【JVTA発!世界で活躍する人たち―受講生編―】カナダ在住 クリーバー海老原章子さん(JVTA英日映像翻訳 受講生)

JVTAでは現在、リモートで授業を行っており、国内外のさまざまな国や地域で受講生が学んでいる。授業は日本時間で行われているが、時差がある中で、海外にいながらどのように学習に取り組んでいるのか、現在カナダから受講している方に話を聞いた。
◆カナダ・バンクーバー島在住 クリーバー海老原章子さん(JVTA英日映像翻訳科 受講生)
◆カナダのクリニックに勤務しながら映像翻訳のコースを受講
現在、英日映像翻訳を学ぶクリーバー海老原章子さんは、カナダのバンクーバー島に在住。フルタイムで内科クリニックに勤務し、ドクターのアシスタントをしている。2014年に、日本に在住していた際に翻訳学校で実務翻訳を学んでいた。
そこで得た知識とスキルを生かし、ウェブサイトや医療系、英日のHPの翻訳など実務翻訳の仕事で経験を重ねる中、新たに「映像翻訳」という分野を知り、JVTAに入学。全面リモートでカナダからも受講できること、受講中や修了後のバックアップがしっかりしていることが受講の決め手だった。
◆映像翻訳の難しさは情報の取捨選択
実務翻訳で経験を重ねてきたクリーバーさんだが、映像翻訳を学び始めて、その手法の違いには戸惑う。実務翻訳に比べて、字数制限やハコ切りなど細かなルールが多いのに驚いたという。
「実務翻訳は、原文をもれなく訳しますが、字幕は限られた制限文字数の中にどの情報を入れるのか、その『取捨選択』が難しいなと感じています。課題に取り組む際にどちらの情報を残すか迷った末、授業で先生が選ばれたものと私の選択は違った!ということがよくあります。」
◆調べものも大きなポイント
映像翻訳者が作った字幕や吹き替えがついた作品は、映画館の劇場公開や、映画祭、動画配信サービスなど公共の場で多くの視聴者が目にする。事実と違う情報や固有名詞の表記の間違いなどはあってはならない。そのため常に正しい情報かどうか調べるリサーチがつきもので翻訳作業の大きな時間を占める。フルタイムで勤務するクリーバーさんは、日本の土曜クラスの受講に備えて、土曜日曜で課題に取り組み、月曜火曜に見直すというペースで提出してきた。
「調べものに思いのほか時間がかかるのでこれを効率よくするのが鍵ですね。英英辞書を使うこともあります。また必要な情報をどのソースから拾うかを授業で聴くのも勉強になります。」
インターネットで調べることはできるが、日本の図書館を利用できないことに唯一不便さを感じるというクリーバーさん。現在暮らしているのは、バンクーバー島のナナイモという小さな町で、現地の図書館には日本語の書籍はほとんどなく、取り寄せも難しい。また、日本の書籍が買える書店もなく、辞書を買うにもオンラインで購入すると1600円ほどのものが送料込みで1万円になってしまうこともある。日本人が少ない地域に暮らす人にとってこれは悩ましい問題と言える。
◆今後の課題は日本語表現力
海外にいると日常生活で常に英語に触れているので、翻訳者にとってはメリットも多い。一方でクリーバーさんは日本語表現力の大切さも実感している。英日映像翻訳の場合、視聴者が触れるのは日本語の字幕や吹き替えだ。まず英文を正しく解釈し、作品の魅力をそのまま視聴者に伝えるためにはより効果的な日本語表現力を駆使した文章力が必須となる。クリーバーさんも今後はさらに日本語表現力を磨かなければと考えている。海外にいると、日本人と話す機会や日本語に触れる機会が限られるので、日本語で書かれた本を読んだり、様々な媒体に触れたりすることも意識していきたいという。
「JVTAの授業で日本語で講師の話を聴き、クラスメートと交流できるのは貴重な機会となっています。プライベートでも日本に住む友人とのコミュニケーションも積極的にしていきたいと思っています。」
海外にいると言葉だけでなく、今日本で何が流行っているのか、どんな人が有名かなどという感覚に疎くなりがちだ。実際、クリーバーさんの周辺には若い日本人が少ない。今回リモートで日本のクラスメートと交流した中で驚いたのは、アメリカの著名な水泳選手のマイケル・フェルプスが若い世代に知られていなかったこと。時代や世代によって“常識”と感じていた感覚も変わるので、情報更新も大切なポイントと気づいたそうだ。
◆映像翻訳は世界のどこにいてもできるのが魅力
映像翻訳の学習や仕事は基本、オンラインですべて完結できる。多くの映像翻訳者は自身の仕事や家族の帯同で海外に移住しながら、現地で仕事を続けている。クリーバーさんもこれまで、マレーシア ドバイ、トロント、バンクーバー島などに滞在してきた。現在はクリニックに勤務しているが、今後違う場所に移住しても、在宅でできる仕事をしたいと考えている。どこにいてもできるのが映像翻訳者という仕事の魅力だと語るクリーバーさん。今後もカナダで学習を続け、プロデビューを目指す。

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