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「“When=~の時”とは限らない」JVTAが高校での特別授業を実施

「“When=~の時”とは限らない」JVTAが高校での特別授業を実施
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JVTAでは「学校教育部門」を設置し、小学校から大学までさまざまな教育機関と連携している。英語学習だけにとどまらない“真のグローバル人材”を育むことを目的とし、これまでに青山学院大学(東京)や明星大学(東京)、神戸松蔭女子学院大学など国内外の大学から小学校まで40校以上で映像翻訳の手法を指導し続けてきた。

その活動の一つに三重県立川越高等学校での特別授業がある。川越高校の国際文理科は国際舞台で活躍できる人材育成を目的とした学科で、社会で活躍する専門家や大学研究者を講師として招く特別授業が1つの特色となっている。JVTAは2012年より同校で映像翻訳を指導。2023年も国際文理科の2年生を対象に「映像翻訳から見つける英語の可能性」をテーマに授業を行った。

今年の授業を担当したのはプロの映像翻訳者でありJVTAでも映像翻訳を教える桜井徹二講師と満仲由加講師。50分×2コマの計100分という大規模な授業に、2年生の80人全員が参加した。授業の主な目的は、学んだ語学の将来的な活かし方や語学と仕事のつながりを知ること、また映像翻訳体験を通じて国際的な視野や文化的な背景・文脈に対する理解を促進することだ。

授業の冒頭では、劇場公開作品やドラマなどの吹き替え翻訳・字幕翻訳を手掛ける他、JVTAで映像翻訳の指導を行っている満仲講師が、映像翻訳の世界や映像翻訳者という仕事について紹介した。実は満仲講師は三重県在住。高校から「地元在住の翻訳者さんにも登壇をお願いしたい」というリクエストがあり登壇することとなった。満仲講師は「自分がなぜ映像翻訳者を志したのか」「どのように英語力を磨いたのか」などを中心に紹介。地元の大先輩が英語を使って活躍しているという実体験に基づく話は生徒たちにとって、語学を習得することでどのような将来像が描けるのか、社会にどのように役立てるのかを考える良いヒントになっただろう。


映像翻訳という仕事について紹介する満仲講師


その後、実際に映画のシーンに字幕をつける演習を行った。まずは桜井講師が字幕翻訳の基本ルールなどを説明。その後、生徒たちは4人ずつの20グループに分かれて字幕翻訳に挑戦した。

3分ほどの映像を20グループで分けるため、担当パートのセリフは大体3~5つくらいだ。しかし映像翻訳は単にセリフを全訳すれば済むわけではない。シーンの背景やセリフの文脈に対する理解、話し手の性格などを考え、さらに字数制限のルールや字幕の見え方を考慮する必要がある。一筋縄ではいかない翻訳に、生徒たちは作業時間を目一杯使って取り組んだ。

翻訳作業終了後、各グループが作った字幕を映像に載せて上映し、字幕についての講師からのフィードバックとなった。桜井講師はシーンの中に登場した「when」という言葉について、次のように解説した。

「『when』は、辞書では確かに「時」という意味です。しかし翻訳としては時と訳さないパターンも多くあります。今回であれば、「~場合」「~としたら」という表現の方がこのシーンに合います。語学は相手とのコミュニケーションなので、辞書の意味をただ当てはめて考えるだけではなく、その言葉に込められたニュアンスをつかむことが大事です」

シンプルで簡単に思える単語でも、そのまま訳せば良いというわけではない。発した人と、それを受け取る人。双方の意図を考えて適切な言葉を選ぶことが必要である。生徒たちにとって、桜井講師のアドバイスは刺激的な気づきになったようだ。終了後のアンケートでは、「whenの訳し方が色々あることを知った」「シーンに合わせた訳し方が必要なのだと分かった」というコメントが多かった。また、「外国の人々と関わる際に、『相手が言いたいことは何か?』を深く考えることにも応用できると思った」と、映像翻訳のスキルと実生活のつながりに気づいた生徒もいたようだった。

高校生にとって英語は必修科目であり、テストのために覚えるという学生も少なくないだろう。しかし本来、英語はコミュニケーションのためのツールだ。覚えるだけで終わらず、その先にある「使う」ことを意識することが真の学びとなる。終了後アンケートに書かれていた「英語を勉強して終わるのではなく、それを利用して様々なことを体験すると、より英語が楽しくなるのだと思った」というコメントがそれを物語っている。

JVTAでは今後も教育現場での指導を通して、語学を使う仕事への興味や異文化理解の促進を幅広い世代に伝える活動を続けていく。

JVTAの学校教育プログラムの詳細はこちら


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