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【染野日名子さんインタビュー】翻訳者としてキャリアを共に重ねてきた「SKIPシティ国際Dシネマ映画祭」への想い

7月13日、SKIPシティ国際Dシネマ映画祭が開幕、串田壮史監督の『初級演技レッスン』のオープニング上映後、関係者によるオープニングパーティが行われた。JVTAは今年も同映画祭の上映作品10作品の英語字幕を担当。翻訳者の染野日名子さんとJVTAスタッフが参加してきた。

染野さんは今年、初級演技レッスン』のチーム翻訳に参加したほか、これまでも同映画祭に数多く携わってきた。翻訳者として初めて関わったのは、2018年。翻訳ディレクターの指導を受けながらゼミ形式で字幕制作を行う『英語字幕PROゼミ』に参加し、短編作品『はりこみ』(板垣雄亮監督)の字幕を手がけた。その後、2021年に『親子の河』(望月葉子監督)、2022年に『明ける夜に』(堀内友貴監督)などを手がけたほか、2021年以降は、JVTAが字幕を担当した全作品のチェックとスタジオ収録に立ち会うなど、現在ではJVTAのディレクターたちも厚い信頼を寄せる存在となっている。映画やドラマ、アニメ、歌詞対訳、企業のプレスリリースなど幅広いジャンルで活動中だ。

『初級演技レッスン』©2024 埼玉県/SKIPシティ彩の国ビジュアルプラザ

『初級演技レッスン』は、廃工場で行う即興演技を通じて人々の記憶に侵入する男が、夢と現実の狭間で《奇跡》に出会うという物語だ。染野さんはこの日、ワールド・プレミアとなったオープニング上映にチームとして共に翻訳を手掛けたサンディ・ファンさんと谷山優果さんと駆けつけた。上映前の舞台挨拶には、串田壮史監督と出演の毎熊克哉さん、大西礼芳さん、岩田奏さんが登壇。作品の関係者と観客と共に鑑賞し、その反応を肌で感じることができたという。

左からの毎熊克哉さん、大西礼芳さん、岩田奏さん、串田壮史監督

「串田壮史監督は、字幕のスタジオ収録にも立ち会ってくださり、英語の細かいニュアンスを話しあえたのも貴重な経験でした。スクリーンのエンドロールに翻訳者として3人の名前が流れた時は感動しました。来賓のゲストの皆さんが『難しい作品だった』と話されていましたが、翻訳時にはチームみんなで時系列に並べ替えたり、解釈を話し合ったりしたのがとても楽しかったです。」(染野さん)

串田監督は、2020年に長編デビュー作『写真の女』で同映画祭SKIPシティアワードを受賞した後、デッドセンター映画祭(米)の長編グランプリをはじめ、世界中の映画祭で40冠を達成し、7カ国でリリースが決定。そして昨年も『マイマザーズアイズ』が2作品連続でSKIPシティの国際コンペティションにノミネートされ、トリエステ国際SF映画祭(イタリア)など多くの映画祭に正式出品されるなど世界で注目を集めている。これまでアメリカ、イギリス、プエルトリコなどの映画祭に参加してきたという串田監督に、オープニングパーティで英語字幕に関する想いを伺った。

串田壮史監督と染野日名子さん JVTAのディレクターと

「英語字幕はネイティブだけが観るわけではないので、できるだけ簡潔な英語がいいと思います。例えば、同じ英語字幕で上映する場合もアメリカの映画祭とドイツの映画祭では観客は全く違うはずです。映画祭は世界の見本市で、英語で世界中に売るのですが、国によっては現地の人がそれを基に現地の言葉に訳しますし、アメリカなどで上映の場合はもっとネイティブ寄りの英語に直すこともあります。ですから、始めの段階では、英語があまり得意ではない人にも分かる字幕がいいと思いますね。」(串田壮史監督)

染野さんが収録スタジオで串田監督と話し合ったのは、主人公の男性が演技レッスンをする廃工場にかけてある時計に関する彼のセリフだという。

「時計は、止まったままにしてあります 時間を気にすると演技に集中できないので」

「はじめは“I’ve stopped the clock”となっていたのですが、私の意図としては彼が時計を止めたのではなく、始めから止まっていたというニュアンスでした。それがこの廃工場のキャラクターでもあり、彼がこの場所を選んだ理由でもあります。そこで、最終的には“I’ve left the clock stopped”にしていただきました。」(串田監督)

世界の映画祭での上映を数多く経験されている串田監督ならではの言葉は、私たち映像翻訳者にとって改めて英語字幕の役割や方向性を考える機会となった。

今年担当した10作品の中でも、染野さんが個人的にとても好きだという短編『だんご』の田口智也監督にも会場でお会いすることができた。この作品は俳優として活動する田口さんの初監督作品で自ら主人公を演じている。出所した兄と迎えに来た弟が生き別れた妹を探す旅に出るが、道中財布をなくした女性と出会う…という物語だ。田口監督によると、セリフはアドリブも多かったのだという。「グリコで遊んでいて階段から落ちた」「縁結びの神社やお守り」など日本ならではの文化が盛り込まれたセリフの訳し方や、「えっ」「え~」と兄弟で同じようなセリフを連発するシーンでは意味をくみ取りながら訳し分けをしたといった翻訳時のエピソードをお話しすると、撮影で実際に小道具として使ったというお守りを見せてくださった。こちらもテロップとして解説を入れたと伝えると「確かに英語では分からない設定も多かったですよね、ありがとうございました。」と大きく頷いていた。

 『だんご』©2024 Yoshitaka Tateishi

「僕は全く英語を話せないので、自分の作品に英語字幕を付けていただけることを、実は密かに楽しみにしていました。アドリブのシーンも多くて、台本に書かれたセリフではないので、そのシーンのノリや空気感とかも重要だったりすると思うのですが、オープニングパーティーで染野さんやJVTAのみなさんとお話をさせていただいた時に、そういった部分も大切にしてくださっていたこと、作品の世界観をそのままに、言葉1つ1つ丁寧に、色々工夫して、より伝わりやすく翻訳してくださっていたことをお聞きして大変感激しました。当日、英語字幕が付いた自分の作品を観られてとても嬉しかったです。ありがとうございました!」(田口監督)

田口智也監督と染野日名子さん JVTAディレクターと

「田口監督とお兄さん役の沖田修一さんのファンということもあり、ほのぼのとした雰囲気の中に笑いの要素がたくさん散りばめられていて、とても好きな作品です。田口監督にエンディングの疑問についてお尋ねしたところ、丁寧に教えてくださいました。」(染野さん)

SKIPシティ国際Dシネマ映画祭では、コンペティション部門の応募資格は、長編映画制作数が3本以下の監督の作品と定められており、今回が初監督作品というケースも多い。短編部門のアニメ『チューリップちゃん』の渡辺咲樹監督もその一人だ。主人公は、小学生の女の子チューリップちゃん。将来の夢は「還暦を孫にお祝いしてもらうこと」と語り、周囲に馴染めない彼女の成長をシュールなタッチで描いている。東北芸術工科大学映像学科卒業制作として手がけたこの作品では、監督・脚本・作画・音楽を渡辺監督が一人で務めている。エンディング曲の作詞作曲も手がけたという。

