【2025年7月】英日OJT修了生を紹介します 3
JVTAではスクールに併設された受発注部門が皆さんのデビューをサポートしています。さまざまなバックグラウンドを持つ多彩な人材が集結。映像翻訳のスキルを学んだことで、それぞれの経験を生かしたキャリアチェンジを実現してきました。今回はOJTを終え、英日の映像翻訳者としてデビューする修了生の皆さんをご紹介します。
◆青羽真理子さん (英日映像翻訳実践コース修了)
職歴: 機械メーカー、輸送会社(営業事務・秘書・総務など)
【映像翻訳を学ぶきっかけは?】
高校時代にアメリカへ留学し、英語を学ぶ楽しさに気づきました。それから一般企業でマニュアル翻訳などにも携わりましたが、軽い気持ちで参加したJVTAの字幕体験レッスンで映像翻訳の難しさを痛感し、もっと映像翻訳を学びたいと思い受講を決意しました。
【今後どんな作品を手がけたい?】
スポーツ系のドキュメンタリーやインタビュー、試合中継などの映像翻訳に関わりたいです。野球が特に好きで、メジャーリーグの選手、監督、スタッフなどのマニアックな情報を提供できるような翻訳ができたら最高です。また、料理系の作品も好きなので、いつか海外の料理番組に携わりたいです。
◆板垣麻衣子さん(英日映像翻訳 実践コース修了) 職歴:新聞記者(大学卒業後、17年間やっています)
【映像翻訳を学ぶきっかけは? 】
20年前、当時まだストリーミングサービスが存在しない頃からアメリカのDVDを取り寄せてドラマやリアリティーショーを浴びるように見ていました。2023年に産休に入ったことを奇貨に、兼ねてから興味のあった映像翻訳のスキルを学ぶことにしました。
【今後どんな作品を手がけたい? 】
映像作品の魅力は、知らず知らずのうちに時代の空気をつくることです。男女同権や人種問題など人権にかかわるイシューを交えた、おもしろくて学びになる作品を手がけてみたいです。早すぎたフェミニズム映画とも呼ばれる「テルマ&ルイーズ」など名作映画の翻訳アップデートにも関心があります。
◆小笠原愛子さん(英日映像翻訳 実践コース修了) 職歴:食品メーカー(卸、小売、飲食)広報担当
【映像翻訳を学ぶきっかけは?】
仕事でレシピ動画の撮影、編集、キャプションをつけるところまで1人で行い、改めてVisual Mediaが好きなことを実感しました。本当は高校生の頃から(ドラマ『フレンズ』がきっかけで)映像翻訳に興味があったのに、英語力以前に自分には日本語力が足りないと諦めていたので、やっぱり好きなことを学ばないと後悔する!という気持ちで受講を決めました。
【映像翻訳の魅力】
翻訳を通して知識を得ることが楽しいです。知識がある話題なら日本語でも英語でも前のめりで話せるのに、知らないことはどんな言語でも言葉が出てこない。言葉のプロには到底なれないと思っていた私でも、たくさん調べて知識を得れば、言葉のプロじゃない人にもわかりやすい言葉で訳せると思うので、視聴者目線の「やさしい翻訳者」を目指します。
◆小池陽子さん(英日映像翻訳 実践コース修了 ロジカルリーディング力強化コース修了) 職歴:自動車メーカーや時計メーカー、日本語学校で広報を中心とした業務に携わってきました。
【JVTAを選んだ理由、JVTAの思い出】
もともとイタリア語の絵本翻訳を学びたいと考えていました。そんな折、友人と会った際、その友人がJVTAの英日コースを受講していて、映像翻訳の魅力を楽しそうに語ってくれました。ちょうどその頃、オンライン説明会が開催されていたので参加し、体験レッスンで初めて字幕翻訳に挑戦。自分で訳した言葉が映像にのる体験が新鮮で、とても楽しく、すぐに受講を決めました。いろいろな偶然が重なって今日につながりました!
【今後どんな作品を手がけたい? 今後の目標】
絵本や児童書の翻訳、子ども向けの映像コンテンツに挑戦してみたいと思っています。また、難民映画祭など、社会的意義のあるプロジェクトにも関わっていけたら嬉しいです。
そして、朝ごはんの時間などにVOGUEのYouTubeコンテンツを観るのが小さな楽しみなので、「What’s in My Bag」や「Get Ready With Me」などの字幕制作にも、携わってみたいです。イタリア語を10年ほど学び、フィレンツェの語学学校に通った経験を活かして伊日翻訳にもぜひ挑戦したいですね。
★JVTAスタッフ一同、これからの活躍を期待しています!
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※受付終了しました※【サマースクール2025】語学力+αがカギ!今、注目の「新・通訳」という働き方とは?
【JVTAサマースクール2025】 JVTAが毎夏開催するオンラインセミナーシリーズ!
2025年7月31日(木)19:30-20:30 ※日本時間 ※受付終了 オンライン開催/参加無料
インバウンド市場の拡大や海外とのビジネスの増加により、通訳のニーズはますます高まっています。 しかし、AI翻訳ツールの進化により、単なる「言葉の変換」だけではプロとして通用しない時代がやってきました。いま現場で求められているのは、語学力に加えて、コミュニケーション力や柔軟な対応力、現場での判断力など、多角的なスキルを備えた新しいタイプの通訳。 JVTAでは、こうした時代のニーズに応えるプロフェッショナルを「新・通訳」と定義し、実際にさまざまな現場から依頼が増えています。
本セミナーでは、JVTAで通訳コーディネートを担当する丸山雄一郎と、実際に「新・通訳」として活躍する藤田彩乃氏が登壇。 現場のリアルなニーズや、求められるスキル、そして実体験から導き出した「新・通訳」に必要な3つの要素をお伝えします。 実際の現場の声や体験談を聞ける貴重なチャンスです! 通訳・語学分野での新たなキャリアを考えている方、ぜひお気軽にご参加ください。
【こんな方におススメ!】 ・通訳の仕事に興味がある方 ・語学力を活かして新しい仕事に挑戦したい方 ・語学を強みにキャリアの幅を広げたい方 ・「通訳っぽい仕事」を頼まれることがあるが、専門的に学んだことがない方
【当日の内容(予定)】 ・企業や自治体からどんな通訳ニーズがあるのか?
・「新・通訳」に求められるスキルとは?
