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【JVTAが英語字幕】『ザ・ノンフィクション 花子と先生の18年~人生を変えた犬~』がニューヨーク・フェスティバルで銅賞を受賞!

【JVTAが英語字幕】『ザ・ノンフィクション 花子と先生の18年~人生を変えた犬~』がニューヨーク・フェスティバルで銅賞を受賞!

ドキュメンタリー番組『ザ・ノンフィクション 花子と先生の18年~人生を変えた犬~』(フジテレビ)が、国際メディアコンクール、ニューヨーク・フェスティバルのドキュメンタリー・人物/伝記部門の銅賞を獲得した。ニューヨーク・フェスティバルは、テレビ番組・映画・ラジオ・広告・インターネットなど、あらゆるジャンルの映像作品を対象に審査し、表彰する国際的なコンクール。1957年に創設され、国連が共催していることでも知られる。この作品の英語字幕を手がけた翻訳者、足立リリーさんとサラ・リムさんから喜びの声が届いた。2人はJVTAで学んだ修了生だ。
 

◆ドキュメンタリー番組が海外で評価されることは難しい
「様々な番組のジャンルがある中、ドキュメンタリー番組を海外で評価していただく事は、実は、かなりハードルが高いのです。なぜなら、その年によって、受賞傾向が異なるからです。私はテレビ局勤務時代に、翻訳・通訳の傍ら、海外賞出品の担当もしており、どの番組を出品したらよいかをプロデューサーに勧める仕事もしておりました。医療系の番組が支持される年もあれば、時事系が支持される年、事件系、政治系…等。また、国内でどんなに話題になっていても、日本人にしか分からないローカルすぎる問題を取り上げても、海外ではウケません。世相にも左右されるのかもしれませんね。ペットは、世界中の人にとって、身近で大切な存在です。だから支持されたのだと思います。ですから、銅賞獲得のニュースは本当に嬉しいですし、そのような番組に、映像翻訳者として関われたことを光栄に思います。」(足立リリーさん)
 
The Nonfiction_A Veterinarian and his dog named Hanako-1

「自分が字幕を手掛けた作品の受賞は初めてで、とても嬉しく思っています。英語字幕を通して、日本の素晴らしい作品を海外に紹介できることが、このお仕事のやりがいでもあります。」(サラ・リムさん)
 

◆繊細なテーマに配慮した字幕を作る
『ザ・ノンフィクション 花子と先生の18年~人生を変えた犬~』は、動物病院の院長を務める太田快作さんと、愛犬・花子の最期の時間を追ったドキュメンタリー。2020年5月に2回にわたって放送された。内臓に腫瘍が見つかった花子に寄り添う太田さんや看護師たちの様子が描かれている。
 
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「この作品は、動物実験やペットの死など、繊細な内容もありましたので、字幕の読みやすさ、分かりやすさに加え、見ている方が不快な思いをしないよう、適切な表現を心がけました。」(足立リリーさん)
 

「私は動物が大好きで我が家も黒柴犬を2匹飼っていますので、正直この作品を翻訳したときに何度も泣きました。しかし、字幕は、感情移入せずに番組を通じて伝えたい情報及び出演者の想いを分かりやすく正確に伝えることを心がけました。」(サラ・リムさん)
 

◆英語字幕のニーズは高まっている
翻訳者の足立リリーさんは、これまでも多くの作品の英語字幕を手がけ、海外での受賞を支えてきた。映画『スパイの妻』(黒沢清監督)は、ヴェネチア国際映画祭 銀獅子賞(監督賞)を獲得。また、ドラマ『わ・す・れ・な・い 東日本大震災155日の記録』も”放送界のピューリッツァ―賞”とも呼ばれ、アメリカ放送界においては最高峰の栄誉である「第71回ジョージ・フォスター・ピーボディ賞」を受賞した。ドキュメンタリー映画『奇跡の子どもたち』は、第7回サンフランシスコ日本映画祭で上映された。英語字幕を通じて数々の日本の作品を世界に届けてきた足立さんは、その豊富な経験を活かし、現在はJVTAの日英映像翻訳科で講師を務めている。サラさんもその指導を受けた一人だ。彼女もまた、ドキュメンタリー映画『もったいないキッチン』の英語字幕や、リモート・音楽ライブ「Shred RACERS」のPR映像の英語ナレーションを手がけるなど活躍の場を拡げている。
 

The Nonfiction_A Veterinarian and His Dog Named Hanako-2

「サラさんは、私も講師として受け持った修了生でしたので、普段とは違う緊張感がありました。自分の講義内容を思い出しながら、慎重に作業しました」(足立リリーさん)
 

「JVTAで教えていただいた方と一緒に翻訳するのは初めてでとても緊張しましたが、講師ではなく翻訳仲間として接していただいたおかげで、楽しく仕事をすることができました。これからも今回のような素晴らしい作品の翻訳に関わり、日本の映像文化の素晴らしさを英語圏の方々に伝えていけたら幸いです」(サラ・リムさん)
 

日本の作品が世界で高く評価されるには、英語字幕が不可欠だ。今回の受賞は、字幕が作品の魅力を余すところなく伝えられた証であり、JVTAにも映像翻訳者にとっても忘れられない作品となった。
 

関係者の皆さま、おめでとうございます。
 

※『ザ・ノンフィクション 花子と先生の18年~人生を変えた犬~』
詳細はこちらで紹介されています。
https://www.fujitv-view.jp/article/post-401074/

 
【関連記事】
◆祝ヴェネチア国際映画祭 銀獅子賞(監督賞)受賞! 『スパイの妻』英語字幕制作秘話
https://www.jvta.net/tyo/wife-of-a-spy-english/
◆【第7回サンフランシスコ日本映画祭で『奇跡の子どもたち』が上映】足立リリー講師に聞く医療系ドキュメンタリーの訳し方
https://www.jvta.net/tyo/miracle-children/
◆『もったいないキッチン』の日本語字幕と英語字幕をJVTAが担当
https://www.jvta.net/tyo/mottainai-kitchen2/

 
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