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2024年5月 オープントライアル(英日・日英)合格発表

【2024年5月英日オープントライアル合格者発表

合格 9名、次点 23名です。

■合格

6
19
68
89
94
409
431
447
459

■次点
26
36
46
47
72
75
78
91
93
99
413
415
422
424
429
434
438
444
458
463
464
469
475

【2024年5月日英オープントライアル合格者発表】

合格 6名、次点 3名です。

■合格

602
603
605
606
610
613

■次点

607
617
620 

以上

※※従来の「Q&Aセッション」を廃止し、 あらたに受験者全員に「ポイント解説」資料を配布しております。 送付日は「結果発表」の翌週内を予定しています。 詳細は、下記をご覧ください。※※ https://www.jvta.net/mtc/trial-new-rule20200219/

◆【2024年度 前期】トライアルスケジュール
https://www.jvta.net/mtc/202404-trial-schedule/

●MTC…メディア・トランスレーション・センター

トライアル事務局

Tel:03-3517-5550

誰が許されざる者なのか ジーン・ハックマン in 『許されざる者』

【最近の私】9月公開予定の『エイリアン:ロムルス』の予告編を観ました。監督があの『ドント・ブリーズ』のフェデ・アルバレスなので、きっと怖い話になっているはずです。

『許されざる者』(1992年)は、クリント・イーストウッドが製作・監督・主演を務めた作品で、この年のアカデミー賞では、作品賞、監督賞、助演男優賞(ジーン・ハックマン)、編集賞を獲得している。本作は数々の西部劇に出演してきたイーストウッドが「最後の西部劇」としてメガフォンを取った。今回はこの作品でジーン・ハックマンが演じた保安官を紹介したい。

物語の舞台はワイオミング州にある小さな町ビッグウイスキー。この町で、カウボーイと娼婦の間で事件が起きる。カウボーイ2人が娼婦の態度に腹を立て、ナイフで彼女の顔を切ってしまう。カウボーイたちは保安官リトル・ビル(ジーン・ハックマン)に突き出されるが、ビルは2人に馬7頭を娼婦の雇い主に渡すことで、事件を終わらせてしまう。この結果に納得できない娼婦たちは、1000ドルの賞金をカウボーイの首にかける。

一方、カンザスの田舎で、マニー(クリント・イーストウッド)が娘と息子と暮らしていた。マニーはかつて列車強盗や殺人で悪名が高かったが、妻に先立たれ、今は農業を営んでいる。貧しい生活を送っていたマニーは、ビッグウイスキーで起こった事件の話を知る。マニーは賞金目当てで、旧友ローガン(モーガン・フリーマン)を誘い、一緒にカウボーイのいる町を目指す。

『許されざる者』でマニーと対立するのは、保安官ビルだ。ビルは自分の町を守るために、無法者や見知らぬ者には容赦しない。賞金稼ぎが町に来ても、銃を取り上げ、抵抗すれば立てなくなるまで叩きのめす。正義の名のもとで、暴力を楽しんでいる面も見られる。だが、ビルは暴力だけの男ではない。普段は気のいい性格で、人にも好かれる。休日には自分の家を建てているという、穏やかな面も持っている。映画では詳しく語られないが、西部の時代には、暴力で平和を収める必要があったのではないか。ビルを見るとそう感じる。マニーとビル、この2人の持つ二面性が、本作のテーマ「善人が必ずしも善人ではなく、悪い人間がそれほど悪くはない」であり、観る者に向けられたメッセージだと思われる。

ビルを演じたジーン・ハックマンは1930年生まれで、30歳すぎから俳優を志すようになる。『俺たちに明日はない』(1967年)でアカデミー賞助演男優賞にノミネートされ、37歳で注目を浴びる。1971年に『フレンチ・コネクション』で麻薬組織を壊滅しようとする刑事を演じ、アカデミー賞主演男優賞を獲得する。以降は主演、脇役を問わず幅広い作品に出演している。

物語が進むにつて、マニーは銃を手に取り、犯罪者として恐れられていた過去の自分に戻っていく。過去を消し去ろうとしても、本当に消すことができるのか。そして、ビルは、平和を守るために、暴力をふるうという自身をさらけ出していく。この映画は観客に問う。忘れたい過去がない人間はいないのか。そして、他人から理解できない欠点を持ちながら、それでも自分のルールに沿って生きていく人間はどこにでもいるのでないか。「孤独な正義のヒーローVS悪徳保安官」という単純な構図を避けた点が、この映画の大きなポイントだと思う。観るたびに、誰が許されざる者なのかと問われる作品である。

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Written by 鈴木 純一(すずき・じゅんいち)
映画を心の糧にして生きている男。『バタリアン』や『ターミネーター』などホラーやアクションが好きだが、『ローマの休日』も好き。
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戦え!シネマッハ!!!!
ある時は予告編を一刀両断。またある時は悪役を熱く語る。大胆な切り口に注目せよ!

バックナンバーはこちら

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【SSFF&ASIAユニバーサル上映会】木村文乃さん、片岡鶴太郎さん出演作品の字幕ガイドと音声ガイドをJVTAが制作

6月4日(火)、世界最大級の短編映画祭「ショートショート フィルムフェスティバル & アジア 2024(SSFF & ASIA 2024)」が開幕した。JVTAは毎年、この映画祭をサポートしており、今年も上映される約200作品の字幕を担当している。

2022年からは新たに、視覚障害者向け音声ガイドと聴覚障害者向け字幕ガイドを付ける試みが始まり、JVTAはこのガイド制作も手がけてきた。今年は「ショートフィルム ユニバーサル上映会 ~Cinema is Inclusive~」が6月13日(木)に開催、2作品の上映とゲストを迎えたトークイベントが行われる。JVTAの修了生も動画でコメントする予定だ。

伝統工芸「江戸切子」に

フォーカスした『紋の光』

『紋の光』より

今年JVTAが、字幕ガイド、音声ガイドを制作した作品は、『紋の光』(安井祥ニ監督)。過去のジャパン部⾨で受賞歴とアジアインターナショナル&ジャパン部⾨にノミネート経歴のある安井祥⼆監督が、東京都の伝統⼯芸品である江戸切子にフォーカスした短編作品で、⽊村⽂乃さんや⽚岡鶴太郎さんらが出演している。この作品は、SSFF & ASIAと東京都が2022年から進める「サステナブル・リカバリープロジェクト」の第2弾として制作された。「サステナブル・リカバリープロジェクト」とは、持続可能な都市の実現を目指す東京の街やそこで暮らす都民、街を訪れた観光客の様子等を映すショートフィルムを製作し、東京の多彩な魅力の一つとして国内外に発信する企画だ。