・実録!通訳の現場で実際にあったこんなこと
・現場経験から見えた、「新・通訳」に必要な3つの力
【登壇者】
藤田彩乃
日本映像翻訳アカデミー(JVTA)東京校修了後、メディア・トランスレーション・センター(MTC)にて映像翻訳者およびディレクターを務める。2008年にはJVTAロサンゼルス校設立のため渡米し、通訳・翻訳の教育および運営に8年間従事した。帰国後は富山市を拠点に、アポロ・イングリッシュ・アカデミーを主宰し英語指導に携わる傍ら、行政・企業・教育・文化など多分野において通訳・翻訳者として活動している。 これまでに、G7富山環境大臣会合(2016年)およびG7富山・金沢教育大臣会合(2023年)のレセプションなど数々の国際会議のバンケットで英語司会を務めたほか、「オリバー・ストーンと考える未来の富山」(2018年)では、オリバー・ストーン監督およびピーター・カズニック氏のアテンド通訳を担当。さらに、富山日米協会主催の特別講演会(2023年)では、リチャード・メイ駐大阪・神戸米国総領事の講演通訳を務め、富山大学開催の「アイルランド・日本交流美術展『怪談』ラフカディオ・ハーンとの邂逅」オープニングセレモニー(2024)でも通訳を担当した。そのほか富山県庁や県内大手企業においても通訳業務を多数務めている。<最新情報> 大阪・関西万博にて、8月27日(水)〜31日(日)に開催される石川県の特別イベント「石川の日 」。初日27日にEXPOアリーナで行われる「Matsuri」ステージの英語&日本語司会を務めることが決定!
丸山雄一郎 (日本映像翻訳アカデミー) JVTAで営業を担当し、官公庁、放送局、大手広告代理店、インバウンド関連団体・企業を主なクライアントとする。通訳者を起用した国際会議やイベントのサポート実績も豊富で、「新・通訳」の分野に関しても現場のニーズやクライアントの要望を熟知している。
◆JVTAオンラインサマースクール2025◆ 2025年7月27日~2025年9月8日 <1セッションごとに完結 無料講座多数> ※無料セミナー有り ラインナップは▶こちら
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【SKIPシティ国際Dシネマ映画祭】全編大阪弁の映画『お笑えない芸人』の英語字幕制作秘話
映像クリエイターの登竜門として知られる「SKIPシティ国際Dシネマ映画祭」が今年も7月18日(金)に開幕する。この映画祭は、“新たな才能を発掘し、育てる映画祭へ”をモットーに、これまで白石和彌監督(『孤狼の血』『碁盤斬り』)、中野量太監督(『湯を沸かすほどの熱い愛』『浅田家!』)、上田慎一郎監督(『カメラを止めるな!』『スペシャルアクターズ』)など国内外の多くのクリエイターを生み出してきた。今年の審査委員長を務める石川慶監督も2009年に同映画祭に短編を出品、最新作『遠い山なみの光』が第78回カンヌ国際映画祭」ある視点部門で上映され、話題となったばかりだ。本映画祭では「特集「商業映画監督への道」と題し、代表作『愚行録』の上映と共に石川監督もトークに登壇する予定となっている。
JVTAは毎年、この映画祭の日本の上映作品の英語字幕を手がけてきた。今年は長編5作品、短編3作品の字幕に加え、映画祭ガイドの翻訳に携わっている。
長編『お笑えない芸人』の英語字幕を手がけたのは、修了生の鈴木綾さんとローガン・ランプキンスさんだ。
『お笑えない芸人』(西田祐香監督 英題:Chuckle Chuckle)
芸人を目指す佐原は、相方の瀬戸口と「激甘酢豚」というコンビで活動してきたが、ある出来事をきっかけにコンビは解散。夢半ばで立ち止まった佐原の前に、ある日突然“芸人として爆発的に売れた理想の自分”が現れる。(公式サイトより引用)
『お笑えない芸人』©映画「お笑えない芸人」製作
芸人が主人公のこの作品は全編が大阪弁で展開する。コントのネタの場面も多く、翻訳者にとっては難しいジャンルと言える。しかし、今回は鈴木さんが大阪在住の関西人で、関西弁の解釈に困ることはなかったという。また、日本語ネイティブと英語ネイティブの2人がチームで翻訳を手がけたことで両方の視点から考察することができた。
まず悩ましかったのは、字数制限だ。漢字が使えない英語字幕ではよくあることだが、コンビ名「激甘酢豚」の訳し方については2人で話し合った。Sweet&Sour Porkでは、いわゆる一般的な酢豚で“劇甘”のニュアンスが出せない。
「鈴木さんと代案(Ultrasweet Pork、Ultrasweet ‘n Sourなど)を出し合って文字数の制限を考慮したUltrasweet Sourporkに決めました。結局、四字熟語の意味を全て2ワードにまとめることができました。」(ローガン・ランプキンスさん)
作中には、日本語の「てにをは」の使い方の違和感をネタにするシーンがある。日本語として文法的に不自然な言い回しの面白さを、英語でも表現する工夫が求められる。限られた文字数の中でテンポよく進む会話のニュアンスも出さなければならない。
「作品の前後半で同じ漫才のネタが登場し、過去のフラッシュバックもたくさんあります。ネタとして細かい部分まで統一し、合わせるのは大変でした。」(鈴木綾さん)
「努力はしているのになかなかうまくいかないという辛さ・悔しさを描いた作品なので、お笑いに興味がなくてもそのメッセージが伝わると思います。漫才なのでセリフの英訳を面白くしたいのに、作品本来のストーリーはコメディーではないため、敢えて面白くしてはいけないという状況もあり、ネタの翻訳には結構苦労しました。」(ローガン・ランプキンスさん)
固有名詞もその意味が伝わるよう工夫する必要がある。例えば、日本では漫才頂上決戦と言えば『M-1グランプリ』だが、英語で「M-1」と訳しても伝わらない。
「『M-1』というワードは何度か出てくるキーワードなので入れつつ、『audition』と併用するなどの工夫をしました。また、ネタもその前後がわからないと英訳しにくい部分があり、全体の流れを見ながら伝わるように調整しました。」(ローガン・ランプキンスさん)
『お笑えない芸人』©映画「お笑えない芸人」製作
この作品には芸人として売れず葛藤している佐原と、芸人として成功し自信にあふれた佐原が登場する。同じ俳優が演じているが、そのキャラクターが全く違うのも見どころの一つだ。
「ストーリー自体ももちろん面白いのですが、個人的にはとにかく2人の佐原が見ていて楽しかったです。別人かと思うぐらい声のトーンや仕草を変えていらっしゃるので、違和感のない2人のやり取りは非常に興味深かったです。字幕もそれぞれのキャラクターに合わせて口調や表現を使いわけました。」(鈴木綾さん)
現実の冴えない自分と理想とする華やかな自分の狭間で葛藤する主人公が向かう先にあるものは?お笑い好きな人もそうでない人も楽しめる作品となっているので、日本語と英語字幕の繊細なニュアンスにもぜひ注目しながらご覧ください。
◆SKIPシティ国際Dシネマ映画祭2025(第22回)
2025年7月18日(金)~ 7月26日(土)
公式サイト:https://www.skipcity-dcf.jp/
