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「幅広い分野について、自分の英語で説明できるようになりたい」ロサンゼルス校通訳クラス受講生インタビュー

インバウンド市場が年々拡大する中、通訳者の仕事が増加している。昨今は国際的な大会議や商談、専門知識が必要な現場での対応だけにとどまらず、観光地を案内する通訳ガイドや会食のサポートなど、通訳スキルは様々なフィールドで必要とされている。

JVTAのロサンゼルス校では、以前から通訳や実務翻訳の授業を行っている。2025年9月には期間限定の「通訳ブートキャンプ」を初開講し、日本から10名以上の参加者が渡米した。

そんなロサンゼルス校で長年通訳を学んでいるのが、有久亨子さんだ。
有久さんはアメリカ滞在歴30年以上。渡米当初は英語を学ぶ学校に通い、その後秘書養成学校にも通学。やがてニューヨークで働きはじめ、およそ8年前にカリフォルニアに移住。そのままアメリカでの生活をつづけている。長らく公認会計士として働き、現在は引退している。

ロサンゼルス校受講生 有久亨子さん


ロサンゼルス校で通訳を学び始めたのは、仕事の引退を目の前にした時期だ。引退後にはやりたいことをやりたいと考えていた有久さんは、元々英語好きだったこともあり通訳を学ぶことにした。

とはいえ、有久さんはアメリカに長く滞在し就業経験もある。そんななかで通訳を学ぶことにしたのはなぜなのか?

「アメリカ滞在は長いのですが、自分では英語も日本語も中途半端だと感じていたんです。それで英語を一からやり直したいと思いました。アメリカ人と結婚していますが、夫の話す言葉が早くてついていけないこともしばしばあるんです。」

有久さんはニューヨークとカリフォルニアの会計事務所で働いていたため、会計畑の英語表現には強かった。しかし、政治経済など自分にとってあまりなじみのない分野の話になると、「?」となってしまっていたという。もっと幅広い分野について話ができ、説明やプレゼンもできるようになりたいと思ったのが学習のきっかけだったそうだ。

クラスメートが使う英語表現も勉強になる
JVTAの通訳コースでは、金融・経済・医療・教育など、様々な題材を使って通訳のスキルを習得していく。授業を通して新しい分野について学ぶことで、自分自身の視野も広がっていくと有久さんはいう。
また、クラスメートの通訳を聞くことで新しい言い回しを学べるのも授業の良い点だと感じている。受講生の「間違い」は、お互いに学び合うことができるポイントだ。クラスメートの英語表現を聞くことも、「こういう言い方もできるのか」と学びになる。

学習スタート時はリテンション(聞き取った情報を短期的に記憶すること)能力がなく、間違いを恐れる気持ちもあり授業についていくのが辛いと思ったこともある。授業中に間違うとよく「すみません!」を連発していたという。しかし授業で訓練を続けるうちに、段々と答えが出てくるようになった。

「授業では事前に新しい単語を3つ調べてきてみんなの前で発表するタスクや、授業後にその日の内容をサマライズしてみる時間があったりします。自分で単語を調べる習慣にもなりますし、サマライズは『自分の言葉で説明する』という練習になります。」

講師からも「前より話し出しが良くなった」と褒められたそうで、それがやる気につながっているという。昔は授業をつらく感じるときもあったそうだが、今は「楽しみ半分・苦しみ半分ですね」と笑う。

人前で抵抗感なく英語を話せるようになりたい
本格的な通訳者に憧れはあるものの、当面の目標は「人前で抵抗感なく英語を話せるようになること」だと有久さんは言う。英会話はできるが、「多くの人の前で話す」ことには未だハードルを感じている。通訳の練習を通して、人前でも緊張せずに、自分の英語で話ができるようになることを目指している。そして自分の意見を自信持って人前で述べることができる英語力を身につけること、同時に幅広い知識を得て心豊かになること、またそれにより、個人的な達成感や充実感を得ることができればと言う。その先で、機会があれば医療関係等の通訳に携わることにも興味を持っている。

通訳訓練は、本格的な会議や交渉の場に出る人だけに必要とされるものではない。有久さんのように人前で自信をもって英語を話したい方、自分の言葉で説明をしたい方にとっても役立つものである。

プロの通訳者を目指す方はもちろん、英語で自信をもって説明ができるようになりたい方、人前でも堂々と英語で話せるようになりたい方にも、通訳クラスはおすすめである。

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あなたの「学び直し」と「新たな学び」を全面サポート! コマ単位受講制度