『チューリップちゃん』©sakichi

翻訳チームが字幕で迷ったのは、チューリップちゃんの独特なセリフの数々だ。進路指導の教師とのやり取りでは、「明けない夜はない」と言われれば「暮れない昼もない」と返し、「そうやってふざけてばかりいると食べていけなくなるぞ」と諭されれば「食べていけなくなったら、ドリンクバーに行って飲み物を飲みます」と返す。前後の流れの面白さを残しながら意味をきちんと伝えるために、翻訳者たちは苦労したという。「食べていく」とは生活をしていく(make a living)の意味だが、その解釈をいれるとドリンクバーとの対比が消えてしまう。結果的には、put food on the table(養う)という表現を使ってドリンクバーに繋がるセリフにしたという。英語字幕はただ、訳すだけではなく、全体の流れを作ることも重要なのだ。

渡辺咲樹監督と染野日名子さん、JVTAディレクターと

「この作品のセリフは一筋縄ではいかないものばかりで、通訳をしている母からも英語字幕は無理なんじゃない?と言われていました。皆さんがそんな風に考えて作ってくださったと伺い、感激しています。私は英語の細かいニュアンスまでは分からないのですが、一緒に鑑賞予定の母にじっくり見てほしいと思います。」(渡辺咲樹監督)

会場では、ある関係者が染野さんに声をかけてくる場面も。聞けば、2022年の上映作品の撮影担当の方で、映画の公式Xを染野さんがフォローしたことから繋がったそうだが、直接お会いしたのは、この日が初めてだという。映画関係者と直接交流できるというのも映画祭の醍醐味だ。

「昨年私が一番気に入った作品の監督さん(永里健太朗さん)とは、パーティーや上映後にお話させていただき、その後Xでもつながらせていただきました。作品もご本人もとても面白い方で、今後のご活躍をとても楽しみにしています。今日は、『初級演技レッスン』主演の毎熊克哉さんともお話しすることができました。会場でお会いした監督の皆さんから、英語字幕に寄せる期待と海外出品への意欲を伺えたことも励みになりました。また、原稿のチェックや収録に立ち会うことで多くの翻訳者さんとの交流からも刺激をもらっています。SKIPシティ国際Dシネマ映画祭からは翻訳者としてこれまで多くを学ばせていただきました。」(染野さん)

今年からは日英翻訳に加え、英日映像翻訳者としての活動も開始した染野さん。フリーランスとして積極的に繋がる行動力を駆使して今後ますますキャリアを広げていくに違いない。

◆SKIPシティ国際Dシネマ映画祭2024(第21回)

《スクリーン上映》2024年7月13日(土)~ 7月21日(日)

《オンライン配信》2024年7月20日(土)10:00 ~ 7月24日(水)23:00

公式サイト:https://www.skipcity-dcf.jp/

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これがイチ押し、アメリカン・ドラマ 第117回 “FROM”(『フロム -閉ざされた街-』)

“Viewer Discretion Advised!”
これがイチ押し、アメリカン・ドラマ
Written by Shuichiro Dobashi 

第117回“FROM”(『フロム -閉ざされた街-』)
“Viewer Discretion Advised”は海外の映画・テレビ番組等の冒頭で見かける注意書き。「バイオレンスやセックス等のコンテンツが含まれているため、視聴の可否はご自身で判断して下さい」という意味。

今、アメリカ発のテレビドラマが最高に熱い。民放系・ケーブル系に加えてストリーミング系が参戦、生き馬の目を抜く視聴率レースを日々繰り広げている。その結果、ジャンルが多岐に渡り、キャラクターが深く掘り下げられ、ストーリーが縦横無尽に展開する、とてつもなく面白いドラマが次々と誕生しているのだ。このコラムでは、そんな「勝ち組ドラマ」から厳選した、止められない作品群を紹介する。

 

予告編:『フロム -閉ざされた街-』 本予告

 

495分間の悪夢を体験せよ!!!
2年半も待ったかいがあった!
Epix(現MGM+)の超話題作が、ようやくU-NEXTで視聴可能となった。
 
“From”は495分間の悪夢体験保証付き、ローラーコースター・ライドで一気観させる、極上のSci-Fiホラードラマなのだ!
 
“There’s no such things as monsters”
—アメリカ中部の小さな町
その町は、森に囲まれて外部から遮断されている。活気がなく、路上には廃車が目立つ。
 
夕暮れになって、保安官のボイド・スティーヴンズ(ハロルド・ペリノー)が日課の見回りを始めた。手にした鐘を鳴らしながら、住民に帰宅を促す。すべての施設・住居には石板の「魔除け」が掛けられている。
 
保安官事務所の入り口には、「事件のない夜 96」と書かれた札が下がっている。
「夜間は外出禁止。家はすべて施錠して窓にはカーテンを下す。決して外をのぞかず、外からの声に耳を貸さない。」—これはこの町の絶対的な掟で、住民の生命線だ。
 
だが97日目に事件は起きた。父親がバーで酔っ払っている間に、母親と一人娘が自宅で惨殺された。娘が外からの声に誘われて、窓を開けてしまったのだ。
強い怒りと共に、ボイドの心は沈んだ。
 
マシューズ一家はキャンピングカーで家族旅行をしていた。エンジニアの夫ジムと妻タビサとの関係はぎくしゃくしている。娘のジュリーは反抗期、息子のイーサンは空想好きで優しい性格だ。
倒木で通れなくなった本道を迂回してから、ハイウェイの入り口が見つからない。そればかりか、通過したはずの寂れた町に何度も戻ってしまう。途方に暮れたジムがUターンをすると、正面からセダンが蛇行しながら突っ込んできた。ジムは避けきれずに、キャンピングカーは横転した。
 
事故を聞きつけて、町からボイド、医師のクリスティらが駆けつけた。イーサンが足に重傷を負い動かせない。
日暮れまで2時間。
ボイド、クリスティ、ジムは、イーサンとともにキャンピングカーで夜を明かすことになった。
 
日が暮れると、「化け物たち」が姿を現した。
 

地味にはまるハロルド・ペリノー&充実のアンサンブルキャスト!
ボイド役のハロルド・ペリノーは、鮮烈な刑務所ドラマ”Oz”で、主役の一人オーガスタス・ヒルを全6シーズン演じた。『マトリックス』シリーズのリンク役、”Lost”のマイケル・ドーソン役でも顔なじみだ。地味なベテランが、登場人物の多い本作のまとめ役として見事にはまった。
 
ペリノー以外に顔見知りのアクターは見当たらない。だがマシューズ家の4人をはじめ、多彩なコミュニティの面々を演じるアンサンブルキャストは充実している。
献身的な元研修医クリスティ、真摯な保安官代理ケニー、脛に傷を持つ神父カトリ、ジコチューな若き富豪ジェイド、ヒッピーグループを貫禄で率いるドナ、父親ボイドを憎む息子エリス、エリスの善良な恋人ファティマ、最古参の変人ヴィクター、内なる声を聴くサラなどが、リアルで興味の尽きない人間模様を繰り広げる。
 