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◆【SKIPシティ国際Dシネマ映画祭 英語字幕PROゼミ】 母娘の複雑な心境を丁寧に読みとく
◆【2025年10月期受講生募集!】 ご興味をお持ちの方は無料の学校説明会へ! 入学をご検討中の方を対象に、リモートでカリキュラムや入学手続きをご説明します。ご都合・ご希望に合わせてお選びください。
【英語字幕PROゼミ】完成した字幕はSKIPシティ国際Dシネマ映画祭で上映
映像クリエイターの登竜門として知られる「SKIPシティ国際Dシネマ映画祭」が今年も7月18日(金)に開幕する。この映画祭は、“新たな才能を発掘し、育てる映画祭へ”をモットーに、これまで白石和彌監督(『孤狼の血』『碁盤斬り』)、中野量太監督(『湯を沸かすほどの熱い愛』『浅田家!』)、上田慎一郎監督(『カメラを止めるな!』『スペシャルアクターズ』)など国内外の多くのクリエイターを生み出してきた。今年の審査委員長を務める石川慶監督も2009年に同映画祭に短編を出品、最新作『遠い山なみの光』が第78回カンヌ国際映画祭」ある視点部門で上映され、話題となったばかりだ。本映画祭では「特集「商業映画監督への道」と題し、代表作『愚行録』の上映と共に石川監督もトークに登壇する。
JVTAは毎年、この映画祭の主に国内コンペティションにノミネートされた作品の英語字幕を手がけている。特筆すべきは、2013年から10年以上にわたり、この映画祭とタッグを組んで毎年「英語字幕PROゼミ」を継続的に開催していることだ。「英語字幕PROゼミ」では、数名の翻訳者がチームを組み、プロの映像翻訳ディレクターのフィードバックを受けながらゼミ形式で字幕を制作する。今年は、修了生の井部亜貞奈さん、岡田哲史さん、葉維晨さんがこのゼミに参加し、短編映画『さざなみに揺れる手』の英語字幕を手がけた。
『さざなみに揺れる手』(川上栄輝監督、英題:Swaying Hand)
13年前に殺人事件を起こし服役していた母・葉子と、その間を施設で過ごした娘・朱莉。葉子の出所後、二人は朱莉の住む静かな港町で13年ぶりの「家族生活」を始める。(公式サイトより引用)
『さざなみに揺れる手』©2024 川上 栄輝
字幕は作品全体を3つのパートに分けて3人の翻訳者がそれぞれ担当する。その後オンラインでプロの映像翻訳ディレクターによる2度のフィードバックを受けながら細かいニュアンスなどを全員で話し合い、一つの字幕として全体を整えていく。こうして完成した字幕が映画祭のスクリーンに投影されるのも貴重な経験だ。
「作品や背景の理解も各々個性があり、1人での翻訳より学びが多かったです。自分の癖や傾向を客観的に指摘してもらえたのも収穫でした。最初は他の方が考えた末の訳に対して代案や修正を言うのは気が引けました。とは言え、講師のアドバイスを受けて作品内での一貫性を保つためには翻訳者同士のすり合わせは必須でした。」(岡田哲史さん)
「自分で気づかない盲点、1人で思い浮かばないセリフがあり、チームのおかげでやり遂げた気がします。」(葉維晨さん)
「このゼミではお互いがその訳に至るまでの背景や考え方を聞き、異なる解釈をすり合わせてひとつの結論に導く過程が新鮮で、非常に学びが多かったです。また、それを通して、自分の訳のクセ(直訳調になりがち、詩的・感情的な表現に偏って不自然な表現になる点)を自覚できたのも大きな収穫でした。」(井部亜貞奈さん)
『さざなみに揺れる手』©2024 川上 栄輝
この作品は全体的にセリフが少ない。13年というブランクを経て再び一緒に暮らし始めた母娘のぎこちない会話なども丁寧に解釈したいポイントだ。ナレーションやモノローグもなく、「敢えて説明しない」という意図を大切にしたという。字幕もそれを踏まえて「説明し過ぎないように訳す」「直訳ではない、とはいえ意訳しすぎない」というバランスが必要で、そこについて話し合うことが多かったと岡田さんは話す。
「一つひとつの言葉がどのような意味を持つのか、どんな背景や心情から発せられたのかを、じっくりと話し合いました。また三者三様の訳案と向き合い、この表現に辿り着いた理由についても意見を交換しました。」(井部亜貞奈さん)
「人物のキャラクターを踏まえて口調を考える、前後のストーリーから感情を想像するなど、抽象的な解釈の部分を話し合うことが多かったですね。」(葉維晨さん)
3人で解釈の理解を深めるなかで、表現にこだわりすぎてしまうことも…。しかし、プロのディレクターの客観的な意見を聞くことで、「映画祭で観る視聴者にとって本当に良い字幕とは何か?」を改めて考え直すことができたという。
「私たちは翻訳のために日本語と英語を比較しながら何度も巻き戻して見返しましたが、実際に映画祭で見る方はそういう見方はしないわけです。『じっくり読むと詩的で味・雰囲気があるけれどもしかしたら読みにくい字幕』よりも、『要所以外はシンプルでスムーズに読める字幕』を心掛けることも重要と再認識しました。」(岡田哲史さん)
「話しあった解釈がにじみ出ていると思われる原文の字幕には『そこを表さねば』と力が入りすぎて、かえって自然な流れが損なわれたり、見ている人が引っ掛かる表現になってしまったりすることがありました。本当に背景を字幕で表現すべきかどうかは、映画全体やシーンごとのバランスを見ながら優先順位をつけるべきと学びました。」(井部亜貞奈さん)
公式サイトで川上栄輝監督は、こう語っている。
「『優しく生きる』が僕の人生のテーマで、自分の創作を通して様々な『優しさ』を追求していきたいと思っています。」
最後に、いち早くこの作品に深く向き合った3人にこの作品のみどころを聞いた。
「閉塞感、困惑、共振、悔恨…のような複雑な感情を敢えて説明しすぎない…。しかし見て行くと時間の経過とともに人物の関係性や世界観がわかっていきます。結果的に非常に丁寧に表現しつつまとまっている作品だと思います。」(岡田哲史さん)
「登場人物の心境の変化と、お互いの関係性が交錯していく様子が見どころだと思います。
人生と、ちゃんと向き合う勇気をもらえる作品だと思います。」(葉維晨さん)
「一見淡々とした映画ではありますが、登場人物は皆、一生懸命に生きており、それぞれどこか共感できる存在です。救いがないように見えても、確かに希望はある――そんな人生の応援歌のような作品だと感じました。」(井部亜貞奈さん)
完成した英語字幕はSKIPシティ国際Dシネマ映画祭の会場で観ることができる。ぜひ、会場のスクリーンでこの作品をご覧いただき、英語字幕にも注目してほしい。
◆SKIPシティ国際Dシネマ映画祭2025(第22回)
2025年7月18日(金)~ 7月26日(土)
公式サイト:https://www.skipcity-dcf.jp/
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映画+トークを通して、環境保護やジェンダー平等の問題を「自分ごと」に。「WATCH 2025」上映イベント開催レポート