「ユニバーサルに伝える」の

最前線を体感しよう

当日は、音声ガイドと字幕ガイド付きで見ることができる。また、聴覚障害当事者で字幕ガイド制作に携わった高畑寿延さんと、『紋の光』の安井祥二監督がトークショーに登壇、視覚障害当事者で音声ガイド制作チームのメンバーである水野友美さん(JVTA修了生)の動画メッセージも予定されている。

『紋の光』より

他に2022年の「サステナブル・リカバリープロジェクト」の第1弾『サムライソードフィッシュ』も同時上映される。

『サムライソードフィッシュ』

SSFF & ASIAのユニバーサル上映の取り組みは今年で3年目を迎えた。障害者への合理的配慮の提供を民間の事業者にも義務付ける、「障害者差別解消法の改正法」の今年施行に伴い、今後情報のアクセシビリティのニーズがますます高まるのは必至だ。言葉のプロのスキルが求められる新たなフィールドを知るきっかけとして、ぜひ上映会に参加してみてはいかがだろう?

◆ショートフィルム ユニバーサル上映会~Cinema is Inclusive~

2024年6月13日(木)13:10 – 14:50

二子玉川ライズ スタジオ&ホール

※事前にチケット予約が必要

詳細・お申し込みはこちら

◆JVTAのメディア・アクセシビリティ科

コースの詳細はこちら

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【途上国の移動映画館は子どもたちの夢の種まき】WTP創設者 教来石小織さんインタビュー

2012年に設立されたNPO法人World Theater Project(WTP)は、途上国に暮らす子ども達に移動映画館で映画を届ける活動を続けてきた。彼らの取り組みを追った『映画のヒカリ』(内田英恵監督)が6月末からSDGsに関連する日本発のドキュメンタリー作品の上映を行うWATCH 2024: For a Sustainable Future (以下、WATCH 2024)」で英語字幕付きでオンライン上映される。

『映画のヒカリ』©内田英恵/Yahoo!ニュース ドキュメンタリー

「WATCH 2024」はJVTAの指導のもとで、東京外国語大学とJVTAが共催し、国内外の約50名の大学生が作品に英語字幕をつけ、関連トークセッションを企画し、広報活動にも携わる産学連携プロジェクトだ。WTP理事の教来石小織さんは、今回英語字幕がつくことで、より多くの人に移動映画館の活動を知ってもらえると期待を寄せる。WTPはこれまで、パートナー団体や個人の支援と共に団体としてカンボジアを中心にバングラデシュやネパールなど15か国9万人の子ども達に映画を届けてきた。多言語の吹き替え制作や現地での上映はどのように行われているのか。教来石さんにお話を伺った。

2013年7月イキイキスクール(トロペアントム村)撮影Takuya Mitomo

WTPの上映作品は主に日本のアニメ映画の吹き替え版だ。これまで、アンパンマンを手掛けたやなせたかし氏の絵本が原作となった『ハルのふえ』や、スウェーデンの児童文学が原作の『劇場版 ニルスのふしぎな旅』サッカー選手・長友佑都さんをモデルにした『劇場版 ゆうとくんがいく』、宮崎駿脚本・高畑勲監督の『パンダコパンダ/パンダコパンダ雨ふりサーカス』などを上映してきた。

『ニルスのふしぎな旅』

「まずは大前提として、子ども達が楽しんで観られる面白い映画であること。また、子ども達が集中して観られる時間が長くないので、なるべく60分以内の作品を選んでいます。そして一番は、子ども達の心を良い方向に育んでくれる作品かどうかを意識しています。」教来石さん)

映画館のない地域の子どもたちのために、上映は学校を中心に広場や寺院などで行われる。基本的には現地の言葉で吹き替え版を制作することが多い。教来石さんが活動を開始したころ、字幕か吹き替えか迷っていた時に、カンボジアでは内戦の影響で字が読めない大人が多いことを知った。

2014年3月リエンポン村小学校・撮影:五百蔵直樹

「彼らは字幕に慣れておらず、日本人のように字幕を追うのが難しいこともわかりました。子どもだとなおさらです。親子で一緒に映画鑑賞を楽しんでもらうためには吹き替え版が必須なのではと思い、費用は高くなりますが吹き替え版を作ろうと思いました。

まず、日本語が堪能なカンボジア人の方に『日本語』からカンボジアの言語『クメール語』に翻訳していただきました。しかし、その日本語が意味するものがカンボジアの言葉にはないというケースもあり、私たち日本人スタッフが『日本語』から『カンボジア人も理解できる日本語』に変換するという作業を行いました。その中で、映画に出てくる日本の文化や特徴に改めて気づけたのが面白かったですね。駄洒落なども現地の方がわかりやすい言い方に変えるのですが、それがバッチリとハマって、現地での上映の際にそのシーンで笑いが起きた時はとても嬉しかったです。」(教来石さん)

カンボジア人の声優の皆さんと教来石さん

一般に字幕に比べて、吹き替えの制作は複数の声優によるアフレコと音声の収録があり、手間も費用も掛かる作業だ。まして、多言語への対応はより苦労したに違いない。

「吹き替えはカンボジア現地の声優さんにお願いしました。2013年当時、カンボジアには『声優』の仕事をされている方がほとんどおらず、私の知る限り2名のみ。そのお2人が、10人くらいの役をすべて吹き替えてくださいました。ベテランのお二人なので演技指導など不要で素晴らしい仕上がりとなりました。ポスプロを日本のアクシー株式会社様が行ってくださって、とてもクオリティの高い吹き替え版ができました。」(教来石さん)

カンボジア人の声優の皆さん

カンボジア以外の国では現地在住の団体や個人が現地で吹き替え版を制作し、上映を行う。

バングラデシュでは現地で映像制作を行うChotoBela works の原田夏美さんが担当。やなせたかしさんの遺作『ハルのふえ』に現地の国語であるベンガル語と少数民族語のチャクマ語で、2本の移動映画館用吹き替え版アニメを制作した。(※1)吹き替えは、大学で日本語を学ぶ現地の友人や子どもたちなど約30人が担当したという。