“Stranger Things”の大人バージョンか!
『アベンジャーズ/エンドゲーム』などマーベルの大作を監督したルッソ兄弟が、製作総指揮に名を連ねる。
クリエーターのジョン・グリフィンがほとんど一人で書きあげた脚本は、各キャラの造形と出入りが見事に整理されている。ホラードラマにもかかわらず、登場人物たちの家族の絆と確執、恋愛と友情、傷心と成長、希望と失望を、巧みにストーリーに溶け込ませた。
 
エピソードが進むにつれて、「この町は死後の世界なのでは?」「ボイドって何者よ?」「魔除けって何だ?」などの疑問がわく。すると、脚本に先を読まれているかのように、絶妙のタイミングで答えが提示される。
また、固有名詞の多用やディテールの積み重ねでホラ話にリアリティを与える手法は、S・キングの小説に通じるものがある。
 
主題歌の『ケ・セラ・セラ』は、ヒッチコックの『知りすぎていた男』(1956)の劇中歌。ドリス・デイが大ヒットさせたが、本作ではピクシーズによるダークなアレンジのカバーが、気味悪いほどフィットする。
 
ストーリーの前半は「化け物」の恐怖がじっくり描かれ、後半になると町の謎が少しずつ解き明かされる。
森の秘密に挑むグループ、通信手段を模索する者たち、ゲームだと考えてパターン認識を図るペア。それぞれが独自のアプローチで真相を追い、やがてつながりが見えてくる。
だがエンディングはクリフハンガーで、多くの謎が残される。
 
本作は”Stranger Things”( 本ブログ第32回参照)の大人バージョンといった作風で、見ごたえも”watchability”も十分。
“From”は495分間の悪夢体験保証付き、ローラーコースター・ライドで一気観させる、極上のSci-Fiホラードラマなのだ!
 
アメリカでは昨年シーズン2が配信済みで、シーズン3も制作中。U-NEXTにおかれては、勿体ぶらないでシーズン2の早期配信をお願いしたい。
尚、邦題の『フロム -閉ざされた街-』の「街」は、どう考えても「町」でしょう。
 
原題:From
配信:U-NEXT
配信開始日:2024年6月7日
話数:10(1話 45-55分)
 

<今月のおまけ> 「これもお勧め、アメリカン・ドラマ!」(4月~6月)
●”Fallout”(Amazon Prime)
前評判通りの面白さ、人気RPGが原作のポスト・アポカリプス・コメディアクション・ドラマ!
 
●”Ripley”(Netflix)
映画版の『太陽がいっぱい』『リプリー』より原作に忠実、白黒撮影が美しい迫真のクライムスリラー!
 
●”Sweet Tooth: S3”(Netflix)
鹿と人間のハイブリッド少年の成長が描かれる、愛と勇気のSci-Fiファンタジー感動の完結編!
 
●”My Lady Jane”(Amazon Prime)
16世紀に実在した英国女王のロマンスと冒険を描く、底抜けに楽しい歴史改変ファンタジーコメディ!

 

写真Written by 土橋秀一郎(どばし・しゅういちろう)’58年東京生まれ。日本映像翻訳アカデミー第4期修了生。シナリオ・センター’87年卒業(新井一に学ぶ)。マルタの鷹協会会員。’99年から10年間米国に駐在、この間JVTAのウェブサイトに「テキサス映画通信:“Houston, we have a problem!”」のタイトルで、約800本の新作映画評を執筆した。映画・テレビドラマのDVD約1300本を所有。推理・ハードボイルド小説の蔵書8千冊。’14年7月には夫婦でメジャーリーグ全球場を制覇した。
 
 

 

 

【2024年7月】英日OJT修了生を紹介します

JVTAではスクールに併設された受発注部門が皆さんのデビューをサポートしています。さまざまなバックグラウンドを持つ多彩な人材が集結。映像翻訳のスキルを学んだことで、それぞれの経験を生かしたキャリアチェンジを実現してきました。今回はOJTを終え、英日の映像翻訳者としてデビューする修了生の皆さんをご紹介します。

◆青井夕子さん(英日映像翻訳実践コース修了)

職歴:医療機器メーカーの品質保証部にて監査業務を担当

【今後どんな作品を手がけたい?】

高校時代にスキューバダイビングを始め、大学時代はハワイとアラスカで動物科学を学びながら、イルカの研究所で働いたりクジラウォッチングツアーのガイドをしたりしました。動物の知能や社会的行動に興味があり、最近はタコに惹かれています。動物ドキュメンタリー番組が大好きですが、まずはどんなお仕事にも挑戦し、様々な知識やテクニックを身につけたいと思っています。

【JVTAを選んだ理由、JVTAの思い出】

複数の説明会に参加しましたが、キラキラと活気に満ちた雰囲気が伝わってきたのがJVTAでした。講義では、講師の方々の翻訳に対する情熱に感動させられっぱなしでした。このような環境で学べることのありがたさ、楽しさに気づき、息子や娘の100倍は勉強したと思います。また1年半、共に学んだクラスメートは、私にとって生涯の友と呼べる大切な存在となりました。

◆長谷舞さん(映像翻訳Web講座 プロフェッショナルコース修了)

職歴:メーカーの海外窓口業務→特許翻訳・チェック(日英、独日)

【映像翻訳を学ぶきっかけ/JVTAを選んだ理由】

駐在帯同でアメリカへ引っ越し、帰国後のキャリアについて考えていた時、前職の翻訳が頭に浮かびました。調べていく中で見つけた「映像翻訳」という仕事は、自分の経験を生かしながら、育児と両立してできそうだと思いました。JVTAには、海外にいても課題の添削を受けられる映像翻訳Web講座があったことから(※当時)、受講を決めました。

※現在、映像翻訳Web講座は日本国内のみの受講です。

【今後の目標】

英日の映像翻訳には、文字数の制限の他にもたくさんの約束事があり、大変難しい仕事だと感じます。受講中、心が折れそうになる夜もありました。それでも、プロになった以上は諦めずに言葉にこだわり抜き、作品に込められた意図をより良く伝えられる翻訳者を目指します。また、第二の故郷であるドイツで身につけたドイツ語も役立てていきたいです。

◆林友理恵さん(英日映像翻訳実践コース修了)

職歴:旅行会社(手配・仕入れ担当)⇒3DCG制作スタジオ(通翻訳担当)

【JVTAを選んだ理由、JVTAの思い出】

先輩にJVTAを紹介してもらったのがきっかけです。毎週課題をこなすのは大変でしたが、同じくらい楽しかったです。良い訳文が出てこない時は一度寝かせていたのですが、シャワーを浴びている時や、眠る直前にパッとひらめくことがありました。そういう時は浴室や寝室から飛び出して、メモ帳に走り書きしたのも良い思い出です。

【今後どんな作品を手がけたい?】

旅行会社に勤めていた経験を生かして、世界各地の文化を紹介できるような作品に携わりたいです。特に、食べることが大好きなので、世界のいろいろな料理や食文化を紹介する作品を手掛けてみたいです。また、現在3DCG制作スタジオで通翻訳の仕事をしているので、いつか長編アニメ映画の翻訳を手掛けるのも目標の一つです!