2025年7月3日(木)~7月13日(日)にかけ、学生がSDGsに関連する海外ドキュメンタリー作品に字幕をつけて上映する無料のオンラインイベント「WATCH 2025: For a Sustainable Future(以下、WATCH 2025)」を開催。本イベントは東京外国語大学(東京都府中市)が共催、神戸市外国語大学(兵庫県神戸市)が協力となる産学連携のインターンシップ・プログラムだ。インターン生が主体となり翻訳、プロモーション、イベント制作を行うことが大きな特徴である。プログラムは2022年より実施しており、今年で4回目となった。 「WATCH 2025」では、国内外の大学から参加した53名のインターン生が日本語字幕を付けた長編ドキュメンタリー2作品、英語字幕を付けた短編ドキュメンタリー作品1作品のオンラインでの無料上映を実施。さらに長編ドキュメンタリー2本は、東京外国語大学の「TUFS Cinema」と連動し、リアルでの上映イベントを開催した。 TUFS Cinemaは、映画を通じ、世界の諸地域における社会・歴史・文化の理解を深めることを目的として東京外国語大学で行われている上映イベントである。今回は「SDGsを考える映画特集」として、「WATCH 2025」のインターン生が字幕を制作した『自然と未来~オーストリアとブータンからの学び~』と『イスラームの変革者~女性イマームの誕生~』の2作品を上映。さらに各映画のテーマに造詣の深いゲストを招き、学生とのトークセッションを行った。
(左から)髙梨真央さん、寺村優奈さん、古川高子先生、村山木乃実先生、 内田理香子さん、村上梨緒さん、近藤絢乃さん(司会)、桜井徹二(JVTA)
テクノロジーに囲まれた私たちが、自然保護と幸福を両立するには? 1本目の上映作品は『自然と未来~オーストリアとブータンからの学び~』。監督自身がブータンとヨーロッパを旅しながら、気候変動と人間の暮らしの関係を見つめ直すドキュメンタリーだ。自然と調和したブータンの有機農業やGNH(国民総幸福量)の思想を通じ、現代の消費行動や価値観に問いを投げかける作品である。 上映後のトークセッションには、東京外国語大学 世界言語社会教育センター 特任講師で、ヨーロッパ近現代史や自然と人間の社会史について研究している古川高子先生がゲストとして登場。東京外国語大学の寺村優奈さんと髙梨真央さんが共に登壇し、インターン生が作った字幕の感想や、映画の内容から派生した「自然保護とはどうあるべきか」という疑問、自然保護と幸福を両立するにはどうしたらいいのかなどを質問した。 セッションの中で髙梨さんは、「テクノロジーに囲まれた便利な生活をする現代において、どのようにその幸福を享受しながら自然を保護していくことができるのか?」と古川先生に問いかけた。この問いについて古川先生は、「技術と自然は対立するものではなく、どちらも人間をとりまく『環境』である」と回答した。 「テクノロジーと自然は対立するものではなく、どちらも人間を取り巻く『環境』だと考えてみるとどうでしょうか。例えばテクノロジーが進化して、人間を監視したり人間に命令するようになるかもしれません。そうなると、その時点で初めて人間は『命令されない環境』を考えるようになります。 山の中に暮らしているような人は、自分の周りの環境を整えないと、いつ自然に殺されるか分からない生活をしています。それが自然保護をする理由なんです。そしてそれは、長い目で見たら人間の幸福につながるはずです。 テクノロジーに囲まれている私たちも、その進化によっていつその脅威にさらされるか分かりません。進み過ぎたテクノロジーを制限する必要性に迫られるかもしれません。それは決して幸福な状態とは言えないでしょう。 つまり幸福を享受しながら自然保護をするという考えではなく、『自分たちの周りの環境を保護しなければ幸福になれない』と、少し逆転の発想をするのが良いと思います」(古川先生) この回答に髙梨さんは「『自然は大事だから保護しなくてはならない』と考えていたが、環境を守ることが人間を保護することにつながり、最終的に幸福に繋がっていくという意見が新鮮に感じた」と感想を述べた。映画鑑賞と古川先生の解説を通し、地球規模で遠く感じがちな「自然保護」が、自分ごととなった人は多いだろう。
日本とは異なる、イスラムの「平等」の定義 2つ目の上映作品は『イスラームの変革者~女性イマームの誕生~』。女性主導によるモスクの開設を目指す主人公が、イスラム教に対する誤った認識や恐怖が広がりつつある現実に際し、従来のジェンダー・ヒエラルキーからの脱却を目指す物語である。 上映後のトークセッションのゲストは、東京外国語大学 アジア・アフリカ言語文化研究所特任研究員で宗教学、ペルシア文学、イラン思想を研究する村山木乃実先生。東京外国語大学の内田理佳子さんと東京外国語大学大学院の村上梨緒さんが共に登壇し、イスラムに関する専門用語や日本ではなかなか知る機会の少ないイスラムにおける結婚や離婚、ジェンダーギャップなどについて聞いた。 映画の中では女性がイマーム(導師)となることについて、様々な議論が行われるシーンがあった。それにちなみ、村上さんはイスラムにおけるジェンダー平等について村山先生に質問。すると村山先生は「イスラム圏の一般的理解や政府の見解における『平等』の概念と、他の地域における『平等』の概念は異なる」と解説した。 「日本や他の地域における一般的なジェンダー平等の概念は、『男女が同じ能力や役割を持ち、それを発揮する機会を持つこと』です。一方、イスラムにおける一般的な考え方は『男女それぞれが別々の能力や役割を持ち、それを相互補完的に発揮すること』。根本の考え方が違うので、日本の平等の概念でそのままイスラムの平等を考えることは難しいのです」(村山先生) しかしながらイスラムの世界でも、女性の高等教育や社会進出の広がり、世界的フェミニズム運動に後押しされる形で、従来の男性中心主義の考えに対抗する動きも起きていると村山先生は言う。このような変化が進むためには、女性やマイノリティの問題に関して連帯して変革を求めることが重要であり、そのためには「WATCH 2025」のようなイベントを通して「問題を知る」ことが大切であると結んだ。
終盤には会場参加者からの質疑応答も実施。「『自然と未来~オーストリアとブータンからの学び~』の舞台のひとつであるオーストリアの自然保護は、隣国のドイツの影響もうけているのか?」「イマームというものは、誰がどのような形で権威を認めるのか?」など、多数の質問が先生方に寄せられた。映画、トークセッション、さらに質疑応答を通し、世界規模での環境保護やジェンダー平等について理解を深め、更なる興味を掻き立てられる上映イベントとなった。イベントを通し、参加者は自分から遠いと思っていた社会問題を少し身近に感じられるようになっただろう。 「WATCH 2025」のインターンシップ・プログラムの概要や上映作品情報は、公式HPで掲載している。さらに、学生主体でのInstagramとnoteも運営。こちらではインターン生視点での字幕翻訳の感想や、インターン生がプロの映像翻訳者に行ったインタビューなども掲載している。ぜひこちらもチェックしてほしい。 WATCH 2025 公式サイトは▶こちら 公式Instagramは▶こちら 公式noteは▶こちら
