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「好き」は時空を超えてつながって―― 短編映画『ムカチノカチカ』受賞を支えたコトバの力

「好き」は時空を超えてつながって―― 短編映画『ムカチノカチカ』受賞を支えたコトバの力
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『ムカチノカチカ』。このタイトルを、あなたはどう読みますか?
 

英日映像翻訳科修了生で、現在はブランドプロデューサー/プランナーとして活躍する浅井有美さん(freee brand studio)が製作に携わり、日英映像翻訳科修了生の大前夕香さんが英語字幕を手掛けた短編映画『ムカチノカチカ』が伊カンパーニャで開催された「Vesuvius International Monthly Film Fest」と、米ニューヨークで開催された「New York Movie Awards」両映画祭で受賞*しました。
 

*伊映画祭ではBEST SHORTを、米映画祭ではBest Indie Short Filmを受賞。
 

【本編を見る(10:53)】

 

この作品は「働くとは?」「仕事とは何か?」を自問する会社員・名波が漁港で捨てられそうになっている「雑魚(ざこ)」とそこで働く漁師たちと出会い、一歩踏み出す物語です。2020年2月に開催された「確定申告FES」(主催:freee株式会社)の、スモールビジネスに内在するストーリーを募り伝える「STORY AWARD 2020」で最優秀賞を獲得したKai’s Kitchenオーナー・甲斐さんの話がモデルとなっています。
 

作品ができるまで、同作が海外の映画祭で評価されるまでの背景にはJVTA修了生が関わったもう一つのストーリーがありました。浅井さん、大前さん、2人の“コトバのプロ”に話を聞きます。
 

* * *
 

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浅井有美さん(freee brand studio)
 

浅井さん●「freee(フリー)」というクラウド会計ソフトを開発・提供しているfreee株式会社のブランド組織freee brand studioに所属しています。私のチームの仕事は「スモールビジネス*って面白そうだな、目指してみたいな」と思う人を増やすこと。「freee」のブランディングにとどまらず、スモールビジネスを営む人はかっこいい、面白い、と思ってもらえる社会を作ることです。
 

 “STORY AWARD”で、仕事にまつわるさまざまな想いを募集したのは、スモールビジネスの面白さはそのストーリー性にあると私たちは思うからです。「本当に好きなこと」「世の中を変えたい」「目の前の人を幸せにしたい」――スモールビジネスは個人事業主・オーナーの方の人格や性格が強く反映されるので、心を揺さぶる話がたくさん生まれます。本作は甲斐さんが自分のお店を始めるまでのストーリー。タイトルの“ムカチノカチカ”という言葉も、甲斐さんが考えた言葉です。
 

*個人事業をはじめとする、少人数によるビジネス
 

英語版タイトルは“Value in the Valueless”
浅井さん●翻訳をJVTAに頼んだのは、英語字幕にクリエイティブな表現が求められるからです。それに、私も通っていた学校! お願いするしかない、と思いました。
 

 一番、こだわりをもって相談させていただいたのはタイトルの翻訳です。最初は「ムカチノカチカ」を奇麗に英訳していただいたのですが、ここはタイトルの妙というか、「あえてカタカナで分かりにくくしている意図」を伝えて、候補をいくつか考えていただきました。その中のひとつ“Value in the Valueless”がこの映画の英語版タイトルです。字幕についても、翻訳者の方の意図を教えていただきながら進められたのが良かったです。
 

“人生の宝物”が今につながった
浅井さん●私がJVTAに通っていたのはおよそ10年前、20代前半の頃。留学していたこともあり、何か英語を生かせるものをと思い映像翻訳の勉強を始めました。翻訳だけではなく、“調べもの”の方法や日本語表現力を磨くなどさまざまな授業があって、すごく面白かったのを覚えています。当時はメディアの仕事をしていたので刺激にもなりました。会社の仕事が面白くなってきて、修了後にプロの道へは進みませんでしたが、いま、こういう形で映像翻訳に関われたのはとても嬉しいですし、“やりたいことをやってきた”ということが、こうやってつながる瞬間があるんだな、と実感しています。
 

 今回の日英字幕翻訳については、訳出するのはもちろんプロフェッショナルの方なのでお任せしつつ、発注者として「ここはこうしたい」という話を、訳のニュアンスとともにスムーズに議論できました。映像翻訳の勉強をやっていて良かったな、と思います。『ムカチノカチカ』という作品がこの世に生まれて、昔、心を傾けて通っていた学校の翻訳者さんと一緒に訳を作って、海外の映画祭で評価される。人生の宝物だったJVTAでの日々がこういう形になって、すごくハッピーです。
 

 翻訳者は、フリーランス。スモールビジネスのオーナーです。自分の好きなことや情熱があるものを仕事にする人を、この映画を作ったfreeeは応援していて、JVTAはまさに私たちが応援したい人を生み出している学校だと思います。自分の人生を、自分の力でドライブしていく人はすごくかっこいい。学校に通っていた時は私も本気で勉強していたし、それが今につながっています。どういう選択をするにせよ、いま傾けている情熱や時間は、必ず“実り”になるのではないでしょうか。
 

キャプチャ_
【浅井さんが最も好きな、「朝焼けの中、暖簾をかけるシーン」。主人公の表情は…?】
 

<英語字幕を手掛けた大前夕香さんコメント>
『ムカチノカチカ』は「働くってどういうこと?」「楽しい生き方って?」「食品ロスを減らすためにはどうすればいい?」「ものや人の価値って誰が決めるの?」という問題提起、そしてそれらに対する一つの答えを10分という短い時間の中で見せてくれる、楽しくて、ちょっと考えさせられて、勇気づけられる作品です。
 

主人公・名波が後輩に話す「楽しいって思える生き方してみたくなったんだ」というセリフ。新卒で就職した会社を3年余りで辞めて「翻訳を仕事にしたい」と勉強を始めた20年前の自分を思い出しました。翻訳のポイントとしては、テンポの良い会話と、主題歌『自由』(音楽:tofubeats)のリズムを邪魔しないように、英語字幕もなるべくシンプルに訳を詰め込みすぎないように気を付けました。
 

【大前さんから英語字幕を学んでいる人へのメッセージ】
限られた字数の中で、英語字幕を作成するのは産みの苦しみが伴いますが、納期までの時間の中で考えぬいて「これだ!」と思う英訳がひらめいたときの快感はたまりません! そのためにも海外ドラマや洋書、英語ニュースサイトなどを利用して英語のシャワーを浴びて、英語の言葉や表現の引き出しを増やしていきましょう。
 

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