◆松本有紀子さん (英日映像翻訳 実践コース修了)

職歴:コピーライター職、外資メーカーのローカライズ担当

【JVTAを選んだ理由、JVTAの思い出】

良質の授業と手厚いフォローが選んだ理由です。実は他社で数件お仕事を経験しましたが、作業中に不測の事態が生じると常に手探り状態でした。そこでJVTAへの編入を決意。授業での解説には、実務で起こりがちな問題や「こんな時どうする?」という疑問が全て網羅されていました。JVTAでしっかり学び実践に生かせば、どんな案件でも自信をもって対応できると実感しています。

【今後どんな作品を手がけたい?】

コメディです。海外のジョークやダジャレは文化も違うため直訳だと伝わりにくく、原文から逸脱せずに面白さを伝えるのが難しくもありますが、ぜひ挑戦したいです。VRやPCゲームも好きで、ゲームが原作の作品にも興味があります。また70‐90年代の洋楽で育ち身近な分野のため、音楽関連の作品も手がけたいです。国際問題にも興味関心がありますが、何でも幅広く挑戦したいです。

OJT修了時に同じチームの皆さんの食事会での1枚。 翻訳仲間との繋がりは大切にしたいですね。

★JVTAスタッフ一同、これからの活躍を期待しています!

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【JVTAが英語字幕】多重婚を描いた短編映画『♡≠2』が韓国の映画祭で脚本賞を受賞

日本の学生が制作を手がけた短編映画『♡≠2』(Love not equal Two)が韓国のIncheon International Short Film Festivalで、BEST SCREENPLAYを受賞した。この作品は上條 凜斗監督が日本工学院専門学校 放送芸術科の卒業制作として発表したもので、多重婚がテーマとなっている。

英語字幕を担当したのは、JVTAで学んだ日英映像翻訳者の三宅マーディさんだ。三宅さんは、これまで映画、ショートフィルム、ドキュメンタリー、脚本、漫画、企業PRの日英翻訳に加え、字幕のチェック、英語の聞き起こしなど幅広いジャンルで活躍している。

『♡≠2』では多重婚をしている主人公の太郎の日常が描かれ、字幕は主に職場の同僚や家族との会話だ。一方、冒頭には少し堅い表現で多重婚が認められた社会についての解説もあり、英語でもトーンの使い分けが求められる。

『♡≠2』(Love not equal Two)

「斬新なテーマの中で描かれている人間関係が面白いと思います。日常会話の台詞が多かったのでそれに合わせてカジュアルかつ自然な言い回しを使うように心がけました。『そうですね』『そう?」』『どうしたんですか』『大丈夫』など短い台詞が映画の中に繰り返されましたが、自然な流れの中でできるだけいろいろなフレーズを考えて表すようにしました。」(三宅マーディさん)

日英の翻訳において、実は日常の何気ない会話の訳出が意外と難しい。主語がなくても成り立つ日本語は短く断片的だが、英語にすると長くなりがちであると同時に、前後の流れによっては同じ言葉でも話者の意図が変わることもある。例えば「おいしい」という言葉も“delicious“tasty””good“ “yum”などを使い分け、「ごちそうさま」も“Thanks for dinner”や“I’m full”など人物の表情やお皿の料理の状態を考慮して表現を変えるなどの工夫もされている。また、「ほ、ほんとうに」というセリフでは“R…really? ”と同じニュアンスを盛り込み、自分に言い聞かせるように「大丈夫」「大丈夫だよ」と繰り返す場面では“It’s okay” “It’ll be okay”といった微妙な表現で訳し分けた。

日英映像翻訳ではこうした日常会話を訳す際、映像のトーンと合っていなかったり、堅すぎる印象だったりすると、ネイティブには違和感がある。いかに自然な流れで字幕を意識させずに作品全体を楽しめるかが鍵となる。それだけに今回、言葉に贈られた国際映画祭での脚本賞受賞は翻訳者にとっても嬉しいニュースとなった。

「この作品がIncheon International Short Film Festivalにて脚本賞を受賞したことを聞いてとても嬉しかったです。こんな素敵な作品に関われたことをとても光栄に思っています。脚本を手がけた上条凛斗監督のこれからのご活躍を応援しています。」(三宅マーディさん)

上條 凜斗監督、関係者の皆さん、おめでとうございます。

今後、また英語字幕付きで他の映画祭での上映をぜひ期待しています。

※この作品は日本工学院の公式サイトで見ることができる。(英語字幕はなし)

https://www.neec.ac.jp/exhibition/2024/creators/kamata_screen/work002.html

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巨竜を、迎え撃て。 『ツイスターズ』の予告編

【最近の私】最近はマ・ドンソクがお気に入りで、彼の映画を観ています。新作『犯罪都市 PUNISHMENT』予告編を観て楽しみにしています。

火山の噴火や、隕石の落下など、現実では起きてほしくはないが、映画としてハラハラできる自然災害(ディザスター)映画はこれまで数多く制作されている。大規模な災害をスペクタクルな映像で描くので、観客を魅了しているからか。今回はそのディザスター映画の中から、『ツイスターズ』(2024年)の予告編を紹介したい。

予告編の開始そうそう、竜巻から逃げる人たちの場面から始まる。

“『ジュラシック・ワールド』の製作陣が贈る 地球が生んだ最強のモンスター”とテロップが流れる。巨大竜巻は直径2000メートル、時速500キロ。この数字から、もはや怪獣を軽くしのぐ規模である。自動車なども軽く吹き飛ばされていく。

前作『ツイスター』(1996年)が制作される数年前、ある映画がこれまでの特撮技術を大きく変えた。それは『ジュラシック・パーク』(1993年)である。最先端のCGでリアルに動く恐竜の姿に、当時の観客は圧倒された。以降、さらなる技術の発達とともに、今まで作られなかった災害を描く映画が多く作られ、『ボルケーノ』『ダンテズ・ピーク』(ともに1997年)、『アルマゲドン』(1998年)などが撮られている。

予告編に戻る。気象学の天才ケイト(デイジー・エドガー=ジョーンズ)は、ニューヨークで自然災害を予測し、被害を防ぐ仕事をしている。彼女の故郷、オクラホマで史上最大の竜巻が群れで発生していることを知る。竜巻にトラウマを抱えているケイトだが、友人からの依頼で、自身の故郷に戻ることになる。そこで、竜巻チェイサーのテイラー(グレン・パウエル)とともに、この異常気象に挑む。

竜巻チェイサーとは、レーダーを搭載した車で竜巻に接近し、竜巻の発生や移動などのメカニズムを解明すること。竜巻の予知精度を上げる研究のためだ。タイラーは「最新技術など無用。現場での経験がすべてだ」と自分の現場で鍛えたカンと経験で竜巻に立ち向かおうとする。ケイトは、巨大な竜巻を破壊する方法を考えつく。だがそのためには、竜巻に近づく必要がある。どうやって近づく?タイラーが「俺ならできる」と竜巻に危険なアプローチを試みる。巨大竜巻VS人類の戦いが始まる中、竜巻が合体してさらに強力になっていく。ケイトとタイラーの技術と現場主義で竜巻を破壊できるのか?

