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JVTAメールマガジン707号特別企画!! 7人の映像翻訳者に聞く7つの質問 

JVTAメールマガジン707号特別企画!! 7人の映像翻訳者に聞く7つの質問 
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毎週金曜日にお届けしているJVTAメルマガはおかげさまで700号を超えました! いつもご覧いただき、ありがとうございます。そこで今回は「7」にちなみ、「7人の映像翻訳者に聞く7つの質問」を実施。修了生の皆さんに映画や翻訳について聞いてみました。皆さんが初めて映画館で観た映画、必ず泣ける映画、これまで見た字幕や吹き替えで一番の名ゼリフとは? 課題で皆さんが取り組んだあの名作も登場します!
 

★大前夕香さん(2015年4月期 日英実践コース・修了)
大前夕香さん
①初めて映画館で観た映画

中学生の時に見た『AKIRA』(大友克洋監督)です。親の株主優待券があるからと友人に誘われ、内容も全く知らず観に行きました。ラストの激しさに圧倒されながらも「話分かった?」「いや全く」「でも、きよちゃん出てたやん」(一緒に行った友達の名前と同じ“きよこ”というキャラクターがいたため)で終わったのを覚えています。

 
②必ず泣ける映画
映像翻訳コースの一分間スピーチのために見た『誰も知らない』(是枝裕和監督)は泣けました。感動とかではなく、やるせなさで。見終わってドッと疲れた映画です。

 
③映像翻訳者を目指したきっかけ
大学卒業して就職して以来ずっと、もっとどっぷり英語を使う仕事がしたくて通訳学校や翻訳通信講座など数々の勉強をしていくうちに、自分は日英翻訳がしたいことに気づき、JVTAの日英映像翻訳コースの存在を知って飛び込みました。ちなみに、ずっと前に英日映像翻訳コースにも通っていたのですが、こちらは挫折しました。

 
④これまで見た字幕や吹き替えで一番の名ゼリフ
日英の講義の課題で、東京についてのインタビュー素材の中の「東京は不思議な街です」という発言をクラスメイトが確か Tokyo is a place of wonder. と訳していたのには感動しました。「不思議な」 の訳として、私を含めクラスのほとんどの人が “strange”という形容詞を使っていたのですが、インタビューの内容としては肯定的に東京を語る中で出てきた表現なので “place of wonder” が「なんてぴったりなんだ!」と脱帽でした。確かに “Alice in Wonderland” は「不思議の国のアリス」だもんなあ、と。ノートにしっかりメモした瞬間でした。

 
⑤翻訳作業中のリラックスアイテム
カフェラテです。ネスプレッソのコーヒーマシーンとミルク泡だて器を購入して以来、翻訳作業の時には欠かせないアイテムです。

 
⑥映像翻訳者なら読んでおきたい本(ためになった本)
「字幕屋は銀幕の片隅で日本語が変だと叫ぶ」(太田直子著)や、柴田元幸氏の翻訳関係の本は読んでいて楽しいです。また、全ての洋書が参考になります!

 
⑦いい意味で「やられた!」と思った邦題(英題)NO.1
『勝手にしやがれ』(ジャン=リュック・ゴダール監督 原題:À bout de souffle、英題:Breathless)。中高時代、よくファッション雑誌で紹介されているのを見て、タイトルやジーン・セバーグのファッション、そのすべてが格好良く見えました。肝心の映画の内容は覚えていませんが…。

 
 

★小林雄介さん(2012年10月期 英日実践コース・修了)
小林雄介さん
①初めて映画館で観た映画
『インディ・ジョーンズ/最後の聖戦』(スティーヴン・スピルバーグ監督)。中1でした。(年がバレますが)

 
②必ず泣ける映画
『パンチドランク・ラブ』(ポール・トーマス・アンダーソン監督)。「ダメな主人公がすごい勇気を出して小さな何かをするけど、特に自身が成長したり世界が変わったりしない系」の映画には弱いんです。