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難民映画祭上映作品『ザ・ウォーク ~少女アマル、8000キロの旅~』が劇場公開 キーワードは“home”
2024年の難民映画祭のオープニング上映作品『ザ・ウォーク ~少女アマル、8000キロの旅~』が7月11日から劇場公開される。日本語字幕をJVTAの修了生8人が担当した。
©JEAN DAKAR
JVTAは2008年から難民映画祭を字幕制作で支援しており、これまで多くの修了生がプロボノ(職業の専門性に基づく知識や経験などを生かして行う無償の社会貢献活動)で協力してきた。難民という立場に置かれた人たちの目線で制作された作品を翻訳し、日本語字幕を通して彼らの想いを伝えることが、翻訳者ならでの支援のカタチとなっている。同作の翻訳チームのリーダー、児山亜美さんとサブリーダーの脇本綾音さんに話を聞いた。
◆字幕翻訳者(50音順)
大坂 恵子さん 、河村 綾音さん 、清家 蘭さん 、栗原 美晴さん 、
児山亜美さん 、中橋 幸恵さん 、森田 朝美さん 、脇本 綾音さん
「The Walk」とは、9歳のシリア難民の少女をかたどった3.5メートルの人形 “アマル” が世界中を旅するアートプロジェクト。戦争、暴力、迫害に苦しむ子どもたちに対する国際社会の意識を高めることがこのプロジェクトの目的で、2021年に始まり、現在までに17カ国166の町や都市を訪れている。映画では、アマルを「主人公」に、トルコ・シリア国境からヨーロッパ各国を横断する旅を追いながら、難民状態にある人たちが直面する世界の実情を映し出していく。ローマ教皇やフランスの欧州議会なども訪ねるが、その道のりは好意的なものばかりではない。作中には実在のシリア難民の少女アシルや、同じくシリア難民のムアイアド、パレスチナ人のフィダも登場し、彼らの「故郷」への思いも詰まっている。
©JEAN DAKAR
翻訳チームが特に話し合ったのは“home”の訳し方だという。作中のさまざまな場面に何度も出てくるキーワードだ。字幕制作において一般に作品内で同じワードが出てくる場合、訳を統一して同じ言葉にすることが多い。しかし、この作品では2つの表現で訳し分けた。
「この作品には『難民の子どもたちの苦しい状況を知ってもらう』というメッセージが込められています。そういった全体のテーマや流れを意識した時、“home”を単純に『家』と訳すのは違う…と思いました。改めて“home”の意味を辞書で引き、作品の背景を調べ、最終的に『ふるさと』と『居場所』と2つの表現を使うことにしました。」(児山亜美さん)
「単語を必ずしも一語に統一する必要はなく、むしろ状況に合わせて適切に訳し分けることがより効果的であると気づけたのは翻訳者として大きな学びとなりました。」(脇本綾音さん)
©JEAN DAKAR
一方、事実に基づいたドキュメンタリー作品を訳す際は、定訳をきちんと訳出することも重要だ。翻訳者は、ニュースサイトや国連関連の公式サイトなどを参考に定訳を確認し、適切な日本語に訳す必要がある。脇本さんは、フィクションの要素を含む作品だが、難民問題という現実のテーマを土台にしているため、言葉選びには特に慎重を期したと話す。
「会話劇を訳す際には、つい自分が普段使い慣れている言葉に頼りがちです。例えば humanitarian tragedy という言葉を訳すときも、『人道的悲劇』という日本語がすぐに頭に思い浮かんでも、そのまま採用せず、国連WFPやBBCのウェブサイトで実際の使用例があるかを確認しました。また、『イスラム恐怖症』や『イスラム嫌悪』という表現は、大手新聞社での使用頻度が少なく、十分に浸透しているとは言い難いため、『反ムスリム意識』と言い換えるなど、チーム内でもリサーチ結果を共有しながら言葉選びには細心の注意を払い訳出しました。」(脇本綾音さん)
©JEAN DAKAR
ドキュメンタリー作品では事実確認も必至だ。児山さんは、「トルコのシリア国境からヨーロッパを横断する」というアマルがたどった8000キロの旅路について、地図を見ながら正確に把握するように努めたという。
「この旅路は難民となった人々が実際に歩んだ道のりであり、その過酷さを視聴者の方が追体験するためにも分かりやすく言い換えるなどの工夫が必要だと考えられたからです。調べる過程では、海を渡る危険なルートの存在や、有名観光地における難民の現状などについて初めて知り、それまでの自分自身の無関心さを思い知らされました。」(児山亜美さん)
この作品で旅をする主人公「アマル」は3.5メートルの巨大な人形。その力強くも繊細な動きや表情が見どころの一つだ。行く先々で人々と心を通わせ、時にはひどい言葉を浴びせられても、前を向いて歩き続ける彼女が踏み出す一歩一歩からは、難民となった人々の困難に立ち向かう強さが感じられると児山さんは話す。2024年の難民映画祭では広報サポーターも務めた児山さんは、六本木で行われた同作のオープニング上映に駆けつけ、トークショーに登壇したタマラ・コテフスカ監督 とジャン・ダカール撮影監督と対面する機会に恵まれた。『希望はある』と話し、映画の力を心の底から信じる監督の思いを生で聞き、翻訳者として刺激を受けたという。
「『希望はどんな国境も越える』劇中のこの言葉に言い表されるように、希望のメッセージを伝えるこの作品は、難民の子どもたちを取り巻く問題について考える、その入口にぴったりな作品だと思います。」(児山亜美さん)
2024年難民映画祭オープニング上映の会場にて
一方、脇本さんによると最大の見どころは、単なるドキュメンタリーでも純粋なフィクションでもないという独自の構造にあるという。この作品は、実際に行われたアートプロジェクト「The Walk」を追ったドキュメンタリーでありながら、主人公の少女「アマル」は実在する特定の人物ではない。しかし、その背後には、故郷を追われた無数の難民の子どもたちの現実が重ねられている。アマルは物語上の架空の存在でありながら、確かに存在すると脇本さんは感じている。
「難民問題は、統計やニュースだけでは『遠い出来事』として消費されがちですが、実際に世界各地を歩き、人々に歓迎され、ときに拒まれ、現実の社会と交わったアマルの姿は、観客に『自分がアマルと共に歩くなら、何ができるのか?』と問いかけてきます。ドキュメンタリーとして淡々と事実を伝えるだけでもなく、フィクションとして物語を作り込むだけでもない、独自の構造により、単なるドキュメンタリーやフィクションでは生まれない“共感”を引き出し、私たちに問いかける力を持つ作品だと思います。」(脇本綾音さん)
©JEAN DAKAR
同作では、アマルが訪れる各国の美しい風景も強く印象に残る。迫力ある力強い歩みをぜひスクリーンでご覧いただきたい。アップリンク吉祥寺では7月11日の初日から3日間、上映後にゲストを迎えたトークショーが開催される。(https://joji.uplink.co.jp/movie/2025/27173 )この作品の背景をさらに深く知ることができる貴重な機会、こちらもどうぞお見逃しなく。
©JEAN DAKAR
『ザ・ウォーク ~少女アマル、8000キロの旅~』
2025年7月11日(金)アップリンク吉祥寺ほか全国順次ロードショー!
