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修了生の岩辺いずみさんが字幕を担当 ケヴィン・クライン主演の悲恋物語が劇場公開

修了生の岩辺いずみさんが字幕を担当 ケヴィン・クライン主演の悲恋物語が劇場公開
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本場ブロードウェイで上演されたミュージカルや舞台などを映像化し、映画館で楽しめる「松竹ブロードウェイシネマ」シリーズ。第4弾の『シラノ・ド・ベルジュラック』が、2020年3月13日(金)から劇場公開されます。この作品の日本語字幕を修了生の岩辺いずみさんが手がけました。
シラノ・ド・ベルジュラックB1ポスター
『シラノ・ド・ベルジュラック』は、123年前の初演から世界中で愛される悲恋物語。主役のシラノはケヴィン・クライン、シラノが想いを寄せるロクサーヌはジェニファー・ガーナーが演じています。


 
字幕を手がけた岩辺いずみさんに話を聞きました。

 

JVTA 岩辺さんが松竹ブロードウェイシネマシリーズの字幕を手がけるのは2作目。『シラノ・ド・ベルジュラック』は、岩辺さんにとって特に思い入れのある作品だそうですね。
I.Iwanabe_01
岩辺いずみさん(以下 岩辺さん)そうですね。前回の『ロミオとジュリエット』を訳した時(関連記事へ)に、松竹の担当者の方にご挨拶する機会がありました。その後メールを送る時に、大学では仏文学専攻で、シェイクスピアは専門外だけれど戯曲が好きなこと、『シラノ・ド・ベルジュラック』をテーマに卒論を書いたことを伝えました。好きなことはアピールしておこうくらいの気持ちでした。今回のお話をいただいたのは、それからまもなくのことです。まさか大好きな『シラノ~』を訳せる日が来るとは思っていなかったので、驚きとうれしさで胸がいっぱいになりました!

 
JVTA それは素敵な巡りあわせでしたね! そんな大ファンの岩辺さんから作品の魅力を教えてください。
メイン_シラノ・ド・ベルジュラック
©Carol Rosegg
岩辺さん 『シラノ~』は17世紀の実在の作家をモデルにしたエドモン・ロスタンの戯曲で、1897年にパリで初演されました。詩人で剣の腕にも長けていましたが、鼻が大きく、そのコンプレックスのため愛する人に想いを打ち明けることができません。それどころか彼女に恋した美男の代わりに愛を語り、2人をくっつけてしまいます。…という話は、聞き覚えのある方も多いのではないでしょうか? 日本でも何度も舞台化されていますし(『白野弁十郎』という日本を舞台にした翻訳作品まであります!)、アメリカ映画『愛しのロクサーヌ』の元ネタになるなど、世界中で愛されてきた物語です。

 
JVTA 手紙が物語の“鍵”となるだけに、翻訳にもこだわりがありそうですね。
サブ①_シラノ・ド・ベルジュラック
©Carol Rosegg
岩辺さん 原作はシラノが紡ぐ言葉が韻を踏んでいて美しく、こんな言葉で愛をささやかれたら誰でも恋に落ちるのではと思います。今回はブロードウェイで上演された英語版で、フランス語とはまた違う軽快な面白さを味わえます。フランス語から翻訳されている日本の『シラノ~』とは使われる言葉も微妙に違うので、翻訳本やジェラール・ドパルデュー主演の映画版を参考にしつつ、読みやすく自然な訳を心がけました。原音が韻を踏んでいるから字幕も…と欲張りすぎると分かりにくくなるので、ポイントになる部分だけ韻を踏み、雰囲気が伝わるように気をつけました。そのあたりの兼ね合いは、制作の担当者の方にチェックしていただきながら、修正を重ねました。見る人が原音の響きを味わいながら字幕を読めて、舞台の世界にどっぷりと浸ってくれたら嬉しいです。

 
JVTA 何かポイントとなるキーワードがあれば教えてください。
サブ②_シラノ・ド・ベルジュラック
©Carol Rosegg
岩辺さん 長く愛されてきた作品なので、ファンにはおなじみの台詞もあります。そういう台詞は、なるべく定訳から離れないようにしました。中でも“panache”という言葉はシラノの象徴として使われるので、よかったら注目してみてください。

 
JVTA 最後にご覧になる皆さんにメッセージをお願いします!
サブ③_シラノ・ド・ベルジュラック
©Carol Rosegg
岩辺さん 字幕についてあれこれ書きましたが、とにかく素晴らしい舞台なので、難しく考えずにシラノの世界を堪能してください! ケヴィン・クラインのシラノが小気味よくて滑稽で悲しいほど格好いいのです。私は見直すたびに同じシーンで泣いてしまい、どれだけシラノが好きなんだと自分でもあきれました。いろいろと不安の多い時期ですが、別世界に浸り、思い切り笑って泣くのもいいものです。シラノ・ド・ベルジュラックのファンが1人でも増えますように!

 
JVTA ありがとうございました!

 
タイトル:『シラノ・ド・ベルジュラック』
公開表記:2020年3月13日(金)より東劇(東京)他全国順次公開
配給:松竹
コピーライト:©Carol Rosegg
演出:デヴィッド・ルヴォー   
原作:エドモン・ロスタン
翻訳・脚色:アントニー・バージェス
出演:ケヴィン・クライン、ジェニファー・ガーナ―、
ダニエル・サンジャタ 他
米国/2007/ビスタサイズ/141分/5.1ch 日本語字幕スーパー版
公式:https://www.instagram.com/shochikucinema/
https://www.facebook.com/ShochikuBroadwayCinema

 
【関連記事】岩辺さんが字幕を手がけた『娘は戦場で生まれた』も劇場公開!
https://www.jvta.net/tyo/academy-2020/

 
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