 
③映像翻訳者を目指したきっかけ
妻に勧められた。夫に映像翻訳者を目指すように勧めるなんて、すごい妻ですね。

 
④これまで見た字幕や吹き替えで一番の名ゼリフ
(『ローマの休日』 より)Rome!→「ローマ」
JVTAの吹き替えの授業での、クラスメートの訳。アン王女が、本当は「どの町もそれぞれに素晴らしく…」のように答えるべき場面で、つい本音を答えてしまうセリフです。普通は「ローマです」と訳すところを、ただ「ローマ」と。ポツリと感情が漏れてしまった印象が鮮明になる訳だと思います。嫉妬しました。

 
⑤翻訳作業中のリラックスアイテム
スマホ&ツイッター

 
⑥映像翻訳者なら読んでおきたい本(ためになった本)
「ぐっとくる題名」ブルボン小林

 
⑦いい意味で「やられた!」と思った邦題(英題)NO.1
翻訳ではないのですが、宮沢賢治の「春と修羅」はすごいタイトルだと思います。

 
 

★たなべりえさん(2008年10月期 英日実践コース修了)
rie tanabe
①初めて映画館で観た映画
パペット・アニメーションの『くるみ割り人形』(中村武雄監督)だったと思います。幼心に映画館の音の迫力に驚いたのを何となく覚えています。

 
②必ず泣ける映画
世界中の人々の胸を打った名作『レナードの朝』(ペニー・マーシャル監督)です。個人的に疑問を感じる点もあるのですが、主演のロバート・デ・ニーロとロビン・ウィリアムズの演技に引き込まれ、必ず涙腺がゆるんでしまいます。

 
③映像翻訳者を目指したきっかけ
JVTAの映像翻訳コースを受講したことです。仕事にも少しは役立つかなという軽い気持ちで通い始めたら、講義の内容があまりにも興味深くてはまってしまいました。

 
④これまで見た字幕や吹き替えで一番の名ゼリフ
『スター・ウォーズ/帝国の逆襲』(アーヴィン・カーシュナー監督)でヨーダがルークに言う「やるか、やらぬかだ」(”Do or do not.”)という吹き替えのセリフです。めげそうな時などに自分が日頃つぶやいている言葉とほぼ同じだったこともあり、初めて耳にした時にとても共感しました。このセリフは吹き替えで耳にしたらスッと共感できた点でも印象的でした。字幕は次のセリフと合わせて2枚になっていたため、私には吹き替えの方が簡潔に感じて響いたんです。以前、スター・ウォーズの児童書の翻訳に関わらせていただいた際に初めてそれに気づき、作業中も自分を励ますために何度もつぶやきました。

 
⑤翻訳作業中のリラックスアイテム
とぼけたことばかりして笑わせてくれる飼い犬が、日々のリラックスアイテムです。

 
⑥映像翻訳者なら読んでおきたい本(ためになった本)
池上彰さんの「伝える力」。ビジネスパーソン向けなので翻訳者の方々にとっては当たり前の内容かと思いますが、私にとっては、たまにページをめくると仕事に対する姿勢を修正できる気がする一冊です。

 
⑦いい意味で「やられた!」と思った邦題(英題)NO.1
『リトル・ダンサー』(スティーヴン・ダルドリー監督 原題『BILLY ELLIOT』)は、シンプルで覚えやすいうえ、作品にピッタリで、ことあるごとにいいなと思うタイトルです。

 
 
★松木 香奈子さん(映像翻訳Web講座 2014年11月修了)
松木香奈子さん2
①初めて映画館で観た映画
中学1年の時に観た『タイタニック』(ジェームズ・キャメロン監督)

 
②必ず泣ける映画
『グッド・ウィル・ハンティング/旅立ち』(ガス・ヴァン・サント監督)

 
③映像翻訳者を目指したきっかけ
「映像作品に関わることができて、自分のスキルを活かせる仕事は何か」をつき詰めた結果、たどり着きました。

 
④これまで見た字幕や吹き替えで一番の名ゼリフ
“ディナーの代わりにヴォーグを買う事もあった。その方が満たされる気がしたから。”
“Sometimes, I would buy Vogue instead of dinner. I just felt it fed me more.”
『SEX AND THE CITY』 より

 
悩みましたが、私のバイブルである“SATC”から、キャリーのセリフを選びました。夢を追いかけ、ファッションへの情熱を貫く姿勢に共感します。私もまさにそんな20代を過ごしました。翻訳者になり、サラ・ジェシカ・パーカーの作品を手がけた時は、とても感慨深かったです。