公式サイトはこちら
※翻訳チームリーダー、児山亜美さんの字幕翻訳に関するコラムはこちら
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◆世界難民の日 チャリティオンライン上映
『ビバ・マエストロ! 指揮者ドゥダメルの挑戦』
開催日程:2025年6月20日(金)世界難民の日~7月31日(木)
参加費 :寄付つき観賞、または、無料観賞から選択
詳細はこちら
◆国連UNHCR協会の公式サイトで、難民映画祭を字幕制作で支援する日本映像翻訳アカデミーの活動を紹介していただきました
◆2024年の難民映画祭 広報サポーターの公式note
※JVTAの修了生3名+JVTA広報メンバーが広報サポーターとして参加しました。
◆【制作者や観客に字幕が届く瞬間を体感できる】映画祭へ行こう!
◆【2025年10月期受講生募集!】 ご興味をお持ちの方は無料の学校説明会へ! 入学をご検討中の方を対象に、リモートでカリキュラムや入学手続きをご説明します。ご都合・ご希望に合わせてお選びください。
【2025年7月】英日OJT修了生を紹介します 2
JVTAではスクールに併設された受発注部門が皆さんのデビューをサポートしています。さまざまなバックグラウンドを持つ多彩な人材が集結。映像翻訳のスキルを学んだことで、それぞれの経験を生かしたキャリアチェンジを実現してきました。今回はOJTを終え、英日の映像翻訳者としてデビューする修了生の皆さんをご紹介します。
◆佐藤緩奈さん(英日映像翻訳実践コース修了)
職歴:航空管制官→認証会社で事務職(案件の進捗確認、売上予測、海外試験所との調整、顧客対応など)
【今後どんな作品を手がけたい?】
スポーツ観戦が好きで、特にオリンピックのような大きな大会には胸が熱くなります。期間中はほぼ毎日観戦し、感動して涙することもしばしば。大会の裏側なども含め、スポーツ関連の作品に関わってみたいです。とは言え、好奇心旺盛なため、未知の世界に触れることにとてもワクワクするので、ジャンルを問わず様々な案件を経験したいと思っています。
【今後の目標】
BTSの沼にハマったのがきっかけで、数年前から韓国語を独学しています。最初は、歌詞を自分で訳し理解したいという思いがモチベーションでしたが、今では感情表現が豊かな韓国語そのものに面白さと魅力を感じています。今後はもっと本格的に学習してスキルを磨き、将来的には韓国ドラマの字幕を手掛けるのが目標です。頑張るぞ!파이팅!
◆森下直子さん(英日映像翻訳実践コース修了)
職歴: 木製フローリングの輸入・販売・施工会社で輸入事務・経理を担当
→ 大手空調メーカーで社内翻訳者として12年間 勤務→ フリーランス翻訳者として独立
【映像翻訳の魅力】
今まで「見る側」だった私が、「作る側」として作品に関われることに、大きな喜びとやりがいを感じます。映像翻訳は、文字数や尺合わせといった制約がある中で、脚本の意図をくみ取りながら作品の世界観を丁寧に伝える仕事です。工夫を凝らして言葉を選び、作品と視聴者をつなぐことに、深い魅力を感じています。
【今後どんな作品を手がけたい?】
実務翻訳での経験を活かし、ITや環境などビジネス系コンテンツに携わりたいと考えています。大好きなミステリーやクライムサスペンス、子どもと楽しんでいるアニメ作品にも挑戦できたら嬉しいです。翻訳を通じて自分の知らない世界に入り込めることもこの仕事の魅力だと思うので、幅広い分野で経験を積んでいきたいです。
◆山内徹さん(映像翻訳Web講座 プロフェッショナルコース修了)
職歴:リフォーム会社の営業を経て、現在はスーツ会社で販売員として働いています。
【映像翻訳の魅力】
昔から映画やドラマを見て「この字幕を翻訳してる人はカッコいいなあ」と思っていました。それは、おそらく心のどこかで字幕を翻訳することが簡単ではないと分かっていたからだと思います。セリフに込められた思いを理解し、分かりやすい日本語に訳すことは今でも変わらずカッコいいと思っています。そして、その“カッコよさ”が僕にとっての魅力です。
【今後どんな作品を手がけたい?】
音楽が好きなので、音楽関係の番組や、アーティストのドキュメンタリーなどを手がけてみたいです。また、コメディー作品がとても好きで、いつも英語のギャグのニュアンスを活かした字幕に感動していました。ですので、ギャグ満載のコメディー作品もいつか手がけてみたいです。
◆横溝藍子さん(英日映像翻訳 実践コース修了)
職歴:法律事務所にてパラリーガル、国内メーカーにて秘書、ソフトウェア会社にて社内翻訳者(日英)を経験
【映像翻訳の魅力】
新たな世界との出会いが多いことにとても魅力を感じています。映像作品のジャンルは多岐にわたります。翻訳にはリサーチが必要ですが、自身とは縁遠い内容ほど調べ物のたびに新しい世界が広がりワクワクします!また、映像翻訳を通じて知り合った人はみな知識が豊富で向上心が高く、そんな人達と仕事ができるのも魅力の一つだと思います。
【今後どんな作品を手がけたい?】
フランス語とイタリア語の知識を活かし、ヨーロッパの食やファッションに関わる作品を担当してみたいです。ワインエキスパートと学芸員の資格を持っているので、お酒や芸術系のコンテンツを翻訳するのも一つの目標です。最終的な夢は、ミス・マープルのような探偵ものをシリーズで担当することです。
★JVTAスタッフ一同、これからの活躍を期待しています!