バングラデシュでの「ハルのふえ」の現地語吹き替え版制作風景

その後、この作品はロヒンギャ語の吹き替え版も制作された。その際は難民キャンプを訪ね、現地の学校の教師や子どもたちに吹き替えを担当してもらうなど試行錯誤の末に完成させた(※2)。

ロヒンギャの子どもたちと、難民キャンプでアニメ吹き替え制作

また、タンザニアでは、当時JICA海外協力隊として赴任されていた尾田達哉さんが、ワークショップとして原田章生監督作のストップモーションアニメ『ゾウの王様と天使の筆 』のスワヒリ語吹き替え版を子ども達と制作。(※3)歌とナレーションで構成された内容に子どもたちも最初は戸惑いながらも楽しく取り組み、先生からも褒められて達成感を得たという。吹き替え制作の様子はWTPの公式サイトで紹介されている。

タンザニアでスワヒリ語の吹き替え版を制作

地道な活動を続ける中で、映画を観ることを通して、子どもたちの意識に変化があったことを教来石さんは目の当たりにする。それは、子ども達に将来の夢を聞いた時の反応だという。

「この活動を始めた2012年当時、カンボジアの農村部で子ども達に将来の夢を聞くと、9割の子ども達が『先生』か『医者』と答えていました。あとは『わからない』。もちろんとても素晴らしい夢です。ですが、日本の子ども達に将来の夢を聞くと、もっといろんな答えが出てきます。

この違いは何だろうと思っていましたが、子どもたちと接する中で知らない夢は思い描くことができないのだと気づきました。私は映画から夢の選択肢を広げていたような子どもだったので、映画で子ども達の夢の選択肢が増えればいいなということを願いながら上映していました。

ある日の上映にて。そこは親たちがタイに出稼ぎに行く村の小学校だったのですが、上映に参加してくれた女の子、ピーちゃんのことが今も印象に残っています。ピーちゃんは映画を観る前、他の子と同じように『将来は先生になりたい』と言っていましたが、映画を観終わった後、こんなことを言いました。

『夢が変わりました。私は映画を作る人になりたいです』

それを聞いた時、私はこの活動は夢の種まきなのではないかと思いました。また、現地スタッフ(映画配達人と呼んでいます)が特に多く映画を上映している村で子ども達に将来の夢を聞いた時には『アーティスト』『パイロット』などさまざまな夢が出てきたことに驚き、何かが実り始めたのかもしれないという感覚になりました。」(教来石さん)

映画を楽しむ子どもたちと教来石さん

教来石さんは最近、JVTAの音声ガイドディスクライバー養成講座を受講した。音声ガイドは見えづらい人に映像の内容を言葉で伝えるツールだ。映画を観る機会がない途上国の農村部での映画上映と、映画が見えない、見えづらい人への音声ガイド制作には、すべての人に映画を届けたい想いが通じていると感じたのが受講のきっかけだった。一方でガイドを作る中で、作者の意図を読み間違えることもあり、作品を伝えていくことの難しさも改めて感じたという。今回、自身の活動を収めた『映画のヒカリ』に英語字幕がついて上映されることについて、字幕を制作する学生たちへのメッセージを頂いた。

「尊敬する映画監督、内田英恵さんが制作してくださった『映画のヒカリ』は、私の中でとてもとても大切な作品です。その映画に今回英語字幕をつけていただけるとのお知らせに胸躍りました。

これまで言語の関係で『映画のヒカリ』を観ることができなかった方に届くこと、とても凄いことで有り難いことです。英語字幕がつかなければ観ることがなかった誰かの可能性を広げてくれるかもしれない。そして弊団体の活動の可能性を広げてくれるかもしれない。大変なことも多いかと思いますが、英語字幕制作は様々な可能性に満ちた崇高なお仕事だと思います。でも疲れた時、目の疲れにはめぐリズム、肩凝りにはサロンパスがおススメです。(笑)」(教来石さん)

2015年9月・コンポンクダイ小中学校・撮影:黒澤真帆

WTPの調べによると、世界にある映画館の数は約2万、その75%があるのは映画製作国上位10カ国なのだという。現代の日本では、映画館はもちろん、動画配信でも多くの映画を楽しむことができるが、それは当たり前ではないのだ。「生まれ育った環境に関係なく子ども達が夢を描き人生を切り拓ける世界をつくる」という理念のもと、教来石さんの10年以上に及ぶ活動は確実にそれを実現している。映画のパワーを伝える架け橋という意味で移動映画館の活動は映像翻訳者にも通じる。カンボジアでは最近、同団体のメンバーがシンガポールの配給会社とディズニー作品を上映できる契約を結んだ。すべてクメール語字幕がついている作品だが、字幕を追えないという声もあり、吹き替えのニーズには対応できないなど、まだまだ課題は多い。それでも世界各国でまだ映画を観たことがない多くの子どもたちのために教来石さんの挑戦は続いていく。『映画のヒカリ』では現地の子どもたちのキラキラした瞳と溢れる笑顔を見ることができる。ぜひ、多くに人にご覧いただきたい。

2015年12月バッタンバン州、テスト上映2、撮影:川畑嘉文

★『映画のヒカリ』(内田英恵監督)の英語字幕付き上映の視聴申し込みはこちら

WATCH2024 公式サイト 

★NPO法人World Theater Project 公式サイト

※1 バングラデシュの仲間と、国語と少数民族語の吹き替え版アニメ制作 | 映画を届ける活動|World Theater Project (worldtheater-pj.net)

※2 ロヒンギャの子どもたちと、難民キャンプでアニメ吹き替え制作に挑戦 | 映画を届ける活動|World Theater Project (worldtheater-pj.net)

※3 『ゾウの王様と天使の筆』スワヒリ語吹替版制作についてインタビュー | 映画を届ける活動|World Theater Project (worldtheater-pj.net)

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【世界難民の日・特別上映イベント】難民選手団は東京オリンピックで何と闘い、何を勝ち得たのか?