 
⑤翻訳作業中のリラックスアイテム
リラックスとは少し違いますが、仕事中はブルーライトカットのメガネを愛用しています。夜の目のショボショボ感がだいぶ軽減されるので。

 
⑥映像翻訳者なら読んでおきたい本(ためになった本)
「Longman Student Grammar of Spoken and Written English」
日本の英語教育では教えてもらえないことが学べます。

 
⑦いい意味で「やられた!」と思った邦題(英題)NO.1
『メリーに首ったけ』(ボビー・ファレリー監督、ピーター・ファレリー監督)
(原題:THERE’S SOMETHING ABOUT MARY)

 
 

★森マサフミさん(ロサンゼルス校修了生 現在は同校講師として活躍)
MasafumiMoriPassport
①初めて映画館で観た映画
『ゴジラ対ヘドラ』(坂野義光監督)。“♪水銀 コバルト カドミュウム~”という歌詞が印象的な「かえせ! 太陽を」という主題歌が、今でも耳に残っています。弟を妊娠中の母が、「胎教に悪い」と嘆いていました。

 
②必ず泣ける映画
『がんばれ!ベアーズ』(マイケル・リッチー監督)。運動音痴でいじめられっ子のルーパスが絶体絶命の状況でライトフライをキャッチする瞬間に、涙が止まりません。

 
③映像翻訳者を目指したきっかけ
お気に入りのコメディー『ナポレオン・ダイナマイト』(ジャレッド・ヘス監督)が、当時ヒットした『電車男』に便乗して『バス男』という邦題の元にリリースされたのが残念で、何とかせねばと立ち上がりました。
※編集注:DVD発売後に『ナポレオン・ダイナマイト』に戻った

 
④これまで見た字幕や吹き替えで一番の名ゼリフ
Adrian! / エイドリアン!
おなじみ『ロッキー』(ジョン・G・アヴィルドセン監督)のクライマックスで主人公が叫ぶセリフです。ほとばしる情熱のままに発せられたこの言葉は、映画は理屈じゃないということを象徴しています。

 
⑤翻訳作業中のリラックスアイテム
お気に入りのバラエティー番組を見ることです。『有田ジェネレーション』で、司会の小峠がキレる時にかかる麻倉未稀の「ヒーロー」のイントロに癒やされます。

 
⑥映像翻訳者なら読んでおきたい本(ためになった本)
「ハリウッドを笑い飛ばせ! 映画が面白くなる業界ウラ話」。拙著ですが、映画のチェックリストや用語集など、ためになる情報も満載です。

 
⑦いい意味で「やられた!」と思った邦題(英題)NO.1
『ランボー』(テッド・コッチェフ 監督 原題First Blood)。シルヴェスター・スタローン演じる主人公の力強さが“乱暴”を彷彿とさせる語感と見事に重なって、大ヒットに貢献したようです。『Jerry Maguire』が『ザ・エージェント』にと、固有名詞の原題は内容を表す邦題に変換されがちですが、『ランボー』は原題が意味する“最初の血”を主人公の名前に置き換えた、真逆のパターンでした。続編以降は、本国でも『ランボー~』というタイトルで公開され、奇しくも邦題が逆輸入されたかのようになっています。

 
 

★柳澤真理子さん(2010年10月期 英日実践コース修了)
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①初めて映画館で観た映画
(記憶が少々あいまいなのですが)『ハチ公物語』 (神山征二郎監督)だったと思います。ハチ公の最後の姿に号泣したのを覚えています。

 
②必ず泣ける映画
『ティガー・ムービー/プーさんの贈りもの』(ジュン・ファルケンシュタイン監督)。かわいくて切なくて、大人の心にもグッとくるストーリーになっているのでオススメです。

 
③映像翻訳者を目指したきっかけ
友人がJVTAに通っていたことです。以前CS放送局に勤めていた際、様々な作品に触れる機会があったことも大きいですね。

 
④これまで見た字幕や吹き替えで一番の名ゼリフ
『ローマの休日』のエンディングにて。
“Rome! By all means, Rome. I will cherish my visit here in memory, as long as I live.”
「ローマです 何といってもローマです
私はこの町の思い出を いつまでも懐かしむでしょう」(字幕)
映像翻訳の勉強を始めた頃に改めて鑑賞し、このセリフに感動。いつかこのような作品の翻訳がしたいと夢を大きく膨らませました。

