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あの頃、君は悪かった。シリーズ② トミー・リー・ジョーンズ in 『沈黙の戦艦』

あの頃、君は悪かった。シリーズ② トミー・リー・ジョーンズ in 『沈黙の戦艦』
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【最近の私】現在公開中の『THE BATMAN-ザ・バットマン-』の予告編がダークな雰囲気で気になります。新たなヒーロー像として楽しみです。
 

現在、人気の俳優がブレイクする前はさまざまな役で映画に登場している場合がある。今回は、トミー・リー・ジョーンズが『逃亡者』(1993年)でアカデミー賞を獲得する前、『沈黙の戦艦』(1992年)で扮した悪役を紹介したい。
 

『沈黙の戦艦』の舞台は、アメリカ海軍の戦艦ミズーリ号。ミズーリ号は退役が決まっており、ハワイからサンフランシスコに向けて最後の出撃中だ。この艦長の誕生日をサプライズで祝おうと、ミュージシャンたちが艦に乗り込んでくる。だが、このミュージシャンたちの正体は、元CIA工作員のストラニクス(トミー・リー・ジョーンズ)が率いるテロリストの一味だった。彼らの狙いは、ミズーリ号に搭載されている核ミサイルを奪い、他の国に売りつけることだった。
 

だが、ストラニクス達は知らなかった。ミズーリ号のコック長、ライバック(スティーヴン・セガール)の存在を。ライバックは海軍特殊部隊(ネイビー・シールズ)の元指揮官で、銃火器やナイフを使った武術のエキスパートだった。ライバックは艦内に潜み、忍者のようにテロリストたちを倒し始める。ライバックはストラニクスのテロを阻止できるか…。
 

ライバックとストラニクスには共通点がある。ライバックは過去に上官を殴ったことがあり、降格させられた。かたやストラニクスは凶暴な性格を危険視され、CIAから追放されたことでアメリカ政府を逆恨みし、今回のテロ事件を起こす。2人とも、特殊部隊に所属して政府のために任務を務めていたが、上層部に対しては不信感を持っている。ストラニクスはライバックを始末するために策を練るが、自暴自棄になり核ミサイルを発射しようとするなど、無謀な行動に出ることがある。同じ特殊部隊のエリートでありながら、正義を貫くか、またテロリストに転落するか。この2人のキャラクターは対照的だ。
 

ストラニクスを演じたトミー・リー・ジョーンズは1946年生まれ。俳優を目指して長い下積みののち、『JFK』(1991年)、そして『沈黙の戦艦』の監督アンドリュー・デイヴィスと再びタッグを組んだ『逃亡者』で、ハリソン・フォード演じる主人公を追いつめる連邦捜査官に扮して、アカデミー賞助演男優賞を獲得した。その後は『依頼人』(1994年)、『バットマン フォーエヴァー』(1995年)や『メン・イン・ブラック』(1997年)など、次々と映画に出演する。『メルキアデス・エストラーダの3度の埋葬』(2005年)では監督・出演も果たして、高い評価を得た。日本では缶コーヒーのCMに出ていたので、ジョーンズを知っている人も多いのではないか。
 

『沈黙の戦艦』でデイヴィス監督がジョーンズの俳優としての素質に目をつけて、その後の活躍に繋がったのではと考えられる。ジョーンズが本作で演じた悪役ぶりが、人気俳優になるきっかけとなったと思います。
 

ちなみにこの作品以降、セガール出演作に『沈黙』というタイトルが付けられた作品が多数公開またはDVDリリーズされているが、この作品に関連はありません。『沈黙の戦艦』の正当な続編は『暴走特急』(1995年)だけである。
 

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Written by 鈴木 純一(すずき・じゅんいち)
映画を心の糧にして生きている男。『バタリアン』や『ターミネーター』などホラーやアクションが好きだが、『ローマの休日』も好き。
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戦え!シネマッハ!!!!
ある時は予告編を一刀両断。またある時は悪役を熱く語る。大胆な切り口に注目せよ!
 
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