【JVTA発!世界で活躍する人たち―翻訳者編-】ドイツ・ベルリン在住 内藤裕子さん(フリーランスの翻訳者)

JVTAでは現在、リモートで授業を行っており、国内外のさまざまな国や地域で受講生が学んでいる。海外で暮らしながら日本の授業を受講、修了後のトライアルやOJTもオンラインで参加し、現地で映像翻訳者として活躍する修了生も少なくない。そこで、実際にどんな人がどのように海外で仕事に取り組んでいるのか、紹介する。
ドイツ・ベルリン在住 内藤裕子さん(フリーランスの翻訳者)

◆ドイツ滞在のきっかけはワーキングホリデー
ドイツのベルリンに2015年から暮らす内藤裕子さんは、ドイツでJVTAの英日と日英の両方の映像翻訳のコースを修了し、どちらもトライアルに合格。現在は英日・日英のハイブリッドの映像翻訳者として活躍している。現地に行ったきっかけは、ワーキングホリデーだった。その後、縁あってドイツのメディア企業で2017年から2021年にインハウス翻訳者兼コンテンツライターとして採用された。英語やドイツ語の記事を日本語に翻訳する仕事に従事した後、2022年からフリーランスの翻訳者として活躍。現在のクライアントは8割が海外企業で、仕事内容の内訳は、マーケティング翻訳が7割、字幕が2割、その他の翻訳が1割だという。
「現地で翻訳の仕事に取り組むうちに、もっと読んでもらえる翻訳にしなければという思いがありました。そんな時にリモートでも学べるJVTAを発見。数ある翻訳スクールのなかからJVTAを選んだのは、当時はSNSやストリーミング配信で映像コンテンツが盛り上がり始めており、映像翻訳の需要はまだまだありそうだと感じていたからです。」(内藤裕子さん)
◆日本で行っていた難民支援からドイツで書籍の共著へ
ドイツに行く前は、日本のNGOで難民支援の仕事をしていたという内藤さん。ドイツに来た2016年当時はドイツが難民を100万人くらい受け入れていた時期であり、内藤さんはベルリンの難民支援施設でボランティアを体験する。
「前職の繋がりからベルリンでの難民支援ボランティアに体験を教えてほしいという要望があり、現地での活動をお話しすることになりました。それを機にドイツの難民問題に関する書籍「難民支援 ドイツメディアが伝えたこと」(春風社)に共著として携わりました。」
◆映像翻訳のスキルがビジネスコンテンツにも役立つ
内藤さんは、映画やドラマ、映像アート作品から企業のマーケティングや社内研修資料などの字幕翻訳を幅広く担当。字幕以外にも欧州企業の広告やマーケティング素材の翻訳を手がける。ドイツのニュースサイトなどの翻訳やライティングでは、ドイツ語から英語に訳されたものを基に日本語に訳すことも多い。こうした仕事ではドイツ語の知識や現地での体験が役に立っている。また、昨今は企業のPRでも動画の案件が増えており、内藤さんも企業や団体のPR映像をテーマにした「映文連 国際短編映像祭」の上映作品の字幕を手掛けた。映像翻訳のスキルは映画やドラマだけでなくビジネスのジャンルでも仕事の幅を広げている。
「欧州の様々な企業と仕事をしていると国ごとにトーンやユーモアの捉え方が違うと感じるので制作国の傾向に合わせて翻訳のトーンも変えています。ドイツ語を英訳したテキストや字幕から日本語に訳す際に気を付けているのは、ドイツ語表現はストレートなので、原文のニュアンスをきちんとくみ取りつつ、日本人が読んで違和感のない文章にすることです。ただ訳しただけだとユーモアが全然伝わらなかったり、ぶっきらぼうで露骨すぎるように見えたりすることがあるので、特にビジネス関係の通訳や翻訳の際には意図や真実を曲げない程度に少し調整した訳を意識しています。」(内藤さん)
※映文連 国際短編映像祭の字幕を制作 内藤さんの記事はこちら
◆ドイツで開催の日本映画祭「ニッポン・コネクション」を取材
ドイツでは歴史ある日本映画祭「ニッポン・コネクション」が毎年行われており、JVTAも長きにわたり、英語字幕やワークショップなどでサポートしている。内藤さんは、JVTAの依頼でフランクフルトの上映会に来場。会場の様子を取材し記事の作成も行った。こうした現地ならではの仕事に携われるのも翻訳者としての強みになっている。ドイツに暮らして10年、JVTAで英日と日英の両方の映像翻訳のスキルを学び、内藤さんの活躍の場はますます広がっている。
※2025年の「ニッポン・コネクション」内藤さんの現地取材記事はこちら
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