6月20日は「世界難民の日」(World Refugee Day)。この日は国内外で難民問題を啓蒙する取り組みが行われていることをご存じだろうか。

今年は、国連UNHCR協会による難民映画祭のスピンオフイベントで、ドキュメンタリー映画『難民アスリート、逆境からの挑戦』が上映される。この作品は、内戦、政治的抑圧、宗教的理由などの理由で故郷を追われ、「難民選手団」として東京オリンピック出場を目指した5人(出場4人)の選手の姿を追っている。JVTAは2008年から難民映画祭を字幕制作で毎年サポートしており、この作品の日本語字幕を担当、修了生10名がチームを組み翻訳に取り組んだ。

『難民アスリート、逆境からの挑戦』

◆翻訳チーム

佐藤清子さん 元吉有紀さん 安住菜那さん 小石原奈央さん 中川真実さん 

三木規伊さん 浜崎弥生さん 三崎友衣奈さん 宮野晃代さん 山口愛実さん

IOC難民選手団は、2016年のリオ五輪で初めて結成され、2度目の参加となる東京五輪には29名のアスリートが選出された。今年のパリ五輪にも36名の出場が発表されている。翻訳チームのリーダーを務めたのは、難民映画祭の翻訳は念願だったと話す佐藤清子さん。パリ五輪を前に、この作品はより多くの人に難民について知ってもらうきっかけになると、特別な意義を感じながら翻訳作業にあたったという。一方、副リーダーの元吉有紀さんは、新型コロナウイルスという目に見えない敵とも戦わねばならなかった東京オリンピックに自らもボランティアとして参加。無観客の異様な会場の雰囲気を思い出しながら、追体験するような気持ちで作品に入り込んでしまったと話す。お2人に作品のみどころと翻訳秘話を聞いた。

「難民アスリートがどんな試練を乗り越え、何を背負って五輪の舞台に立つのかを知ることができる作品です。五輪出場という自分の夢をかなえるだけではなく、世界中の難民を励ます存在であろうとするアスリートの姿に心が動かされます。」(佐藤清子さん)

「彼らは生きることさえ困難な状況にありながらも、希望を捨てず、東京オリンピックの出場枠を目指して奮闘します。その原動力は、使命感や、母性、不屈の精神から来ています。彼らの揺るぎない強さや、家族・仲間を思う深い愛を感じて、訳している間に何度も目頭が熱くなりました。」(元吉有紀さん)

ドキュメンタリー作品は特に、綿密なリサーチが求められるジャンルだ。この作品は5人を追う群像劇であり、説得力のある字幕にするには翻訳者自身がイラン、シリア、南スーダン、カメルーンとさまざまな国におけるそれぞれの事情を把握する必要がある。佐藤さんはリーダーとしてチーム内を取りまとめるなかで、各々の裏取りの確かさに感動しきりだったという。相互チェックをすることで複数の目線がそれぞれの訳文のブラッシュアップの助けになった。

「心が折れかかっているカヌーの選手が言葉少なに気持ちを吐露する場面では、カヌーの構造と、こぎ方を理解している経験者の方のコメントに助けられ、本当に助かりました。」(佐藤さん)

「ワアド監督自身も、シリア内戦で母国を追われた難民です。彼女の視点からアスリートたちを取材し、彼らの苦しみや喜びを伝え、励ますシーンは胸を打たれます。彼らの経験を通じて監督自身も前向きな気持ちを取り戻していく姿も、この映画のもう一つの見どころだと思います。」(元吉さん)

この作品のハイライトはやはり、オリンピックの競技のシーンだ。スポーツ関連の映像はルールや専門用語を理解し、関係者が見ても違和感のない表現にしなければならない。

「作品の性質上、多くの場面で競技について深掘りする必要がありました。私自身、ウエイトリフティングはなじみのない競技だったため、ほんの短いフレーズの訳出にも慎重になりましたね。早口で、技の名前も入る実況を担当した方も苦労されたことと思います。選手それぞれの事情や思いを知ったうえで見る競技シーンは見どころの1つです。特に映像を見たい場面でもありますので、読むのが負担にならない字幕になるよう、より配慮を必要としました。」(佐藤さん)

「5人のアスリートそれぞれの背景、難民となるまでの想像を絶するような過去、オリンピック出場までの苦難、そして試合経過が、本人のインタビューを交えながら次々と切り替わります。そのため 、シーンが変わる度に主語や設定を補足したり、分かりやすい言葉に置き換えたりと工夫しました。また各競技のルールや専門用語を調べ、その言葉で視聴者に意味が伝わるかどうかを考えつつ、専門用語を使うことでリアルな競技の雰囲気も大切にしました 。また試合の実況シーンでは、映像、字幕、テロップと目に飛び込んでくる情報が多いため、シンプルで分かりやすい訳を心掛けました。同時にそれがアナウンサーの使う表現として適切で、かつ試合の緊迫感や感動が伝わる訳になっているか、多くの案を出し合いました。」(元吉さん)

チーム内での数々の修正を通して元吉さんは、語尾の微妙なニュアンスで、意志の強さや女性/男性らしさ、会話における人の関係性の違いが現れることを体感し、翻訳の奥深さを改めて学んだという。

国連UNHCR協会の山崎玲子さんは、難民映画祭の意義について、「難民という言葉のひとくくりの中に入れてしまうのではなく、映画を観ることでそれぞれの背景を理解し、一人ひとりの人生を肌身で感じてほしい」と話す。作品とじっくり向き合った翻訳者にも、視聴者に伝えたい想いを聞いてみた。

「7月26日から開催されるパリ五輪は難民選手団にとって3度目のオリンピック。世界中の難民にとっての希望である難民選手団のアスリートたちの雄姿に、心から声援を送りたいと思っています。」(佐藤さん)

「『難民』と聞くと、ネガティブで暗く、かわいそうなイメージがあり、平和な日本にいると遠い存在に感じられがちです。しかし、この映画で特集された5人のアスリートが取材中に見せる自然体の姿や笑顔には、とても親近感を覚えます。シーンが進むにつれ彼らに共感し、 応援し、寄り添うことができます。その過程で、難民という人々が身近に感じられるようになっている、そして難民問題を考えるということが、そこからもう始まっているんだと思います。監督もおっしゃっていますが、『私たちに何ができるか』ということだけでなく、『なぜ難民がいるのか』という背景にある社会問題にも目を向けることが大事だと思います。是非この映画を通じて、どんな困難や逆境も乗り越える勇気を手にしてください。そして来たる夏のパリオリンピックで難民選手団に注目し、力強い声援を送りましょう!」(元吉さん)