本作の監督はリー・アイザック・チョン。『ミナリ』(2020年)で、アメリカで暮らす韓国系移民を描いた(監督も韓国系の移民である)。『ミナリ』は高い評価を得て、その年のアカデミー賞で、ユン・ヨジュンが助演女優賞を受賞している。『ミナリ』の次に竜巻映画を手がけるとは意外だが、自然災害に加えて、人間ドラマを描いているのではと予測できる。

『ツイスターズ』の原案に『トップガン マーヴェリック』(2022年)のジョセフ・コシンスキー監督が名を連ねている。彼は『マーヴェリック』で実物の戦闘機や空母を使って、迫力の映像や空中戦を描いた。また、アメリカで実際に起きた巨大山火事を題材とした『オンリー・ザ・ブレイブ』(2017年)も撮っているので、もしコシンスキーが「ツイスターズ』を撮ったら、さぞド迫力の映像が生まれたのではと思う。

前作『ツイスター』が世に出てから、約30年が経った。この間、映像技術はどんどん進化し、さまざまな特殊効果を使った映画が作られている。新たに生まれ変わる『ツイスターズ』が、どう観客を驚かせてくれるのか楽しみである。とりあえず、映画館で巨大な竜巻を体験してきます!

今回注目した予告編:『ツイスターズ』

監督:リー・アイザック・チョン

出演:デイジー・エドガー=ジョーンズ、グレン・パウエル

2024年8月1日より公開

公式サイト:https://wwws.warnerbros.co.jp/twisters/

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Written by 鈴木 純一(すずき・じゅんいち)
映画を心の糧にして生きている男。『バタリアン』や『ターミネーター』などホラーやアクションが好きだが、『ローマの休日』も好き。
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戦え!シネマッハ!!!!
ある時は予告編を一刀両断。またある時は悪役を熱く語る。大胆な切り口に注目せよ!

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SKIPシティ国際Dシネマ映画祭×JVTA 10年に及ぶ英語字幕PROゼミがもたらしたもの

映像クリエイターの登竜門として知られる「SKIPシティ国際Dシネマ映画祭」が今年も7月13日(土)に開幕する。この映画祭は、“新たな才能を発掘し、育てる映画祭へ”をモットーに、これまで白石和彌監督(『孤狼の血』『碁盤斬り』)、中野量太監督(『湯を沸かすほどの熱い愛』『浅田家!』)、石川慶監督(『愚行録』『ある男』)、上田慎一郎監督(『カメラを止めるな!』『スペシャルアクターズ』)など国内外の多くのクリエイターを生み出してきた。

JVTAは、主にこの映画祭の国内コンペティションにノミネートされた作品の英語字幕を手がけている。特筆すべきは、2013年から約10年、この映画祭とタッグを組んで毎年「英語字幕PROゼミ」を継続的に開催していることだ。「英語字幕PROゼミ」では、翻訳者がゼミ形式で字幕を制作し、プロの映像翻訳ディレクターのフィードバッグを受けて、最終的な字幕を作成する。アメリカ出身のジェシー・ナスディレクターは、このゼミの開始当時から指導にあたってきた。JVTAで多くの日英翻訳案件に携わり、日本人監督が海外の映画祭に出品する際のサポートなどの経験も豊富だ。自身も『不気味なものの肌に触れる』(濱口竜介監督)の英語字幕を手がけたほか、『笑顔の向こうに』(榎本二郎監督)が第16回モナコ国際映画祭で最優秀作品賞を受賞した(関連記事はこちら)際の英語字幕のチェックや出品に関するサポート(現地とのメール対応や出品の手続き)などを行ってきた。

ジェシー・ナス ディレクター

「『英語字幕PROゼミ』の大きな特徴は2~4人のチームで翻訳し、出来上がった字幕が、同映画祭で上映されることにあります。ゼミの中では、細かい表現について徹底的に考えていきます。決して間違いではないけれども、ネイティブが見ると不自然に思えるワードチョイスや、話者の心情を深くくみ取ったニュアンスが反映されていないと思う語句などについて、より的確に伝えるためのヒントを考察します。とはいえ、視聴者はネイティブだけではありませんし、英語字幕は今後、これを基に多言語に翻訳される可能性もありますので、どんな人が見ても分かる英語にする配慮も必要です。実際、私たちが多言語の作品を日本語に訳す時もオリジナルの原語ではなく、英語字幕から訳すケースが多いという現状があります。指導側の立場として大切にしているのは、こちらからすぐに代案を出すのではなく、2度にわたる細かいフィードバックを受けてチーム内でリライトすること。実際の翻訳の仕事では納期までの時間も短く、学びながら時間をかけて自らブラッシュアップできるケースは稀であり、翻訳者にとっても大きな学びになります。」(ジェシー・ナス ディレクター)

イメージ

ジェシーディレクターによると、新人翻訳者にとって特に難しいのは自然な日常会話の流れを作ることと作品の解釈(シーンの意味や作品のテーマ)だという。さらにセリフの量や全体の内容など考慮して作品を選んでいる。翻訳者にとっては、出来上がった英語字幕を映画祭のスクリーンで観られる(字幕制作者のクレジットを表示)のも嬉しいポイントだ。

「SKIPシティ国際Dシネマ映画祭では上映後にトークショーが行われ、監督や出演者が登壇することもあります。翻訳者が会場に足を運べば、直接、制作者と交流できるチェンスがあるのも映画祭ならではですし、これは日本の作品に携わる日英翻訳ならではの醍醐味とも言えます。」(ジェシー・ナス ディレクター)

「英語字幕PROゼミ」ではこれまで、『カメラを止めるな!』の上田慎一郎監督、『湯を沸かすほどの熱い愛』の中野量太監督など今注目を集める監督たちが過去に手がけた短編映画の英語字幕も手がけてきた。翻訳者にとってまさに未来のクリエイターの傑作に出合える素晴らしい機会となっている。一方、初期のPROゼミに当時新人として参加した翻訳者たちも経験を重ね、今では講師やディレクターとして新人翻訳者の指導にあたったり、ヴェネチア国際映画祭 銀獅子賞(監督賞)を受賞した『スパイの妻』(黒沢清監督)の英語字幕(関連記事はこちら)を手がけたりするなど、この10年で大きな実績を残している。学びと実績を兼ね備えたこのゼミに参加したいという希望者は多く、今では募集後すぐに満席になる人気を集める講座の一つになった。国際映画祭出品で英語字幕がつくことは、映画制作側にも海外を視野に入れる大きなチャンスとなる。ぜひ、英語字幕にも注目しながら鑑賞してほしい。

