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これがイチ押し、アメリカン・ドラマ  第81回 “THE FLIGHT ATTENDANT”

これがイチ押し、アメリカン・ドラマ  第81回 “THE FLIGHT ATTENDANT”
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    今、アメリカ発のテレビドラマが最高に熱い。民放系、ケーブル系各社に[…]

    “Viewer Discretion Advised!”
    これがイチ押し、アメリカン・ドラマ
    Written by Shuichiro Dobashi 

    第81回“THE FLIGHT ATTENDANT”
    “Viewer Discretion Advised”は海外の映画・テレビ番組等の冒頭で見かける注意書き。「バイオレンスやセックス等のコンテンツが含まれているため、視聴の可否はご自身で判断して下さい」という意味。

    今、アメリカ発のテレビドラマが最高に熱い。民放系・ケーブル系に加えてストリーミング系が参戦、生き馬の目を抜く視聴率レースを日々繰り広げている。その結果、ジャンルが多岐に渡り、キャラクターが深く掘り下げられ、ストーリーが縦横無尽に展開する、とてつもなく面白いドラマが次々と誕生しているのだ。このコラムでは、そんな「勝ち組ドラマ」から厳選した、止められない作品群を紹介する。

     
    ‘60年代の香り漂うお洒落なミステリー!
    1960年代のミステリー映画はスタイリッシュではなく‘お洒落’だった。
    “The Flight Attendant”はHBO Maxのオリジナル、“The Big Bang Theory”のケイリー・クオコ主演、‘60年代の香り漂うお洒落なミステリードラマなのだ!

     
    3Cの客
    キャシー・ボウデン(ケイリー・クオコ)は、ゴージャスで自由奔放なインペリアル航空の国際線CAだ(「CA=キャビンアテンダント」は和製英語なので通じないけど)。キャシーはアルコール依存症で、世界の主要都市で夜な夜な遊びまわり、独身生活を謳歌している。今、彼女はNYを出発してバンコクへ向かう機内で、いつものようにウォッカを呷り、今晩ベッドに誘う乗客を物色中だ。
     

    今回のラッキー・ボーイは‘3C’のアレックス・ソコロフ(ミキール・ハースマン)。アレックスはNYにある投資会社の幹部だ。意気投合した2人はバンコクに着くなり街に繰り出し、泥酔し、セックスして、爆睡した。
    翌朝、キャシーはアレックスの泊まるホテルの部屋で目覚める。酷い二日酔いだ。手に、血が付いている。昨夜何が起きたのか思い出せない。
    ベッドには、喉を切り裂かれたアレックスの死体が横たわっている。

     

    (もしバンコクで逮捕されたら、ヤバいことになるのでは?)
    パニックに陥ったキャシーはできるだけ自分がいた痕跡を消して、ホテルから逃げ出した。
     

    キャシーは何とかNYに戻るが、他のCAとともにFBIによる取り調べを受ける。バンコクのホテルでアレックスの死体が見つかったのだ。
    気が気でないキャシーは酒量が増え、アレックスの幻覚を見るようになる。少しずつ殺人前夜の記憶が戻り始めた。なぜか子供のころの辛い記憶も一緒に蘇ってきて、キャシーは狼狽する。
     

    キャシーは自らの殺人容疑を晴らすと同時に、過去の自分とも対峙しなければならなかった。
    一方、謎の暗殺者ミランダ(ミシェル・ゴメス)が、キャシーに迫りつつあった!
     