東京校の本科で1コマ(授業)単位の受講が可能

JVTAでは2024年10月より、受講生・修了生の学びをさらにサポートするための「コマ単位受講制度」を開始しました。本制度は東京校とロサンゼルス校の映像翻訳本科、また映像翻訳Web講座の受講生・修了生が、JVTAの最新カリキュラムを1コマから再度受講できるという制度です。

✓トライアル合格に向けて苦手分野を復習したい
✓プロの映像翻訳者としてより活躍するために、スキルを磨きたい
✓しばらく映像翻訳から離れていたが、再度学びたい

など、改めて映像翻訳を学び直したい方や、これまで受けたことのない授業を受けたみたいという方におすすめです。現在は全面リモートで授業を行っていますので、日本・海外を問わずどこからでも受講可能です。ぜひ本制度を活用し、映像翻訳者としての更なるステップアップにつなげてください。

現在は2025年10月期のコマ単位受講の申し込みを受付中です。受講に関する詳細は下記をご確認ください。



【対象者】


【受講可能コース】
下記のうち、ご自身がすでに受講を修了した各コースから選択していただくことができます。
受講可能な授業については、こちらでご確認ください。
<東京校>
英日映像翻訳(総合コースⅠ総合コースⅡ実践コース
 ※総合コース・Ⅰ→2013年以前の「入門」または「基礎Ⅰ」
  総合コース・Ⅱ→「基礎」または「基礎Ⅱ」と同等。
日英映像翻訳(総合コース実践コース


【受講形式】リモート(Zoom)
リモート配信にはZoomを使用しています。ご自宅と教室をオンラインで繋ぎ、リアルタイムで授業を受けていただくことができます。
・ご用意いただくもの
PCまたはタブレット
カメラ(PC内蔵のものでもOK)
マイクロフォン(PC内蔵のものでもOK)※質問をしていただく際に必要です。
安定したネット接続の環境
※よりクリアにお聴きいただくために、ヘッドホンかイヤホンのご使用をおすすめしています。

【料金】
1コマ:6,050円(税込)

【制限受講数】
1コース最大5コマでの受講が可能です。
例)英日映像翻訳実践コースを修了した方
「総合コース・Ⅰ」最大5コマ、「総合コース・Ⅱ」最大5コマ、「実践コース」最大5コマ

【ルール】


【申し込み締め切り】
各授業の2週間前

【支払い方法】
クレジットカードまたは銀行振込
※銀行振込をお支払い後にキャンセルを希望された場合は、手数料を引いた金額で返金させていただきます。

※クレジットカードの第三者による不正利用を防止するため、カード発行会社の本人認証サービス(3Dセキュア2.0)のご登録が必要となり、未登録のクレジットカードを支払方法に選択された際は決済できない場合がございます。
本人認証サービスの内容はご利用のカード発行会社によって異なりますので、登録方法につきましては、ご利用のカード発行会社へご確認ください。



【申し込み方法】
下記フォームよりお申し込みください。
お支払い情報やその他詳細は、別途メールにてご案内させていただきます。

【問い合わせ先】
seminar(at)@jvta.net
※ (at)は@に置き換えてください。

<キャンセルポリシー>
■受講のキャンセルについて
授業当日の8日前(課題配布日の前日)をキャンセル期日とします。
 ・期日までのご連絡の場合:以下「■返金額について」の規則に則って返金
 ・授業当日から8日前から3日前:キャンセル料 50%
 ・授業当日から2日前以降:キャンセル料 100%
■返金額について
受講料のお支払い方法によって返金額が異なります。
 ・クレジットカード決済でお支払いの方:全額返金
 ・銀行振込でお支払いの方:振込手数料を引いた金額を返金
■キャンセルに関するお願い
定員を設けておりますため、ご都合が悪くなった場合はできるだけ早めにご連絡いただくようお願いいたします。



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ドラマトゥルク×映像翻訳で“自分にしかできない仕事”をする 英日映像翻訳科修了生・前原拓也さん

JVTAで映像翻訳を学び始める人には、様々なバックグラウンドがある。英語教師やSE、貿易事務や企業の経理担当者など、英語に関連する仕事をしている人もいれば、全く違う業界から映像翻訳へ舵を切る人もいる。これまではコース修了後に映像翻訳一本の道を目指す人が多かったが、近年はそれまでに培ったキャリアや知識と映像翻訳スキルを掛け合わせ、新たな扉を開く人が増えている。