SKIPシティ国際Dシネマ映画祭2024(第21回)

《スクリーン上映》2024年7月13日(土)~ 7月21日(日)

《オンライン配信》2024年7月20日(土)10:00 ~ 7月24日(水)23:00

公式サイト:https://www.skipcity-dcf.jp/

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【染野日名子さんインタビュー】翻訳者としてキャリアを共に重ねてきた「SKIPシティ国際Dシネマ映画祭」への想い

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【2024年7月】日英OJT修了生を紹介します

JVTAではスクールに併設された受発注部門が皆さんのデビューをサポートしています。映像翻訳の仕事は映画やドラマだけではありません。特に日英映像翻訳ではマンガやゲーム、企業のPR動画など幅広いジャンルがあり、翻訳者が体験してきた職歴や趣味などを生かして活躍しています。今回はOJTを終え、日英の映像翻訳者としてデビューする修了生を紹介します。

◆立川陽子さん(日英映像翻訳 実践コース修了)

職歴:自動車メーカー勤務、放送局 ニュース記事日英翻訳

【JVTAを選んだ理由、JVTAでの思い出】

日英のコースを受けたのは、英日の他にも自分の持ち札を増やした方がいいのではと感じたからです。始めたのはコロナ禍でJVTAでも全授業がオンラインで受講できるようになった頃です。その頃、世界的に経済の動きが鈍っていて、その間に日英字幕を学ぼうと様々な経歴や国籍の人たちが参加していたんです。毎週の授業はとても刺激的でした。クラスメートは今でも何でも相談できる大切な仲間です。

【今後どんな作品を手がけたい?】

漫画がベースで実写化され、日本の文化が織り込まれている『大奥』や和食の作り方が出てくる『きのう何食べた?』のような作品を担当してみたいです。それからエレクトーンを子供の頃から習い、ジャズや和楽器の音を取り入れたものなど幅広いジャンルの曲を弾いてきたので、音楽には強い関心があります。日英のコースを修了したことで、例えば知人の作品などにも「この映像に私が英語字幕をつけます!」と企画の段階から踏み込んだ参加もできる気がしています。

◆内藤裕子さん(日英映像翻訳 実践コース修了)

職歴:国際NGO広報、英日字幕・実務・マーケティング翻訳

【JVTAを選んだ理由、JVTAでの思い出】

JVTAの英日コースで身につけた力が字幕だけでなく実務やマーケティング翻訳でも役立っていることを実感していたので、さらにレベルアップし仕事の幅を広げようと再びJVTAで日英を学ぶことにしました。

【今後どんな作品を手がけたい?】

バカリズムさんの作品を翻訳できたら最高ですが、日本のアートや地方の魅力を海外に発信するインバウンド事業にも携わりたいです。

★JVTAスタッフ一同、これからの活躍を期待しています!

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◆OJT修了生 紹介記事のアーカイブはこちら

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やさしいHawai‘I 第82回 番外編 私がハワイを綴る理由

 

前回ハワイの歴史の中で、キリスト教の布教によって苦しみ、わずか28年の波乱万丈の人生を終えたフメフメについて(第81回:フメフメの28年の人生)書き終えた時、私の心の中では次に取り上げる人物はすでに決まっていました。

それなのになかなか書けなかったのです。書けなかったというより、書くことから逃げていたというのが正直なところです。あえて言えば、個人的な言い訳にしかならないようなことが次々と起きて書く気にならず、何となく落ち込んだ状態になっていたのです。しかし、先日、あるきっかけから久しぶりに作家・沢木耕太郎氏の作品を読み返すことになり、その言葉の中に私がハワイの人物について繙く意義を感じることができました。今回は番外編としてそのいきさつをお話ししたいと思います。

落ち込んでいた私に届いたのは、高校時代の仲間でここ10年余り続いている五街道歩きの最終のお誘いでした。東海道から始まり中仙道、甲州街道、日光街道、そして今回は最終となる奥州街道の白河の関を渡るということなのです。五街道全行程でおよそ1500キロ。私は最初の東海道、そして中仙道はちらりちらりと参加し、あとは泊りがけの旅はムリな状態だったので、すべて中抜け。でも最後のシメとして白河の関だけは越えて五街道制覇の気分を味わいたく、思い切って参加することにしました。

メンバーは全部で14人。旗振り役が必要なくらいの大所帯の団体旅行です。そのメンバーの中に、東北の話題を扱っているある新聞社の記者と懇意にしている人がいました。彼が何かの機会に、今回の街道歩きの話をその記者にしたところ、大変興味を持ち、取材されることに。とにかく半世紀も前に同じ高校だった仲間が、こうして10年もかけてひたすら街道を歩いているわけですから、少々珍しいグループと思われたのでしょう。仙台到着の夜、その記者の方も加わって牛タンにビールを飲みながら全員が盛り上がっているなかで、私たちは街道歩きの魅力について、いろいろと質問を受けました。果たして数日後、それをもとにした素晴らしい記事が送られてきたのです。

著者が私物で撮影

その冒頭は、

「途上にあること」。同宿の旅人に「禅とは何か」と聞かれ、作家の沢木耕太郎さんはこれまで通り過ぎた長い道を思い浮かべて、そう答える。著書『深夜特急』にあるトルコでのエピソードだ。(河北新報の「河北抄」からの引用)で始まっていました。

私は久しぶりに作家の沢木耕太郎氏を思い出しました。一番好きな『一瞬の夏』や『深夜特急』は何度読み返したことか。ちょうどそんな時、大学の友人と話す機会があり、彼女から沢木さんの『イルカと墜落』を読んだかと聞かれました。彼女はボランティアでこの作品を点訳したそうです。実はまだ読んでいなかったこの本は、私の本棚の中に並んでいました。「沢木耕太郎が好きなら、面白いから読んでみたら」そんな彼女の言葉がきっかけで、私はしばらく夢中になって沢木耕太郎氏の作品を読み漁りました。そしてこんな文にぶつかったのです。

『――声を持たぬ者の声を聴こうとする。それがノンフィクションの書き手の一つの役割だとするなら、虐げられた者たち、少数派足らざるをえなかった者たち、歴史に置き去りにされた者たちを描こうとすることは、ある意味で当然のことといえる。』…

これは、彼が「浅沼稲次郎刺殺事件」の山口二矢の自決を描いた『テロルの決算』についての、『死ぬ、生きる』と題した短文(文庫本ためのあとがき)の中にあった言葉です。

これを読んで私は、はたと気付かされたのです。「ああ、ハワイの歴史には波乱の人生を送りながらも歴史に埋もれた人たちが多い。私がそこにフォーカスして書きたいと思っている人物、書かなくてはならないと思っている人物は、たくさんいるのだ。私がこのコラムで目指していることは、まだまだ完結していない。途上にあるのだ」と思い出させられたのです。あの沢木耕太郎さんの言葉を読んで、いかに自分が未熟で怠け者であったかを自覚させられたのです。