 
⑤翻訳作業中のリラックスアイテム
「アイテム」ではないのですが、飼っているセキセイインコたち。作業に行き詰った時に話しかけて、頭をリセットさせています(笑)。

 
⑥映像翻訳者なら読んでおきたい本(ためになった本)
「月刊 シナリオ」「月刊 ドラマ」
もともと日本語で書かれた脚本を読むことは、字幕翻訳、吹き替え翻訳どちらにも必ず役に立ちます。受講中に講師の勧めで初めて手に取り、今でも定期的に読んでいます。当初はスキル向上のためでしたが、読み物としても面白くハマってしまいました。簡潔に書かれた文章と生きたセリフの数々は、字幕・吹き替え両方の翻訳力アップにつながり、まさに一石二鳥です。

 
⑦いい意味で「やられた!」と思った邦題(英題)NO.1
『俺たちに明日はない』(アーサー・ペン監督 原題:BONNIE AND CLYDE)
ウォーレン・ベイティの魅力に惹かれた10代の頃にビデオで鑑賞。内容をうまく表現していて、初めて“邦題って素晴らしい”と感じました。衝撃度NO.1です。

 
 

★横山治奈さん(日英映像翻訳科修了生 現在は講師として活躍)
横山さん
①初めて映画館で観た映画
米の実家の近くに$1シアターがあり2、3回『Jurassic Park』(スティーヴン・スピルバーグ監督)を観に行きました。当時、まだ小学生だったのであまりの迫力に劇場の一番後ろに隠れ、恐る恐る観ていたのを覚えています。

 
②必ず泣ける映画
『カールじいさんの空飛ぶ家』(ピート・ドクター監督)の冒頭に流れる感動的なシークエンス…。無言だから言葉が分からなくても、感動が直に伝わり、泣かずにはいられません。

 
③映像翻訳者を目指したきっかけ
日本語も英語も活かせる仕事がしたかったのですが、大学卒業後ちょうどリーマンショックで色々面接に落ち、仕方なく英語オンリーの会社に就職。そのころ字幕の仕事をしている人の話を聞き、たまたまフリーペーパーにJVTAの広告を見かけロサンゼルス校で体験レッスンを受けることに。初めての字幕翻訳の課題が面白く、「字幕翻訳者になりたい」と思いました。

 
④これまで見た字幕や吹き替えで一番の名ゼリフ
誰もが知る名作、『カサブランカ』(マイケル・カーティス監督)の中で「君の瞳に乾杯」と訳される「Here’s looking at you, kid」。英語での名ゼリフが日本語でも同じように名ゼリフとなったのが本当にすごいと思います。

 
⑤翻訳作業中のリラックスアイテム
アイテムではありませんが、翻訳作業中詰まったりするとちょっとしたお散歩などに出たりします。外の空気を吸い、良いリフレッシュになりますね。

 
⑥映像翻訳者なら読んでおきたい本(ためになった本)
日英なら、やはりアメコミを読むと良いと思います。アメコミではさまざまなキャラクターが登場し、それぞれ喋り方が異なるので字幕を作るときにいい参考になるし、最近の流行なども明らかになると思います。

 
⑦いい意味で「やられた!」と思った邦題(英題)NO.1
ディズニーの『シュガーラッシュ』(リッチ・ムーア監督)。英題の『Wreck-It Ralph』をそのまま訳したカタカナ表記ではなく、作品の中に出てくるゲームのタイトルを題名にすることで覚えやすくする技は圧巻でした。

 
 

★いかがでしたか?
どれも、映画や英語が好きな翻訳者ならではの回答ばかりですね。
7人の皆さん、ご協力ありがとうございました!
読者の皆さんもぜひ、この質問に対するご自身の答えを考えてみてください!
映画好きな仲間との会話がぐっと盛り上がるはずです!

 
●映像翻訳って面白そう!と感じた方はオープンスクールへ
https://www.jvta.net/tyo/open-school/

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