2025年のサマースクールにて、「『この世はすべて舞台、人はみな“訳者”』!?経験×スキルで見つける、新たな映像翻訳者像とは」のセミナーに登壇した、英日映像翻訳科修了生の前原拓也さんもその一人である。前原さんは慶應義塾大学大学院の文学研究科独文学専攻で修士課程を修了後、東京で舞台制作の仕事をしながら、フリーランスで「ドラマトゥルク」という仕事をしていた。その後、30歳のタイミングで文化庁令和4年度新進芸術家海外研修制度を通じて2年間ドイツのミュンヘンに留学。バイエルン州立アウグスト・エヴァーディング演劇アカデミーのドラマトゥルギー科修士課程を修了し、帰国後は静岡県にあるSPAC-静岡県舞台芸術センターで働いている。

「『この世はすべて舞台、人はみな“訳者”』!?経験×スキルで見つける、新たな映像翻訳者像とは」の様子。

新たなキャリアを考える中で見つけた映像翻訳
ドラマトゥルクとは、美術館で言う学芸員やキュレーターに近い存在だ。劇場にかける演目の選定、観客に作品の理解を深めてもらうためのプレトークの実施や解説の執筆、また演出家とディスカッションしながら演出の方向性を考えるなど、劇場の芸術的な部分で総合的に関わる仕事である。前原さんによれば、主にドイツ、オーストリア、スイスといったドイツ語圏の劇場で存在する職種だそう。しかしながら、日本でドラマトゥルクを有する劇場はなく、前原さんはこれまでフリーランスで主に演出家と演出プランを立てて伴走する役割として働いてきた。

そんな専門職として活躍していた前原さんが、なぜ映像翻訳を学ぶことにしたのか?そのきっかけはコロナ禍だった。当時、緊急事態宣言によってエンタメ業界は大きな打撃を受けた。舞台業界も例に漏れず、前原さんは仕事を休むことを余儀なくされた。

「予定していた仕事がほぼなくなり、それをきっかけに今後のことを考えるようになりました。そこで自分の経験を生かして何ができるかを考えた際、オペラや演劇の字幕制作に関わった経験があったことから、映像の翻訳もやってみようとJVTAの門を叩きました」

これまでの経験と新しいスキルがクロスする
映像翻訳を学び始めて気づいたことは、ドラマトゥルクとしての経験と映像翻訳の知識が相互に生かせるということだった。

ドラマトゥルクの仕事は自分の作品を作ることではなく、作品を観客に届ける手伝いをするということ。映像翻訳もそれと同様で、翻訳を通して作品のメッセージや作り手の思いを観客に届けることが最も大切である。前原さんは映像翻訳の作業について、「これまで演出家と共にやっていた作業を、映像相手にやっているような感覚」だと語る。それと同時に、映像翻訳の体系立ったルールは舞台翻訳で生かせると感じた。

2022年に英日映像翻訳科の実践コースを修了し、プロ化試験(トライアル)にも合格。プロの映像翻訳者としてデビューする一方、エンタメ業界には活気が戻り、ドラマトゥルクとしての仕事も再開するようになる。

そして2025年、前原さんにある翻訳案件の声がかかった。それはニューヨークのメトロポリタン歌劇場で上映されたオペラの映像を映画館で見る「METライブビューイング」の翻訳だ。

「映像翻訳を学ぶからには、いつかMETライブビューイングの字幕翻訳をやってみたい」と、前原さんは密かな夢を抱いていた。その夢が早くも叶うこととなった。

「METライブビューイングはオペラでありながら、映像作品として字幕をつける形式です。まさに『舞台作品と映像作品の間』だと言える仕事でした。映像翻訳を学んだからこそ手掛けることができたと思っています」

密かに抱いていた夢を叶え、ドラマトゥルクとしてもますます活躍する前原さん。活動の場を増やすために必要なのは、「声を上げること」だという。

「ドラマトゥルクとしての仕事がない時期から、『自分はドラマトゥルクです』と色々なところで言っていました。翻訳も同じで、声を上げることで周りに自分のことを知ってもらえますし、それが仕事へつながることもあると思います。映像翻訳は色んな分野と掛け合わせることができると思いますので、やりたいことがある人はぜひ声を上げてアピールするべきだと思います」

今後は戯曲の翻訳にも挑戦してみたいそう。また、現在勤めているSPAC-静岡県舞台芸術センターをより盛り上げていくことも目標に掲げている。ドラマトゥルクとして、そして映像翻訳者として、前原さんのさらなる活躍が楽しみである。

SPAC-静岡県舞台芸術センターの情報は▶こちら

関連記事:
「密かな目標が達成できた」METライブビューイング『サロメ』の字幕翻訳を修了生が担当!


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10月期が順次開講!10/18(土)に140分で映像翻訳のことが分かるリモートセミナー&説明会開催!

