JVTAは毎年、多くの映画祭を字幕や公式プログラムの翻訳などでサポート、JVTAで学んだ翻訳者が活躍している。今年も米国アカデミー賞公認・アジア最大級の国際短編映画祭「ショートショート フィルムフェスティバル & アジア」や世界最大級の日本映画の祭典「ニッポン・コネクション」、映画を通じて難民問題への関心を高める「難民映画祭」などに協力した。今年の映画祭サポートを振り返ってみよう。
◆Cinema at Sea – 沖縄環太平洋国際映画祭
2025年2月22日(土)〜3月2日(日)
那覇市ぶんかテンブス館テンブスホール、桜坂劇場、沖縄県立博物館・美術館

2023年11月に沖縄で誕生した映画祭。映画祭のテーマ「Cinema at Sea―太平洋、海のまなざし、海を知る」には、海に囲まれた沖縄から海を囲む島々と地域(=環太平洋)で活躍するアーティストとその作品を発信し、海によってつながる新たな文化交流の“環”を広げていきたいという思いが込められている。初回は7日間で37作品を上映し、約2000名が来場。街中の会場でのトークイベントや業界関係者向けの「沖縄環太平洋映画インダストリー」、VR上映などが行われた。2025年2月、「Boarder/less」をテーマに待望の第2回が開催、JVTAは今回初めて字幕制作で協力し、8作品の日本語字幕を担当、17人の翻訳者が手がけた。
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公式サイト:https://www.cinema-at-sea.com/
◆ダマー国際映画祭
2025年4月12日(土)~13日(日)
日比谷コンベンションホール

2001年にワシントン州シアトルでスタートした国際短編映画祭。『パッション』や『ナルニア国物語』、『Ray / レイ』などの企画やマーケティングを手掛けたマーク・ジョセフ氏が代表を務めている。「ダマー」とはヘブル語(ヘブライ語)で「隠喩」や「たとえ話」を意味する言葉だ。この映画祭の特徴は、露骨な暴力描写や過激な映像に頼らず、人間の多様な感情や体験を芸術的に表現することを評価すること。バイオレンスシーンが苦手という人も安心して観られ、視聴者の心に深く響く作品が集められている。また、30分未満であることが応募の条件とされており、国内外から選出された28本の短編映画が上映された。JVTAは字幕制作で協力しており、今年は10作品の上映作品の字幕を修了生が手がけた。
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公式サイト:https://www.damahfilm.com/
◆ニッポン・コネクション
2025年5月27日(火)~6月1日(日)
ドイツ・フランクフルト

世界最大級の日本映画祭。記念すべき第25回目となる今回は、最新の日本映画67本のプレミア上映を含め、約100本の短編・長編映画がフランクフルト市内10カ所の会場で上映。さらに映画制作者やアーティストの来場、カルチャーイベントなどの開催された。JVTAはニッポン・ヴィジョンズ審査員賞のアワード・スポンサーを長年務めており、特典として受賞者の次回作に英語字幕を無償で提供している。また、JVTAの日英映像翻訳講師による「Online Workshop: Subtitling」も開催。『ゴジラ-1.0』(2023)の英語字幕翻訳も担当したトニー・キム講師が、実際の日本映画のシーンを取り上げながら字幕制作について解説した。昨今はJVTAの指導の下で海外の大学で日本語を学ぶ学生が英語字幕をつける海外大学字幕プロジェクト(GUSP)の課題作品となった日本の短編映画の上映も恒例となっている。
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公式サイト:https://nipponconnection.com/ja/start/
◆ショートショート フィルムフェスティバル & アジア 2025
東京会場開催:2025年5月28日(水)~6月11日(水)
オンライングランドシアターでの上映
2025年4月24日(木)~6月30日(月)