◆世界難民の日・特別上映イベント「難民アスリート、逆境からの挑戦」

【オンライン開催】2024年6月20日(木)~6月30日(日)

【劇場開催・東京】2024年6月19日(水)17:00 – 19:10  会場:TOHOシネマズ 六本木ヒルズ

詳細・参加申し込みはこちら

◆第19回難民映画祭は2024年11月開催の予定

現在、JVTAの指導のもと、字幕制作が進行中。

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明けの明星が輝く空に 第173回:特撮作品が描く女性像

初めて昭和の特撮作品を観た人たちからは、こんな感想が漏れるかもしれない。「ミニスカート姿のヒロインが多いな。」 もちろん、昭和40年代にはミニスカートブームというのがあり、町なかにはそんなファッションの女性が闊歩していた。また、昭和45年に開催された大阪万博でも、コンパニオンさんの制服が軒並みミニスカートだったことを考えれば、驚くようなことではないかもしれない。しかし、その衣装で派手な立ち回りやアクションをさせるのは…。今なら間違いなくやり玉に挙げられるだろう。

実を言えば、3月の記事で取り上げたマリ(『キカイダー01』)の衣装も、ミニスカートだった。その姿で空手技を繰り出したり、地面に転がったりするものだから、違った意味でハラハラしてしまう。推測に過ぎないが、制作したのが東映だったことと関係があるかもしれない。例えば、『プレイガール』(1969年~1974年)という、“お色気”が売りのアクション番組を制作したのも東映だ。ブラウン管が映し出すのは、ミニスカートでのアクションのほかヌードシーンなど、お茶の間が気まずくなってしまうような場面が多かった。

ただし、さすがに『キカイダー01』は子供向けの番組なので、番組制作者もそこはわきまえていた。アクションの見せ方にいやらしさはなく、節度は保っていたと言えるだろう。(中には、見せることが前提となっているとしか思えない特撮番組があったのも、また事実なのだが。)

円谷プロのウルトラシリーズの場合、そういった路線とは距離を置いていた。怪獣と戦う特殊チームの女性隊員はパンツスタイルで、肌の露出もほとんどなかった。制服がタイトなデザインのため、多少体の線が出るということはあるが、それは男性隊員も同じであった。

しかし、チーム内における彼女たちの立ち位置は、ステレオタイプに基づいたものだ。戦いの最前線に立つこともあるのだが、基地に残って通信などを任されることも少なくなかった。また、現場で負傷者が出れば、その保護を担当し、逃げ遅れた人たちを誘導するため、後方に引くこともあった。

隊員の男女比にも偏りが見られる。当初は、男性4~5人に対して女性は1人。その後、女性は増えたものの、男性優位は変わらない。もちろん、力関係でもそれは変わらず、隊長は決まって男性。『ウルトラマンティガ』(1996年~1997年)で初の女性隊長が登場したが、その後は副隊長止まり。『ウルトラマンタイガ』(2019年)のように、主人公が所属する民間警備会社の社長が女性という例もあるが、これはいわば“背広組”であって“制服組”ではないから、前線で指揮を執る戦闘部隊の隊長とは同列に論じることはできない。

スーパー戦隊シリーズの場合、女性だからといって後方支援のような形はとらない。男女そろって最前線で戦うのが基本だ。しかし、だからこそ、人数の偏りがより明確になる。シリーズ第1弾の『秘密戦隊ゴレンジャー』(1975年~1977年)における男女の比率は4:1。シリーズ5作目の『太陽戦隊サンバルカン』などは、メンバー3人すべて男性だった。その後、5人中2人が女性というパターンが増えたが、いまだに男女比は逆転していない。

スーパー戦隊シリーズに関して、もう1つ指摘したいのは、女性レッドの不在だ。ご存じのようにスーパー戦隊の各キャラクターは、ブルーやイエロー、ピンク、ブラックなど個別の色を持っており、センターを任されるのは常にレッド。必ずしもチームリーダーというわけではないのだが、物語の中心となるキャラクターだ。例外的に、『侍戦隊シンケンジャー』(2009年~2010年)に女性のレッドが登場したが、それは番組終盤の6話だけで、ほかに全49話を通して登場する男性主人公のレッドがいた。

仮面ライダーシリーズに目を転じれば、最近は女性ライダーも登場するのが番組の基本フォーマットとなっている。ただし、主人公は男性のまま。女性ライダーが主人公の作品は、いまだ実現していない。それでも、実力は男性ライダーと拮抗しており、戦闘において、“一歩下がって”といった立ち位置ではないところは、今後に期待を抱かせる点だろう。一方、数自体が少ない女性ウルトラマンのそれは、母親や幼馴染、元恋人、そして妹など。男性主人公の周縁的な位置にとどまり、女性ライダーに比べて壁は高いようだ。

女性が主人公では、男の子の視聴者を引き付けられない。そんな見方が番組制作サイドにあるのだろうか。しかし、僕自身の子供時代を振り返れば、『魔法使いサリー』や『リボンの騎士』など“女の子アニメ”を楽しく観ていた。『キャンディキャンディ』のエンディングソングは、今でもお気に入りの一曲だ。作品が面白ければ、主人公の性別は関係ない。まして、アクションも生き様もカッコいい女性のスーパーヒーローなら、男の子たちの目にも魅力的に映るだろう。近い将来、怪獣や怪人たちより手ごわそうな、特撮界に残るこの高い壁が崩れ去ることを期待しよう。

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Written by 田近裕志(たぢか・ひろし)
JVTA修了生。子供の頃から「ウルトラセブン」などの特撮もの・ヒーローものをこよなく愛す。スポーツ番組の翻訳ディレクターを務める今も、初期衝動を忘れず、制作者目線で考察を深めている。

【最近の私】数十年ぶりに縄跳びをやってみたら、こんなにできなくなるものか!というぐらいできませんでした。タイミングが合わない合わない。二重跳びなんて1回跳んだら足に引っかかって…。ブランクをなめてはいけない。

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明けの明星が輝く空に
改めて知る特撮もの・ヒーローものの奥深さ。子供番組に隠された、作り手の思いを探る 

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花と果実のある暮らし in Chiang Mai プチ・カルチャー集 Vol.79 雨期の風物詩、メンマオ