2025年1月12日(日)より、英日映像翻訳 総合コース・Ⅰの日曜集中クラスを開講中!
最終の受付締切は1/16(木)

字幕、吹き替え、多様なジャンルを学べるJVTAで
映像翻訳のプロを目指す!

日本映像翻訳アカデミー(JVTA)は、字幕・吹き替えの翻訳者として活躍するために必要なスキルを学ぶ職業訓練校です。英語から日本語へ翻訳する英日映像翻訳と日本語から英語へ翻訳する日英映像翻訳があり、目的に合わせたコースを選んでいただくことができます。コース修了後、当校独自のトライアル(プロ化試験)に合格すれば、併設する翻訳受発注部門よりお仕事を紹介させていただくので、学んだスキルを実践で生かしていただくことができます。

通常の、JVTAの開講月は例年4月と10月ですが、「10月の入学に間に合わなかった」「4月より早く学習をスタートしたい」という声にお応えして、2025年1月に「英日映像翻訳 総合コース・Ⅰ」の日曜集中クラスを開講します!
ご興味をお待ちの方は、「リモート個別相談」にご参加ください。映像翻訳の世界やJVTAでの学びについて、深く知っていただくことができます。
※1月入学に向けた体験レッスンが含まれる「リモート・オープンスクール」は、終了しました。4月入学を対象にした開催は1月下旬以降を予定しています。

【こんな方はぜひご参加ください】
・映像翻訳に興味がある
・語学力を生かせる仕事に就きたい
・好きな映画や海外ドラマに関わる仕事に就きたい
・プロの映像翻訳者を目指したい
・フリーランスとして活躍したい
・手に職をつけたい
・映像翻訳の需要に関して知りたい
・字幕翻訳にチャレンジしてみたい


英日映像翻訳 総合コース・Ⅰ コースの詳細は▶こちら
その他、コースや入学に関するよくあるご質問は▶こちら
会社概要▶こちら

2025年1月 英日映像翻訳科 日曜集中クラスご検討者向け

リモート個別相談

1月開講 日曜集中クラスをご検討の方は、「リモート個別相談」へお申し込みください。お申し込み後、ご入力いただいたメールアドレス宛にご案内をお送りします。
尚、このページで入力いただいた内容はSSLで暗号化されて送信されます。

リモート個別相談では、ご希望の日時で当校スタッフが入学に関するご案内のほか、コース選択や映像翻訳学習・修了後の進路などの不安や疑問にマンツーマンでお答えします。
※リモート個別相談では字幕翻訳の体験レッスンはございません。
※2025年1月の英日映像翻訳科 日曜集中クラスは1月16日(木)まで入学可能です。

※映像翻訳のプロとして仕事をする際の目安となる英語力については▶こちら

※入学には「リモート個別相談」の参加が必須です。


【参加条件】
英語力・翻訳経験不問
※パソコンやタブレットなどで安定して動画配信サービスなどを視聴できる環境が整っていれば、どなたでも無料でご参加いただけます。
 

【参加形式】
リモートのみ(Zoom )
※音声を聞き取りやすくするために、イヤホン・ヘッドホンの使用をお勧めします。また質疑応答のタイミングもありますので、マイクをお持ちでしたらご用意ください。
 


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2025年 JVTAの取り組み

JVTAは各種イベントやセミナーの開催、教育現場での映像翻訳の指導などを行っている。受講生・修了生以外も参加できるイベント「サマースクール」や、大学生と共にドキュメンタリー作品に字幕を付けるプロジェクトなどを通して、幅広い層に映像翻訳に触れてもらう機会を設けている。こちらでは主に2025年の取り組みをご紹介する。
    

★2024年の取り組みについてはこちら
★2023年の取り組みについてはこちら
★2022年の取り組みについてはこちら
★2021年の取り組みについてはこちら



★セミナーイベント

JVTAでは受講生や修了生、映像翻訳に興味がある人、エンタメ業界に興味がある人に向け、様々な無料イベントを定期的に開催。多方面で活躍する修了生をゲストに招いた企画や、視聴者と一緒に字幕を考えるセミナーなど、幅広いイベントを実施している。

AI時代にこそ輝く「ことばのプロ」になろう「JVTAサマースクール 2025」

サマースクールレポート:「頼まれたら断らない」それが求められる人材になる秘訣

サマースクールレポート:「日英映像翻訳者は英語ネイティブじゃないとなれないのか?」その答えは…

サマースクールレポート:ドラマトゥルク×映像翻訳で“自分にしかできない仕事”をする 英日映像翻訳科修了生・前原拓也さん

★企業としての取り組み

日本のコンテンツの海外展開を支援する取り組み

海外の大学生に英語字幕制作を指導 完成した字幕付き作品はドイツの世界最大級の日本映画祭で上映

国内最大規模「MUSIC AWARDS JAPAN」で字幕制作をサポート(JVTAのコーポレートサイトへ)

★受講生・修了生との交流

■2025年4月期ウェルカムパーティーを開催!