◆翻訳の発注はこちら
◆OJT修了生 紹介記事のアーカイブはこちら
◆【2025年10月期受講生募集!】 ご興味をお持ちの方は無料の学校説明会へ! 入学をご検討中の方を対象に、リモートでカリキュラムや入学手続きをご説明します。ご都合・ご希望に合わせてお選びください。
※受付終了しました※【サマースクール2025】みんなで字幕翻訳~初心者大歓迎~アイデアを集結させて名ゼリフを生み出せ!
【JVTAサマースクール2025】 JVTAが毎夏開催するオンラインセミナーシリーズ!
2025年8月4日(月)19:30-20:30 ※日本時間 ※受付終了 オンライン開催/参加無料
初心者大歓迎!経験者ももちろん大歓迎!自分のアイデアから名ゼリフが生まれるかも?!
毎年恒例の大人気企画を今年も開催! JVTAの講師、そして参加者の皆さんで力を合わせ、知恵を絞りながら短編映画のワンシーンに字幕をつけていきます。 JVTAの講師たちのアドバイスに加えて、参加者のアイデアからも新しい視点を得られること間違いなしのセミナーです。普段はたった1人で学習したり作業したりすることが多い翻訳学習者や翻訳者の方にとって、自分ではなかなか思いつかない斬新な翻訳表現を得られるチャンスです。また「翻訳は未経験」という方も大歓迎!「字幕ってどんなソフトを使うの?」「作業の手順は?」「字幕のルールって?」など映像翻訳の基礎知識を紹介するので初めての方でも安心してご参加いただけます。映像翻訳者の仕事の一端を気軽に楽しく体験できる1時間です。 参加者全員で力を合わせて“名ゼリフ”を誕生させましょう!
【こんな方におススメ!】 ・海外ドラマ・映画が好きな方 ・映像翻訳や翻訳全般に興味がある方 ・JVTA修了生・受講生の方 ・プロの映像翻訳者を目指す方 ・翻訳力や表現力をもっと磨きたい方
・いつもと違う環境で映像翻訳を楽しみたい方
・映像翻訳者のお仕事が気になる方
【当日の内容(予定)】 短編映画のワンシーンに日本語字幕をつけます。当日はZoomのチャット機能を用い、参加者の皆さんからリアルタイムでアイデアを募集し、字幕を完成させていきます。 アイデアを出していただくのは必須ではありませんが、自分のアイデアが字幕になるチャンスになるのでぜひ積極的にご参加ください!
【登壇者】
桜井徹二(JVTA) 日本映像翻訳アカデミースタッフ・講師。翻訳者として映画、ドキュメンタリー、リアリティ番組などの翻訳を手がけたほか、映像翻訳ディレクターとしてFOXインターナショナル・チャンネルズ、MTV Japanなどの番組の翻訳ディレクションを担当。現在は学校教育部門に所属。英日映像翻訳科の講師も務めるほか、大学や高校での翻訳指導やカリキュラム作成を行う。明星大学非常勤講師。
田中葵 (JVTA) TSG(翻訳事業推進部)ディレクター。英会話講師として幅広い世代に英語を教えたのち、国際会議の通訳コーディネーターに転職。JVTAで英日映像翻訳科コースを修了後、映像翻訳者として本格的に活動をスタートさせ、現在は映像翻訳ディレクターとして映画・ミュージカル関連のアワードコンテンツのディレクションを手掛ける。その他、配信ドラマ・長編映画・ドキュメンタリーなど幅広いジャンルの字幕と吹き替え両方のディレクションも手掛ける。
◆JVTAオンラインサマースクール2025◆ 2025年7月27日~2025年9月8日 <1セッションごとに完結 無料講座多数> ※無料セミナー有り ラインナップは▶こちら
日程:2025年8月4日(月)19:30~20:30 ※日本時間
参加費:無料 参加方法:オンライン(Zoom使用) 対象者:どなたでも参加可(海外からの参加も可) 申込方法: 以下の申し込みフォームからお申込みください。 参加受付期限:2025年8月4日(月)18:30 その他のお問い合わせはこちらのアドレスにてメールで受け付けております。 seminar(at)@jvta.net ※(at)は@に置き換えてください。
※こちらのセミナーの受付は終了しました※
◆【2025年10月期受講生募集!】 ご興味をお持ちの方は無料の学校説明会へ! 入学をご検討中の方を対象に、リモートでカリキュラムや入学手続きをご説明します。ご都合・ご希望に合わせてお選びください。
【2025年7月】英日OJT修了生を紹介します
JVTAではスクールに併設された受発注部門が皆さんのデビューをサポートしています。さまざまなバックグラウンドを持つ多彩な人材が集結。映像翻訳のスキルを学んだことで、それぞれの経験を生かしたキャリアチェンジを実現してきました。今回はOJTを終え、英日の映像翻訳者としてデビューする修了生の皆さんをご紹介します。
◆小山史子さん(英日映像翻訳実践コース修了)
職歴:政府系機関にて、日本食の輸出促進、中小企業の海外展開支援、および海外ビジネス情報の提供に携わる。
【映像翻訳を学ぶきっかけは?】
子どもの頃、映画好きな父に連れられて人生初の映画館で観た『インディ・ジョーンズ/最後の聖戦』。そのエンドロールで戸田奈津子さんの名前を見た時、こんな職業もあるんだと感動し、翻訳の仕事に憧れるようになりました。その後、就職や育児などで一度は遠回りをしましたが、夫の海外赴任帯同のため休職することになり、思いがけず時間ができたことで「今しかない!」と決意しました。
【今後どんな作品を手がけたい?】
中高生時代を過ごしたアメリカで夢中になって見ていたTVドラマや映画を、いつか自分の手で翻訳できるようになりたいです。また最近は、子どもと一緒に吹き替え版を観る機会が増え、授業でもその面白さに魅了され、挑戦してみたいと思っています。野球、サッカー、ラグビー、テニス、ゴルフ、競泳といったスポーツ素材にも関心があり、今後ぜひ関わってみたいと考えています。
◆白井道子さん(英日映像翻訳実践コース終了)
職歴:事務職(金融事務、英文経理)
【映像翻訳を学ぶきっかけは?】
海外から帰国して経理の仕事をしていたのですが、翻訳の仕事に興味があり、実務翻訳の初級コースを通信で受講しました。でもあまり楽しめず、実務翻訳は自分には向いていない気がしていろいろ調べていたところ、映像翻訳のことを知りました。
【今後どんな作品を手がけたい?】
アイルランドのダブリンに3年滞在した経験を活かし、アイルランドに関する作品に携わりたいと思っています。また70~90年代のロックやクラシック音楽などの音楽関連、フィギュアスケートやラグビーなどのスポーツ番組や旅行番組に関われたらうれしいです。私は20年前にも映像翻訳の仕事を頂いていたのですが、当時担当させていただいたドキュメンタリー番組にも興味があります。幅広くいろいろなジャンルに挑戦したいです。
◆長谷川 睦さん(英日映像翻訳 実践コース修了)
銀行(外国為替課)で事務職