とにかくもう一度頑張ってみよう。きっかけは何でもいいではないか。そんな気持ちが湧いてきました。そう、フメフメの次に書こうと決めていた人物、「オプカハイア」について、とにかく書き始めよう。

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Written by 扇原篤子(おぎはら・あつこ)
1973年から夫の仕事の都合でハワイに転勤。現地で暮らすうちにある一家と家族のような付き合いが始まる。帰国後もその 一家との交流は続いており、ハワイの文化、歴史、言葉の美しさ、踊り、空気感に至るまで、ハワイに対する考察を日々深めている。
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やさしいHAWAI’I
70年代前半、夫の転勤でハワイへ。現地での生活を中心に“第二の故郷”を語りつくす。
 
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【新講座の講師にインタビュー】偶然が必然になった映像制作のキャリアとスクリーンライティングとの出会い

英語で脚本の書き方を学ぶことで、物語の構成を読み解く力が付く――。

7月19日から開講する新講座「英語でScreenplay(シナリオ)書いてみよう ~作品理解力を高めて、英語脳を鍛える!~」の講師である高木 淳一氏は、映像翻訳者として多角的にものを見る目を養うことが能力向上の機会になると断言している。

高木氏は海外の映像コンテンツが地上波やケーブルテレビで提供され始めた初期の頃から10年以上にわたり、翻訳番組ディレクターとして活躍してきた。当初、高木氏は映像翻訳を学んでいたわけでもなく、大の映画ファンというわけでもなかった。映像の世界と脚本の世界に導いたのは、ある偶然の出来事によるものだった。

大好きな音楽が入口だったアメリカ文化・社会への興味

1980年代、世界の音楽シーンは米国のロック、ポップミュージックで溢れ、高校生だった高木氏も夢中になった。ボストン、ヴァン・へイレン、カーズ、モトリー・クルー、ビリー・ジェエルなど幅広いアーティストの曲を聞いた。特にボストンというバンドは中学生時代に初めて観たライブでスケール感に圧倒され、そんなアーティストを生み出したアメリカという国に興味が湧いた。もう1つ夢中になったのが、アメリカ文学だ。アーウィン・ショーの小説は高校生だった頃の高木氏の道徳観に大きな影響を与え、話の舞台であるアメリカに行ってみたいと考えるきっかけとなった。ボブ・グリーンのエッセイからはアメリカ社会について多くを学んだ。「表現が簡潔」「読みやすい」「人間模模様を繊細に描いている」という執筆スタイルが今でも彼のライティングの手本になっている。

脚本制作との出会いはたまたま通りかかったカナダ大使館だった

日本の大学在学中に約1年間のアメリカ留学を経験し、卒業。一般企業に就職したあとも、将来的にアメリカの大学院で学ぶことを見据え、英語の勉強を続けていた。ある日、偶然カナダ大使館の前を通りかかって館内に入ると、たくさんの学校のパンフレットが置かれていた。その中で目に入ったのがバンクーバー・フィルム・スクールだ。映画は好きだったが、音楽や文学ほど没頭したことがなかった。しかし、なぜかこの時「これを勉強してみよう!」と直感が働く。その後のキャリアを考えると、偶然ではなく必然だったのかもしれない。

英語ネイティブが自分の脚本を評価してくれた

カナダ大使館での偶然の出会いからほどなくして、バンクーバー行きを決意。おそらく脚本を書く機会があるだろうと思い、事前にスクリーンライティングに関する書籍を入手し基礎を学んだ。その後カナダに渡り、授業がスタート。予想通り、早速脚本を書く課題が与えられた。約30名の中から、4名の脚本が選ばれて映像作品を作ることができる。クラスメートのほとんどがカナダ人とアメリカ人で英語ネイティブではないのは自分とヨーロッパ出身の数名くらいだ。出来上がった脚本を授業の中で発表する機会があり、高木氏が「これは行けるかも!」と思ったのは、読後にクラスメートが妙にシーンとなった瞬間だ。結果として、クラスメートの高評価もあって脚本が選ばれ製作された。高木氏は音声録音を担当し、卒業スクリーニングでは大画面で自分が書いたセリフを北米の俳優が喋るのを体験。その後目指す道が開けたのを実感する。バンクーバー・フィルム・スクールを卒業すると、ニューヨークに移り、短編映画を2本製作、北米の映画祭等で発表した。

映像翻訳を向上させるポイント

高木氏が帰国した1990年代後半から2000年にかけては、日本でBSやCSなどのデジタル放送が開始され、開局したばかりの番組表の穴埋めに多くの字幕や吹き替え番組が必要とされていた。CS局を傘下に持つマルチチャンネル・オペレーターに入社し、海外の番組に字幕や吹き替えを付けるディレクションを担当。高木氏は、映像制作の経験はあったものの、翻訳や字幕に携わった経験がなかった。しかし「マーケットが確立されていない映像翻訳の分野で、番組製作を介して多くのプロの翻訳家を育てる」というビジョンに魅力を感じた。

多くの翻訳番組をディレクションしてきた高木氏には、映像翻訳を向上させるポイントがあると言う。大事なのは映像に振り回されず、原稿の完成度を追求することだ。翻訳は映像製作者の意図しているストーリーラインを忠実に伝えるのがミッションであり、同時に独立した存在でなければいけない。違和感がある字幕、吹き替えのほとんどは映像に振り回されている。映像翻訳者は自分の翻訳を紙面上で何回もチェックしてほしいと語った。 

ふと目にした広告で米国大学のライティングコースへ

映像翻訳ディレクターとしてキャリアを築いてきた高木氏が、再び脚本の世界に戻るきっかけとなったのは、またしても偶然の出来事だ。

新型コロナウイルス感染症の蔓延でステイホームを余儀なくされ、同時に趣味としてやっていたボクシングで足を負傷。トレーニングを休まなければいけなくなったことも重なり、時間に余裕ができていた。そんなある日、カリフォルニア大学バークレー校がやっているエクステンションのライティングコースの広告が目に入った。学費さえ払えばオンラインで受けることができる。「時間がある今、またチャレンジしてみたい」と思い、コースに申し込んだ。授業は広義に渡るライティングの手法を学びながら、受講生がチャット式のコミュニケーションツールで自分の作品をピッチし、講評するスタイルだ。高木氏は自分の作品に対する講評から、米国マーケットで生き抜く方向性や表現を探った。

プロの作家からマンツーマンでフィードバック

約1年のエクステンションコースを終え、アメリカの大学院に入り、さらに執筆のスキルを磨くことを決意。アメリカ国内には、東京に居ながらオンラインでスクリーンライティングを学べる大学院が多くあり、その中から選んだのが西コネチカット州立大学だ。高校時代に読んだ作家ジョン・アーヴィングの出身がコネチカット州も含めたニューイングランド地方だったこともあり、そのエリアに興味を持っていた。バークレー校のエクステンションで指導を受けた教授からの推薦状と作品集をまとめたポートフォリオを提出し入学する。 大学院では約2週間に1回、自分自身が書いた作品を提出。米国マーケットでプロとして活躍する作家たちからマンツーマンのオンラインセッションで講評を受ける。また、他の生徒とは年1回、本国で開催される合宿で交流する機会もある。来年の卒業に向けて、執筆中の長編脚本を在学中に完成し、米国マーケットで売ることを目指している。