【イベントレポート】コースの垣根を超えた交流を実現!2025年4月期ウェルカムパーティーをリモート開催!


■JVTAメールマガジン企画を実施!

普段見ないジャンルにチャレンジするも良し!ゴールデンウイークは映像作品を楽しもう


★ロサンゼルス校の取り組み

Los Angelesごもりの6日間!通訳ブートキャンプ開催!

★学校教育事業

JVTAのプロの映像翻訳者が講師となり、これまでの翻訳者育成ノウハウを活かして、様々な大学で映像翻訳の指導やインターンシップ・プログラムを行っている。

■今年も実施国内外の学生がSDGsをテーマにしたドキュメンタリー映画に字幕をつけ上映するインターンシップ・プログラム

映画+トークを通して、環境保護やジェンダー平等の問題を「自分ごと」に。「WATCH 2025」上映イベント開催レポート

TP-Bridge × 日本映像翻訳アカデミー:言語を越えて社会課題に向き合う(東京外国語大学のサイトへ)

■地方自治体と協力して子ども向けワークショップを開催

「My Hometown Ito 英語で伊東のPRショート動画を作ってみよう!」を開催(JVTAのコーポレートサイトへ)

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2025年 JVTA修了生の活躍

JVTAは職業訓練校として映像翻訳に関するスキルを多角的に学べる授業を提供し、多くの修了生がさまざまな分野で活躍している。本ページでは映像翻訳やその他のことばの仕事など、多岐にわたるジャンルで活躍する修了生の記事をご紹介する。
※掲載内容は掲載当時のものです。タイトルをクリックで各記事をご覧ください。

過去の修了生の活躍についてはこちら
【2024】JVTA修了生の活躍
【2023】JVTA修了生の活躍
【2022】JVTAの修了生が幅広い分野で活躍



2025年 修了生の活躍 ~映像翻訳~

英日映像翻訳

◆アカデミー賞受賞『アイム・スティル・ヒア』が劇場公開 字幕は修了生の原田りえさん

◆「密かな目標が達成できた」METライブビューイング『サロメ』の字幕翻訳を修了生が担当!

◆【カナダ大使館・ケベック州政府在日事務所共催の上映会に字幕で協力】カナダ滞在経験を仕事に活かす!カナダに移民した少女の物語を翻訳

◆【修了生の原田りえさんが字幕を担当】アカデミー賞助演女優賞と歌曲賞を受賞の『エミリア・ぺレス』が劇場公開

◆カナダ在住 現地の高校の字幕ワークショップで指導 修了生・藤田亮子さん インタビュー

◆大人が読みたい愛蔵版 修了生の小松原宏子さんが『ピーター・パン』の完訳を担当

日英映像翻訳

◆最新作『初級演技レッスン』が劇場公開 世界で注目される串田壮史監督インタビュー

その他

◆NHK朝ドラのノベライズを修了生が執筆!活かされた映像翻訳のスキルと経験


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映画+トークを通して、環境保護やジェンダー平等の問題を「自分ごと」に。「WATCH 2025」上映イベント開催レポート

2025年7月3日(木)~7月13日(日)にかけ、学生がSDGsに関連する海外ドキュメンタリー作品に字幕をつけて上映する無料のオンラインイベント「WATCH 2025: For a Sustainable Future(以下、WATCH 2025)」を開催。本イベントは東京外国語大学(東京都府中市)が共催、神戸市外国語大学(兵庫県神戸市)が協力となる産学連携のインターンシップ・プログラムだ。インターン生が主体となり翻訳、プロモーション、イベント制作を行うことが大きな特徴である。プログラムは2022年より実施しており、今年で4回目となった。

「WATCH 2025」では、国内外の大学から参加した53名のインターン生が日本語字幕を付けた長編ドキュメンタリー2作品、英語字幕を付けた短編ドキュメンタリー作品1作品のオンラインでの無料上映を実施。さらに長編ドキュメンタリー2本は、東京外国語大学の「TUFS Cinema」と連動し、リアルでの上映イベントを開催した。

TUFS Cinemaは、映画を通じ、世界の諸地域における社会・歴史・文化の理解を深めることを目的として東京外国語大学で行われている上映イベントである。今回は「SDGsを考える映画特集」として、「WATCH 2025」のインターン生が字幕を制作した『自然と未来~オーストリアとブータンからの学び~』と『イスラームの変革者~女性イマームの誕生~』の2作品を上映。さらに各映画のテーマに造詣の深いゲストを招き、学生とのトークセッションを行った。