    ケイリー・クオコの魅力全開!
    主演のケイリー・クオコは、12シーズン続いた大ヒットコメディ“The Big Bang Theory”のペニー役でブレークした。(因みに筆者の選ぶコメディシリーズのオールタイム・トップ3は、“Cheers”、“Seinfeld”、“The Big Bang Theory”だ。)
    本作でクオコはキュートで自堕落なキャシーと、過去のトラウマと闘う健気なキャシーを演じ分け、ゴールデングローブ賞&エミー賞の主演女優賞候補となった。

     

    アレックス役のミキール・ハースマンはオランダ出身。“Game of Thrones”、“The Haunting of Hill House”(本ブログ第52回参照、‘マイケル・ユイスマン’と表記)など、アメリカン・ドラマでもお馴染みの顔だ。
     

    スコットランド出身のミシェル・ゴメスが、ヒッチコック作品を彷彿させるクールな殺し屋ミランダを怪演する。
     

    キャシーの2人の親友、マフィアの弁護士アニーと怪しい副業を持つ先輩CAのメーガンを、ザーシャ・マメットとロージー・ペレスが演じる(ペレスはエミー賞の助演女優賞にノミネート)。この2人は地味に可笑しい。
    また、“Grey’s Anatomy”のT・R・ナイトが、キャシーの優しい兄デイビー役でいい味を出している。
     

    ロマンティック・クライムコメディ&ダーク・ミステリードラマ!
    ショーランナー/共同脚本は、“Supernatural”を手掛けたスティーヴ・ヨッキー。ケイリー・クオコはクリス・ボジャリアンによる原作の映画化権を持ち、製作総指揮にも名を連ねる。本作は、ゴールデングローブ賞最優秀作品賞、エミー賞最優秀作品賞/監督賞/脚本賞でもノミネートを受けた。
     

    パイロット(第1話)の冒頭から、『シャレード』 『暗くなるまで待って』 『おしゃれ泥棒』など、オードリー・ヘプバーンが主演した‘60年代のロマンティック・ミステリーの影響を感じる。アニメーションによるオープニング・クレジットも楽しい(“Mad Men”のオープニングに似ているのが気になるが)。舞台はバンコク、NY、最後はローマで、異国情緒も十分だ。
    本作はスタイリッシュでもファッショナブルでもない、レトロ感あふれる‘お洒落’なドラマだ。ヘンリー・マンシーニの音楽や、ソール・バスのタイトル・デザインが似合いそうで新鮮味がある。
     

    「一夜限りの相手とベッドを共にした主人公が、翌朝目覚めると隣には死体が…」というシチュエーションは、映画や小説では手あかのついたものだ。だが主演がフットワークの軽いケイリー・クオコなので、すぐに引き込まれ、テンポの良さに乗せられて、“binge watch”してしまう。
     

    ストーリーはツッコミどころ満載で、よく出来た推理小説のような堅牢で緻密な結末を期待すると脱力する。確信犯的なユルいムード・ミステリーで、適度な緊迫感、ユーモア、暗さのバランスが絶妙に計算されている。
    本作の成功は、ケイリー・クオコの達者な演技とコメディセンスに加えて、HBOが得意とする質感ある雰囲気づくりに負うところが大きい。
     

    “The Flight Attendant”は、粋で能天気なロマンティック・クライムコメディ&ユニークでお洒落でダークなミステリードラマなのだ!(ちょっと盛り過ぎたか。)
     

    シーズン1は各エピソード約45分で全8話。HBO Maxオリジナルの本作は、U-NEXTが独占配信中だ。
    制作が決まったシーズン2はオリジナルのストーリーになるのか、気になるなあ。
     

    <今月のおまけ> 「My Favorite Movie Songs」#57
    Title: “She”
    Artist: Elvis Costello
    Movie: “Notting Hill” (1999)

    ロマコメ主題歌の中でも屈指の名曲!

     
    写真Written by 土橋秀一郎(どばし・しゅういちろう)’58年東京生まれ。日本映像翻訳アカデミー第4期修了生。シナリオ・センター’87年卒業(新井一に学ぶ)。マルタの鷹協会会員。’99年から10年間米国に駐在、この間JVTAのウェブサイトに「テキサス映画通信:“Houston, we have a problem!”」のタイトルで、約800本の新作映画評を執筆した。映画・テレビドラマのDVD約1300本を所有。推理・ハードボイルド小説の蔵書8千冊。’14年7月には夫婦でメジャーリーグ全球場を制覇した。
     
     

     
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