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修了生・小林雄介さんが監督・脚本の短編映画『Have a Good Journey』が配信中!

修了生・小林雄介さんが監督・脚本の短編映画『Have a Good Journey』が配信中!
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JVTA修了生で映像翻訳者の小林雄介さんが監督・脚本を手がけた『Have a Good Journey』が、インディーズ映画のサブスクリプション「dokuso映画館」の「ぴあフィルムフェスティバル」(PFF)のPFFアワード歴代入選作品特設ページで、配信されている。
 

PFFは、“映画の新しい才能の発見と育成”をテーマに1977年にスタートした映画祭で、主にインディペンデント映画を上映しており、JVTAは海外の上映作品の日本語字幕や、日本の作品の英語字幕などの制作でサポートしている。PFFアワード歴代入選作品特設ページでは過去にJVTAの修了生が字幕を手がけた作品も数多く配信中だ。
 
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◆「DOKUSO映画館」PFFアワード歴代入選作品 特設ページ
https://dokuso.co.jp/lp/pff
※視聴には登録が必要です。
 

『Have a Good Journey』は、PFFアワード2003入賞作品で、小林さんが約20年前に初めて自主制作した短編映画。ナンパされた女の子が元カレとの奇妙で過激な思い出話を語り始めるという、不思議な雰囲気の作品だ。自身の作品について、小林さんはこう話す。
 

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©小林雄介
 

「『世にも奇妙な物語』や、藤子・F・不二雄の異色SF短編を好きな方には気に入ってもらえるのではないでしょうか。ミステリーでもあり、ラブストーリーでもあり、“そのどちらでもないただの無駄話”でもあるような作品です。撮影や録音の技術は正直言って稚拙なものです。しかし、自主制作だからこそ、今見ると時代の空気を反映しているかもしれません。“大きな物語”を失って、“終わりなき日常”を生きる『まったり革命』(当時、宮台真司さんが流行させた言葉です)の時代に作った話です(2002年の制作です)。“クリアすべき人生のミッションがないことの切実さ”に寄り添った作品だと思っています」(小林雄介さん)
 

小林さんにはかつて、学生サークルに参加し、ロシア語の演劇の字幕を作った経験もある。本番が近づくにつれ変わっていく演出、演技の抑揚、間。それに対応して即興的に字幕を考えていくのは、とても興奮する作業だったという。映像翻訳者に求められるのは、作品を正しく解釈し、制作側の意図を真っすぐに視聴者に届けるということ。映画だけに留まらず、演劇を作る側にも携わった小林さんには、制作者の視点がある。それは、字幕翻訳に取り組む際も大きなメリットになっている。
 

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「字数制限はもちろん、ハイコンテクストなやりとりなど、訳すのが難しいセリフに直面したときに、『演出意図』を意識すると訳がハマることがあります。登場人物の心情は、怒っているのか、喜んでいるのか。それを見た視聴者に、どんな感情を抱かせるのが狙いか。特定の場面が、ストーリーの流れの中で、どんな役割を果たしているのかについては、常に気をつけています。これは、“気の利いた訳をキメよう”という話ではなくて、誤訳に気づくことにもつながるはずです。『翻訳者も作り手の一員なんだ』という強い思い(思い込み)が僕にはあります」(小林さん)
 

小林さんは、2016年に映像翻訳者としてプロデビュー。その後、ドラマやドキュメンタリーなど数多くの作品の字幕を手がけてきた。中でもトルコのミステリードラマ『ザ・ヤード 女囚たちの闘い』と、環境問題にフォーカスしたドキュメンタリー映画『グリーン・ライ ~エコの嘘~』が特に印象に残っているという。
 

「『ザ・ヤード 女囚たちの闘い』は、派閥争いをする女囚たちのキャラも立っていて、誰でも楽しめる構成ですが、音楽やセリフのリズムは“西洋的”とも“東洋的”とも言えない、“未知の味付け”で、クセになる作品です。友人から僕の翻訳について聞かれた時は、この作品を薦めています。
 

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※『グリーン・ライ ~エコの嘘~』(c)e&a film
 

『グリーン・ライ ~エコの嘘~』はもちろん真面目な作品ですが、案外“見て元気になる映画”の1つだと思います。ブーテ監督の視線は“ユーモア”と“好奇心”を一貫して失わないところが魅力的です。コロナ禍の今、“世界のピンチを前に、人々は知恵を出し合って協力するはず”と思うのはナイーブすぎる。でも、センセーショナルに恐怖をあおっても状況を悪化させるだけに思えます。ならば、“ユーモア”と“好奇心”が、思考停止から逃れるための一番の味方かもしれません。
 

僕自身、“きっと伝わるはず”と信じてコツコツと言葉を紡ぐ翻訳という営みには、かなり救われました。“受け手に作品を届けたい”という気持ちは、これからも持っていたいです」(小林さん)
 

NFL(ナショナル・フットボール・リーグ)の現役レジェンド、トム・ブレイディ選手の大ファンという小林さん。今後は彼のドキュメンタリー作品を手がけてみたいという。制作側の視点とファンとしての知識を活かした素晴らしい字幕になることを期待したい。
 

◆小林さんの作品『Have a Good Journey』はこちらで配信中。ぜひご覧ください。
※視聴には登録が必要です。
https://dokuso.co.jp/introduction/704
 

【関連記事】
◆JVTA 海外大学字幕プロジェクト(Global Universities Subtitling Project、GUSP)
JVTA講師の指導の下、日本語や日本文化を学ぶ海外の大学生らが日本の短編映画に英語字幕を付け、世界に向けて発信するプロジェクト。「ぴあフィルムフェスティバル」(PFF)の上映作品も英語字幕付きで、ドイツの日本映画祭「ニッポン・コネクション」で上映された。
https://www.jvtacademy.com/GUSP/
 

◆第42回「ぴあフィルムフェスティバル(PFF)」(2020年)
ロイ・アンダーソン特集の6作品の日本語字幕をJVTA修了生が担当
https://www.jvta.net/tyo/event/pff42_0925/
 

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