【映像翻訳を学ぶきっかけは?】
妊娠をきっかけに退職し、子どもが保育園に入るタイミングで「やりがいを感じる仕事がしたい」と思っていたところ、映像翻訳と出会いました。「好きな英語を活かし、好きな映画やドラマを完成させるための一躍を担うことができるなんて最高!」と思い、映像翻訳者を目指そうと決めました。
【今後の目標】
まずは自身のスキルアップのためにもいろいろなジャンルに挑戦したいと思っています。そして、作品の面白さや込められたメッセージなどを上手く伝えられるような映像翻訳者になり、ヒューマンドラマやファンタジー、ラブコメなどエンタメ系の作品を担当できるよう頑張りたいです。
◆濱本 佐宮良さん(英日映像翻訳 実践コース修了)
海運会社一般事務→旅番組制作→国際ニュース番組制作→国際交流団体事務→環境系NPO経理事務→配信番組の字幕・吹き替えQC
【OJTを終えて】
トライアル合格がゴールではないということを思い知らされました。文字数や尺など制約の多い映像翻訳ですが、何かのために何かを犠牲にするのではなく、内容もニュアンスも文字数も見た目や聞こえのよさも妥協しない、作品の魅力を余すところなく伝えられる訳文を粘り強く追求し続ける、美意識の高い翻訳者でありたいです。
【今後どんな作品を手がけたい?】
社会課題を取り扱うドキュメンタリーや、事件/事故検証ものは、リサーチ力も鍛えられそうで挑戦してみたい分野です。また、風刺のきいたコメディやクスっと笑えるヒューマンドラマが好きなので、携わることができたらうれしいですし、いつか連続ドラマの吹き替え翻訳を担当するのが夢です。
◆水野可南子さん (英日映像翻訳 実践コース修了)
【経歴・職歴】富良野塾出身。カスタマーサービス(教育関係など)
【JVTAを選んだ理由、JVTAの思い出】
受発注部門が併設されている点に魅力を感じ、入学を決意しました。JVTAでの思い出は“人との出会い”です。入学前の個別相談でお話したスタッフの方、新楽代表をはじめとする講師の先生方、クラス担当の方々、そして素晴らしいクラスメートたちとの出会いが、大きな支えとなりました。仲間たちと切磋琢磨しながら過ごした日々は、何にも代えがたい私の財産です。
【今後どんな作品を手がけたい?】
幼い頃から大好きだったミュージカルやディズニー作品に携わることが、私の大きな目標です。また、富良野塾で演劇を学んだ経験を活かし、撮影の舞台裏に迫るメイキング映像や、芝居の経験を活かせる吹き替え翻訳にも挑戦していきたいと考えています。
そのためにも、どんな題材にも臆せず、作品の魅力を見つける姿勢を大切に、一歩ずつ前進していきたいと思います。
★JVTAスタッフ一同、これからの活躍を期待しています!
◆翻訳の発注はこちら
◆OJT修了生 紹介記事のアーカイブはこちら
◆【2025年10月期受講生募集!】 ご興味をお持ちの方は無料の学校説明会へ! 入学をご検討中の方を対象に、リモートでカリキュラムや入学手続きをご説明します。ご都合・ご希望に合わせてお選びください。
【2025年10月期受講生募集】字幕体験つき「リモート・オープンスクール」を8月17日(日)に開催!
2025年1月12日(日)より、英日映像翻訳 総合コース・Ⅰの日曜集中クラスを開講中! 最終の受付締切は1/16(木)
字幕、吹き替え、多様なジャンルを学べるJVTAで 映像翻訳のプロを目指す!
日本映像翻訳アカデミー(JVTA)は、字幕・吹き替えの翻訳者として活躍するために必要なスキルを学ぶ職業訓練校です。英語から日本語へ翻訳する英日映像翻訳 と日本語から英語へ翻訳する日英映像翻訳 があり、目的に合わせたコースを選んでいただくことができます。コース修了後、当校独自のトライアル(プロ化試験)に合格すれば、併設する翻訳受発注部門よりお仕事を紹介させていただくので、学んだスキルを実践で生かしていただくことができます。 通常の、JVTAの開講月は例年4月と10月ですが、「10月の入学に間に合わなかった」「4月より早く学習をスタートしたい」という声にお応えして、2025年1月に「英日映像翻訳 総合コース・Ⅰ」の日曜集中クラスを開講します! ご興味をお待ちの方は、「リモート個別相談」 にご参加ください。映像翻訳の世界やJVTAでの学びについて、深く知っていただくことができます。 ※1月入学に向けた体験レッスンが含まれる「リモート・オープンスクール」は、終了しました。4月入学を対象にした開催は1月下旬以降を予定しています。
【こんな方はぜひご参加ください】 ・映像翻訳に興味がある ・語学力を生かせる仕事に就きたい ・好きな映画や海外ドラマに関わる仕事に就きたい ・プロの映像翻訳者を目指したい ・フリーランスとして活躍したい ・手に職をつけたい ・映像翻訳の需要に関して知りたい ・字幕翻訳にチャレンジしてみたい
英日映像翻訳 総合コース・Ⅰ コースの詳細は▶こちら その他、コースや入学に関するよくあるご質問は▶こちら 会社概要▶こちら
2025年1月 英日映像翻訳科 日曜集中クラスご検討者向け
リモート個別相談
1月開講 日曜集中クラスをご検討の方は、「リモート個別相談」へお申し込みください。お申し込み後、ご入力いただいたメールアドレス宛にご案内をお送りします。尚、このページで入力いただいた内容はSSLで暗号化されて送信されます。
リモート個別相談では、ご希望の日時で当校スタッフが入学に関するご案内のほか、コース選択や映像翻訳学習・修了後の進路などの不安や疑問にマンツーマンでお答えします。 ※リモート個別相談では字幕翻訳の体験レッスンはございません。 ※2025年1月の英日映像翻訳科 日曜集中クラスは1月16日(木)まで入学可能です。
※映像翻訳のプロとして仕事をする際の目安となる英語力については▶こちら
※入学には「リモート個別相談」の参加が必須です。
【参加条件】 英語力・翻訳経験不問 ※パソコンやタブレットなどで安定して動画配信サービスなどを視聴できる環境が整っていれば、どなたでも無料でご参加いただけます。
【参加形式】 リモートのみ(Zoom ) ※音声を聞き取りやすくするために、イヤホン・ヘッドホンの使用をお勧めします。また質疑応答のタイミングもありますので、マイクをお持ちでしたらご用意ください。
【動画で解説!】現役受講生が答える!受講にまつわる5つの質問
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◆【映像翻訳にチャレンジしてみたい方におすすめ】 JVTAオリジナル VOD(ビデオ・オン・デマンド)で 字幕の基礎を学ぶ「映像翻訳講座」
※詳細・お申し込みはこちら
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