米国アカデミー賞公認・アジア最大級の国際短編映画祭。米国俳優協会(SAG )の会員でもある俳優の別所哲也氏が創立してから今年で27年目となり、年々その開催規模は大きくなっている。今年の映画祭のテーマは「creative active generative」。世界中のフィルムメイカーたちの ”creative” が集結する映画祭で、作品とオーディエンス、クリエイターと企業が出あい、新たな化学反応が生まれる場を”active” に創出し、さらに「生成AI」にも通じる新たなテクノロジーで新時代のクリエイティブを生み出していきたい(”generative”)という思いが込められている。JVTAでは20年以上にわたり、本映画祭を字幕翻訳でサポート。今年も上映作品のほとんどを、100名以上のJVTA修了生が翻訳した。さらに、昨今はユニバーサル上映にも協力しており、ショートフィルム『日の出を知らない街』のバリアフリー字幕と音声ガイドの制作もJVTAが担当している。
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※映画祭公式Youtubeチャンネルにリンクします。字幕はCCの設定をオンして表示してください。
東京会場開催公式サイト:https://www.shortshorts.org/2025/
オンライングランドシアターでの上映 公式サイト:https://app.lifelogbox.com/shortshortsonlinegrandtheater
◆レインボー・リール東京〜東京国際レズビアン&ゲイ映画祭〜
2025年6月21日(土)〜2025年6月22日(日) ユーロライブ
2025年7月12日(土)〜2025年7月13日(日) 東京ウィメンズプラザホール

「第32回レインボー・リール東京〜東京国際レズビアン&ゲイ映画祭〜」は今年、6月と7月に渋谷で開催された。上映作品は、LGBTQ+などの性的少数者(セクシュアル・マイノリティ)をテーマに、国内外から選りすぐられた傑作ばかりだ。JVTAはこの映画祭の字幕制作に長年協力しており、今年も長編4本、短編4作品に携わった。
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公式サイト:https://sites.google.com/view/rainbowreeltokyo/2025web
◆SKIPシティ国際Dシネマ映画祭2025(第22回)
2025年7月18日(金)~ 7月26日(土)
SKIPシティ

映像クリエイターの登竜門として知られる映画祭。“新たな才能を発掘し、育てる映画祭へ”をモットーに、これまで白石和彌監督(『孤狼の血』『碁盤斬り』)、中野量太監督(『湯を沸かすほどの熱い愛』『浅田家!』)、上田慎一郎監督(『カメラを止めるな!』『スペシャルアクターズ』)など国内外の多くのクリエイターを生み出してきた。今年の審査委員長を務める石川慶監督も2009年に同映画祭に短編を出品、最新作『遠い山なみの光』が第78回カンヌ国際映画祭」ある視点部門で上映され、話題となった。本映画祭でも「商業映画監督への道」と題し、代表作『愚行録』の上映と共に石川監督がトークに登壇した。JVTAは毎年、この映画祭の日本の上映作品の英語字幕を手がけており、今年は長編5作品、短編3作品の字幕に加え、映画祭ガイドの翻訳に携わっている。また、10年以上にわたり「英語字幕PROゼミ」を継続的に開催。数名の翻訳者がチームを組み、プロの映像翻訳ディレクターのフィードバックを受けながらゼミ形式で字幕を制作している。
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※2024年のSKIPシティ国際Dシネマ映画祭の上映作品 JVTAが字幕を担当
公式サイト:https://www.skipcity-dcf.jp/
◆東京国際映画祭
2025年10月27日(月)~11月5日(水)
シネスイッチ銀座(中央区)、角川シネマ有楽町、TOHOシネマズ シャンテ、TOHOシネマズ 日比谷、ヒューマントラストシネマ有楽町、丸の内ピカデリー、ヒューリックホール東京、東京ミッドタウン日比谷 日比谷ステップ広場、LEXUS MEETS…、三菱ビル1F M+サクセス、東京宝塚劇場(千代田区)ほか、都内の各劇場及び施設・ホールを使用

