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【『戦火のランナー』が劇場公開】翻訳者だからできる社会貢献のカタチ

【『戦火のランナー』が劇場公開】翻訳者だからできる社会貢献のカタチ
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難民からオリンピック選手になったグオル・マリアルの姿を追ったドキュメンタリー映画『戦火のランナー』が6月5日(土)から劇場公開される。この作品の日本語字幕を、国連UNHCR協会の依頼でJVTAが担当。JVTAの修了生4名(御囲ちあきさん、志村紀恵さん、野口麻里奈さん、山口絵美さん)と、明星大学国際コミュニケーション学科の授業の「映像翻訳」を受講する学生22名が制作した。2020年11月には、明星大学で特別先行上映会(後援・国連UNHCR協会)を実施。ゲストには、シドニー五輪女子マラソン金メダリストの高橋尚子さんを迎えた。そしていよいよ2021年6月、劇場での上映が始まる。
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©Bill Gallagher
 
この作品の見どころについて、翻訳チームのリーダーを務めた御囲ちあきさんはこう話す。
「見どころは、どんな困難な状況でも走り続ける、グオル・マリアル選手の姿です。内戦が続くスーダンから、難民としてアメリカに逃れてきたグオル選手ですが、彼にとって『走る』ことの意味や目的は、人生のさまざまな局面で変化していきます。時には走ることへの葛藤を抱え、苦しみ、倒れながらも、諦めずに走り続けるグオル選手の姿に胸を打たれます。きっと皆さんも、この作品を見て、希望や勇気をもらえるはずだと思います」。
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©Bill Gallagher
 
JVTAとUNHCRとの繋がりは2008年から続いている。2006年開始の「難民映画祭」(現在は「UNHCR WILL2LIVE Cinema 2021」に改称)の第3回から、上映作品の日本語字幕をJVTAの修了生が手がけてきた。ボランティアでの参加にも関わらず、毎年多くの翻訳者が協力しているが、彼らもはじめから難民問題に詳しかったわけではない。
 
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©Bill Gallagher
 

「以前から“難民映画祭”の存在は知っていたのですが、実際に上映作品を見たことはありませんでした。しかし、JVTAで学ぶ授業の中で、過去の上映作品を見る機会があり、つらい経験をしながらも強く生きる人々の姿に心を揺さぶられました。自分と同じように、それまで知らなかった人々の物語を、多くの皆さんに見て、知ってもらうお手伝いがしたいと思い、今回の翻訳に参加しました」(JVTA翻訳チームリーダー・御囲ちあきさん)
 

「私はUNHCRが映画祭を開催していることを知らなかったので、難民というよりも、学生のみなさんとコラボできるという機会に惹かれ、参加を希望しました。しかし調べものを進めるうちに、画面越しですが難民の苦しい現状を目の当たりにし、より深く難民問題について知りたいと思うようになりました。誰かにとってもこの映画が、難民について考える1つのきっかけになれば嬉しいです」(JVTA翻訳チーム・野口麻里奈さん)
 
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©Bill Gallagher
 
翻訳を通じて難民問題を知り、伝えなければならないという使命感を持つ。そして、複数回にわたり、ライフワークとして取り組んでいる人が多いのも、この映画祭ならではの特徴だ。翻訳者として数多くの作品を手がけてきた修了生の中でも、最も印象に残る作品として難民映画祭の上映作品を挙げる人が多い。壮絶な内容も多く、泣きながら翻訳したという声もある。
 

「正直なところ“翻訳のスキルを磨きたい”というのが参加した理由でした。しかし、多くの難民が想像を絶するような境遇に置かれている現実を初めて知り、困難に直面しながらも自分のためだけでなく、若い世代のためにと夢を諦めず走り続ける主人公の思いを届けたいと、いつしか夢中で作業に取り組んでいました。社会のためにできることを今後も続けていきたいと考える機会となりました」(JVTA翻訳チーム・山口絵美さん)
 
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©Bill Gallagher
 
「難民の映画の翻訳は2度目となります。前回担当させていただいた『イージー・レッスン - 児童婚を逃れて』は、映画祭後も大学などで上映され、SNS上でさまざまな反響を目にしました。自分自身の力は微力でも、翻訳を通してできることがあると感じ、今回『戦火のランナー』に参加させていただきました。祖国のためにひた走るグオルの思いが、劇場で多くの方の心に届くことを願っています」(JVTA翻訳チーム・志村紀恵さん)
 
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©Bill Gallagher
 
『戦火のランナー』は、グオル選手や関係者へのインタビューを中心に話が展開する。過去のエピソードを語る場面では、話し手のその時の心情を考慮して、ぴったりの表現になるよう、翻訳チーム内で話し合ったという。
 

「幼いグオルが、母国で敵対する武装勢力にさらわれ、友人と逃げ出そうとする場面のセリフがあります。原文は“We are not going to see our parents again”。そのまま訳すと『二度と親には会わない』となりますが、ここでは“会いたくても会えない”というグオルの心情を考え、『二度と親にも会えない』という字幕にしました」(御囲さん)
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©Bill Gallagher
 
御囲さんは、2020年の明星大学で行われた特別先行上映会にも参加。学生たちの想いや高橋尚子さんのトークに触れるという貴重な経験もした。そして満を持して全国の劇場公開へ。

「難民の映画というと、堅苦しい雰囲気の作品をイメージされる方もいるかもしれませんが、本作では、グオルの幼少期の経験がアニメーションを使って描かれるなど、壮絶なエピソードでありながらも、見やすく作られていると感じました。難民問題や南スーダンに興味がある方だけでなく、オリンピックを目指すアスリートとしての立場や、困難な目標に挑戦する立場など、さまざまな視点から共感できる作品だと思いますので、多くの皆さんに見ていただきたいです」(御囲さん)
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©Bill Gallagher
 
映像作品のメッセージを字幕や吹き替えにして伝える。まさに翻訳者だからこそできる社会貢献のカタチがJVTAには根付いている。世界の映画祭に出品され、多くの人を魅了してきた感動作がいよいよ今週末日本で公開。皆さんもまず、この作品を観ることから一歩を踏み出してほしい。
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戦火のランナー
6月5日(土)シアター・イメージフォーラム他全国順次ロードショー

©Bill Gallagher
監督・プロデューサー:ビル・ギャラガー
脚本・編集:ビル・ギャラガー、エリック・ダニエル・メッツガー
配給:ユナイテッドピープル 宣伝:スリーピン
2020年/アメリカ/英語/88分/カラー/16:9
公式サイト https://unitedpeople.jp/runner/ 
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