★「花と果実のある暮らし in Chiang Mai」
インパクト大の写真をメインにタイのリアルなプチ・カルチャーをご紹介しています。

40度超えの猛暑が続いていたチェンマイもようやく雨が降り、季節が変わりました。気温が落ち着いたと思っていたら、ここ数日、雨期の始めに発生する羽蟻、メンマオ(メン=昆虫、マオ=酔っ払い)がやって来ました。夕方7時ごろになると、灯りを求めて大量に発生してくるメンマオ。先日、帰り道に寄った夜の屋台では、たくさんのメンマオが屋台の灯りに集まって、お客さんがオーダーしたスープ麺のクイッティアオに落ちたりしているではないですか…。日本人からしたら驚きの一場面ですが、自然と暮らすチェンマイ人には仕方のないこととお客さんも平然としています。

灯りを求めてやってくるメンマオ

更にうちに帰ると…、電気を消し忘れて出かけてしまい、大量のメンマオが家の中で舞っていました。メンマオは薄い羽を体から切り離します。その薄羽のお掃除は大変です。薄いので床にへばりついてなかなか取れないし、箒で履くと羽は舞い上がってしまいます。タイ人の中にはその羽を切り離した蟻を食べる人もいます。貴重なタンパク源だったのでしょう。

このように、「大量の虫」のビジュアルに毎年ドキッとし、手間のかかるメンマオですが、タイ人にとっては季節の風物詩であり、私にとっては、年に数回電気を消して、静かにメンマオが落ち着くのを待つ時間もちょっといいものになってきました。

次の日には薄い羽の残骸が…

 

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Written  by 馬場容子(ばば・ようこ)
東京生まれ。米国大学でコミュニケーション学専攻。タイ、チェンマイに移住し、現在は郊外にある鉄工房でものづくりをするタイ人パートナーと犬と暮らす。日本映像翻訳アカデミー代々木八幡・渋谷校時代の修了生。
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花と果実のある暮らし in Chiang Mai
チェンマイ・スローライフで見つけた小さな日常美

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【JVTAスタッフおすすめ】日本橋界隈の散策スポット Part2

JVTA東京校は東京の中心に位置する日本橋にある。日本橋は、江戸幕府の城下町として栄え、五街道の起点となっている。日本橋三越本店や日本橋高島屋 S.C.、千疋屋総本店、にんべんの日本橋本店、日本橋たいめいけん、山本海苔店など多くの老舗が軒を連ねる歴史ある街だ。一方で、昨今はコレド室町やコレド室町テラスなど大型ショッピング施設がオープンし、伝統と新たな文化が融合する地域でもあり、映画やドラマのロケ地も点在している。今回はJVTAスタッフがおすすめする日本橋の散策スポットを紹介する。

◆誠品生活日本橋 

台湾で人気を博しているカルチャー体験型店舗が日本に初出店。JVTAと同じ江戸通り沿いのCOREDO室町テラスの2階にある。書店を中心に雑貨や文房具、食など多彩な台湾を味わえる。100年以上の歴史がある台湾茶専門店「王德傳(ワンダーチュアン)」、シャンパンやワインと楽しむ台湾料理のレストラン「富錦樹台菜香檳(フージンツリー)」、パイナップルケーキや落雁など伝統的な台湾菓子店「郭元益」なども併設。回廊のように広がる書店スペースは、日本橋という場所柄、和のイメージを取り入れた内装になっている。大きな平棚には台湾に関するものはもちろん、他にも特徴あるテーマでセレクトされた膨大な書籍が並べられている。店内をぶらっと歩きながらお気に入りの1冊を探したい。地元でお馴染みの名店がワンフロアに軒を連ね、台湾の魅力がぎゅっと凝縮されたおすすめスポットだ。

誠品生活日本橋 公式サイト

◆三井本館 

三井本館は、三越日本橋本店に隣接する日本近代建築を代表する重要文化財。1929年の開館以来、90年以上の歴史を持つ。三井不動産の本社、三井住友銀行日本橋支店、三井住友信託銀行日本橋営業部のほか、7階には三井記念美術館がある。現在の建物は関東大震災の被災後に建て替えられたもので、工事はアメリカ・ニューヨークの各社に発注された。また、ドラマ『半沢直樹』『下町ロケット』『花のち晴れ~花男 Next Season~』『人は見た目が100パーセント』、映画『HERO』、など多くの映像作品のロケ地として使用されている。

日本橋三井タワー公式サイト

※東京ロケーションボックス 半沢直樹が勤める東京中央銀行本店

ロケステーション ドラマの撮影で使われるオフィスビル、ロケ地「三井本館」

◆COMMISSARY 日本橋

昭和通りから少し入ったビジネス街にあるおしゃれなフードコート。白を基調とした縦長のワンフロアにクラフトビール、タコス、ピザ、ドーナツ、コーヒーと5つのお店が並んでいる。アメリカの学食のようなカジュアルな雰囲気で、1人でも入りやすい。なかでもJVTAスタッフのおすすめは、KITADE TACOS。北海道産トウモロコシ100%の自家製トルティーヤにチキンやポーク、ビーフを包んだタコスが人気だ。また、GRANDPAでは本場のアメリカンテイストのドーナツが味わえる。

KITADE TACOS公式サイト

【グルメ】まるで外国映画の世界観!大人気スイーツショップ「GRANDPA」(JR東日本 FUN!TOKYO!)