(左から)髙梨真央さん、寺村優奈さん、古川高子先生、村山木乃実先生、
内田理香子さん、村上梨緒さん、近藤絢乃さん(司会)、桜井徹二(JVTA)


テクノロジーに囲まれた私たちが、自然保護と幸福を両立するには?
1本目の上映作品は『自然と未来~オーストリアとブータンからの学び~』。監督自身がブータンとヨーロッパを旅しながら、気候変動と人間の暮らしの関係を見つめ直すドキュメンタリーだ。自然と調和したブータンの有機農業やGNH(国民総幸福量)の思想を通じ、現代の消費行動や価値観に問いを投げかける作品である。

上映後のトークセッションには、東京外国語大学 世界言語社会教育センター 特任講師で、ヨーロッパ近現代史や自然と人間の社会史について研究している古川高子先生がゲストとして登場。東京外国語大学の寺村優奈さんと髙梨真央さんが共に登壇し、インターン生が作った字幕の感想や、映画の内容から派生した「自然保護とはどうあるべきか」という疑問、自然保護と幸福を両立するにはどうしたらいいのかなどを質問した。

セッションの中で髙梨さんは、「テクノロジーに囲まれた便利な生活をする現代において、どのようにその幸福を享受しながら自然を保護していくことができるのか?」と古川先生に問いかけた。この問いについて古川先生は、「技術と自然は対立するものではなく、どちらも人間をとりまく『環境』である」と回答した。

「テクノロジーと自然は対立するものではなく、どちらも人間を取り巻く『環境』だと考えてみるとどうでしょうか。例えばテクノロジーが進化して、人間を監視したり人間に命令するようになるかもしれません。そうなると、その時点で初めて人間は『命令されない環境』を考えるようになります。
山の中に暮らしているような人は、自分の周りの環境を整えないと、いつ自然に殺されるか分からない生活をしています。それが自然保護をする理由なんです。そしてそれは、長い目で見たら人間の幸福につながるはずです。
テクノロジーに囲まれている私たちも、その進化によっていつその脅威にさらされるか分かりません。進み過ぎたテクノロジーを制限する必要性に迫られるかもしれません。それは決して幸福な状態とは言えないでしょう。
つまり幸福を享受しながら自然保護をするという考えではなく、『自分たちの周りの環境を保護しなければ幸福になれない』と、少し逆転の発想をするのが良いと思います」(古川先生)

この回答に髙梨さんは「『自然は大事だから保護しなくてはならない』と考えていたが、環境を守ることが人間を保護することにつながり、最終的に幸福に繋がっていくという意見が新鮮に感じた」と感想を述べた。映画鑑賞と古川先生の解説を通し、地球規模で遠く感じがちな「自然保護」が、自分ごととなった人は多いだろう。




日本とは異なる、イスラムの「平等」の定義
2つ目の上映作品は『イスラームの変革者~女性イマームの誕生~』。女性主導によるモスクの開設を目指す主人公が、イスラム教に対する誤った認識や恐怖が広がりつつある現実に際し、従来のジェンダー・ヒエラルキーからの脱却を目指す物語である。

上映後のトークセッションのゲストは、東京外国語大学 アジア・アフリカ言語文化研究所特任研究員で宗教学、ペルシア文学、イラン思想を研究する村山木乃実先生。東京外国語大学の内田理佳子さんと東京外国語大学大学院の村上梨緒さんが共に登壇し、イスラムに関する専門用語や日本ではなかなか知る機会の少ないイスラムにおける結婚や離婚、ジェンダーギャップなどについて聞いた。

映画の中では女性がイマーム(導師)となることについて、様々な議論が行われるシーンがあった。それにちなみ、村上さんはイスラムにおけるジェンダー平等について村山先生に質問。すると村山先生は「イスラム圏の一般的理解や政府の見解における『平等』の概念と、他の地域における『平等』の概念は異なる」と解説した。

「日本や他の地域における一般的なジェンダー平等の概念は、『男女が同じ能力や役割を持ち、それを発揮する機会を持つこと』です。一方、イスラムにおける一般的な考え方は『男女それぞれが別々の能力や役割を持ち、それを相互補完的に発揮すること』。根本の考え方が違うので、日本の平等の概念でそのままイスラムの平等を考えることは難しいのです」(村山先生)

