【SSFF&AISA 2022開催情報】映画祭史上最年少ノミネートとなった監督作品の英語字幕制作を、JVTA修了生が担当!
2022年6月20日まで開催中の国際短編映画祭「ショートショート フィルムフェスティバル & アジア 2022(SSFF & ASIA 2022)」。JVTAは毎年この映画祭を字幕でサポートし、約200本の上映作品について、ほとんどの字幕を修了生が担当している。
映画の字幕というと、外国語の作品に日本語字幕をつけるイメージを抱く人が多いだろう。しかしJVTAでは、日本語の作品に英語の字幕をつける「日英字幕」も数多く手掛けている。
今年のSSFF&ASIA 2022で特に注目を集めている日本作品『ペイドマン』(岡太生、2021)も、JVTAで英語字幕をつけた作品の1つだ。本作は映画祭史上最年少ノミネートとなる、10歳の監督による作品である。本作の英語字幕は、JVTA修了生の畑井瑞希さんが担当した。
■『ペイドマン』(Boy pays for the fight)
監督:岡太生/日本/05:00/コメディ/2021
ヒーロー好きの小学生タカシ。彼のもとに届いた謎のスーツを着ると聞こえる最新型AIペイトNo.60の声。待ち受けていたのは謎の男。憧れのヒーローのように戦う時がきたのだ。正義のための悲しき力、現代科学支払戦士ペイドマン。(SSFF&ASIA2022 プレスリリースより)
※映画祭史上最年少でノミネート 岡太生監督
映像に字幕をつける際、悩みどころの1つは登場人物の口調だ。本作は主人公が小学生の少年ということで、英語字幕で使う言葉や表現でも「子供らしさ」を表す必要がある。畑井さんも子供らしいセリフの翻訳には苦戦をしたようだ。
「冒頭に、主人公が欲しかった誕生日プレゼントとは全く違うものをもらって苛立っているシーンがあるのですが、その時の『くそー!」というセリフをどう訳せばいいのかとても悩みました。
子供らしさのあるセリフを訳すのはとても大変だったのですが、とにかく物語の中の会話として違和感なく成立するように訳すことを心がけました。」(畑井瑞希さん)
作中では主人公の子供らしいセリフに加え、AIによる機械的なセリフも登場する。トーンの異なるセリフが紡ぎだす会話も、本作の魅力だ。実際のセリフの掛け合いとともに、ぜひ英語字幕の表現にも注目してほしい。
「少年がヒーローに変身して戦う」というシンプルなストーリーながら、AI搭載のスーツや戦うために必要な支払いシステム等、現代らしいセンスが盛り込まれた本作。畑井さんに、本作を最初に見た時の感想も聞いてみた。
「思わずクスっと笑ってしまうような展開がいくつもあって、見ていてとても楽しい作品でした。主人公は戦うために電子マネーを使うのですが、私も最近は電子マネーを使うことが多いので、『こんなに使ったの!?」とならないように気をつけないといけないな、と思ったり。
監督が小学5年生(撮影当時は4年生)の男の子だと知ったときは本当に驚きました。」(畑井さん)
畑井さんは『ペイドマン』のほか、『Five Colors ~染色家~』(伊名岡智也、2022)と『兄の話』(眞鍋雅幹、2021)の英語字幕も担当している。『Five Colors ~染色家~』は一人の染色家が語るドキュメンタリー、『兄の話』は兄妹の会話のみで進んでいくシリアスなストーリーだ。『ペイドマン』も含めて、全く異なる3作を翻訳した。
「『Five Colors ~染色家~』はドキュメンタリーだったので、染色家の山下さんの言葉にできるだけ寄り添うような字幕になるように意識しました。
『兄の話』は、淡々と静かに物語が展開されていく作品でした。なので、その雰囲気を字幕で壊さないようにするのに苦労しましたが、とてもやりがいのある作品でした。」(畑井さん)
『ペイドマン』『Five Colors ~染色家~』『兄の話』、3作すべてオンライン会場での視聴が可能である。配信期間は6月30日までなので、ぜひこの機会を逃さないでほしい。
■オンライン会場はこちらから
https://www.shortshortsonline.org
配信期間:2022年4月28日~6月30日
そして6月20日(月)には、2022年の本映画祭集大成となるアワードセレモニーが開催。翌年のアカデミー賞につながるオフィシャルコンペティション supported by Sonyおよびノンフィクション部門、アニメーション部門の優秀賞の発表や、海外からも注目を浴びる「東京」の魅力を発信するCinematic Tokyo部門、25歳以下の国内在住監督によるU-25プロジェクトなど、各優秀賞などのアワードの発表・授与が行われる。こちらのセレモニーはYouTubeにてライブ配信予定。登壇者やゲスト情報は、公式サイトで随時チェックを。
■アワードセレモニー 詳細はこちら
https://shortshorts.org/2022/award-ceremony/
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