しします。ぜひこの特別な講座で力をつけて、“試合”に勝っていただきたいと思います。
 
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世界を市場にするための知財(IP)戦略セミナー 最低限知っておくべき4つのファクター
2022年1月15日(土)、1月22日(土)、1月29日(土)、2月5日(土)
全4講座の詳細・お申し込みは▶こちら
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【本セミナーに関するプレスリリース】
▶こちら
 

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