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【映像翻訳者ならではの喜び】 SSFF&ASIA 2022 受賞作品 翻訳者インタビュー

【映像翻訳者ならではの喜び】 SSFF&ASIA 2022 受賞作品 翻訳者インタビュー
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6月20日(月)、米国アカデミー賞公認・アジア最大級の国際短編映画祭「ショートショート フィルムフェスティバル & アジア 2022(SSFF & ASIA 2022)」のアワードセレモニーが明治神宮会館で開催された。今年で24年目を迎える本映画祭。JVTAは毎年、約200本の作品の字幕制作を担当し映画祭をサポートしている。
 

セレモニーでは、同映画祭の最高賞である「ジョージ・ルーカスアワード」が発表された。2022年の受賞作品はダニア・ブデール監督の『天空の孤高』(オフィシャルコンペティション supported by Sony インターナショナル部門 優秀賞)に決定。アジア インターナショナル部門 優秀賞 / 東京都知事賞の『モシャリ』(ヌハシュ・フマユン監督、2022)、ジャパン部門 優秀賞 / 東京都知事賞の『THE LIMIT タクシーの女』(吉田真也監督、2021)と共に、第95回アカデミー賞短編部門のノミネート選考対象作品となる。
 

『天空の孤高』は、レバノンのベイルートでクレーンオペレーターとして働く男が主人公。国で最も背が高く危険なクレーンに乗ることを自ら志願し、天空で1人、自由を味わうというストーリーだ。
 
Warsha - Still 2 調整
■『天空の孤高』/Dania Bdeir/0:15:42/フランス、レバノン/2021
Photo:ショートショート フィルムフェスティバル & アジア プレスリリースより

 

本作の字幕を手がけたのはJVTA修了生の小西由希さん。小西さんは本作について、「今まで見たことのない奇妙な美しさに魅了された」と言う。実際にジョージ・ルーカスアワードの受賞理由としても「一つひとつの瞬間および感情がとても細やかに描かれており、観客を作品の世界へ引き込む圧倒的な美しさと力強さを持った作品」と、その美しさが絶賛された。
 

字幕制作にあたり、小西さんは映像を生かすため、「一瞬で理解できる字幕」を意識した。
「映像がとても美しい作品なので、できるだけ頭で考えずに心で感じられるように、一瞬で理解できる字幕を心がけました。例えば「耳が腐る」「怪物のようなクレーン」などの比喩は避け、普段の会話で使いそうな分かりやすい表現に置き換えました。工夫したのは、モハマド(主人公)の同僚がクレーン事故のことを話す時の『ここじゃ俺たちは使い捨てさ』という字幕です。彼のくたびれた表情を映像で繰り返し見ているうちに、ふっと思い浮かんだセリフを、原文の意味を汲みつつ字幕に当て込んでみました。」(小西由希さん)
 
Warsha - Still 1 調整
Photo:ショートショート フィルムフェスティバル & アジア プレスリリースより
 

また、本作では天空で主人公が舞い踊る印象的なシーンに歌が入ってくる。歌詞の翻訳では、そのシーンの背景や歌が流れる意味を踏まえて字幕を制作する必要があり、セリフの翻訳とはまた違った難しさがある。今回、小西さんは日本の演歌を参考にしつつ訳に取り組んだそうだ。
「モハマドが踊るシーンで流れるのは、アラブ世界の伝説的な歌手が歌う歌の一節です。今まで全く聞いたことのないジャンルだったので、まずはどんな音楽なのか調べました。動画も見つけたのですが、1時間近くの長さがあって驚きました。歌詞の内容から『独占欲の強い男にしがみつかれ、未練はありつつも別れて自由になりたいと願う女性の葛藤』をイメージし、似たようなテーマの日本の演歌の歌詞を参考にして訳しました。」(小西さん)
 

最後に、本作がジョージ・ルーカスアワードに輝いた感想を小西さんに聞いた。
「受賞を知って、飛び上がって喜びました。私が受賞したわけではないのですが、映像翻訳の課題に徹夜で取り組んだことや、トライアル合格までの長い道のりが、思わず走馬燈のように駆け巡りました。
字幕に取り組んでいる時から個人的に深く共感できる作品だと思っていましたが、私だけではなく、多くの人々の心の琴線に触れた作品なのだと知り、この映画を通して世界と繋がることができたと感じました。世界中の多くの人々がモハマドのように心の『聖域』を持ち、自分らしく生きたいと願っている。その願いは世間の偏見や過酷な環境の中でも、決してかき消されないという希望を感じました。この映画を制作された方々に心から敬意を表します。」(小西さん)
 

映画祭で賞をもらう喜びは、本来であれば映画制作の関係者でないと味わえない。しかし映像翻訳者は、二次的ではあるものの作品に関わり、その喜びの一端を味わうことができる。まさしく映像翻訳者にしか体験できない喜びだ。SSFF&ASIAのような映画祭は、映像翻訳者にとっても様々な経験をするチャンスをもらえる場となっている。今年翻訳に関わった修了生は約100人。お疲れ様でした。彼らの字幕が多くの人に作品を届けるミッションを果たしたに違いない。次回のアカデミー賞の行方に注目だ。
 

■アワードセレモニーはYouTubeでも配信!アーカイブ視聴は↓から!
https://youtu.be/RHENv9iAt1g

●SSFF & ASIA 2022 公式サイト
https://shortshorts.org/2022/

 

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