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受講生、修了生の皆さん、日本橋界隈でクラスメートと集まった時はぜひ、JVTAにもお立ち寄りください! お待ちしています。

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この物件、なんか変 『ナイトスイム』の予告編

【最近の私】映画プロデューサー、ロジャー・コーマンが亡くなりました。数多くの映画を作り、またコッポラやスコセッシなどの監督たちに映画を撮るチャンスを与えた功績は大きいと思います。

ホラー映画で、恐ろしい何かがとりつくといえば、悪霊が家にとりつく『死霊館』(2013年)、悪魔が人間にとりつく『エクソシスト 信じる者』(2023年)などがある。今回はその中から、プールに何かがいる“訳アリ物件映画”『ナイトスイム』(2024年)の予告編を紹介したい。

予告編は、復帰を目指している元メジャーリーガーのレイ、妻のイヴ、娘イジーと息子エリオットの4人家族が、新しい家を見に行く場面から始まる。「お値打ちの物件で、早めの決断を」と勧められた物件には、庭にプールがついていた。この家を気に入った一家は、引っ越すことに。さっそくプールに飛び込む子どもたち。だがエリオットは、このプールに中に潜む何かの存在に気づく。その何かは、プールだけではなく、家の中の水にも姿を表すようになる。エリオットは確信する。「この家は変だ」。ある夜、イジーは恋人とプールでかくれんぼをする。「もういいかい」と呼びかけるイジーに、「もういいよ」と答える声が。だがその声の主は…予告編は最後に何かが水の中から飛び出してくるところで終わる。

本作の注目ポイントは、『透明人間』(2020年)、『ゲット・アウト』(2017年)など話題作、ヒット作を送り出し、今やホラー映画の信頼できるブランド(と私が呼んでる)ブラムハウス・プロダクションズと、『ソウ』(2004年)や『マリグナント 狂暴な悪夢』(2021年)などの作品を撮っているマスター・オブ・ホラー、ジェームズ・ワン監督がタッグを組んでいる点である。ワン監督とブラムハウスは、全米ヒットを記録した『M3GAN ミーガン』2022年)に次いでのコラボレーションになる。

本作の監督はブライス・マクガイア。『ナイトスイム』は、マクガイア監督が2014年に制作した4分の短編映画を元に超変化している。ワン監督は『ソウ』を作る前、この作品の原型となる短編映像を撮影し、その短編をハリウッドに売り込んで『ソウ』を長編作品として完成。大ヒット作となったというエピソードは有名だ。『ナイトスイム』の元ネタになった短編はネットで観ることができるので、興味のある方はそちらもチェックしてみてください。怖いですよ。

ホラー映画の場合、インパクトのある恐怖描写を盛り込んだ短編をネットで発表⇒長編化という流れができつつあるようだ。ホラー『ライト/オフ』(2016年)はスウェーデン出身のデヴィッド・F・サンドバーグ監督が2013年に発表した短編を観たワン監督が自らプロデューサーを名乗り出て、サンドバーグ監督が長編としてメガホンを取っている。以降、サンドバーグ監督は『アナベル 死霊人形の誕生』(2017年)、DCコミックの映画化『シャザム!』2019年)などを撮っており、ハリウッドで注目の監督となっている。ワン監督の才能を見つける目の確かさもあるだろうが、ホラー短編は、新しい才能の登竜門として注目されているのかもしれない。

『ライト/オフ』は「部屋の電気を消したら恐ろしいものが出てくる」という、誰もが感じる恐怖を題材にしている。今回の『ナイトスイム』も、足の届かないプールの底に何かがいる」とこれまた身近なプールをモチーフに、得体のしれない「何か」による恐怖物語になっていると予測できる。

 『ナイトスイム』のマクガイア監督は、新たなジェームズ・ワンになることができるか。注目したいと思います。とりあえず、恐怖のプールを映画館で体験してきます!

注目した予告編

『ナイトスイム』

監督:ブライス・マクガイア

出演:ワイアット・ラッセル、ケリー・コンドン、アメリ・ホーファレ、ギャヴィン・ウォーレン

公式サイト:https://www.universalpictures.jp/micro/night-swim

 

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Written by 鈴木 純一(すずき・じゅんいち)
映画を心の糧にして生きている男。『バタリアン』や『ターミネーター』などホラーやアクションが好きだが、『ローマの休日』も好き。
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戦え!シネマッハ!!!!
ある時は予告編を一刀両断。またある時は悪役を熱く語る。大胆な切り口に注目せよ!

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これがイチ押し、アメリカン・ドラマ 第115回 “POKER FACE”

今、アメリカ発のテレビドラマが最高に熱い。民放系、ケーブル系各社に[…]

 

“Viewer Discretion Advised!”
これがイチ押し、アメリカン・ドラマ
Written by Shuichiro Dobashi 

第115回“POKER FACE”

 

“Viewer Discretion Advised”は海外の映画・テレビ番組等の冒頭で見かける注意書き。「バイオレンスやセックス等のコンテンツが含まれているため、視聴の可否はご自身で判断して下さい」という意味。

 

今、アメリカ発のテレビドラマが最高に熱い。民放系・ケーブル系に加えてストリーミング系が参戦、生き馬の目を抜く視聴率レースを日々繰り広げている。その結果、ジャンルが多岐に渡り、キャラクターが深く掘り下げられ、ストーリーが縦横無尽に展開する、とてつもなく面白いドラマが次々と誕生しているのだ。このコラムでは、そんな「勝ち組ドラマ」から厳選した、止められない作品群を紹介する。
 

予告編:『ポーカー・フェイス』 本予告

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コロンボ形式の底抜けに楽しいミステリードラマ!

本作は、大手民放NBC傘下のPeacockによる、倒叙形式の一話完結型推理劇。倒叙形式とは、『刑事コロンボ』のように冒頭に犯行が描かれ、その後で探偵役が謎を解くスタイルだ。
筆者が待ち望んでいた一作が、ようやくU-NEXTで視聴可能となった。

 

“Poker Face”は斬新でユニーク、逃亡中の素人探偵が10件の殺人事件に挑む、底抜けに楽しいコメディタッチのミステリードラマなのだ!

 

“Bullshit!” (ウソだね)

—ギャンブルのメッカ、ネバダ州
チャーリー・ケイル(ナターシャ・リオン)には、相手のウソを一瞬で見破る特殊な才能がある(誰かがウソをつくと“Bullshit” とつぶやく)。チャーリーはかつてこの特技を駆使して、ポーカーで中西部のカジノを荒らしていた。だが、フロスト・カジノのオーナーに見破られた。
彼女の名がブラックリストに載ると、誰にも相手にされなくなった。オーナーは、お目こぼしでカクテル・ウェイトレスの仕事をくれた。
チャーリーは、ペイントの剥げたトレーラーハウスに住んでいる。愛車は骨董品の‘69年式プリムス・バラクーダだ。

 

ある日チャーリーは、オーナーの息子スターリング・フロスト・ジュニア(エイドリアン・ブロディ)に取引を持ち掛けられる。2人で組んで、石油王のハイローラー(超高額を賭ける上客)から、ポーカーで大金を巻き上げようというのだ。報酬はキャッシュで150万ドル。
人生を変えるために、チャーリーは引き受けた。

 

フロスト・カジノで働くナタリーが、DVの夫と共に自宅で射殺された。ナタリーはチャーリーの親友だった。警察は役立たずで、チャーリーは独自に犯人を探し始める。

 

犯人はフロスト・ジュニアだった。チャーリーが特異な才能と鋭い観察力で、事件の全容を解明したのだ。
真相がメディアに暴露されると、ジュニアは飛び降り自殺をした。

 

フロスト・カジノのオーナーであるスターリング・フロスト・シニア(ロン・パールマン)は、息子の復讐を誓った。保安主任の殺し屋クリフ(ベンジャミン・ブラット)が、チャーリーを追う。

 

一獲千金の計画も夢に終わり、チャーリーの孤独な逃亡生活が始まった。
だが不思議なことに、彼女は行く先々で殺人事件に巻き込まれる羽目になる!