しかしながらイスラムの世界でも、女性の高等教育や社会進出の広がり、世界的フェミニズム運動に後押しされる形で、従来の男性中心主義の考えに対抗する動きも起きていると村山先生は言う。このような変化が進むためには、女性やマイノリティの問題に関して連帯して変革を求めることが重要であり、そのためには「WATCH 2025」のようなイベントを通して「問題を知る」ことが大切であると結んだ。



終盤には会場参加者からの質疑応答も実施。「『自然と未来~オーストリアとブータンからの学び~』の舞台のひとつであるオーストリアの自然保護は、隣国のドイツの影響もうけているのか?」「イマームというものは、誰がどのような形で権威を認めるのか?」など、多数の質問が先生方に寄せられた。映画、トークセッション、さらに質疑応答を通し、世界規模での環境保護やジェンダー平等について理解を深め、更なる興味を掻き立てられる上映イベントとなった。イベントを通し、参加者は自分から遠いと思っていた社会問題を少し身近に感じられるようになっただろう。

「WATCH 2025」のインターンシップ・プログラムの概要や上映作品情報は、公式HPで掲載している。さらに、学生主体でのInstagramとnoteも運営。こちらではインターン生視点での字幕翻訳の感想や、インターン生がプロの映像翻訳者に行ったインタビューなども掲載している。ぜひこちらもチェックしてほしい。


WATCH 2025 公式サイトは▶こちら
公式Instagramは▶こちら
公式noteは▶こちら

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JTF翻訳祭2025 割引コードお申込ページ

10月1日(水)から日本翻訳連盟(JTF)が主催する第34回JTF翻訳祭2025が開催されます。
JVTAは10余年の間JTFの会員であり、今年もスポンサーとして参加。オンデマンドや会場開催のセミナーやイベントに参加希望の受講生・修了生の皆さんには特別割引価格(翻訳学校生)があります。

◆第34回JTF翻訳祭2025 公式サイト
https://www.34jtffestival2025.com/

◆プログラムリスト
https://www.34jtffestival2025.com/program-list

セミナー参加希望の方は下記のフォームからお申し込みください。
割引価格(翻訳学校生)の専用コードをメールでお送りします。

「密かな目標が達成できた」METライブビューイング『サロメ』の字幕翻訳を修了生が担当!

近年、映画館で増えている「ライブビューイング」をご存じだろうか?
ライブビューイングとは、音楽コンサートやイベント、演劇などを全国各地の映画館でリアルタイム中継することである。チケット入手が困難なコンサートや遠方で開催されるイベントなどを、現場の臨場感を味わいながら近所の映画館で見ることができるシステムだ。2003年頃から行われるようになったライブビューイングは、コロナによる影響も相まって、日本社会に広がっている。

ライブビューイングにいち早く取り組み始めた団体のひとつが、世界3大歌劇場のひとつであるニューヨークのメトロポリタン歌劇場である。メトロポリタン歌劇場では2006年より、世界各地の映画館で最新シーズンのオペラの生中継を開始。時差の関係で生中継が難しい日本では、松竹株式会社が「METライブビューイング」として日本語字幕付きの映像を映画館で上映している。

2025年6月27日(金)に上映が始まるのは、リヒャルト・シュトラウスの『サロメ』である。オスカー・ワイルドの戯曲から生まれたシュトラウスの傑作オペラが、20年ぶりの新演出で上映される。

(c)Evan Zimmerman/Metropolitan Opera


舞台から映像へ。コロナをきっかけに新しいキャリアを模索
本作の日本語字幕を担当したのは、JVTA修了生の前原拓也さんだ。前原さんは大学でドイツ文学を専攻し、ドイツ演劇の研究で修士号を取得。その後舞台芸術の制作会社に身を置きつつ、ドラマトゥルクとしても活動した。

ドラマトゥルクは、作品の演出コンセプトを演出家と一緒に立てるなど、作品ができるまでの過程に壁打ち相手として伴走する役割である。日本ではあまりなじみがないが、ドイツではどの劇場にも雇用されているそうだ。上記の役割に加えて、上演する作品を芸術監督と一緒に考えたり、配布するパンフレットの編集をしたりなど、美術館のキュレーターのように、劇場の頭脳的な役割を担っていると前原さんはいう。前原さんはその後ドイツへ留学し、ドラマトゥルクへの理解をさらに深めた。現在は日本に戻り、SPAC-静岡県舞台芸術センターで働いている。

そんな前原さんは、ドイツ留学前のタイミングでJVTAの英日映像翻訳コースを受講。実践コースまで修了し、トライアル(プロ化試験)にも合格した。ドラマトゥルクとして活動する中、映像翻訳に興味を持ったきっかけは何だったのか?