1985年に日本ではじめて大規模な映画の祭典として誕生。才能溢れる新人監督から熟練の監督の作品まで、世界中から厳選された映画が集結し、毎年メディアでも大きく報道される人気のイベントだ。JVTAは今年も公式プログラムの英訳やデイリーペーパーの翻訳などを担当した。また、運営にJVTAで学んだベテラン翻訳者、今井祥子さんがプログラミンググループのスタッフとして携わっているほか、ぴあフィルムフェスティバルやSKIPシティ国際Dシネマ映画祭の受賞作品(JVTAが英語字幕を担当)なども上映された。
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公式サイト:https://2025.tiff-jp.net/ja/
◆第20回難民映画祭
2025年11月6日(木)~ 12月7日(日)
【オンライン開催】
2025年1月6日(木)~12月7日(日)
【劇場開催】
2025年11月6日 (木) TOHOシネマズ 六本木ヒルズ(東京) 【上映作品】『ハルツーム』
2025年11月13日 (木) TOHOシネマズ なんば(大阪) 【上映作品】『ハルツーム』
2025年12月2日 (火) イタリア文化会館(東京) 【上映作品】『あの海を越えて』
2025年12月3日 (水) イタリア文化会館(東京) 【上映作品】『ぼくの名前はラワン』

日本初の難民に焦点をあてた映画祭として2006年にスタートし、今年で20回目を迎える。これまで、270作品が上映され、10万人以上が参加した。JVTAは第3回(2008年)からプロボノ(職業の専門性に基づく知識や経験などを生かして行う無償の社会貢献活動)で字幕制作に協力し、映像翻訳者ならではの支援のカタチを続けてきた。今年も9作品のうち、7作品の字幕翻訳に携わっているほか、青山学院大学と明星大学の学生に同映画祭の上映作品の字幕制作の指導も行っている。また、JVTAの広報スタッフと受講生・修了生7名が同映画祭の広報サポーターとして活動した。
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※国連UNHCR協会のサイトに取材記事が紹介されました。
◆【第20回難民映画祭】字幕翻訳と広報サポーターで修了生が活躍中!
※JVTAが携わる今年の活動を一挙紹介しています。
公式サイト:https://www.japanforunhcr.org/how-to-help/rff
◆フィンランド映画祭
2025年11月8日(土)~ 14日(金)
ユーロスペース

上映作品には、今フィンランドで話題の選りすぐりの傑作がラインナップ。フィンランドの映画業界で最も権威のあるユッシ賞(フィンランド・アカデミー賞)の受賞作品や2026年アカデミー賞最優秀国際長編映画賞のフィンランド代表に選ばれた傑作を日本で観られる貴重な機会となっている。JVTAは毎年、この映画祭に字幕制作で協力しており、今年も全5作品の日本語字幕を担当した。
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公式サイト:http://eurospace.co.jp/works/detail.php?w_id=000934
◆第3回ヘルヴェティカ・スイス映画祭
2025年11月22日(土)~11月28日(金)
神戸・元町映画館

主催するのは、スイスで新旧の日本映画を上映する唯一の日本映画祭「GINMAKU日本映画祭」を2014年から開催する松原美津紀さん。スイスと日本に関する映画を上映する映画祭を両国で、しかもたった一人で運営するという稀有な存在だ。今年の上映作品は、スイスという国を、映画を通して多面的に見てもらうという視点から選定したという。JVTAは第2回となる2024年から日本語字幕制作を担当しており、今年は全6作品のうち、日本初公開となる4作品の字幕を7人の翻訳者が手がけた。
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公式サイト:https://www.h-sff.com
◆映文連 国際短編映像祭/International Corporate Film Showing 2025
2025年11月27日(木)
新文芸坐

上映されるのは、企業や団体のPR映像をテーマにした短編18作品。The WorldMediaFestivals(ドイツ)、 US International Awards(アメリカ)、Cannes Corporate Media & TV Awards(フランス)、AutoVision Awards(ドイツ)といった世界を代表する企業映像祭において今年度受賞した作品を中心にラインナップされている。JVTAは全18本の日本語字幕と公式サイトの作品紹介の解説文の作成とその英訳を担当し、9人の翻訳者が手がけた。(一部字幕のない作品もあり)。
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公式サイト:https://www.eibunren.or.jp/icfs/icfs2025.html
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