 

ナターシャ・リオン、一人舞台で輝く!

チャーリーを演じるナターシャ・リオンは、女性刑務所が舞台のドラマディ“Orange Is the New Black”(本ブログ第4回参照本ブログ第4回参照)の準主役ニッキー役でブレーク。さらに無限のタイムループを描いたSci-Fiコメディ“Russian Doll”では主演、クリエーター、製作総指揮、共同監督、共同脚本を務めた。
リオンは本作でも製作総指揮、共同監督、共同脚本を兼務し、3作品でゴールデングローブ賞に2回、エミー賞に5回ノミネートされている。

 

「がさつでウザいが根は優しく、好奇心旺盛でしたたかで、正義感の強い楽天家の人間ウソ発見器」 —そんな複雑なチャーリーを、リオンは何の苦も無く演じているように見える。エピソードが進むにつれて彼女独特のダミ声は魅力的に聞こえ、チャーリーのキャラは深みを増す。

 

リオン以外のキャストはエピソード毎に入れ替わり、準主役と言えるのは、殺し屋クリフ役のベンジャミン・ブラット(“Law and Order”)くらい。本作は文字通りリオンの一人舞台だ。

 

毎回のゲストは多彩で、ムービーアクターではエイドリアン・ブロディ、ロン・パールマンに加えて、エレン・バーキン、ニック・ノルティ、ジョセフ・ゴードン=レヴィット。さらに“The Big Bang Theory”のサイモン・ヘルバーグ、“24”のチェリー・ジョーンズら多くの人気テレビアクターも顔を揃える。

 

「チャーリーのミステリーシアター」へようこそ!

クリエーター&製作総指揮(兼共同監督兼共同脚本)のライアン・ジョンソンは、“Breaking Bad”を3エピソード監督し、『スターウォーズ/最後のジェダイ』(2017)では監督・脚本を手掛けた。だが彼が本領を発揮するのは、監督デビュー作のクールな高校生ノワール『BRICK ブリック』(2005)、ダニエル・クレイグが名探偵ブノア・ブランを演じる『ナイブズ・アウト』シリーズに代表されるミステリー物だ。

 

本作の真骨頂はその構成の妙にある。「逃亡中の主人公」「倒叙形式」「フラッシュバック」「一話完結型」は、個々には何ら新味はない。だがこれらを巧みに組み合わせることで、観る者を全く新しい形式のドラマだと錯覚させてしまう。

 

アクションスリラーに近いパイロット(第1話)を楽しんだ後、第2話以降は完全にトーンが変わる。追手に居場所がばれるので、チャーリーはクレカ、スマホ、ATMを使えない。だから生活費をキャッシュで稼ぐ。彼女が逃亡先で半端仕事を得ると、必ず殺人事件が待ち構えている。この不条理さがとても笑える。
「チャーリーのミステリーシアター」の開演だ。

 

チャーリーのユニークを突き抜けたキャラは本作最大の魅力。彼女は殺人事件を吸い寄せる逃亡者であると同時に、真実を嗅ぎ分けるヒーローでもある。
また、犯人を質問攻めにして、あげくに自分の推理をペラペラと話すので、いつも自らを危険にさらしてしまう。頭脳明晰だがどこか抜けている。これがまた笑える。

 

カジノから始まる殺人の舞台は、ヘビメタバンドのツアー、介護施設、ディナーシアター、カーレース場、雪山のモーテルなど多彩だ。各エピソードは犯人が分かっているとはいえツイストが利いていて、珠玉の短編小説のよう。
シーズンフィナーレは、力技によるどんでん返しとハッピー&アンハッピー・エンディングが鮮やかに決まる。
うまいなあ、ライアン・ジョンソン。

 

めでたくシーズン2の制作も決まった。“Poker Face”は斬新でユニーク、逃亡中の素人探偵が10件の殺人事件に挑む、底抜けに楽しいコメディタッチのミステリードラマなのだ!

 

原題:Poker Face
配信:U-NEXT
配信開始日:2024年3月1日
話数:10(1話 47-67分)

 

<今月のおまけ> 「これは必携、アメリカン・ドラマを楽しむためのお役立ち本!」

●『人気海外ドラマの法則21』(ニール・ランドー著、フィルムアート社、2015)
アメリカン・ドラマ制作の舞台裏がすべてわかる究極のネタ本。“Breaking Bad”のヴィンス・ギリガン、“Scandal”のションダ・ライムズなど、人気ドラマを手掛けた22人のインタビューも豪華だ。

 

●『アメリカ映画の文化副読本』(渡辺将人、日本経済新聞出版、2024)
アメリカン・ドラマの背景となる文化・生活・慣習がすべてわかる究極のガイド。豊富な情報が具体的な映画・ドラマのシーンを使って説明されていて、留学・駐在経験者も含めて誰もが楽しみながら学べる。

 

 

写真Written by 土橋秀一郎(どばし・しゅういちろう)’58年東京生まれ。日本映像翻訳アカデミー第4期修了生。シナリオ・センター’87年卒業(新井一に学ぶ)。マルタの鷹協会会員。’99年から10年間米国に駐在、この間JVTAのウェブサイトに「テキサス映画通信:“Houston, we have a problem!”」のタイトルで、約800本の新作映画評を執筆した。映画・テレビドラマのDVD約1300本を所有。推理・ハードボイルド小説の蔵書8千冊。’14年7月には夫婦でメジャーリーグ全球場を制覇した。