「大きなきっかけはコロナです。コロナの流行で、舞台芸術は大打撃を受けました。僕自身の仕事も大幅に減り、別の仕事にも目を向けたほうがいいかもしれないと思ったんです」(前原さん)

前原さんは、ドラマトゥルクの仕事の延長でオペラを始めとする舞台の字幕翻訳にも携わっていた。自身で翻訳することもあれば、翻訳者から上がってきた字幕を演出家の要望に合わせて調整するなどの仕事をしていたという。そのような経験から「字幕翻訳はおもしろい」と考え、JVTAで映像翻訳を学ぶことにした。

「舞台字幕は映像の字幕に比べて歴史が浅い。そのため良く言えば自由ですが、悪く言えばクオリティにバラつきがあると思います。JVTAで映像翻訳の確立されたルールを学んだことで、映像の字幕ルールの良い部分を舞台字幕に持ち込みたいと考えています」(前原さん)

密かな目標だった「METライブビューイングの翻訳」
METライブビューイングは、メトロポリタン歌劇場で上映された最新オペラをライブ撮影した映像を映画館で見られるものである。臨場感あふれる5.1chサラウンドの音響、映像ならではの多彩なカメラワーク、さらに幕間には歌手へのインタビュー等も加わっている。映像作品として上映されるので、日本語字幕は一般的な映画などと同様に、基本的に映像の下に横出しで表示される。

実は前原さんにとって、METライブビューイングの翻訳は目標のひとつだった。「映像翻訳をやるからには、いつかMETライブビューイングの字幕翻訳をやってみたい」と密かに考えていたという。

念願が叶い、『サロメ』の字幕翻訳を担当することになった。字幕制作作業で印象に残っているのは、「重唱」パートの翻訳だという。オペラでは2つ以上の声部を、各部それぞれ一人の歌手が受け持って歌う「重唱」がある。今回の『サロメ』では、5名のユダヤ人がケンカをするシーンがあった。つまり5人の歌手が同時に歌い続けるのだ。

「5人が持論を話し続けるシーンでは、字幕の出し方に頭を悩ませました。映像が届くまでの準備段階では、台本を基に一旦すべて翻訳しておきましたが、具体的にどのようにハコ切り(原文のどこからどこまでを1枚の字幕にするか決めること)するかは未知数でした。その後実際に届いた映像を見ると、5人を順に映すようなカメラワークがあったので、そこは画面に映っている人が変わっていくタイミングでセリフが出るように調整。またカメラが引いて全員が映る際は、『言い争いをしている』ということを伝えることが重要だと配給の松竹さんとも相談し、あえて字幕を出さずに映像を見せるように判断したところもあります」(前原さん)

その他にもオペラと映画作品で違いを感じた部分がある。一般的な映画作品ではセリフに対して字幕で表示できる文字数が少なく、情報の取捨選択に苦心するケースが多い。一方オペラでは、「愛してる」の一言をなん十秒もかけて伝えることもあるという。このような字幕の「長さ」の扱いも、オペラ作品と映画作品で違いを感じたそうだ。

JVTAを通して培った、プロとしての自信
元々舞台字幕の制作経験があった前原さん。しかしJVTAの映像翻訳コースで学んだことで得たものは色々あったという。字幕と字幕のつながりを考えることや、翻訳を裏付けるリサーチの仕方など技術的なことも学べたというが、大きいのは「プロの映像翻訳者です」と言えるようになったことだ。

「トライアルに合格し、JVTAからもらった翻訳の仕事もしています。それによって『プロとして映像翻訳をやっています』とはっきり言えるようになりましたし、気持ちの上でも自信がつきました」(前原さん)

今後もチャンスがあれば、METライブビューイングの翻訳に携わりたいと前原さんは考えている。コロナをきっかけに新たなキャリアの選択肢として始めた映像翻訳だったが、結果的に仕事の幅を広げることにつながった。

最後に、今回の『サロメ』の見どころを聞いた。

「サロメを演じるエルザ・ヴァン・デン・ヒーヴァーがとにかくすばらしいです。サロメという役は高音で歌いっぱなしというとても大変な役なんですが、彼女は本当にすばらしい。これほど良いサロメはなかなか見られないと思います。字幕は、技巧を凝らしたというよりも、あくまで作品が自然に入ってくるように、黒子に徹しました。なので、字幕翻訳者としては、字幕が気にならず、とにかく作品を楽しんでもらえたら何よりです」(前原さん)

METライブビューイング『サロメ』は、6月27日(金)~7月3日(木)まで各地の映画館で上映される。チケット詳細等はオフィシャルサイトでご確認を。

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