最後に高木氏に今回の講座を学ぶメリットを聞いた。

「映像翻訳の上達には、ストーリー理解と並行して、言語を多方面で応用する能力が必要。この講座で言語の応用力、アプローチ、視野を広げ『コトバのプロ』にさらに一歩近づくと共に、自らの創造性も磨いて欲しい」。

高木氏は10年後のエンタメの世界について、ある仮説を唱えている。

最近、日本ではK-POPの影響もあり、英語歌詞を積極的に取り込むシンガーが増えてきた。10年後には日本語ネイティブが英語の脚本を書き製作する時代が必ず来るはずだ。20年前、映像翻訳は特殊技能であり一部の限られた人だけができる仕事と考えられていた。それが今、多くの学校卒業生がプロフェッショナルとなり、この分野で活躍している。同じ歴史を映像製作も辿るに違いない。本講座を通して、翻訳者としてのスキルの幅を広げるだけではなく、一歩先取りした新しいキャリアにチャレンジしてみてほしい。

「コトバのプロ」のための新講座・誕生!
英語でScreenplay(シナリオ)書いてみよう

~作品理解力を高めて、英語脳を鍛える!~

<7月19日(金)夜開講>
全4回 日本語で指導、未経験者大歓迎!

高木氏が指導する講座を7月に開催、

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SKIPシティ国際Dシネマ映画祭2024が7月13日開幕 審査委員長は白石和彌監督と横浜聡子監督

SKIPシティ国際Dシネマ映画祭2024が7月13日(土)に開幕する。この映画祭は、“若手映像クリエイターの登竜門”として知られており、これまで『浅田家!』の中野量太監督、『カメラを止めるな!』の上田慎一郎監督、『さがす』の片山慎三監督などを輩出してきた。現在公開中の最新作『碁盤斬り』が初の時代劇として話題の白石和彌監督もその一人。『ロストパラダイス・イン・トーキョー』で2009年長編部門(国際コンペティション)SKIPシティアワードを受賞後、『孤狼の血』『凪待ち』『死刑にいたる病』などのヒット作を手がけ、今回は国際コンペティション部門の審査委員長を務める。国内コンペティションの審査委員長は、『ジャーマン+雨』『ウルトラミラクルラブストーリー』の横浜聡子監督だ。JVTAはこの映画祭を10年以上にわたり、英語字幕制作でサポートしている。

◆上映作品10作品の英語字幕をJVTAが制作

21年目を迎えた今年、コンペティションでは、102の国・地域から応募のあった1,201作品から厳選した24作品を上映。いずれも国内初上映となる。JVTAは、オープニング作品『初級演技レッスン』のほか、計10作品の英語字幕を担当、約30名の翻訳者が手がけている。また、毎年恒例の「英語字幕PROゼミ」も開催。これは短編映画にチームで英語字幕をつけるもので、翻訳ディレクターの2度にわたるフィードバックをもとにリライトを重ねていくゼミ形式の取り組みだ。

◆JVTAが英語字幕を手がけた作品

オープニング上映

『初級演技レッスン』(串田壮史監督作)

『初級演技レッスン』©2024 埼玉県/SKIPシティ彩の国ビジュアルプラザ

国際コンペティション

『嬉々な生活』(谷口慈彦監督)

『嬉々な生活』©belly roll film

国内コンペティション(長編部門)

『明日を夜に捨てて』(張蘇銘監督)

『明日を夜に捨てて』

『雨花蓮歌』(朴正一監督)

『雨花蓮歌』©Jengilpark

『折にふれて』(村田陽奈監督)

『折にふれて』©村田組2023

『冬支度』(伊藤優気監督)

『冬支度』

国内コンペティション(短編部門)

『だんご』(田口智也監督)

『だんご』©2024 Yoshitaka Tateishi

『私を見て』(山口心音監督)

『私を見て』

『チューリップちゃん』(渡辺咲樹監督)

『チューリップちゃん』©sakichi

『立てば転ぶ』(細井じゅん監督)

『立てば転ぶ』©JUN HOSOI

◆8月劇場公開の『ぼくの家族と祖国の戦争』をいち早く上映

『Before It Ends(英題)』©2023 NORDISK FILM PRODUCTION A/S

今年の国際コンペティション部門ノミネート作品『Before It Ends(英題)』(アンダース・ウォルター監督)は、邦題『ぼくの家族と祖国の戦争』として8月に劇場公開が決定。1945年のデンマークを舞台に難民の受け入れについて葛藤する家族が描かれている。同映画祭ではアジアンプレミアとしていち早く観ることができる。

◆審査委員長の白石和彌監督と横浜聡子監督が登壇する上映イベントに注目

国際コンペティション審査委員長の白石和彌監督、国内コンペティション審査委員長の横浜聡子監督が登壇する特集「商業映画監督への道」も見逃せない。白石監督の『止められるか、俺たちを』と横浜監督の『ウルトラミラクルラブストーリー』の上映に加え、数々の商業映画を手がけてきた経験を若手のクリエイターに指南。映像翻訳者にとっても映画をより深く知る貴重な機会となりそうだ。

◆「みんなが観たい上映作品」国内外の名作4作品を上映 戸田奈津子さんが登壇

心に残る名作についてアンケートを実施、上位4作品が会場で上映される。『スタンド・バイ・ミー』『ドライブ・マイ・カー』『ショーシャンクの空に』『トップガン マーヴェリック』という新旧の人気作品がラインナップ。『トップガン マーヴェリック』の上映後には、特別トークイベント「映画字幕翻訳の楽しみ方」が行われ、戸田奈津子さんが登壇する。映像翻訳のパイオニア、戸田奈津子さんの言葉を直接聞けるという特別な企画となる。

現状では、日本の映画を劇場で英語字幕付きで観られる機会はほとんどない。国際映画祭は多くの英語字幕に触れられる場として、翻訳者にも学びが多い。今年はスクリーン上映とオンライン配信のハイブリッド開催。ぜひ、会場にも積極的に足を運んで欲しい。

SKIPシティ国際Dシネマ映画祭2024(第21回)

《スクリーン上映》2024年7月13日(土)~ 7月21日(日)

《オンライン配信》2024年7月20日(土)10:00 ~ 7月24日(水)23:00

公式サイト:https://www.skipcity-dcf.jp/

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SKIPシティ国際Dシネマ映画祭×JVTA 10年に及ぶ英語字幕PROゼミがもたらしたもの

【染野日名子さんインタビュー】翻訳者としてキャリアを共に重ねてきた「SKIPシティ国際Dシネマ映画祭」への想い

◆【次期開講は2024年10月】
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